スポーツ
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スポーツ 2015年10月14日 12時05分
ドラフト戦線異常アリ 巨人の1位指名が読みきれない!(前編)
「巨人の出方が読めない」−−。10月22日、プロ野球新人選択会議(ドラフト会議)が行われる。各球団とも1位候補を10人程度に絞り込んでいることは既報通りだが、巨人の1位候補を読みきれないとするライバル球団の“悲鳴”も聞こえてきた。 「今は12球団のスカウトが情報交換を頻繁に行っています。自分たちが高評価した選手を他球団がどう見ているのか、他球団も高く評価していると分かれば自分たちの評価は間違っていないと自信が持てますし、情報化が進んでいますから、他球団が知らない無名の隠し球なんて、もうあり得ない時代ですよ。スカウトの評価、チーム事情によって、好選手の指名順位が違うだけです」(在京球団スカウト) 一般論として、1位指名の入札選手に関しては2通りの捉え方がある。『外れ1位選手』との力量差を考え、他球団との入札が重なるのを嫌う場合と、他球団と重複しても欲しい選手と思った選手に入札するケースだ。 今年は巨人の1位指名選手が読めないという。9月29日、巨人のスカウト会議が行われた。山下哲治スカウト部長自らが記者団の質問に応じ、「上位候補は12人」と明言した。これまで、巨人スカウトが具体的に名前を挙げ、称賛してきた指名候補は以下の通り−−。 県岐阜商・高橋純平投手、東海大相模・小笠原慎之介投手、吉田凌投手、普天間・與那原大剛投手、明大・上原健太投手、高山俊外野手、富士大・多和田真三郎投手、慶大・谷田成吾外野手、仙台育英・平沢大河内野手、関東第一・オコエ瑠偉外野手、大商大・岡田明丈投手、青学大・吉田正尚外野手、仙台大学・熊原健人投手…。 巨人の1位指名は東海大相模の小笠原と目されてきたが、まだ最終決定ではないようだ。 前出の在京スカウトがこう言う。 「大商大・岡田、青学大・吉田は大学選手権や侍ジャパン大学代表を見て、巨人サンは『上位候補リスト』に繰り上げたようですね」 吉田は去る8月26日、大学日本代表対高校日本代表戦で4番を務め、2打席連続本塁打を叩き込んだ。年下の高校生相手とはいえ、巨人以外のスカウトも「プロで十分やっていける」と“確信”したという。 「俊足外野ですが、単独スチールは少なく、強肩ではない。一塁も守れるので」(大学野球関係者) 吉田は、オコエ、東京六大学の安打記録を塗り替えた高山俊とはタイプが異なる外野手のようだ。しかし、「1位指名されるか?」と聞けば、「今年は高校、大学に好投手が多いので、どの球団も野手の指名は3位以下になるのではないか。もっとも、1位入札の抽選で外れたら、野手の1位指名に切り換える球団が出るかもしれないが」(前出・スカウト)と、現時点での指名順位は曖昧だ。しかし、巨人のドラフト戦略は他球団と異なる。 今季、一人前になるまで3年は掛かると見られていた高卒ルーキーの岡本和真がペナントレース終盤に一軍で結果を出した。高校生、あるいは、走攻守の一芸に秀でたアマチュア選手に対する評価を上方修正したのかもしれない。巨人も小笠原は2位以下で残っていると見ているのだろうか。いずれにせよ、今秋のドラフト会議では、外れ1位、2位、3位の指名基準を大きく変えてくるだろう。
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スポーツ 2015年10月13日 16時00分
オコエに平沢…、早くも情報戦開始 ドラフトに向けて巨人が阪神を陽動
