マット界の酸いも甘いもかみ分けた猪木が1・4を成功に導くサプライズをはじき出した。
新日本プロレスと共に来年35周年を迎える全日本プロレスの全面協力のもと開催される1・4「レッスルキングダムIN東京ドーム」大会。3冠ヘビー級タイトルマッチの王者・鈴木みのるVS永田裕志を皮切りに、IWGPヘビー級タイトルマッチも新日プロの12・10愛知大会で行われる王者・棚橋弘至VS中邑真輔の勝者に、太陽ケアが挑戦することが正式決定した。
開催発表以後、ドーム大会については「オレは経営にかかわっていないから」と、そっけない態度で干渉しないことを明言していた猪木。IWGPと3冠の両対戦カードが正式決定したいまでも「ただカード組んで試合やりますじゃ、面白くねぇーよ」と乗り気ではない。むしろ「このままならオレは行かねぇ」と欠席する腹積もりまでチラつかせている。
35周年の記念大会だけに創始者である猪木の来場は必須。それだけに燃える闘魂が欠席となれば、ボイコットされたのと同然だ。しかし、猪木は今回のドーム大会を完全に見捨てたワケではない。
「もっと面白いことをやってくれよと。単純にお客が驚くようなことでなければ意味がない。そうでしょ?新日本も全日本も35周年なんだろ。メモリアルというキーワードから考えても、もっと大胆な仕掛けがあってもいいじゃないか。たとえばドームの中にリングを2つ作ったりするとかよ。新日本のリングと全日本のリングを花道で繋げたら、どんなハプニングが起きるのかな!?まっ、そういう想定外のアイデアが必要なんですよ。ムッフッフ」
これまで新日プロのドーム大会といえば奇抜なマッチメークとともに、時にはスキャンダルな事件をリングに反映し、集客につなげてきた側面がある。それだけに猪木も「興行には意表を突く事が必要」と常々言い続けてきた。舞台はかつて新日本の代名詞でもあった東京ドーム。団体の行く末を握る重要な大会だけに失敗は許されない。「35周年メモリアル」「全日本の全面協力」この2つのキーワードをフルに活用した前代未聞のサプライズがなくては新日本、ひいては日本プロレス界の低迷脱却にはつながらないというワケだ。
来年のドーム興行に想定外の発想の必要性を訴えた猪木。果たしてこの闘魂エールは届くのだろうか。