スポーツ
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スポーツ 2015年08月29日 14時00分
甲子園で特定の席を独占 マナー違反をする観客の集団
夏の高校野球は『第2章』へ。 全国高校野球選手権大会で活躍した精鋭を集めた高校日本代表チームが招集された。同代表は8月28日からU-18ワールドカップで優勝を目指す。 夏の甲子園はスーパー1年生の清宮幸太郎(早実)をはじめとした有力選手らの活躍で例年以上に盛り上がった。球場は連日満員御礼となり、始発電車で球場へ駆けつけても、お目当ての席に座れないという観客がいたほどだ。その余波であろうか、一部で観客同士のナワバリ争いが激化していた。 「私設ファンクラブが観客席を仕切っているというか…」(現地入りした記者) その私設ファンクラブの面々は、連日バックネット裏に近い8号門前に寝泊まりし、開門と同時に“お決まりの席”へと走り出す。その数人のグループはテレビの中継画面で言うと、右バッターボックスの後方の席を開幕から決勝戦まで常に独占していた。 そのうちの一人は、蛍光色の帽子を着用し、ラガーシャツという目立った格好をしている。高校野球ファンや取材陣の間では、知る人ぞ知る有名人、通称『ラガーさん』だ。 そのラガーさんは「私設ファンクラブの正式な一員ではない」(スポーツ紙記者)との情報も聞かれたが、その他のメンバーは他観戦者と衝突している。 「自分たちが座る場所から他のところに行けと脅された、ナワバリ意識が強く、他観客を近づけないよう、勝手にテープを張ったとか。高野連に苦情を寄せたファンもいました」(同) 高校野球の大会中、甲子園球場は自由席となる。したがって、ネット裏席のチケットを購入したファンには、全員平等にどの席でも観戦できる権利がある。一部の人間だけで特定の席を独占していることは、決していいことではない。「ラガーさんはマナーを守っている」との声も聞かれたが、 「ラガーさんは都内在住者で、大会に合わせて甲子園入りしています。入場門前で寝泊まりしており、銭湯やラインランドリーに行く際は仲間が順番確保をしています。他の観客からすれば、マナー違反をしている連中と変わりません」(同) という厳しい声も聞かれた。 高野連は注意喚起をしていないという。そのほうが問題ではないだろうか。 「非番の地方紙記者が取材プレス証で観戦し、ペナルティが課せられました。某民放TV局は取材禁止エリアで取材をしていたため、厳重に処罰されました。大会主催の朝日新聞社の記者にもペナルティが課せられる規則違反がありました」(同) 観戦するファンと報道陣は立場が異なる。規則違反を犯したメディアは反省しなければならないが、マナーに反する観戦者に注意が与えられなければ、その周りで観戦している大多数の観客は、高校野球を楽しめない。 「今年は例年になく、取材違反が続出しました。清宮くんに関する情報、他メディアに出ていないエピソードや独占でのコメントが欲しい、と各社とも躍起になっていました。違反者続出はその影響では」(関係者) かつて五輪観戦では選手との特別な関係を吹聴する奇妙な自称応援団長もいた。スポーツは適度な距離を保ちながらノンビリと観戦するのがいちばん楽しいと思うのだが…。
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スポーツ 2015年08月28日 14時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 中5日“特別待遇”で投げても防御率は平均レベル 迷走が続く田中将大7つの疑問
