スポーツ
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スポーツ 2015年07月20日 16時00分
オールスター開催記念 特別企画 プロ野球「光」と「影」 季節外れの「戦力外通告」 〜監督の期待に応えられなかった男たち〜(2)
話題先行なら千葉ロッテの田中英祐もいる。“京大卒”で大注目されたが、やはり即戦力ではなかった。田中の年俸は1500万円。内定を取り付けていた三井物産に進み、安定した人生を送っていたらどうなったか。同社の平均年収は1200万円強。平均勤続年数20年を全うすれば、約2億5000万円を得る計算だ。契約金が約1億円といわれる田中は、安定した生活を選んだ際の半分弱をすでに得た計算になり、たとえ次の人生に進んだとしても悔いはないだろう。 「斎藤佑樹は悔いが残るはず。田中マー君の現年俸は約23億円。斎藤の年俸は田中の約5日分」(スポーツライター・飯山満氏) 千葉ロッテは過渡期にある。井口資仁は1億8000万円、サブローは1億3000万円。高給取りのベテランの出場機会は減るばかりで、観客動員数も伸び悩んでいる。京大・田中を指名した理由は、このあたりにもあったようだ。 「楽天・星野仙一シニアアドバイザーの年俸が1億円ともいわれています。選手よりも高い年俸ですから、前半戦不振の戦犯はこの人で決定かも」(前出・飯山氏) 三木谷浩史オーナーは費用対効果の低いビジネスを嫌うという。それゆえ最下位はいただけないのだが、費用対効果の言葉は巨人も意識した方がいい。 大竹寛=3年契約年俸1億円の2年目、杉内俊哉=4年契約年俸5億円の4年目、マシソン=2年契約年俸1億5000万円の2年目、内海哲也=4年契約年俸4億円の3年目、片岡浩大=2年契約年俸9500万円の2年目、阿部慎之助=2年契約年俸5億1000万円の2年目、村田修一=3年契約年俸3億円の2年目。ここに、キューバ政府への寄付金と化したセペダの年俸1億5000万円が加わる。これだけの大金を掛けて勝率5割ラインをウロウロしているのだ。 「内海が投げてから全部おかしくなっちゃったな。ずっと休んでおきながら、足が痛いから交代してくれだなんて!」 原辰徳監督は名指しで内海をそう批判した。この1カ月の戦いを振り返ってみると、オリックス戦で3タテを決め、セ首位に立ったものの、陥落。そのきっかけを作ったのが次カードのソフトバンク戦で“背信登板”した内海だった。 「足をつって自ら降板を申し出る醜態をさらして内海は即二軍落ちを通告されましたが、あれから1カ月以上たっても内海への不満が聞かれます。昨季も故障で遅れ、目下二軍戦でも5、6回を投げると3失点してしまう」(担当記者) チーム関係者は「練習は人一倍やっている」と言う。その通りだとすれば、内海は“年齢的限界”ということかもしれない。 年齢的な限界で思い浮かぶのは、いまや“ミスタータイガース”とよばれる阪神の鳥谷敬も…。メジャーに行く行かないの話も、はるか遠い昔のことのようだ。 「鳥谷は4億円で5年契約を交わしました。巨人に限らず、複数年契約を交わした途端、プロ野球選手は成績を落とします。巨人、阪神は複数年そのものを見直そうとしています」(前出・ベテラン記者)
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スポーツ 2015年07月19日 16時00分
オールスター開催記念 特別企画 プロ野球「光」と「影」 季節外れの「戦力外通告」 〜監督の期待に応えられなかった男たち〜(1)
