1・4興行の隠し玉はサイモン社長本人だ。
この日の東京・後楽園ホール大会のメーンを前に、来年1月4日に東京ドームで行われる「レッスルキングダムin東京ドーム」興行を正式発表した新日プロ。本紙既報(11月1日付2面)通り、一時は開催が危ぶまれていた年明け恒例のドーム大会を決行することを明らかにした。
決行に踏み切ったサイモン社長は大会終了後の会見で「来年は新日本にとって35周年というのもありますし、最近の追い風もある」と継続して開催する理由を説明し「もちろん成功させる自信はあります」と決意表明した。
今年1月には来年の開催見送りを示唆していたが、なぜ決行することになったのか。菅林直樹副社長が「年明けのドームっていうのは毎年続けていること。新日本の復活とプロレス界のステップアップのためにも開催することにした」と解説すれば、サイモン社長も「とにかく今年1月と比べれば、社員もそうですし、レスラーもチームワークは完璧」と口を揃えた。
まさに1・4の盛況を確信している口ぶりだが、実は開催にこぎつけた理由はそればかりではない。同社フロント幹部は次のように言う。「ここまで発表がギリギリになったのはドームでやれるだけの『見たいカード』が出てこなかったから。たとえ既定路線のIWGP王者・棚橋とライバルである中邑の一戦があったとしても、それだけでドームを埋めるのは厳しい」
そんな状況下とあって大方の見方では来年の開催は回避することが濃厚とみられていた。しかし、実はその逆風を一気に吹っ飛ばしたウルトラC案があったという。なんと、それがサイモン社長のリングデビューだ。
「幸いな事に新日本には不可能を可能にする男『猪木』がいるんですよ。今回は猪木といってもアントニオではなくサイモンの方。今回のドームは金銭的な面で関係各所の理解が得られなければ開催はハッキリ言って無理でした。それが、社長ならネックとなる金がビタ一文かからない。なので来年の1・4に不退転の覚悟で臨むサイモンさんのリングデビューは必然だったワケです」(前出フロント幹部)
サイモン社長のリングデビューによるメリットはそればかりではない。前出フロント幹部は続ける。「デビューするとなればそれなりのサプライズが必要。デビュー戦で異例のIWGPに挑戦するなんて話すらありました。それくらいのサプライズがないと無理ってことですよ。でもサイモン社長が出るとなれば、猪木さんがセコンドに付くことだってある。猪木さんが付く以上は下手なものは見せられない。米国でマンツーマンでプロレスのイロハを叩き込むことになるでしょうね。ファンにとっては最高のお年玉じゃないですか」
来年の開催が決定した1・4東京ドーム大会。果たしてサイモン社長のIWGPサプライズ挑戦はあるのか、いまから目が離せない。