巨人が9月29日にスカウト会議を開き、今秋のドラフト会議の1位指名候補を12人まで絞り込んだ。会議後には、山下哲治スカウト部長が記者団に次のように明かしている。 「2人は甲子園で評価を上げた。甲子園までAクラスにいなかった。必ずレギュラーになれるという評価。プラス、人気もありますから」 2人とは、オコエ瑠偉(18=関東一高)と平沢大河(18=仙台育英)のことだ。このスカウト会議の前に、「オコエの指名順位は繰り上がる」とする巨人スカウトチームの評価は漏れ伝わってきた。しかし、改めて平沢の名前を出したのには、ライバル球団への陽動作戦も含まれていたようだった。 在京球団スカウトがこう説明する。 「平沢の評価が急上昇したのは3年生になってからです。それ以前から打撃は二重丸でしたが、捕手をやっていたのでどの球団も積極的ではありませんでした」 その後、チームの事情もあったのだろう。内野手にコンバートされた平沢は、持ち前の打撃力にさらに磨きが掛かり、一気に全国的に有名な選手となった。その過程で特に熱心だったのは阪神だったという。 「亡くなった中村勝広GMが入れ込んでいました。チーム編成上で右投左打の内野手が欲しかったこともあり、理想のタイプが見つかったと喜んでいました」(同) 中村GMがイメージしていた右投左打の内野手とは、掛布雅之球団本部付育成&打撃コーディネーターのことだ。ゴメスとマートンの両外国人に頼りきっている打線を変えるには、生え抜きのクリーンアップ候補が必要だとし、「右投左打の三塁手として、平沢を大きく育てようとしていた」という。また、同GMは本格派のパワータイプの投手を好んでおり、1位は高橋純平で入札し、あわよくば1位高橋、2位平沢を夢見ていたそうだ。しかし、方針は転換されそうである。 「中村GMが亡くなり、阪神のチーム編成は当面、高野編成部長が一括します。高野部長は投手陣の再編を最優先にしたいと考えており、冷静にドラフト候補の実力を見極めようとし、各スカウトとも話し合って行くつもりです。平沢に冠する同部長の評価は不明です」(球界関係者) この時期に特定のドラフト候補の名前を挙げるのは、指名の重複が予想されるチームへの陽動作戦以外の何者でもない。巨人は平沢とオコエの名前を挙げた。巨人が反対の立場でもそうだったと思うが、どの球団も1位入札での重複を嫌う傾向がある。重複するのであれば、確実に一本釣りできる他選手に乗り換えようか“迷う”のだという。 「巨人は高校生野手の1位指名に消極的でしたが、岡本和真が1年目から一軍デビューを果たしたので、スター性のある高校生はむしろ積極的に獲るべきだと、考えを改めつつあります。その反面、投手陣の補強は急務ですが、こちらは地方大学の投手を3位以下で獲るようです」(同) 平沢が2位指名まで残っている可能性は少ないとの評価もあるだけに、阪神はフロント体制の変わったことで“掛布2世”をライバル球団に横取りされることになるかもしれない。
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スポーツ 2015年10月13日 11時12分
マートンが虎の敵になる!? 他球団が調査開始
球団創設80周年のメモリアルを優勝で飾れなかった阪神が、早くも『チーム再建』に動き始めている。注目は『ポスト和田』だが、フロントが目指す「ドラフト会議は新監督で」のスケジュール案は修正されるかもしれない(10月7日時点)。 「マートンに代わる新外国人選手との契約は年内に交わせそうです。故・中村勝広GMがシーズン中に現地調査を行っており、交渉解禁になれば、現地担当者がいつでも会えるような状況になっています」(在阪メディア人の1人) 阪神フロントがマット・マートン(34)を『構想外』と位置づけているのは既報通り。来日6年、首位打者1回、最多安打3回の実績は申し分ないが、すでに年俸は4億5000万円(推定)を越えている。