「こんなはずじゃなかった!?」−−12球団の監督たちは、そう叫びたい心境だろう。パ・リーグはソフトバンクの独走を許しつつあり、セ・リーグは一時期、全チームが勝率5割を切る醜態。交流戦での惨敗ばかりが取り上げられるが、その原因の一つは主力・高額年俸選手の“誤算”だ。 快調に首位戦線を走るソフトバンクにしても、決して万全ではない。主力選手の裏切りは、チームを瓦解させかねない。 「松坂はソフトバンクだけではなく、日本中のプロ野球ファンを裏切ったとも言えます。松坂の帰還、復活を楽しみにしていたファンは大勢いて、その獲得に批判的だったフロントスタッフを説き伏せた王貞治会長をも裏切ったことになる」(ベテラン記者) 松坂大輔は6月末、工藤公康監督とリハビリ状況について話し合っている。工藤監督は対談後、記者団に囲まれ、対談の中身こそはぐらかしたが、「復帰の時期を来季に先延ばしした」(関係者)と明かした。“年俸4億円のリハビリ選手”の誕生である。 「2012年ドラフト1位の東浜巨が順調に育っていれば、松坂は獲得しなかったかもしれません」(スポーツ紙記者) 東浜はプロ3年目だが、通算登板数はわずか14。契約金1億円プラス出来高5000万円。出来高はゼロとしても、ホークスがドブに捨てたのは松坂の年俸だけではないのだ。 “給料ドロボー”はオリックスにもいる。今年、年俸3億5000万円で日本球界に復帰した中島裕之もその一人だ。 「渡米前の打撃フォームとは別人。守備にしてもショートを守る脚力は残っていない」(同・記者) '14、'15年オフに要した補強費は41億円強。中島の他、日本ハムからFAの小谷野栄一、DeNAのブランコ、広島のバリントンを獲得。ここにFA権を取得したエース金子千尋、クローザー平野佳寿の残留交渉が重なった。その両投手が故障、不振でシーズン序盤は戦力にならず、森脇浩司監督を途中休養に追い込んだ。 「計算外といえば、西武の岸孝之の故障も痛かった。年俸2億2500万円のエースがキャンプ初日にいきなり怪我ですからねぇ…」(前出・べテラン記者) 監督を裏切ったといえば、日本ハムの斎藤佑樹だろう。 7月3日に2度目の二軍降格。6月13日に一軍復帰した後、10試合に登板したが、防御率9点台。他の選手だったらとっくに“解雇”されていたはずだ。 「人気があるから解雇されない? 日ハムの看板選手は大谷翔平に完全に移っていて、モチベーションも落ちている」(前出・スポーツ紙記者) 「営業目的で指名した選手」との“残酷な証言”も聞かれ、斎藤の登板が観客増につながったとの話も聞かれなくなった。今秋のドラフト会議で超高校級の高橋純平投手(県岐阜商)が獲得できれば、決断するともいわれるが…。
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スポーツ 2015年07月19日 13時00分
自力優勝消滅の楽天も監督交代か? 決断リミットはオールスター期間
東北楽天ゴールデンイーグルスが7月12日のオリックスバファローズ戦に敗れ、自力優勝の可能性が消滅した。まだオールスター前にもかかわらず、首位ソフトバンクとのゲーム差は14.5と大きく水を空けられた。オリックスの大不振がなければ最下位に沈んでいてもおかしくない。そこで記者席では、首脳陣の人事で一波乱あるのではないかと噂されている。 「大久保(博元=48)監督の今後ですが、両極端に意見が分かれています。一つは、三木谷オーナーの強い推薦で就任したので長い眼で見るというもの。そしてもう一つは、たとえ大久保監督であっても、ビジネスライクに割り切り、責任の所在を明確にする、という意見です」(ベテラン記者) 楽天は2度、監督を1年で交代させた経緯もある。「厳しい措置は免れない」とする意見の根拠は、球界参入直後の田尾安志元監督の際のことがあるからだ。 「田尾さんを推薦したのは初代GMだったマーティ・キーナート氏ですが、それに三木谷オーナーも賛同しての就任でした。ただし、三木谷氏は決断するときは個人的な感情を挟まない」(同) 同じく三木谷氏がオーナーを務めるヴィッセル神戸では、シーズン中の監督交代が何度も行われてきた。チーム浮上の兆しが表れないようであれば、三木谷オーナーは大久保監督に固執する理由がないはずだ。球宴まで前半戦が勝負どころとなりそうだが、こんな声も同時に聞かれた。 「適当な後任が見つからない」 楽天は球団の歴史が浅く、監督が務まるOBは少ない。そうなると、元監督でもある星野仙一シニアディレクター(68)の存在がクローズアップされてくる。