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オールスター開催記念 特別企画 プロ野球「光」と「影」 季節外れの「戦力外通告」 〜監督の期待に応えられなかった男たち〜(2)

 話題先行なら千葉ロッテの田中英祐もいる。“京大卒”で大注目されたが、やはり即戦力ではなかった。田中の年俸は1500万円。内定を取り付けていた三井物産に進み、安定した人生を送っていたらどうなったか。同社の平均年収は1200万円強。平均勤続年数20年を全うすれば、約2億5000万円を得る計算だ。契約金が約1億円といわれる田中は、安定した生活を選んだ際の半分弱をすでに得た計算になり、たとえ次の人生に進んだとしても悔いはないだろう。
 「斎藤佑樹は悔いが残るはず。田中マー君の現年俸は約23億円。斎藤の年俸は田中の約5日分」(スポーツライター・飯山満氏)

 千葉ロッテは過渡期にある。井口資仁は1億8000万円、サブローは1億3000万円。高給取りのベテランの出場機会は減るばかりで、観客動員数も伸び悩んでいる。京大・田中を指名した理由は、このあたりにもあったようだ。
 「楽天・星野仙一シニアアドバイザーの年俸が1億円ともいわれています。選手よりも高い年俸ですから、前半戦不振の戦犯はこの人で決定かも」(前出・飯山氏)

 三木谷浩史オーナーは費用対効果の低いビジネスを嫌うという。それゆえ最下位はいただけないのだが、費用対効果の言葉は巨人も意識した方がいい。
 大竹寛=3年契約年俸1億円の2年目、杉内俊哉=4年契約年俸5億円の4年目、マシソン=2年契約年俸1億5000万円の2年目、内海哲也=4年契約年俸4億円の3年目、片岡浩大=2年契約年俸9500万円の2年目、阿部慎之助=2年契約年俸5億1000万円の2年目、村田修一=3年契約年俸3億円の2年目。ここに、キューバ政府への寄付金と化したセペダの年俸1億5000万円が加わる。これだけの大金を掛けて勝率5割ラインをウロウロしているのだ。
 「内海が投げてから全部おかしくなっちゃったな。ずっと休んでおきながら、足が痛いから交代してくれだなんて!」

 原辰徳監督は名指しで内海をそう批判した。この1カ月の戦いを振り返ってみると、オリックス戦で3タテを決め、セ首位に立ったものの、陥落。そのきっかけを作ったのが次カードのソフトバンク戦で“背信登板”した内海だった。
 「足をつって自ら降板を申し出る醜態をさらして内海は即二軍落ちを通告されましたが、あれから1カ月以上たっても内海への不満が聞かれます。昨季も故障で遅れ、目下二軍戦でも5、6回を投げると3失点してしまう」(担当記者)
 チーム関係者は「練習は人一倍やっている」と言う。その通りだとすれば、内海は“年齢的限界”ということかもしれない。

 年齢的な限界で思い浮かぶのは、いまや“ミスタータイガース”とよばれる阪神の鳥谷敬も…。メジャーに行く行かないの話も、はるか遠い昔のことのようだ。
 「鳥谷は4億円で5年契約を交わしました。巨人に限らず、複数年契約を交わした途端、プロ野球選手は成績を落とします。巨人、阪神は複数年そのものを見直そうとしています」(前出・ベテラン記者)

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