勝ち星にこそ恵まれているが、ニューヨークヤンキース田中将大の調子が一向に上がってこない。今回はその原因を探っていきたい。 Q1:今季のノルマは? A:(1)防御率3.00以内 (2)200イニング以上 −−田中は「年俸2200万ドル(26億4000万円)のエース」という立場なので設定される数字も高くなるが、8月13日現在の防御率は3.79で、先発投手の平均値(4.03)より多少いいという程度だ。先発4番手ならこれで十分だが、エースの防御率としてはかなり低レベルな数字だ。 Q2:エースとして機能しているか? A:していない −−エースはフルシーズン先発の柱となってローテーションを牽引する。どのチームも一番実力のある投手をより多くの試合に登板させたいため、大半のエースは中4日の登板間隔で回転する。田中の現状は、こうしたエース像とは程遠い。 今季先発した16試合のうち、中4日で登板したのはわずか2試合で、それ以外は中5日以上の登板だ。メジャーでは先発投手は中4日で回すのが基本なので、ローテーションの中に一人だけ特別扱いされて中5日で登板する投手がいると、他の投手にしわ寄せがいく。 いちばんの被害者は先発2番手のマイケル・ピネダだ。肩の故障で'12年と'13年の2年間、1度も登板がなかった故障リスクの高いピネダだが、田中を中6日で投げさせることが優先されたことにより、今季は4月から中4日で酷使され続け、7月下旬についに前腕筋を痛めてDL入り。復帰は9月下旬になる見込みだ。 田中を中5日で使う場合、ロングリリーフの投手を6人目の先発にして回すことが多くなる。そうなるとリリーフ投手が一人減るためセットアッパーや中継ぎ陣の登板頻度が増し、故障リスクが高くなることも大きな問題だ。 Q3:田中だけが中5日で使われている理由は? A:中4日で使うとヒジの靭帯を再度痛めるリスクが高くなるから −−もし、ひじの靭帯を再度痛めてトミージョン手術を受けることになれば、13〜15カ月、戦列を離れることになり、球団はその間の俸給2500万ドル(30億円)をドブに捨てることになる。それを避けるため、ヤ軍は田中を中5日で使い続けることを選択したのだ。 Q4:年俸に見合った働きをしている? A:今季の働きは年俸の3割程度 −−田中は、貢献度を示すWARが、シーズンの70%が終了した8月13日の時点で1.3だ。WARは1.0が400万ドルなので、今季は、8月13日までに520万ドル相当の働きをしたことになる。年俸の70%は1540万ドル(18億円)なので、田中は年俸の3割程度しか働いていないことになる。 Q5:勝利数が多いのは投球内容がいいから? A:ノー。最大の要因は得点援護の多さ −−投球内容がイマイチなのに、8勝もしているのは、味方打線がたくさん点を取ってくれるからだ。 得点援護(RS)は5.13で、多い投手のリーグ十傑に入っている。これくらい味方が点を取ってくれると6回ないし7回を3点以内に抑えれば、かなり高い確率で勝ち星が転がり込んでくる。米国では価値の低い勝ち星を「チープ・ウィン(安っぽい勝利)」と呼ぶが、今季の田中はそれが多い。 Q6:防御率が冴えないのにまだ口うるさいニューヨークのメディアからバッシングされないのは、なぜ? A:もっと働きの悪い超高額年俸投手がいるから −−NYのメディアは口うるさいことで知られるが、田中の働きの悪さをやり玉に挙げる記事はほとんど見られない。これは先発3番手のサバシアのおかげだ。 サバシアは元エースだが、ここ数年は衰えが顕著。今季は年俸2300万ドル(25億円3000万円)なのに、序盤から防御率が5点台に張り付いたまま下がる気配がない。メディアやファンのフラストレーションは今のところ、この不良資産化した大物に向いていているので、田中はその恩恵にあずかっている。 Q7:今季目立つ「一発病」の原因は? A:速球系(フォーシーム、ツーシーム)の失投が多い −−田中は手首の故障が癒えて6月3日に復帰したあと、失投をスタンドに運ばれるケースが目立って多くなり、6、7月の2カ月間で13本も一発を食った。多いのはツーシームでカウントを稼ぎにいったのが甘く入って痛打されるケースだ。米国のメディアも関心を寄せており、スポーツ専門局ESPNは「この一発病は田中とヤンキースにとって深刻な問題になる恐れがある」と指摘している。 ここでいう「深刻な問題」とは、シーズン終盤に予想されるブルージェイズ、オリオールズとの地区優勝争いで、田中がたて続けに一発を食うリスクだ。両軍はメジャー1、2を争う重量打線のチームで、田中は7月23日のオリオールズ戦では8回途中を投げて勝ち投手になりながら、ソロホーマーを3本食らって3失点している。 田中の速球は平均147.5キロ。メジャーでは遅い部類に入るので、甘く入ると一番タイミングを合わせやすいボールになる。終盤の地区優勝を争う試合で結果を出せるかどうかは、一発病を克服できるかどうかにかかっている。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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スポーツ 2015年08月28日 12時04分