今季の成績は打率2割7分6厘、本塁打9、打点59と振るわなかったが、『残留』となれば、マートン側が昇給を吹っ掛けてくるのは必至。ストライク・ゾーンを巡る審判団との衝突、本塁突入時の相手捕手へのタックル、集中力がきれたときの緩慢プレーなど、過去のトラブルも加味すれば、阪神の決断は間違ってはいない。 「マートンのメジャーリーグ復帰は厳しいと思われます。来季は35歳、日本で安打を量産した技術、実績は評価されるはずですが、外野手守備力、肩は、メジャーでは普通クラス。まあ、マイナー契約でのスタートでも構わないというのなら、ともかく」(米国人ライター) こちらも、約375万ドル(=4億5000万円)の年俸をもらっていただけに、平均3万ドル(約360万円)と言われるマイナーリーグの年収ではプライドが許さないだろう。もっとも、阪神で見せつけたマートンの打撃力ならば、「招待選手(マイナー契約)でキャンプイン、開幕前にメジャー契約」ということも考えられる。だが、その前に日本の球団もマートン獲得を検討するのではないだろうか。 「ああいう、気難しいタイプは獲らないほうがいい。阪神ベンチを見ても、他選手は一定の距離を置いて付き合ってきたし」(プロ野球解説者) だが、近年の日本のプロ野球界では、他球団に在籍したことのある“出戻り”も珍しくなくなった。日本球界を経験しているうえに、「爆発的な活躍はできなくても、これくらいは打ってくれる」という計算が立ちやすいからだ。客観的に考えれば、巨人の外国人選手よりもマートンのほうが戦力になる。フランシスコ、セペダ、アンダーソン、カステヤーノスの4助っ人の今季のヒット数を合わせても、マートン1人のほうが上だ。 巨人、DeNA、広島、楽天、西武、オリックスが獲得すれば、打線の破壊力は確実にアップするだろう。 「阪神がマートンを構想外としたのは、打撃成績が落ちたせいだけではありません。年俸がネックになった点は否定できませんが、首脳陣が求めるタイプではないからです。今季、阪神打線の465得点はリーグワースト、チーム本塁打78はリーグ5位。でも、総犠打数138と四球464は、リーグトップ。つまり、得点圏に走者を進めたときの『あと1本』が出なかったんです。マートンは得点圏打率が高くないので」(球界関係者) 今季のマートンの得点圏打率は2割3分5厘。シーズントータルで150本のヒットを放っておきながら、この数値ではたしかに低すぎる。しかし、クリーンアップタイプではなく、チャンスメイクできるタイプを欲している球団ならば、確実に戦力となるはずだ。 「14〜15年オフ、DeNAは巨人と契約の切れたロペスを獲り、成功しています。補強費も豊富なだけに獲得は可能です。巨人はかつて阪神首脳陣と衝突していたダレル・メイ投手を獲り、蘇生させた実績もある」(球界関係者) 10月7日、甲子園球場での練習後、マートンは「6年間、このユニフォームを着ることができ、感謝している」と語っている。最終決断は新監督を交えてというのが阪神フロントの見解だが、本人は退団に向かっているチームの空気を察していたようだった。
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スポーツ 2015年10月12日 16時00分
楽天梨田新監督は3年長期契約 そこから見えるチーム作りの狙い