星野SDは、三木谷オーナーがまず一番にチームの今後を相談するであろう人物に間違いない。星野SD自身は「自らの現場復帰はない」と公言したことがあるため、監督を引き受けることはないと思われる。だが、チーム再建を誰に託すのかをアドバイスすることはできるはずだ。 「星野SDの強い影響を受けたコーチだと、二軍打撃コーチの仁村徹氏(53)がいます。外部招聘もあり得るが、三木谷オーナーは億単位の年俸を保障するような監督人事は、基本的に嫌いなはず」(前出記者) シーズン途中での監督交代となれば、橋上秀樹ヘッドコーチ(49)や、年長の田代富雄打撃コーチ(61)といったあたりが内部昇格して監督に就任する候補といえる。二軍打撃コーチの仁村コーチが抜擢されるようなことがあれば異例中の異例だ。 だが、反対に星野SDが大久保監督を全面バックアップする体制になるのではないかという見方もある。 「三木谷オーナーは星野SDに大久保監督の後ろ楯を託しているので、場合によっては、星野SDが大久保監督に救いの手を差し伸べる可能性はある。星野SDの人脈でチーム補強に乗り出すなど」(球界関係者) そうなった場合、楽天は星野SDの影響力を強く受けるチームに生まれ変わる。 「大久保監督は三木谷オーナーの御前試合で負け試合にも関わらず、松井裕樹を投入しました。三木谷オーナーに松井を育てているところを見せるためだとしたら、したたかな監督ですよ」(同) 現在、楽天には勝ち星が計算できる先発投手が則本しかいない。松井がクローザーで結果を出しても、救援転向にいまだ疑問の声が尽きないのはそのためだ。そういうところから大久保監督の手腕が疑われている。疑念を晴らすためには、星野SDが大久保監督と直接会談をし、真意を聞き出す必要もある。 昨夏も監督問題で揺れたが、楽天の人事はこれからまた一波乱ありそうな雰囲気である。
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スポーツ 2015年07月19日 10時00分
小塚桃子ゴルフ連載(41) 第八部・「ラフでの攻略法」
夏のゴルフで一番厄介なのが、深い粘っこいラフです。 ラフの上にボールが浮いている場合ならいいのですが、ラフにボールがスッポリ沈んでしまい、且つ粘っこいラフになると出すことが難しい…。 このような場合は、どうしても力任せになりがちで、飛距離が出ないのは勿論、飛距離どころか『チョロ』をしてしまいラフから出せずに大叩き…そんなことがよく起こりますよね。 私は、『ラフからのラフ』だと、『絶対にラフから出したい!!』と気持が強くなり、前回よりも更に力任せに力んでしまって、またラフから出せず…という経験があります。 このようなことにはならないためにも、覚えておくととても役立つラフの攻略法をお教えします。 ファーストショットや、セカンドショットを打ってボールがフェアウェイではなく、ライに転がってしまうと『えーーーっ最悪〜』ってなりますよね… ただ、ラフでも比較的浅いラフでボールが半分出ている場合、ティーアップされていると思うようにしているので、『ラッキー』って気持ちになります。 比較的浅いラフでボールが浮いている場合は、フライヤーといってクラブフェースとボールの間に芝が入る事により、ボールの回転数が少なくなり、ボールが飛びすぎてしまうので、クラブの番手を1〜2番手ぐらい下げる事をお勧めします。 若干深いラフでボールが3分の2以上、ボールの頭が出ているなぁというぐらいであれば何とか打てます。 いつもより、グリップを1センチ短く握り、しっかりと握り払い打ちます。テイクバックは小さめに抑えて、パンチショットのようにシャープなコンパクトなスイングをイメージしてください。かなり深いラフでボールがスッポリ沈んでいる場合は、通常のショットでは出ないと考えていいでしょう。 スイングは、大袈裟な程コンパクトにシャープに…ハーフスイングの振り幅で打ちます。グリップは2センチほど短く持ち、上から打ち込むのがポイントです。私はいつもこのラフの場合、バンカーショットのイメージをします。ボールの手前から叩きつけるようにイメージして打つ。飛距離はあまり出ませんが、この深いラフの場合は何よりもラフからの脱出を最優先させる事が賢明だと思います。 サンドウェッジや、ピッチングウェッジなどで確実にフェアウェイに戻した方がスコアにもつながるでしょう。番手の小さなクラブで打つ事が、一番確実な方法です。小塚桃子オフィシャルブログ「季節はずれのももリンダ」http://ameblo.jp/koduka-momoko/