まだ信じられない阪神・和田監督の続投説
阪神・和田豊監督(52)が続投の方向で固まりつつあるとの一報が伝えられた。しかし、これはまだ、最終決定ではないという。たしかにそのニュースは<坂井オーナーがペナントの行く末を見て、最終的に決断する>と含みのある言い方で締められていたが、「ひと波乱起きるはず」と見る関係者は少なくない。 「僅差とはいえ、100試合を過ぎてセ・リーグ首位に立っています。このまま優勝、日本シリーズ進出となれば話は別ですが、近年、阪神は終盤戦の勝負どころで失速する傾向があります。それに、6月の株主総会(本社)でも、出席者から『監督交代』を求める発言がされています」(プロ野球解説者) 人気球団では、監督人事も集客の一環となる。メディアと組んで監督の続投、交代や、人気OBの名前を出して「コーチ入閣説」の見出しを立て、ファンの反響を探るという。仮に今回の和田監督の続投報道が“観測気球”だったとすれば、先の株主総会ではないが、和田監督の人気を改めて探り、反対の声が出るか否かを探っているのかもしれない。 「阪神は球団創設80周年のメモリアルイヤーを戦っていますが、年間指定席の売れ行きが芳しくなかった。観客動員数は微増といったところ」(球界関係者) 和田監督の采配に関する評価だが、 「終盤戦の勝負どころで失速したが、昨季はCSを勝ち上がり、日本シリーズにコマを進めています」(前出・同) と、評価する声も聞かれた。 8月20日(対巨人20回戦)、和田監督はロースコアの投手戦をモノにできなかった。藤浪晋太郎と菅野智之の投手戦は見応え十分だったが、阪神打線が好機を自ら潰してしまった感もしないではなかった。 7回一死二塁では7番・江越に代打を投入したが、凡打。続く8番・鶴岡には代打を出さず、残塁…。9回も同じく得点圏に走者を置いた一死二塁で、途中出場で守備に入っていた俊介をそのまま打たせてライトフライ。ここで、代打に新井を出したが、菅野は2アウトを取った時点で息を吹き返していた。 「なぜ、代打の切り札である狩野を使わないんだ!?」 そんな声がネット裏で飛び交っていた。 このチグハグな代打起用が、12奪三振、141球と踏ん張った藤浪を見殺しにしてしまった。 「一方の原監督は得点圏に走者を背負った7回には自らマウンドに行き、檄を飛ばし、8回裏の一死満塁の場面で高橋由を代打に送りました。高橋由の代打は失敗したが、球場の雰囲気は確実に変わりました」(前出・プロ野球解説者) この試合を落とし、阪神は今季の対巨人戦での負け越しが決まった。改めてデータを見直してみたが、4年連続の負け越しだ。ということは、和田監督はまだ一度に巨人に勝ち越したことがないわけだ。 ファンを納得させ、かつ気持ち良く続投を勝ち取るには優勝が必須条件となりそうだ。
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スポーツ 2015年08月27日 14時00分
セ・リーグが予告先発を廃止か? 低レベル最多勝争いに危機感
セ・リーグが予告先発を廃止するかもしれないという。 セ・リーグの優勝争いは8月17日時点で阪神タイガースが抜け出しつつあるものの、いまだに混戦が続いている。最多勝争いも阪神の藤浪晋太郎が10勝を挙げてリードしているが、2桁勝利を挙げているセ・リーグの投手はこの藤浪のみ。各チームのエースが勝利数を思うように積み上げられていない。 「このまま行けば、今年のセの最多勝投手は、昨年同様に13勝程度かもしれない」(ベテラン記者) 昨年の最多勝は阪神のメッセンジャーと中日ドラゴンズの山井大介が挙げた13勝。この勝利数での最多勝は、2リーグ制になってから最も少ない数字だ。 