東北楽天ゴールデンイーグルスが9月29日に行われた球団取締役会で、梨田昌孝氏(62)を新監督に招聘することを決定した。さらに、同会では3年契約を提示することも決まっていた。 「監督人事でのサプライズはありませんでした。星野仙一副会長(68)の人脈で中日OBの招聘も噂されていただけに、いま一つ、盛り上がりにも欠けています」(スポーツ紙記者) 果たして、本当にそうだろうか。監督経験が豊富で、年齢的にも円熟期の梨田氏を監督に迎えた理由は、優勝戦線に復帰したいからだろう。星野副会長も「オレも優勝するまで3年掛かった。ある程度の時間をやらないと」と、取締役会で話していたそうだ。 「梨田氏は優勝経験もあり、在野にいる野球解説者のなかでは安心してチームを任せられるタイプです。以前に監督を務めていたときも、梨田氏は奇をてらった作戦は執らなかったですし、選手起用も実績を重視するほうでした」(プロ野球解説者) それだけではない。梨田氏はこれまでに近鉄で5年、日本ハムで4年の指揮を執っている。日本ハムでは中田翔の育成も任されたが、どちらかといえばベテランや中堅の選手を起用し、調整法なども選手に任せることが多かった。それに対して、楽天はほとんどが若い選手で構成されている。若手中心の選手起用で新たな梨田采配が見られるかもしれない。また、こんな声も聞かれた。 「梨田さんは旧近鉄バファローズの出身です。関西方面では人気もあり、阪神の次期監督のウワサも出たほどです。関西での楽天戦の観客動員数が増えるのではないか」(同) 梨田氏の招聘だけで観客動員数が増えるとは思えないが、楽天本社に関係する企業も応援するのではないかと予想されている。考えてみれば、楽天は近鉄と旧オリックスの選手を集めて結成されたチームである。近鉄出身のプロ野球解説者を招聘したのは、ある意味で自然な流れだったのかもしれない。 「オリックスとの試合では、楽天のビジター三塁側スタンドが先に埋まる光景も見られるかもしれない」(ベテラン記者) 楽天は来季に向け、本拠地コボスタ宮城をリニューアルする。総工費30億円を掛け、内外野を天然芝化し、左中間に『公園席』を設置する。メジャーで主流となっているボールパーク化を目指す。公園席は椅子を設置しないため、収容人数が増え、3万人以上の動員も可能になるという。球団は「東北のファンのために」と工事の目的を語っている。 「今季、珍現象が起きたんです。実質、最下位争いだったオリックスとの地元の試合は、観客動員数が増えています。シーズン全体での観客動員数も増えており、楽天フロントは元身内のオリックスと張り合うことが商売になると考えたようです」(同) オリックスは今季の監督代行を務めた福良淳一が正式に指揮官に就任する。の福良監督は旧ブルーウェーブ出身だ。楽天はそこへ本家バファローズ出身の梨田監督をあてがい、新たな関西の野球ファンも発掘する狙いもあるのかもしれない。
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スポーツ 2015年10月10日 15時35分
今季より好条件! マーリンズに残留したイチローの年俸出来高の全容
MLBレギュラーシーズンが終わったばかりだというのに、早々にイチロー外野手(41)のマーリンズ残留が決定した。契約は1年だが、17年の選択権は球団が持ち、権利を行使しなかった場合には、50万ドル(約6000万円)がイチローに支払われる。 基本年俸は今季と同じ200万ドル(約2億4000万円)。今季、自己最低打率となる.229、1本塁打21打点11盗塁と、MLB移籍後、ワーストのシーズンとなっただけに、年俸が現状維持となっただけでも御の字だ。 気になるのは出来高の中身であるが、成績が悪かったにもかかわらず、今季より好条件だというのだ。今季の出来高は、300打席到達で40万ドル(約4800万円)が支払われ、さらに50打席到達ごとに40万ドルずつが追加。設定されていたのは600打席までで、最大280万ドル(約3億3700万円)が得られる内容だった。 今季、予想を覆して、ヤンキースに在籍した昨季を超える438打席に立ったイチローは、120万ドル(約1億4400万円)の出来高をゲット。