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ポスト魔裟斗ヘ アンディ・オロゴン 帰化計画

 「K-1 WORLD MAX 2007〜日本代表決定トーナメント〜」が5日、東京・有明コロシアムで開催された。ボビー・オロゴンの実弟アンディ・オロゴンが優勝候補の小比類巻貴之から豪快なダウンを奪って大金星。左足を負傷して準々決勝の舞台に立つことはできなかったものの、好ファイトに賛辞はやまない。そんなアンディに仰天プランが浮上している。なんとポスト魔裟斗として「帰化」するというのだ。
 デビューしてわずか半年のアンディがMAX創成期から日本人トップファイターの座に君臨してきた小比類巻を打ち砕いた。
 この日の1回戦で日本代表トーナメントの大本命と目されていたミスターストイックこと小比類巻と対戦したアンディ。百戦錬磨の小比類巻もビックリのパンチを叩き込んでアグレッシブな姿勢をみせると、試合終盤には会場から大「アンディ」コールが巻き起こるなど、完全にファンの心をわしづかみにした。
 延長Rにこん身の右ストレートでダウンを奪い判定勝ち。とはいえ、小比類巻戦の代償は大きく試合後は歩行が困難で左足のひ骨を骨折した可能性があるため、準々決勝を棄権。試合後は「いまは何が起こったのかわからない。また次出れるか不安です」と控えめに語った。
 アンディの激闘にTBSの解説を務めた元ボクシング世界王者の畑山隆則氏は「キャリア積んだら相当怖い選手になる」と脱帽のよう。MAX不動のエース魔裟斗も「生では見てないけど、映像で見るからに彼はすごいよね。あの才能は…」とため息を漏らすほどだ。
 アンディの積極果敢なファイトに賛辞がやまない一方で、今大会は課題もある。魔裟斗は「きょうの日本トーナメントを見ていて何かが足りない。2002年からオレが引っ張ってきて、バトンを渡す選手がいない」と苦言。この日は佐藤嘉洋が日本トーナメントを連覇したが、ポスト魔裟斗になり得るほどのスター選手が出てこなかったというのだ。
 TBS関係者も次のように嘆く。「今回は試合的には好ゲームもありましたが、魔裟斗選手みたいな大黒柱が出てこなかった。中学生のHIROYAクンはがんばりましたけどね。ただ、今回みたいに魔裟斗選手がいなければまだまだ辛いのは事実。でも、今回救いだったのがアンディの奮闘ぶり。もうこうなったらMAXもアンディを帰化させるしかないんじゃないですか。彼は今大会で一番、大和魂みたいなものをみせてくれましたし、この戦いぶりなら視聴率も期待できる」
 確かにアンディといえば、日本文化に造詣が深い。かねて「継続は力なり」「働かざるもの食うべからず」などとことわざを披露したり、今回は「勝ちたいな、小比類巻に、判定で」とオリジナルの俳句まで詠んでみせるなど、日本人以上に日本人らしいところもある。帰化するとなれば、魔裟斗のように多くの日本のファンのハートをつかむばかりか、日本のエース格に成長することも見込めるというワケだ。
 帰化プランまで飛び出したアンディ。実現すればMAX日本勢の救世主になることは間違いないが、果たして。

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