「9勝を挙げている菅野智之は、2ケタ勝利一番乗りを掛けた13日の対DeNA戦で、9回に逆転アーチを許し、敗戦投手となりました。菅野と広島のジョンソンは1点台の防御率をキープしており、防御率3位の前田健太も2.31と好成績です」(同) 要するに、どのチームも打線が振るわず、エースが登板した試合で援護できない状況が続いているのだ。 そこで浮上してきた改善案が、予告先発制をやめるか、ということだという。 「予告先発制なら、その投手の名前でお客さんが呼べる試合ができてくる。営業的利点も大きいが、対戦投手の研究をする時間を十分に与えるのと同じなので…」(球界関係者) 先発投手を明かす不利益はどのチームも同じのはず。とはいえ、各球団のエースが勝ち星を上げられない状況は芳しくない。セ・リーグはパ・リーグにならって予告先発制を導入したが、その際にもファンに「先発投手を予想させる醍醐味がなくなる」という懸念が指摘されていた。予告制発制が廃止されるとなれば、「やっぱり」と思うファンも少なくないだろう。しかし、先発投手たちは「いまのままがいい」という心境だという。 予告先発制のパ・リーグ投手だったプロ野球解説者が予告先発について説明する。 「ハッキリ言って、プロ野球チームのスコアラーは例外なく優秀だから、先発投手を伏せていても、次の試合に誰が投げるかは見抜いています。外すとしても、1年に1回か2回。ローテーションもあるし、試合前の調整を見ていれば分かります」 スコアラーがお見通しなのであれば、予告先発制を止める理由はない。このままファンに情報を提供し、営業につながる予告先発は続けるべきなのではないか? 「相手チームに読まれていても、あえて隠すというポーズをしなければならないんです。投げ込み練習を故意にやらなかったりとか。その気苦労がなくなるだけでも、予告先発制には意義がある」(同) セ・リーグも、予告先発制になって投手の気苦労がなくなった。しかし、予告先発がなければ、先発ローテーションを崩して、若手や中継ぎ投手を先発させる奇襲が可能だ。 奇襲が必要とされるチームは正攻法で勝てないチーム。それはすなわち弱いチームと言える。今年のセ・リーグは交流戦でもパ・リーグに大きく負け越した。セ・リーグが予告先発制を見直す動きが出てきたのは、6球団が揃って弱くなったということだろうか。
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スポーツ 2015年08月26日 14時00分
中日・山本昌“悲劇の降板”で加速する落合GMの中年選手総斬り
8月9日、中日・山本昌(50)の「世界最年長勝利記録」更新(それまではメジャーの49歳5カ月28日)を見ようと集まった3万7634人の大観衆は溜め息をついた。左人指し指を自分の足にぶつけて突き指するという信じられない失態で、降板したのである。 「中日フロントは記録達成に備え、花束贈呈や記者会見の準備も進めていました。今年の中日の目玉は、ベテランたちの記録達成にありました。和田一浩の2000本安打、谷繁元信兼任監督の通算試合出場の日本記録更新。山本の勝利は、その真打ちでもあったのです」(名古屋在住記者) ここで気になるのが、落合博満GM(61)の出方だ。これで今シーズンオフ、例年以上に厳しい中日の“大粛清”が避けられなくなったというのだ。 中日は現在、混戦セ・リーグから1球団のみ脱落し、最下位独走となっている。戦力補強の統括者はもちろん落合GM。しかし、「後ろ楯である白井文吾オーナーの続投が決まり、落合GMに関する批判はタブー」(球団関係者)だという。 「和田、小笠原道大、荒木雅博、川上憲伸らのベテラン勢が“大粛清”の標的。谷繁もいつまでも兼任監督を続けられるわけではない。彼らを昨年オフに慰留させたのも落合GMだが、『チャンスをものにできなかったのは自分の責任』とでも言って、おしまいでしょう」(前出の記者) そのクビ斬りの動向を見守っている球団がある。ライバルの巨人だ。 14日の中日戦で、落合GMから解雇通達された吉川大幾(22)が3安打2打点と活躍し、ドラゴンズ関係者を黙らせた。