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スポーツ 2015年07月19日 10時00分
照ノ富士の影で闘志メラメラ 名古屋場所で復権を狙う白鵬の意地
大相撲名古屋場所が7月12日から愛知県体育館で始まっている。今場所も15日間満員御礼は確実で、名古屋場所の全日満員は若貴フィーバーで盛り上がっていた平成10年以来、17年ぶりのことになる。 また、幕内の取組にかかる懸賞も地方場所では史上最多の1400本を超える見込みだ。 再沸騰ともいうべきこの相撲人気を下支えしているのが、先場所の覇者で新大関の照ノ富士。しかし、急に多忙になり、ストレスも増えたせいで右足に蜂窩(ほうか)織炎という化膿性の炎症を発症。「ヤバイ、疲れからかな」と漏らす時期もあったが、名古屋入り後は連日、40番近い稽古をこなすなど、すっかり回復している。 「調子は普通。いつも通りだよ」と、ケロリとした顔で話し、出稽古した田子ノ浦部屋でも大関の先輩、稀勢の里に不得手の左四つで圧勝するなど、今場所も何かドデカイことをやってのけそうな雰囲気だった。 一方、こうした“台頭する新勢力”に異常なほど神経をとがらせているのが、35回目の優勝を狙っている横綱白鵬。先場所は終盤で失速し、照ノ富士に逆転優勝されたその胸中がどんなものだったか…。それは照ノ富士の援護射撃に燃える日馬富士に敗れ、支度部屋に引き揚げてからは唇をかみしめ、ひと言も発さなかったところによく出ていた。 先場所の負け数も3年ぶりとなる4。以前のようにぶっちぎりの優勝も少なくなり、周囲との差は着実に縮まってきている。どうやって勢いに乗る若手の猛追をはねのけ、先場所の悔しさを晴らすか−−。 「白鵬が照ノ富士らの台頭をかなり警戒しているのは確かでしょう。口では『もう先場所のことは忘れた。ここからまたエンジンをかけていく』と話していますが、場所前、田子ノ浦部屋に出稽古したときは、もう手の内は見せないと言わんばかりに大関稀勢の里だけと稽古。照ノ富士や先場所の初日にヤラれた逸ノ城らとの稽古は拒否し、一番ぐらいはやってほしかったと悔しがらせていました。ただ、今場所前も出稽古は2日間だけと相変わらず少なめ。これが、どう出るかが心配ですね」(担当記者) 白鵬は今場所で横綱在位48場所、曙と並んで歴代5位となる。「6年後の東京オリンピックまで現役で」というのが究極の目標だが、今の白鵬にはそんな遠くを見つめる余裕はない。
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スポーツ 2015年07月18日 14時00分
オールスター開催記念 特別企画 プロ野球「光」と「影」 オールスター戦を100倍楽しく観る方法(3)
■因縁(?)のKK対決 “KKコンビ”として甲子園を沸かせた清原和博(西武)と桑田真澄(巨人)のプロ入り初対決(オープン戦を除く)が実現。'87年の第3戦、2人にとっても思い出深い甲子園球場だった。 その注目の対決は1回表一死一塁で、「ベースの上にきた球は何でも打ってやろうと思った」という清原が、桑田が投じた初球のストレートをレフトスタンドに叩き込んだ。打った瞬間に本塁打と分かる当たりに清原は何度もジャンプし、こぶしを突き上げて喜びを爆発させた。 プロ入りに際し、清原は巨人を熱望し、巨人もそれに応えて1位指名するものとみられていた。一方、桑田は早大進学を希望。ところがドラフト当日、巨人がまさかの桑田強行指名、清原は6球団競合の抽選の末、西武へ。