ボーナスを含めたトータルの年俸は320万ドル(約3億8500万円)となった。 来季も打席数で出来高が付くが、250打席、300打席に到達した場合、それぞれ30万ドル(約3600万円)が支払われる。その後は、50打席ごとに40万ドルが得られる。設定は600打席までで、最大で300万ドル(約3億6100万円)となる。来季、今季と同等の打席数だった場合、支払われる出来高は140万ドル(約1億6800万円)で、今季のそれを上回る。 “4番手外野手”というイチローの立場を考えると、出来高が付くハードルが300打席から250打席に低くなった点は大きく、今季より好条件だ。 成績は自己ワーストとなったが、球団はイチローの守備、走塁、若手選手への好影響や、故障が少ない点を評価しており、事実上、年俸アップに等しい。ましてや、来季も今季同様のプレーができれば、17年もプレーできる可能性が出てくるわけで、イチローがマーリンズの提示に飛びついたのは当然のこと。 イチローはMLB通算3000安打まで、あと65本と迫っているが、球団は全面バックアップする姿勢。レギュラー外野手に故障者が出なかった際は、休養を与えるなどして、イチローに出場機会を与えるものとみられる。 大記録達成を目前にしているイチローにとって、球団の支援はありがたいかぎり。“控え”との立場ではあるが、心置きなく来季もプレーできそうだ。※為替は現在の相場(落合一郎)
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スポーツ 2015年10月08日 16時00分
俺たちの熱狂バトルTheヒストリー〈桜庭vsホイス90分の死闘〉
トーナメント戦で1試合だけルールが異なれば、もはや意味をなさない。普通ならそれだけで暴動ものなのだが、この日ばかりは違っていた。東京ドームに詰め掛けた大観衆にとって、誰が優勝するかは二の次。むしろ、そのルールの異なる試合を目当てに集まっていた。 桜庭和志vsホイス・グレイシー。2000年5月1日、全8選手が参加した第1回PRIDEグランプリ決勝トーナメント。同年1月に行われた1回戦に続く2回戦は、他の試合が15分1R制(ドロー判定は延長15分)であるのに対し、この試合のみ判定なし、レフェリーストップなしの無制限ラウンド制。前年にホイラー・グレイシーがレフェリーストップで桜庭に敗れているため、それを不服としたホイス側が要求したルールであった。 日本の格闘技界にグレイシー旋風が吹き荒れる中、桜庭はファンの“希望”そのものだった。師匠の高田延彦がヒクソン・グレイシーに2連敗、ホイスにも同グランプリ1回戦で判定負けする中、桜庭は同じ一族のホイラーをきっちりチキンウイングアームロックに極めて快勝していた。 「体重では10キロ以上も桜庭が上回り、今になって思えば勝って当然だったのかもしれないが、その当然の1勝が日本人の誰にもできなかった」(格闘技ライター) 桜庭は'97年、ケージマッチのUFCジャパンヘビー級トーナメントでも優勝している。 「桜庭が片足タックルに入ったのを、レフェリーが“ヒザを受けてのダウン”と判断。一度は理不尽な判定負けとされたものの、ケージ内に居座って抗議した結果、再戦となり腕十字で勝利。このときの相手だったマーカス・コナンは柔術黒帯で、桜庭は重量級の黒帯相手に勝った初の日本人選手となりました」(同) 桜庭の優勝コメント「プロレスラーは本当は強いんです」は、名言としてファンの心に刻まれた。もちろん、ホイスも第1回UFCで優勝して以降、世界の格闘技シーンをけん引してきた強者ではあるが、それでも多くのファンは桜庭の勝利を信じて疑わなかった。 緊張と興奮に包まれた東京ドーム。おなじみのグレイシートレインで入場したホイスに続き、桜庭の入場テーマが流れると、花道にはストロングマシン風のマスクをかぶった男が3人並んだ。