同じく昨年オフ、中日を追われた堂上剛裕も代打、対右投手用の外野要員として活躍しており、巨人からすれば元中日選手は“宝の山”状態。自身が解雇した選手が活躍すれば、落合GMに対する心理戦の武器にもなる。 「内野手の頭数が足りていない巨人で、アライバコンビ(荒木雅博と井端弘和)と堂上兄弟を復活させるプランが持ち上がっています。新人・遠藤一星の台頭により、昨年の契約更改で落合査定にケチをつけた大島洋平も危うい」(同) 吉川は「中日のおかげ」とヒーローインタビューで言葉を選びながら喋っていたが、内心は違うはず。山本昌はもう一度登板する方向だが、その結果次第では、東京で“反落合・反中日同盟”が結成されそうだ。
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スポーツ 2015年08月26日 11時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈ガッツ石松“幻の右”誕生秘話〉
今では“ガッツポーズ”というと片方の手で握り拳を作る姿形を思い浮かべる人が多いだろうが、本来はそれとは異なる。ガッツ石松が世界戦に勝利した際、リング上で飛び跳ねながら両腕を頭上に掲げる姿を、当時のスポーツ紙が『ガッツポーズ』と記したのが最初。つまり両腕で行うのが正しいスタイルなのだ。 言葉自体は“ガッツボーリング”なるボーリング専門誌が使ったのが先だともいわれるが、日本全国にこれを広めたきっかけが石松であることには違いない。芸能タレントとしての振る舞いしか知らない人には意外かもしれないが、ボクサーとしての石松は、時にクレバー過ぎるほどの選手であった。 世界初挑戦となった1973年、WBA世界ライト級王者だった伝説の名ボクサー“石の拳”ロベルト・デュランと対戦した際のこと。試合開始早々、数発の拳を交えたところで実力の差を思い知った石松は、そこからいかにダメージを受けずにリングを下りるかということばかりを考えていたという。 他でも、形勢が悪くなると試合そのものを投げ出すことが度々あって、そもそもリングネームの“ガッツ”は、そんな試合ぶりに業を煮やしたジム会長が「もっと根性を見せてみろ!」との意図から命名したものだった。 東洋ライト級王者時代、池袋で8人のヤクザ者を石松たった一人で倒したという伝説の私闘でも、相手に周りを囲まれないよう建物の隙間に入って一人ずつ倒していったという逸話が残っている。 このことからも、世間から“おバカタレント”扱いされる石松とは全く異なる実像が見えてこよう。 ボクシングスタイルは、しっかり左のリードブローを放ち、相手を止めたところで右の強打という純正統派。今の石松からは“本能のまま戦う野獣”のようなイメージを抱くかもしれないが、実は足を使ったアウトボクサーであり、本人はこれについて「モハメド・アリを参考にした」とも語っている。 石松の代名詞となった“幻の右”も、アリの“ファントムブロー”−−左ジャブを戻すよりも先に右のフィニッシュブローを放ち、相手にパンチを予測させないという、それにヒントを得たものだった。 とはいえ、一朝一夕でアリの真似などできるはずもない。そのため練習量は他の選手とは比較にならないほど多かったと当時、トレーナーを担当したエディ・タウンゼントは述懐している(ただしランニングだけは嫌いで、汗をかいたと装って公園で水道水をかぶって帰ってくることもあったとか…)。 清水次郎長の子分、森の石松を模した三度笠姿での入場が話題を呼び、勝利者インタビューでの朴訥とした話しぶりから一躍人気者となった石松は、そうしたキャラクターの部分だけでなく、実績面でも相当なものだった。選手層の厚いライト級での王座防衛回数5回、それも各国の英雄と呼ばれるような選手たちを撃破してのものだけに価値は高い。歴代日本王者と比べてもトップクラスの戦歴と言えるだろう。 王座戴冠となったのは'74年4月11日、東京・日大講堂でのWBC世界ライト級王者ロドルフォ・ゴンザレス戦。この試合まで石松の戦績は26勝11敗6分。メキシコの英雄ロドルフォと比べて圧倒的不利と予想されたが、いざゴングが鳴ると互角か、やや石松有利で試合は進んでいく。 毎ラウンド打ち合いが続き、会場はヒートアップ。