それだけに清原にとっては怨敵(?)巨人&桑田からの本塁打は、「やった!」という思いが強かったのだろう。 清原は、意地の一発ともいえる桑田からの2ランホーマーを含む3安打でMVPを獲得した。★試合結果=パ9-7セ■5イニングも投げた投手 オールスターでは投手は3イニングを超えて投球することができない規定になっているのだが、何と5イニングも投げた選手がいた。 '82年の第2戦【西武】でのこと。5-4とセのリードで迎えた7回裏、4人目でマウンドに上がった斉藤明夫(大洋)は1点を失い同点。そのまま両軍0行進で延長11回時間切れ引分けとなった。 ところが、延長戦の場合は投球回数に制限ナシに従い、藤田元司監督(巨人)に「頑張ってくれや」と励まされ、斉藤は最後まで5イニングを投げ通したというわけだ。しかも無得点に抑えたのだからエライ。★試合結果=延長11回、5-5引き分け■超実力派“ジプシー選手” 移籍、移籍でユニホームが変わっても、違う4球団から出場を果たした選手が2人いる。 まずは江夏豊で'67〜'75年=阪神、'76年=南海、'78〜'80年=広島、'81〜'83年=日本ハム。成績は通算26試合、5勝3敗6セーブ、防御率2.20。 もう1人は落合博満。'81〜'86年=ロッテ、'87〜'91年、'93年=中日、'95〜'96年=巨人、'97年=日本ハムで、通算39試合、本塁打11本、打点27、打率.365。さすがです!■世界の王が38打席音なし 通算13ホーマー、MVPを3回も獲得している世界の王貞治のバットから火が消えたこともあった。'74〜'77年にかけ実に四球5つを挟み、何と38打席連続無安打とは信じられない出来事だった。 だが39打席目は、いかにも王らしく、'77年の第3戦【神宮】で、元同僚の高橋一三(日本ハム)から2ランを放ってMVP。球宴では7年ぶりの一発に、王は「これでモヤモヤも吹っ切れました」と満面の笑顔。■MVPゼロだったミスター オールスター150打席以上で通算打率ダントツの.313、本塁打も7本の長嶋茂雄(巨人)だが、不思議なことにMVPは一度も手にしたことはなかった。 それでも「オレはレギュラーシーズンMVP5回、日本シリーズの大舞台でも4回だからね、えっへへへっ」と、まったく意に介さずだったという。 65回目を迎える今年のオールスター戦。球史に残るスーパープレーをぜひとも見たいものだ。
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スポーツ 2015年07月18日 12時00分
オールスター開催記念 特別企画 プロ野球「光」と「影」 オールスター戦を100倍楽しく観る方法(2)
■「ピッチャー イチロー」 '96年の第2戦【東京ドーム】で“ハプニング”が起こった。 7-3とパの勝利が確定的となった9回表、二死無走者でセの打席は松井秀喜(巨人)。するとパの仰木彬監督(オリックス)が、ファンサービスとばかりに同球団のイチローをマウンドに送ったので球場は大歓声。投球練習で144キロのストレートを投げ込み、ヤル気をみなぎらせた。 だが、真剣勝負を主張するセの野村克也監督(ヤクルト)は、「いろいろな考え方があるかもしれないが、格式の高いイベントを冒涜したと解釈した」と、代打に同球団の投手である高津臣吾を送り、結果はショートゴロに…。 多くのファンが期待した“夢の対決”は残念ながら実現しなかったが、今でもこの両監督の采配は賛否が渦巻いている。★試合結果=パ7-3セ■まさかのホームスチール! いろいろなパフォーマンスでファンを沸かせた新庄剛志(日本ハム)が、ここでも主役を演じたのが'04年の第2戦【長野】だった。 3回裏、先頭打者で二塁打を放った新庄は次打者の内野ゴロの間に三進。そして二死後、捕手・矢野輝弘(阪神)が投手・福原忍(阪神)に返球した瞬間、敢然とスタートを切り本塁へ頭から突っ込んでセーフ! “パフォーマンス男”による球宴史上初の単独本盗!試合も2-1でパが勝ち、2安打とこの本盗がモノをいって新庄はMVPを獲得しニコニコ顔。