初代タイガー、アントニオ猪木、藤波辰巳(現・辰爾)とともに80年代の黄金時代を築いた新間氏は、初代タイガーマスク・佐山サトル認定『原点回帰プロレス』の第5弾を12月6日に東京・後楽園ホールで開催すると発表した。
同大会では世界マスクマン・トーナメント決勝戦を行う。出場するのはブラック・タイガーJr.(UMA)。ドス・カラスJr. 対 イホ・デ・ブラック・タイガーの勝者と対戦する。ブラック・タイガーJrの正体は船木誠勝であることが明らかになっている。
リアルジャパンのスーパー・タイガーは、大谷晋二郎(ZERO1)&岩崎孝樹(ガンバレ☆プロレス)とトリオを結成し、将軍岡本(フリー)&ベン・クロコダイル(国籍不明)&松本崇寿(リバーサルジム立川ALPHA)と対戦。その他、“大鵬三世”納谷幸男も参戦。全6試合を予定している。
先日、メキシコUWAの帝王として長年ヘビー級王者に君臨したエル・カネックが来日し、かつてのライバル藤波と試合をして話題になった。今大会では、ユニバーサルプロレスの代表として、日本でルチャブームを巻き起こした新間寿恒UWA海外国際部長が持つUWAルートを活かし、大物のメキシカンが多数来日する。UWAという団体名は昭和のプロレスファンにはたまらない響き。まさに原点回帰を彷彿とさせる。
新間氏は「メキシコからは前回と一緒でブラソ一家が来ます。前回の評判が高かったので、また同じメンバーを集めました。メインの優勝者には、黄金のマスクが贈られることになっています。チャンピオンベルトではなくて黄金のマスクになりますので、ぜひご注目いただければと思います」と語った。
その上で、新間氏は今後の活動について語る。「来年は、初代タイガーマスクと一緒にイジメ撲滅とか振り込め詐欺防止とか、そういうことにプロレスのリング上を提供して発信していこうじゃないかと。原点回帰というのは、私自身が新日本プロレス、またその前の力道山道場で自分が一生懸命にベンチプレス、力道山先生の教え通りにやって、ボディービルの道に進むということを教えてくれたのが力道山先生でありプロレスであった。そしてWWF(現・WWE)のビンス・マクマホン(シニア)と知り合って、新日本プロレスの隆盛を極めた」と述べた。
その上で「来年は、飛行機に乗れない(初代)タイガー(マスク)を説得してWWEのリングにでも上がってもう一度、昔の(WWE)会長時代を思い出し、WWEのリングへタイガーを連れていこうかなと、そういうような考えを持っております」と明言した。
新間氏は80年代にWWEの会長職を務めており、新日本退社後もマクマホンファミリーとのつながりは強い。初代タイガーも新日本とWWEが提携していた時に、マジソンスクエアガーデンでダイナマイト・キッドとの名勝負数え歌を披露。当時、アメリカでは表情が見えないためマスクマンが人気を得るのは難しいと言われていたが、タイガーはこれを1試合で覆し、ミル・マスカラス以来のマスクマン人気を得ていた。毎年、殿堂入り候補として名前が出るのはそれが理由となっている。
70年生まれの男性の多くは初代タイガーマスクの試合を金曜夜8時にテレビで見て夢を見た。そんなタイガーと新間氏が再び手を取り合った。もう一度夢を見たいと思っているファンは多いだろう。今大会から来年にかけての活動に期待したい。
取材・文 / どら増田
写真 / ©︎原点回帰プロレス