そして第8R。疲れから動きの鈍った王者を石松の左右の連打が捕えて、ついにダウンを奪った。 「このとき、レフェリーのカウントが遅かったことにブーイングなどはなかったのですが、次の場面に問題が起こりました」(スポーツ記者) 何とか起き上がった王者に石松が詰めていくと、目立った追撃もないまま王者は再びダウン。最初のダウン時の石松のパンチが効いていたわけだが、これをレフェリーは「パンチを受けずに倒れた」=「スリップダウン」とジャッジ。そうしてマットにのびた王者の手を取って引き起こそうとまでしたのだ。 当然セコンドは猛抗議するが、石松はこれを制して一言、「倒すから大丈夫」。 宣言通り、再開と同時の猛ラッシュで王者をリングに這わせたのだった。
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スポーツ 2015年08月25日 14時00分
阿部慎之助はこのまま引退か? 集中指導で晒し者にされプライドもズタズタ
8月10日、衝撃的な指導が巨人の阿部慎之助(36)を待ち受けていた。 同日、試合のなかった巨人は、ジャイアンツ球場で野手陣の合同練習を行った。「本当は休日だった」とのことだが、チーム打率がリーグワーストであるため、休日返上となったのだ。 「このところ、左投手が出てきたら、村田修一、右投手なら阿部という使い方が増えてきました。ベテランの不振が長引いており、巨人は世代交代の時期にあるのかもしれませんね」(プロ野球解説者) 阿部はこの時点で打率2割3分6厘、9本塁打。月間打率も1割2分5厘と落ち込んでいた。その阿部が打撃ゲージに入ったときだった。マシン側に村田総合コーチと高橋由兼任打撃コーチが移動し、原監督も三塁側からスイングを凝視、さらに遠巻きに清水打撃コーチも視線を送っていた。コーチ総出で見つめられての打撃練習である。 「練習開始前、村田、清水両コーチは阿部の映像を見て、いろいろと議論していた」(チーム関係者) 清水コーチは「体の開きを抑えて振ってみたらどうか」とアドバイスを送った。一段落つくと、高橋兼任コーチが近づいて話し始め、阿部は小さく何度か頷く。アドバイスを送っていたようだが、両者とも何を喋ったのかは明かしてくれなかった。 「阿部の立場からすれば、後輩の選手たちが見ている前で集中的に指導されたわけですから、面白いはずがない。精神的にも落ち込み、逆効果にならなければいいんですが。まあ、阿部がガンガン打っていれば、こんな羞恥も受けずに済んだんですが」(スポーツ紙記者) 集中指導が行われた後の15日の対中日戦ではこんな場面があった。追い掛ける展開の巨人は、六回に一死満塁の好機を迎えた。中日の先発左腕の浜田から、右腕の山井に代わったところで、代打に阿部が告げられた。しかし、結果は最悪の二ゴロ併殺。試合後に原監督は「0点じゃあね。難しいですよ。結果はよくなかった」とボヤいた。 好機を潰した阿部は「チャンスを潰してしまい、申し訳ない」と足早にバスに乗りこんだ。 「阿部は村田の代打で登場しました。代打を送られた村田のプライドも考えると、良策ではありません。阿部、村田の両ベテランを精神的に追い込んでしまったかもしれない」(同) 阿部は今季から一塁手にコンバートされたが、チーム事情によって再び捕手を務め、また一塁に逆戻りという宙ぶらりんな状態が続いている。こうした首脳陣のチグハグな起用が打撃にも影響を与えたかもしれない。 今季残り40試合を切った8月下旬、阪神タイガースが優勝争いで抜け出しつつある。今季の阪神は補強に失敗し、思ったような戦力の上積みができなかったのだが、ライバルの巨人がもたついたおかげなのかもしれない。 「阿部は将来の監督候補の一人。このまま打撃不振が長引けば、プライド、チーム内での存在感にも影響が出かねない。引き際を考えたとしてもおかしくはない。監督候補のまま辞めたほうが今後のため」(同) 原監督は阿部の代打策に失敗した15日の試合後、「愚痴ってるわけじゃないけど」と自らきりだし、こう締め括った。「こういう負けは慣れてるから。行くぜっ!」と。 開き直りで結果が出ればいいのだが。