もちろんファンも大喜びだった。★試合結果=パ2-1セ■史上唯一のサイクルヒット '92年の第2戦【千葉マリン】で主役を演じたのが古田敦也(ヤクルト)。球宴史上ただ1人、サイクルヒットをやってのけたのだ。 この試合、古田は捕手で1番を打ったのだが、初回先頭打者として三塁打を放つと、3回にセンター前ヒット、5回に右翼席へホームラン、第4打席でライトフライに倒れたものの、9回に回ってきた最終打席に見事二塁打を放ち、サイクル達成! セが6-4で勝ち、MVPもゲットした。 賞品の他、もらった賞金は200万円とコミッショナー特別賞100万円。 「みんなから“狙え”と盛んに言われ、本当に打ててホッとした」 古田はうれし涙(?)でメガネを曇らせた。★試合結果=セ6-4パ
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スポーツ 2015年07月18日 10時00分
オールスター開催記念 特別企画 プロ野球「光」と「影」 オールスター戦を100倍楽しく観る方法(1)
■圧巻の9連続奪三振! 球宴史上最高のパフォーマンスといえば、伝説となっている江夏豊(阪神)の9連続奪三振だろう。 1971年の第1戦【西宮】1回裏から3回裏までに奪ったもので“餌食”になったのは有藤通世(ロッテ)、基満男(西鉄)、長池徳二(阪急)、江藤愼一(ロッテ)、土井正博(近鉄)、東田正義(西鉄)、阪本敏三(阪急)、岡村浩二(阪急)、加藤秀司(阪急)の9人。 江夏は、9人目の加藤がカウント1-1からバックネット寄りにファウルフライを打ち上げると、捕手・田淵幸一(阪神)に「追うな!」と叫んだ。そして、4球目の外角ストレートで見事に加藤のバットに空を切らせ、大記録を達成した。投球数は41で1人当たり4.5球だった。 ちなみに、その大記録のおかげで、江夏自身が2回表に米田哲也(阪急)から3ランホーマーを放ったこと、パの打撃陣がセの投手陣にノーヒットノーランを喰らってしまったことは意外と知られていない。★試合結果=セ5-0パ■あの大記録、再現なるか… 江夏(阪神)の9連続奪三振という大記録から13年たった'84年の第3戦【ナゴヤ】で、江川卓(巨人)が「あと1人」という8連続奪三振を記録した。 4回から二番手として登板した江川は、最初の打者、2番の福本豊から蓑田浩二、ブーマー(以上阪急)、栗橋茂(近鉄)、落合博満(ロッテ)、石毛宏典(西武)、伊東勤(西武)、そして代打のクルーズ(日ハム)と8人をメッタ斬り。そして、あと1人での大記録達成という9人目の大石大二郎(近鉄)を、ストレート2球であっという間に追い込んだ。これを見て誰もが「9連続奪三振達成」間違いなしと思った。 しかし、江川が投げた3球目は、三冠王の落合から「表示された147キロという数字よりも実際の方が速かった。今、日本で一番速い投手」と絶賛された直球ではなく、なぜかカーブ。それを大石にちょこんと当てられセカンドゴロ…。夢の大記録は泡と消えた。★試合結果=セ4-1パ■代打逆転サヨナラ本塁打! '74年の第1戦【後楽園】だった。2-1とセが1点リードで迎えた9回裏、パが一死一塁と同点の走者を出した。ここで野村克也監督(南海)が代打に指名したのが、通算27本の代打本塁打を記録し、“代打男”と称された高井保弘(阪急)。 高井は期待に応えて、見事に松岡弘(ヤクルト)から劇的な逆転サヨナラホームランを放った。まさに“代打男”の本領発揮! 球宴史上唯一の代打逆転サヨナラ本塁打であった。★試合結果=パ3-2セ
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スポーツ 2015年07月17日 11時45分
混戦ペナントレースを抜け出る中畑野球の切り札
