ータイへ移住ですが、移住については前から考えられていたのでしょうか。
昔からではないですね。今年に入って海外で何かやりたいな、一度の人生、海外で生活してみたいなという思いが出てきました。それで海外移住を決意しました。
ータイへの決め手となったことはありますか。
いろいろな理由はありますが、タイのエンタメって日本ではあまり知られていませんし、タイで有名になったという日本の芸能人も聞いたことがないです。例えば、アメリカなら渡辺直美やピースの綾部祐二、ニューヨークならキングコングの西野亮廣、シンガポールならオリエンタルラジオの中田敦彦みたいに先に行って活躍している人がいます。
タイは好きな国ですし、まだ誰も現地で活躍していません。だから、活躍できて有名になれたらいいなと思いました。タイと日本のハブになれたらうれしいです。
ータイでのお仕事ですが、ライブイベントを中心にするのでしょうか。それともテレビに出演されるのでしょうか。
いま考えているのは、YouTubeやSNSを使うことです。向こうには日本人が約7万人いて、そこに向けてライブするのもいいかなと思っています。むこうで活動し始めたら、できることも広がっていくでしょう。ゆくゆくはメディアへの進出もあるかもしれないです。現地の制作の方と少し前に会いました。
ータイでは、日本の芸能人は知名度あるのでしょうか。
今はSNSやYouTubeがあるので、それなりには行き届いているのかなと思います。ただ、日本で活躍している芸能人がタイで人気あるかというと、そうではないと思っていて。僕は向こうでは知られていないでしょうね。向こうの人にもリーチできたらいいなと思って活動しようと思います。タイ語も勉強しています。
―日本でも仕事を続けられると思うのですが、日本で仕事があるたびに帰国されるイメージでしょうか。
もちろん、呼んでいただければ。片道5時間ですし、日本でも仕事ができたらうれしいです。でも、拠点はタイだと思っています。
ー少し前のインタビューで永住する気はないと話されていましたが、永住予定はいまのところないのでしょうか。
こればっかりは今決めることはできません。僕は日本にずっといると思っていました。でも、移住することにしました。その時の感情や気持ちを大事にしたいと思っています。もし、タイでブレイクすることができたら、シンガポール進出も考えます。新しい道が広がると思うとワクワクします。いくつになっても夢は持っていたいです。人生の後半に入っていますが、ワクワクすることは続けたいです。
ータイ移住に関して日本では厳しい声も上がっていますが、どのように受け止められていますか。
はっきり言いますが、どうでもいいと思っています。僕の人生ですし、僕は動くことが一番大事だと思っていますし、動いてなんとかしてきました。一歩踏み出した人が叩いてきたら、心も動くと思いますが、一歩も踏み出さない人から何を言われても響かないです。僕はちゃんと動きました。
僕の友達は動いた人たちだらけですが、応援してくれています。それが答えですよね。
ーオジーオズボーンの篠宮暁さんとの和解報道が2020年にあり、「ゼニイタチ」で仲直り企画としてパチンコにもいかれました。その後の関係性はどうなりましたか。
僕のYouTubeチャンネルにもでてもらい、向こうのチャンネルにも僕が出演しました。僕が言うのは違うと思うのですが、許してもらって、和解できたと思っています。良好っていっていいのか分からないですが、前のような関係に戻れた、という認識です。
ー今年のはじめに濱口優さんのパワハラ報道がありましたが、後輩としていかがでしょうか。
YouTubeでもいいましたが、パワハラしているところは見たことがないですし、あの人悪やなと思ったこともないです。優しい面しか見てないので、正直びっくりでした。
ーこれまでの人生でやらなければよかったと後悔したことがあれば教えてください。
人生に無駄なしやっていつも言っています。篠宮にペットボトルを投げたことによって、仕事がなくなりました。いろいろ人が離れていったりもしましたが、手を差し伸べてくれた人もいます。そんな人たちは一生の付き合いになると思います。あのことがなければな、とは一切思いません。
篠宮には申し訳ないことをしましたが、そのおかげで「世界で一番ペットボトルを投げない男」になりました。すべて自分の勉強です。同じ過ちは絶対繰り返したらあきませんよね。ペットボトルのことがあっても手を差し伸べてくれる人がいて、愛がある人がいっぱいると分かったので、今度は返していく番と思っています。

ー木下さんの今後の展望を教えてください。
53歳で正直遅めの海外チャレンジだと思うんですが、僕に残された人生の中で今日が一番若い日と思って何事にもチャレンジを続けようと思っています。今回自分のわがままを許してくれた相方・木本(武宏)のおかげです。木本が「頑張ってこい」って言ってくれたので、裏切ったらあかんなと思っています。
日本でもTKOとしてなにか大きいことができればと思っています。芸人の軸をぶらさずに海外でも何かできたらと思っています。
オジーオズボーンについても嫌な顔せず話してくれた。その上で笑いに昇華する姿には好感が持てた。タイは日本の芸能界の未踏の地。日本の笑いが通用し、フロンティアとなれるのか、今後の活動に注目だ。