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スポーツ 2015年08月25日 11時00分
渡部香生子の大躍進で水連から消える北島康介の名前
水泳・世界選手権の200メートル平泳ぎで金メダルに輝いた渡部香生子(18)が、来年開かれるリオデジャネイロ五輪の代表権を獲得した。 「かつて日本のお家芸だった女子マラソンにメダルを狙える逸材がいないため、渡部が五輪中継の主役になりそう」(民放TV局員) 渡部の活躍は“北島時代の完全終焉”も意味する。 「日本競泳界の精鋭が世界選手権でロシアに出発したころ、北島康介(32)は地方で開かれた実業団大会に出場、100メートル平泳ぎで大会新をマークしました。もっとも、その記録は世界選手権なら入賞も厳しいものでしたが」(JOC関係者) 男子トップの座も荻野公介(20)に奪われた。渡部の台頭が“北島終焉”を指す理由だが、それは代表ヘッドコーチの平井伯昌氏(52)にもかかわってくる。 「平井氏は今年5月、強化トップの上野広治氏が退任する際、その親密関係を理由に『自分も代表コーチを辞める』と公言していました。上野氏の退任にも不可解な点があるんですが、その後、平井氏は態度を一転させ、競泳強化担当のトップになりました」(同) 平井氏は北島を育てた名伯楽だ。北島とともに出世し、荻野らの育成にも携わってきた。しかし…。 「有望な強化選手がいると、自身の水泳クラブに引き抜いてしまう。だから、平井氏を快く思わない連中もいないわけではない」(同) リオのスター候補・渡部は平井氏の影響を受けていない選手でもある。 渡部は世界選手権の開幕1週間前までスペインでの高地トレーニングを実施。この調整法は北島が流行らせたものだが、「平井氏はこの特殊調整法は自分しか教えられないとでも言いたげだった」(関係者)そうだ。しかし、別コーチが帯同した渡部は高地トレを成功させ、平井氏だけが特別ではないことも証明されたのだ。 「渡部は個人メドレーでリオ五輪のメダルを狙っています。平泳ぎと足を上下に動かす違った泳ぎを両立でき、今まで日本にいなかったタイプです」(同) 渡部が今後も活躍すれば、一種目に特化した北島スタイルは廃れていくだけだ。
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スポーツ 2015年08月24日 14時00分
“超高校級投手2人”をめぐりトラで内紛勃発の怪
左右の超高校生投手をめぐって、夏の甲子園大会の“番外編”が始まっている。 実は、東海大相模(神奈川)と聖光学院(福島)の一戦は、ネット裏をざわつかせていた。阪神・中村勝広GM、佐野仙好統括スカウト、畑山俊二スカウトらの一行が陣取っていたのだ。 お目当ては、3年生になって急成長した好左腕・小笠原慎之介(東海大相模)。坂井信也オーナーも一行に加わっており、虎トップ直々の視察は4年前の藤浪晋太郎の1位指名を思い出させる。しかし、今年の阪神は一枚岩ではないという。 「年始の同校練習始めにも阪神スカウトは顔を出しており、誠意は伝わっています。坂井オーナーは本社始業前の僅かな時間を縫っての視察。小笠原は救援登板だったため、実際に見ることはできませんでしたが…」(球界関係者) 前述通り、地方大会で散ったが、右投手のナンバー1は高橋純平(県岐阜商)、左はこの小笠原だ。スポーツライター・豊島純彦氏が、小笠原をこう評する。 「2回戦の投球内容は良くなかった。9回一死からの登板だったので力勝負に出たせいかもしれませんが、県大会とは対照的にボールが高かった。でも、彼に対するスカウトの高評価は変わらないでしょう」 ところが、阪神スカウトは小笠原一本に絞りきれない。東海大相模は、ライバルの巨人・原辰徳監督の母校でもあるからだ。 「巨人が本気になれば、菅野智之(巨人)をドラフト浪人させた“ウルトラC”もやりかねない。阪神は2年続けて左の先発タイプを1位指名したので、中村GMは右投手か、左打ちの内野手を狙っていました。東海大相模には吉田凌というドラフト候補の好右腕もいる。小笠原を褒めちぎっていたのはフェイクで、本当は吉田の視察が目的だったのでは」(他球団職員) また、中村GMは'14年から'15年オフの補強に全敗しているため、1位候補の絞り込みを一任しにくいという。