館内のどよめきを気にするわけでもなく、ひょうひょうとリングイン。リングアナのコールとともにマスクを脱いだ桜庭の髪は、イメージカラーのオレンジに染められていた。 ファンサービスのエンタメ精神と同時に、相手の動揺を誘う場外戦の意味もあったのか。しかし、百戦錬磨のホイスもさすがで、眉ひとつ動かすことなく試合開始のゴングを迎えた。 得意の寝技に持ち込もうと引き込みにかかるホイスに対し、桜庭はスタンドのまま背中を向けて腕を取りにかかる。ホイスの腕をつかんだまま、ロープから場外に半身を乗り出し、ニヤリと笑う桜庭の表情が館内モニターに映されると、観客席から大歓声が上がった。 ホイスがグラウンドに誘う隙を突いて、桜庭が膝十字を極めたところで15分が経過。1R終了のゴングが鳴らされた。 「あとになって、このときホイスの脚が壊れたとの情報もありましたが、ともかく以後は、桜庭ペースの試合となりました」(同) ホイスの柔術着を脱がせにかかったかと思えば、モンゴリアンチョップを打ち込む。それもご丁寧に、天山広吉ばりに手刀を切ってからのものだった。さらに、ホイスの帯をつかんで引き上げると、AVでいうところのマングリ返しの体勢に持ち込む“恥ずかし固め”まで、やりたい放題の展開。桜庭の人柄から、どこかユーモラスな印象もあったが、いずれも柔術のセオリーを覆すべく考え抜かれた戦法であった。 結果、試合が6R(90分)に及んだところで、ホイス陣営は脚のダメージから、試合続行は不可能とみてタオルを投入。この瞬間、桜庭は完全なるグレイシー越えを果たし、日本格闘技史上にその名がしっかりと刻み込まれた。
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スポーツ 2015年10月07日 16時00分
USA発 新聞、テレビではわからないMLB「侍メジャーリーガーの逆襲」 ダル12億円、田中は6億円が“死にガネ”に… 故障率89%! 死屍累々の日本人大リーガーたち
今シーズン、日本人大リーガーは春先から故障者が続出。まずダルビッシュがヒジの腱の断裂でトミージョン手術を受けることになり、開幕前に全休が確定した。 さらに上原浩治と和田毅がハムストリング(大腿二頭筋)、藤川球児が腿の付け根を痛めて開幕時故障者リストに入り出遅れた。 開幕後も故障ラッシュは続き、4月下旬に田中将大が右手首、岩隈久志が肩の広背筋を痛めてDL入り。それにより日本人の先発投手が1人もいない状態がひと月ほど続いた。 その後5月下旬に和田毅が復帰してそれは解消されたが、その和田も6月下旬に左肩の三角巾を痛めて再度故障者リスト入り。同時期に青木宣親も死球を右足に受けて骨折し戦列を離れた。青木は7月下旬に復帰したが8月上旬に今度は死球を頭に受けて昏倒。さらに数日後に守備でフェンスに激突して頭を強打し脳震盪の後遺症に苦しむようになる。 8月にはもう一つ、上原浩治がピッチャー返しの痛烈なゴロを手首に当てて骨折。シーズン終了まで戦列を離れることになった。 9月になると、レッドソックスの田澤純一が登板過多から打ち込まれることが多くなったため、チームはシャットダウンすると発表。それにより、今シーズンはメジャー契約した9選手のうち、フルシーズン無傷でプレーしたのは41歳のイチローだけになった。 これだけ故障者が多いと当然、稼働率が低くなるので、年俸の多くが“死にガネ”になる。今季、メジャー契約をした9人の日本人選手の年俸総額は6075万ドル(72.9億円)だが、死にガネになったのは、その44.4%の2700万ドル(約32.4億円)に達した。 