カリスマの反逆魂に火をつけてしまった。
この日、オーレ・ローセンとの対戦が決まった魔裟斗。会見では谷川貞治イベントプロデューサーから「今回は開幕戦の前哨戦なのでMAXで一番殺傷能力のある選手とのカードを組みました」と対戦経緯を説明され、「戦績だけはたいした事ないけど、決して油断できない相手。6月(開幕戦)に向けて良い試合にする」と意気込みを語った。
2003年に世界王者となって以来、頂点に立っていないだけに、今年こそは是が非でもタイトルを奪還したいところ。「今年はもう失うものはない。チャレンジャーなんで。いまは昔みたいに毎日練習してますしね」とキッパリ。また、このほど女優・矢沢心との結婚を発表した魔裟斗にとっては、夫として臨む初めての試合となる。いや応なしに矢沢の“内助の功”が試されるだけに負けられない試合となるが、結婚してからの心境の変化を問われると「基本的になにも変わらないッス」と淡白に切り返した。
しかし、だ。相次ぐ「結婚余波」への質問。ついにカリスマが業を煮やす。TBSサンデージャポンの記者から「対戦相手について矢沢さんに相談は?」という趣旨の質問が飛ぶと、表情は見る見るうちに一変。「結婚とか関係ないよね」と吐き捨て、「家庭を持ったからといって守りに入ることもない」とズバリ。続けざまに「相談してないし、相談したとしても言わないし」と怒りをにじませ回答したのだ。
語気を強めたのはそればかりではない。「ハッキリ言って、試合会場に彼女が来たからって、テレビで抜かれるのも嫌だ」。いまにもパンチが飛んでもおかしくないほどの殺気を放って、同大会を主催、テレビ放送するTBSに予防線を張ったのだ。
この緊急事態にK-1関係者は「会見前の魔裟斗選手が終始にこやかだっただけに、サンジャポさんの質問にはヒヤッとしました」とポツリ。「まあアレで魔裟斗クンがかつての殺伐とした部分をみせてくれましたし、試合が楽しみになってきました。世界王者になった年も殺伐としてましたからね」と起爆剤としてサンジャポに一定の理解を示したが、その表情は完全に青ざめていた。
魔裟斗をたきつけた格好のTBS。MAX不動のエースのボルテージはすでに“MAX”に達しているといっても過言ではないだけに、どんな試合になるのか、注目だ。