今年のセ・リーグは混戦になると予想されていた。しかし、全球団が揃って低迷する展開になるとは思われなかった。「この混戦を抜け出すチームがあるとしたら?」「後半戦のキーマンは…」−−。そんなコメントを求められたが、この状態で気の利いた回答などそう易々と思い付くものではない。 強いて挙げるとすれば、侍ジャパン大学選抜との壮行試合で好投した広島の塹江敦哉(18=左投左打/高松北)だろうか(6月29日)。塹江はNPB選抜チームの二番手として登板し、三者凡退に抑えている。しかし、その投球内容は緒方孝市監督を喜ばせるほどではなかった。先頭打者を三ゴロに仕留めているが、制球難に苦しんだ。老獪なプロの一軍打者が相手ならば、自滅に陥っていたかもしれない。 中日の大ベテラン・山本昌がどのタイミングで一軍登板するのかもポイントになるだろう。NPB初の50歳となるシーズンに突入したレジェンドが、どんな投球を見せてくれるのか、楽しみにしているファンも多いはずだが、登板機会を与えるタイミングが難しい。セ6球団は僅差のゲーム差とはいえ、中日は最下位争いのなかにいる。“消化試合のような状況”で登板させることはできないはずだ。山本昌は「使うタイミング」が難しい。 では、そんな見どころの少ないセ・リーグ後半戦はどこに注目すればいいのか。 どの球団にも後半戦に頭角を現す若手、不振から立ち直りそうな選手がほとんどいないと仮定する。その場合、中畑DeNAが混戦を競り勝つのではないだろうか。 去る5月24日の対阪神戦、9回最後のマウンドに山崎康晃が送られた。山崎は新人ながらDeNAの守護神に抜てきされ、その期待にもこたえてきた。横浜スタジアムのファンは山崎がコールされた時点で勝利を確信したが、先頭の阪神・上本の頭部にぶつけてしまう。危険球、退場。阪神・和田監督が飛び出し、DeNA捕手・嶺井に胸を突き付ける。両軍入り乱れ、キナ臭い様相のまま、試合が再開された。その後も走者を出し、失点したが、中畑清監督(61)は田中健二朗、国吉佑樹のリレーで逃げ切った。 「勝つには勝ったが、後味の悪いゲーム」 試合後、中畑監督は難しい表情を浮かべたが、DeNAナインは興奮していた。通常、絶対的守護神が降板した場合、チームは浮足立つ。また状況はどうであれ、イニングの途中に守護神に救援を送るということは敗北を意味する。しかし、DeNAは違った。守護神に救援を送る緊急事態に対し、チーム一丸になって戦っていた。 このチームは長く低迷していた。旧横浜ベイスターズ時代に逆上っても、ローテーションの柱となる投手や4番を予定していた選手が機能せず、苦しんでいた。自ずと「全員野球」の体制となり、中畑監督はエース、4番、守護神といったチームの大黒柱を育ててきた。単に育てるだけではなく、全員野球の状況に闘争心を植え付けた。山崎降板後、DeNAナインは全員、ベンチから身を乗り出して声を張り上げていた。 中畑監督の明るさとは、単にチームを盛り上げるだけではなかった。チームを盛り上げる目的は「苦しい状況でも、全員野球で勝ち抜く」ためだった。そう考えると、混戦・低迷の6球団を競り勝つ可能性を秘めているのは、DeNAではないだろうか。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2015年07月17日 11時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 30歳でメジャー昇格を果たした苦労人! 元巨人・村田透(インディアンズ)が成し遂げた4つの快挙
6月28日、ダブルヘッダーとなったオリオールズ対インディアンズの第2試合で耳慣れない日本人投手が先発のマウンドに立った。インディアンズの右腕・村田透である。 メジャーではダブルヘッダーがあると5人の先発ローテーションを中4日で回すことができなくなるため、1試合限定でマイナーの先発投手を一人引き上げてスポットスターター(ローテの谷間の先発)として起用することが多い。村田も、この1日限定のスポットスターターとしてメジャーに呼ばれたのである。 昇格が決まったのは前日の夜だったため、当日、村田は飛行機で4時間かけてオハイオ州コロンバス(3Aの所在地)から東海岸のボルティモアに飛び、メジャーきっての強力打線を相手に投げることになった。 