そこまで多くなったのはトミージョン手術でダルビッシュの年俸1000万ドル(12億円)がすべて死に金になったほか、高額年俸選手が次々に故障して、田中将大の年俸(2200万ドル=26.4億円)の25%、上原浩治の年俸(900万ドル=10.8億円)の36%、和田毅の年俸(400万ドル=4.8億円)の75%、岩隈久志の年俸(650万ドル=7.8億円)の40%が死にガネになったからである。選手に支払われたカネの44.4%が死にガネになったことは、大リーグの各球団に日本人選手に対する評価を見直すきっかけを与える可能性がある。球団経営で許容される「死にガネ率」は2割くらいまでで、それ以上になるとGMの資質を問われかねないからだ。 懸念されるのは「日本人投手=ガラスの腕」というイメージが拡散することだ。そうなればこれまでのように日本のトップ投手にメガ・コントラクト(契約規模1億ドル=120億円以上、契約期間6年以上の超大型契約)をオファーする球団が現れなくなる可能性がある。実際、日本人投手に距離を置き始めた球団もある。 「松坂大輔がちゃんと働いたのは6年契約のうち最初の2年だけ。ダルビッシュは2年半フル稼働したが、そのあとの1年半はゼロ稼働だ。田中将大に至ってはフル稼働したのは最初の半年だけだ。しかも松坂とダルビッシュはトミージョン手術を受け、田中も遠からず仲間入りするだろう。次に日本からどんな大物が来ようと、結果は彼らと同じになるだろう。3年5000万ドルくらいの契約ならリスクはないけど、6年1億ドル規模の契約はあまりにもギャンブルだ」(大リーグ球団の幹部スカウト) 日本人投手は投資効率が悪いという認識が広がった場合、被害を受けるのはメジャー挑戦を予定している大物投手たちだ。 その代表格は広島カープの前田健太と日ハムの大谷翔平だが、被害の度合いはマエケンのほうがはるかに大きいと思われる。米国では体の小さい投手は故障しやすく、投手生命も短いと思われがちだからだ。 「大谷翔平は体が大きいし、今のところ故障歴もない。このままいけば2、3年後にメガ・コントラクトでメジャーに来ると思うよ。しかし前田は違う。スライダーは米国でも十分通用すると思うが、骨格が細いうえ、ヒジの故障歴もある。速球の威力も十分とは言えない。もし6年契約を交わしたら、きっと半分以上が死に金になるよ」(同) メガ・コントラクトが難しくなっている要因はほかにもある。 「今オフのFA市場は先発投手のいい出物が例年以上に多く、買い手市場になることが予想されているんです。昨年のオフとは正反対なんです」(スポーツ専門局の記者) 昨年のオフはFAになるエース級、準エース級の先発投手が2、3人しかいなかったため、マエケンは獲得可能な先発投手の2、3番手にランクされていた。ところが今オフはエース級、準エース級が何人もFA市場に出るので、マエケンは5、6番手に下がる可能性が高い。 そうなると契約規模は3年5000万ドルから4年7000万ドルくらいが上限になるが、筆者はそれでいいと思う。 松坂大輔やダルビッシュは1億ドルを超すメガ・コントラクトをゲットすることに成功したが、それが大きなプレッシャーになって1年目は不本意な成績に終わった。マエケンはその轍を踏むべきではない。分相応の契約は身を助けることになるだろう。スポーツジャーナリスト・友成那智ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。'04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」(廣済堂出版)は日本人大リーガーにも愛読者が多い。
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スポーツ 2015年10月06日 16時07分
イチロー 自己最低打率更新も、マーリンズ残留が濃厚に!
