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石井慧 デビューに黄信号

 石井がプロ“初勝利”を挙げた。総合格闘技「戦極」でプロデビューを目指す北京五輪柔道金メダリスト石井慧が21日、都内で開催された高田道場のイベントに登場。エキシビジョンマッチで人生初の3カウントを奪取した。だが、勝利の代償は大きく、戦極での8月デビューが浮上しているにもかかわらず、なんと試合後には「これから病院に行く」と吐露。格闘技界の大器にいったい何があったというのか。

 金メダリストの“プロ初戦”はいきなり訪れた。在籍中の国士舘大学で行われた高田道場主催の子供向けスポーツ教室「ダイアモンド・キッズ・カレッジ」にゲスト参加した石井はこの日、イベントのトークショーの最中にハッスルリングを牛耳るモンスター軍から襲撃されて乱闘。戦極でのリングデビューを控えながら、大ハッスルした。
 石井の対戦相手となったのは、高田モンスター軍の黄鬼蜘蛛とハッスルソルジャーのモンスター2体。どこからともなく乱入してきた黄鬼蜘蛛から、蜘蛛の糸を“顔射”され、石井はたまらずダウン。まとわりつく白い蜘蛛の糸で視界を遮られてしまい、戦闘不能に陥った。

 しかし、トークショーに居合わせたハッスル軍のマグナムTOKYOの救護を受けて復活。息を吹き返した金メダリストは、黄鬼蜘蛛を肩車、得意の一本背負いで迎撃、さらにはモンスターソルジャーも鋭い払い腰でマットに叩きつけて一網打尽。最後は2体まとめてフライングボディープレスで圧殺して3カウント。会場の子供たちをモンスターの魔の手から守り、父兄から大喝采を浴びた。
 よもやのハプニングを無事解決し、石井は「国士舘の平和と子供たちを守れて良かった」とホッと一息。昨年末には卒業を巡って国士舘大学を「腐ったみかん」と評し「大学なんて興味ない。卒業? どっちでもいい。(大学が)ボクの首を切るなら切ればいいけど、その度胸はないでしょ」と言い放ったこともあるが、奇しくもこの日はその国士舘大学の窮地を救ってみせた。
 過去には昨年末のハッスル・マニアに来場した際に場外乱闘で軽いチョップをみせたことがあるが、戦極でのプロデビュー表明後に公の場で闘う姿を見せたのは初めてのこと。そんな一戦で“プロ初勝利”を挙げたまでは良かったが、この試合の代償は大きかった。
 現在8・2「戦極〜第九陣〜」(さいたまスーパーアリーナ)のプロデビューが有力視されているというのに、石井が「身体がおかしい。これから病院に行く」と漏らすではないか。それどころか憔悴しきった顔で「蜘蛛の糸の毒に犯されてしまって嗚咽がする。ちょっとめまいもするし…。病院行きます、病院に」と吐露。どうやらデビュー前の大事な時期にアクシデントに見舞われてしまったようだ。
 黄蜘蛛退治で8月デビューに黄信号が灯った石井。蜘蛛の糸により早期デビューは怪しい雲行きとなってしまった。

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