Kのリングがいよいよ混迷の様相を呈してきた。
今年初開催となったK-1。メーンでは新設されたK-1スーパーヘビー級王者決定戦が行われ、シュルトがレイ・セフォー(ニュージーランド)と激突。1R終盤にダウンを許したが、コレで火がつく。2R24秒にはカウンターの左ストレートを決めてKO勝ち。GP連覇王者がセフォーを退けた。
シュルトが絶対王者としての貫録をみせつけた一方で、この日のKのリングでは思わぬ番狂わせが続出した。チェ・ホンマン(韓国)が初のKO負けを喫し、バンナが日本人の新鋭・澤屋敷に敗れる大波乱。さらには日本人最強だった武蔵までもがマットに沈むなど、衝撃KOが多く出た。
ただ、シュルトにとってみれば次期挑戦者候補のハズだったホンマンやバンナが敗れたことで、初防衛の相手がいなくなったといっても過言ではない状況になった。谷川貞治イベントプロデューサーによると「次の防衛戦はオランダ大会になるでしょう。今回の大会を含めて対戦相手は考えなきゃいけませんね」という。
6・23オランダ大会での次期防衛戦を示唆したが、初防衛プランについてはテレビ関係者も次のように話す。「今回のK-1は多くのKO決着が出て面白かった。待ちに待った日本人の新鋭も出てきましたし、澤屋敷選手はスター性もある。それとスーパーヘビー級は次の挑戦者選びが難しいですけど、あの男が戻ってくればおもしろい」。
カムバックが待ち望まれるほどの選手とは誰なのか。前出の関係者は続ける。「次の防衛戦がオランダなら、彼しかいない。そう1年前にドタキャンしたサップですよ」。挑戦者選びが困難になったことで、“野獣”ボブ・サップのカムバックがいよいよ現実味を帯びてくるという。昨年5月に起こった敵前逃亡の舞台がオランダ大会。みそぎマッチとして話題性は申し分ない。だが、サップの件について谷川EPはこの日「それは分からない。ノーコメント」と回答しているだけに、現時点では微妙なところといえる。果たして…。
日本人の超新星ファイター登場に加え、混とんとするスーパーヘビー級タイトル戦線。再び熱を帯びてきたKのリングに今後どんな展開が待っているのか、目が離せなくなってきた。