ガイナックスは旧経営陣による会社の私物化的な運営が問題で債務超過状態に。2024年5月に破産手続開始の申立が受理されていた。
庵野氏は11日に株式会社カラーの公式サイト上に「『株式会社ガイナックス』について」という文書を公開。その中で、ガイナックスの法人消滅について触れ、「創設期から20年以上籍を置き、今日まで株主として関わっていたものとして誠に残念な最後ですが、静かに受け止めています」と自身の思いを明かした。
庵野氏はガイナックスについて、「旧経営陣体制下に於いて正当性を欠く権利移譲、資料譲渡が行われていた」と告発。これについては当時の経営陣を民事で提訴し、令和5年に和解が成立したと明かした。
一方、ガイナックスが新体制に代わった際に最大債権者として契約や取引の調査協力をした際のことに触れ、「元福島ガイナックス代表の浅尾芳宣氏や大学時代からの友人と思っていた山賀博之氏、武田康廣氏ら」と実名を挙げつつ、「弊社や自分に対して行っていた様々な虚偽対応の実態、山賀社長(当時)からガイナックス社員への自身を入院中とかたる居留守指示、弊社を敵対視した文言、返済を不当に逃れるための画策」が判明したと告発した。
庵野氏は、「怒りを通り越して悲しくなりました」「彼らとは昔のような関係にはもう戻れないであろうことを改めて思い知り、心底残念に思います」と思いを明かした。
また、最後には、2020年のガイナックスの役員総入れ替えで代表取締役社長になった神村靖宏氏に触れ、「関係各社の理解を得つつ、権利や資料の散逸を防ぎ継承し、債権者へ真摯に向き合い最後まで身を尽くし、その終焉を見届けてくれたガイナックス最後の代表取締役であり、大学時代からの友人である神村靖宏社長に、感謝致します」「神村、ありがとう。そして、御苦労様でした」とつづっていた。
庵野氏のこの報告にネット上からは、「庵野秀明の声明、もはやこれは『会社の終わり』じゃなくて『友情の終わり』」「信じていた友人に裏切られたのはつらい。読んでいて心が痛くなった」「ファンの一人としてとても悲しい」という声が集まっていた。