初回は上手くタイミングを外して3人で片づけた。しかし2回に味方の失策から2失点。3回は1番マチャードと2番パームリーを連続三振に切って取り立ち直りかけたが、4回になって投球が浮くようになりソロアーチを2本浴びてKOされてしまった。ほろ苦いデビューとなったため日本のメディアの扱いは小さかったが、筆者は村田透のメジャー昇格は、大きな賞賛を浴びてしかるべきものだと思っている。 理由は四つある。 一つ目の理由は、'95年の野茂英雄のメジャー入り以降、20年連続で続いていた日本人大リーガーの誕生が途絶えずに済んだことだ。筆者に限らず大リーグ・ウオッチャーの誰もが阪神・鳥谷敬のメジャーチャレンジ断念で今年は一人も日本人大リーガーの誕生はないと見ていたはずだ。そんな不作の年に、村田という伏兵が現れたことは嬉しい誤算で、これ以上ない朗報となった。 二つ目の理由は22歳でプロ入り後、苦節9年目で晴れて「一軍」のマウンドに立ったことだ。村田は'07年秋の大学生・社会人ドラフトで巨人から1位指名された逸材だったが、足首の故障に悩まされたこともあり、巨人時代の3年間('08〜'10年)は一度も一軍での登板がなかった。解雇された後、トライアウトでインディアンズのスカウトの目に止まり渡米。マイナーで投げるようになるが、初めは1Aからのスタートだった。これは大相撲でいえば序の口から始めたようなものだ。そこから4年半かけて這い上がり、レベルの高い米国で晴れて「一軍選手」になったのだから、そのネバーギブアップ精神には頭が下がる。 三つ目の理由は、速球のスピードが遅い欠点(時速137〜142キロ)を打たせて取る技術を磨くことで克服したことだ。村田が2Aと3Aで長いこと足踏みしていたのは遅い速球が甘く入り、一発を食うケースが頻繁にあったからだ。この欠点を克服するため、今季はゴロになりやすいカッター軌道の速球やシンカー軌道の速球を多投するようになり、一発を食うケースが半減。そのため、昨年まで5点台だった防御率が2点台にアップ(6月末現在2.79)。メジャー行きの切符を掴む決め手になった。 賞賛に値する四つ目の理由は、中南米の選手と同じレベルのハングリーな環境に身を置いて這い上がってきたことだ。 最近は日本人選手がメジャーに定着できず、マイナー暮らしを強いられるケースが多くなっている。井川慶、西岡剛、中島裕之はその典型だ。彼らはマイナーに落ちても年俸数百万ドルを保証され、通訳も付くため、大都市の高級コンドミニアムから通訳の運転する車で3Aの球場に通う大名暮らしを続け、周りからやっかまれ、浮いた存在になっていた。 村田の生き方は、そんな評判の悪い日本人マイナーリーガーたちと対極をなすものだ。 '10年秋に巨人を解雇された後、村田はインディアンズとマイナー契約したが、そのときの契約金はわずか3万ドル(360万円)だった。 米国1年目('11年)はフルシーズン、マイナーの1Aで投げたため月給は15万円程度。しかも支給されるのは公式戦が開催される5カ月間だけで、年収は100万円に届かなかった。 2年目は開幕時こそ1Aだったが、すぐに2Aに上がり、終盤には3Aにも昇格した。それでも月給は30万円程度で、支給される期間も6カ月である。この程度の収入では生活できないためマイナーの選手はオフの間、アスレチッククラブのインストラクターや荷物運びのアルバイトをして生活を支える。しかし、村田は小金を稼ぐよりハングリーな環境で自分を磨くことを選択。'12年からオフシーズンになるとベネズエラのウインターリーグに参加して投げた。 このように村田は日本人らしからぬハングリーな世界に何年もどっぷり浸かりながら這い上がってきた稀有な存在である。たとえ、メジャー在籍が1日で終わったとしても、その価値の大きさは計り知れないものがある。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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