小泉農水相の狙いについて新聞やテレビなどでは、「保守層を取り込む狙いがあると見られる」と報じられた。加藤財務相は保守系議員連盟「創生日本」のメンバーで、安倍元首相と近かったからだ。しかし、SNSには小泉氏の判断に否定的な書き込みが多く見られる。
「結局、今の自民党で総裁になるためには、右翼に迎合するしかないということ」
小泉氏は昨年の総裁選で選択的夫婦別姓推進を掲げたが、加藤氏はこれに否定的な立場。政策的な整合性はあるのかという疑問だ。
「減税否定で増税一本やりの石破政権が国民に愛想を尽かされた事さえ認識できていない。財務省解体デモがなぜあれほどの盛り上がりを見せたのか」
加藤氏はもともと大蔵官僚で、石破政権の財務大臣としても減税反対の立場だった。小泉氏もその路線に乗れば自民党は今後も負け続けるという見方だ。
「進次郎は、加藤勝信をポストで買収し、保守仕草と振付の猛特訓!新自由主義や首切り法案、再エネ促進、選択的夫婦別姓推進を隠して、保守仕草の振付師を雇う!」
辛辣(しんらつ)な書き込みだが、的を射た意見かもしれない。一方で、小泉氏の判断を褒める意見も。「安倍総理を最も支えてきたとされる創生日本の加藤勝信さんを、ある意味では高市陣営から引き剥がした事は、小泉陣営の妙手だ」
いずれにしても、小泉氏と加藤氏というのはネット民にとっても予想外のタッグになるが、何か近づくきっかけはあったのだろうか。あるメディアによれば、小泉氏が主導した政府備蓄米放出では、政府備蓄米の売り渡し方式を競争入札から随意契約への切り替えを進言したのが財務省だったという。「結果的に加藤大臣が小泉氏に協力したことで、米価抑制に貢献した」(財務省幹部)形だ。
今回の自民党総裁選は、すでに出馬表明した茂木敏充前幹事長と小林鷹之元経済安保担当相のほか、林芳正官房長官と小泉氏と高市早苗前経済安保担当相が立候補する予定だ。5人での戦いの構図が固まった。