同日、中村GMと虎視察団は、その足で球団事務所に向かい、スカウト会議も開いている。阪神関係者によれば、「高校生の指名候補は30人程度に絞り込まれたが、肝心の1位候補は大学生、社会人にも好選手が多いので結論は先送りになった」というのだ。 「1位候補でスカウトの意見が分かれた場合、阪神はオーナーに一任する伝統があります。オーナーが小笠原目当てで球場入りしたのなら、直接見ることができなかったとしても、彼で決まるのではないか。しかし、関東地区担当を除けば、阪神で小笠原を直接見たスカウトは少ない。その点では、虎の本命は高橋純平かもしれない」(前出・他球団職員) その高橋は怪我に泣き、岐阜県大会では投げるかどうかが微妙だったが、虎スカウトは登板の確定情報がないまま球場入りしていた。 逆に、高橋に早くから密着していた日本ハムスカウトは「高橋が投げる試合」のみ、ピンポイントで球場入りしてみせたのだ。この日ハムの動きに、虎側は「ヤバイ」と焦り、“高橋詣で”の出遅れは取り返せないと考えて小笠原に切り換えたのかもしれない。 「当然、巨人の出方も気になります。衰えが顕著な内海、杉内の両左腕の後継者として競合覚悟で小笠原に行くと思われますし、阪神は藤浪以降、クジに外れてばかりなので抽選を嫌う傾向も強まっています」(前出・球界関係者) 平沢大河(仙台育英)、オコエ瑠偉(関東第一)の高校生野手も甲子園で評価を上げ、注目が集まっているが、1位の絞り込みに迷っているのは虎スカウトだけのようだ…。
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スポーツ 2015年08月24日 11時00分
澤穂希結婚報道の裏に蠢く逆風ハリルジャパン幹部の陰謀説
女子サッカー・なでしこジャパンのレジェンド、澤穂希(36)が8月11日、結婚を発表した。しかし、これが日本サッカー協会の“陰謀”だという説がある。 「厳密にいえば、協会は『澤の結婚』というおめでたい話に乗っかったというか、利用したフシがあるのです」(協会担当記者) 澤の結婚発表の2日前、日本サッカー界の本丸である男子代表は、東アジアカップで中国と引き分け最下位に沈んだ。最下位は'03年に同大会が開催されて以来、初めてのこと。当然、この屈辱を受けて協会内では、バヒド・ハリルホジッチ監督(62)の進退を巡るキナ臭い話も駆け巡っており、それを掻き消すために澤の結婚報告を利用したというのだ。 「お相手の辻上裕章さん(38)は身内みたいなものですから、交際をスタートさせた昨年末から、2人の行方を見守ってきました」 関係者がこう語る日本サッカー協会は、ワールドカップなどで大敗する度に次期監督招聘の話を早々に持ち出すなどして、惨敗ムードを待望論にすり替えるメディア工作を行ってきた。この“得意技”に、メディアやファンは何度ダマされてきたことか…。 「9月3日には、W杯アジア二次予選(対カンボジア戦)を控えている。何も手を打たなければ、この試合まで東アジアカップの惨敗ムードを引きずるでしょう。カンボジア戦は日本開催なので、観客動員にも影響しかねないため、“奥の手”を使ってきたと見る向きもあります」(専門誌記者) なでしこの事情に詳しい記者はこう話す。 「澤は、もともと女子ワールドカップの前後に結婚発表を予定していたのでしょう。ただ、W杯前だとプライベートなことでピッチを騒がせてしまう。大会直後も挨拶回りなどのスケジュール調整が必要で、男子に迷惑を掛けない日程も協会側の意向を踏んだ上で11日の発表になったのでは」 しかし、協会は今回の便乗&掻き消しで、“別の恥部”を晒してしまった。 「澤を射止めた辻上氏は、元Jリーガー。J1仙台の強化育成担当として裏方人生を歩んでいるが、その前には共同通信などのメディアにも出向していた。つまり、協会は身内に自分たちのことを報道させてきたわけです。今回も“陰謀”だとしたら相当タチが悪い」(前出・専門誌記者) 都合の悪い話は、こうしてもみ消されるのだ。
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