イチロー外野手が所属するマーリンズが、今季のレギュラーシーズンを終えた。 10月4日(日本時間5日)の最終戦では、ダン・ジェニングズ監督の粋な計らいで、救援投手として、メジャー初マウンドに立ち、1回を2安打1失点だった。 今季は153試合に出場し、438打席に立ち、398打数91安打1本塁打21打点11盗塁、打率.229。メジャー移籍後、14年続けていた100安打はストップ。13年(ヤンキース時代)の打率.262を大きく下回り、自己最低打率を更新してしまった。 打率のみならず、試合数、打席数を除けば、安打、本塁打(ワーストタイ)、打点、盗塁も自己最低。イチローとして、なんとも納得いかない成績に終わってしまった。 守備力、走力は健在だが、打撃面では明らかに衰えが隠せないが、マーリンズはあくまでも“4番手”の控え外野手としての働きを評価。 今オフにFAとなるが、マイケル・ヒル編成本部長は「残ってくれればうれしい」と早くも残留を希望した。 イチローは周囲に「今のところ、残留の可能性が最も高い」と漏らしているといい、相思相愛。 10月22日で42歳となり、2割2分台の打率しか残せなかったイチローに対し、“メジャー契約”でオファーする球団が、マーリンズ以外にあるかどうかは、はなはだ疑問。 メジャー3000安打まで、あと65本。500盗塁まで、あと2と迫っており、イチローにとって、来季は大記録が懸かる重要なシーズンとなる。可能な限り、出場機会が得られるチームでのプレーを望むのは当然のことで、年俸さえ折り合えば、マーリンズに残留する可能性が濃厚になったといえよう。(落合一郎)
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スポーツ 2015年10月06日 16時00分
プロ野球「弔い合戦」 松原・選手会事務局長の死去で楽天・嶋が中日FA移籍へ
パ・リーグ屈指の好捕手の動きが球界の勢力分布図を変える。 中日・谷繁元信兼任監督(44)が現役引退を表明した。連続試合出場記録を塗り替え、来季からは監督業に専念。誰もが思い描いていた規定路線だ。しかし、谷繁兼任監督の引退表明と前後して、中日グループのドン・白井文吾オーナーから意味シンな発言が飛び出した。 「契約書を調べないといかん。オレが知ってることと違う」(9月14日) 監督・谷繁は来季、4年契約の3年目を迎えると思われていた。その後、同オーナーは「勘違い」とし、自身の発言を撤回。しかし、落合博満GMを中核とした現体制の仕掛け人はオーナー自身である。勘違いするはずもないのだが…。 「戦力補強に関する責任者は落合GMです。最下位に関する責任を問う声が出ないのは、後ろ盾である白井オーナーが来年もドラゴンズのオーナーを続けることが確認され、落合批判がタブーとなったからです。しかし、地元TV局は対巨人戦の視聴率が1ケタ台に落ちており、これに対し何もしないのでは示しが付かない。そこで、落合GMがいったん監督に復帰し、チームを建て直すとも噂されています」(球界関係者) 白井オーナーの不可解な発言はそのためか…。いずれにせよ、今オフのチーム補強も落合GMが仕切ることになる。そこで落合GMはサプライズを温めていたのだ。 「FA権を持つ好捕手が3人います。楽天・嶋基宏、埼玉西武・炭谷銀仁朗、日本ハム・大野奨太です。炭谷の中日移籍は去年も囁かれたが、実現しませんでした。谷繁の後釜となりうる正捕手が育たないのなら、外部から補強するしかない」(ベテラン記者) そこで、急浮上してきたのが、嶋基宏だ。嶋は現職の選手会会長でもある。その選手会を長年支えてきた事務局長の松原徹氏が病死したのは、9月20日。 「松原氏は元ロッテ球団のスタッフでした。落合GMとは現役時代から交流があり、プロ野球選手会とかかわるようになったのも、落合GMによるものなんです。落合GMの人情家な一面、心許した人に対しては面倒見も良いということは、松原氏から嶋も聞かされています」(前出・球界関係者) 昨季FA権を得た嶋は、「このチームでもう一度優勝したい」と言って残留。だが、三木谷浩史オーナーの現場介入にもっとも怒っているとされ、去就が注目されている。 「嶋は東日本大震災の被災者に向けたスピーチをしています。落合GMは表には出ないが、球界の救災チャリティーについて『一過性で終わらせるな!』と後方支援してきました。選手会要人は落合GMを信頼しています」(前出・同) 巨人も阿部に代わる正捕手の補強を考えているが、嶋の世代はメジャーリーグ中継を見て育ったため、「巨人ラブ」のみではない。したがって、嶋争奪は中日の圧勝となりそう。落合GM初のFA交渉も見物だ。
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スポーツ 2015年10月05日 16時00分
楽天・梨田新監督に懸念される楽天フロント人間関係の拗れ
9月29日に楽天グループの取締役会が開かれ、東北楽天ゴールデンイーグルスの来季体制についても承認された。次期監督として招聘するのは、近鉄、日本ハムで指揮を執った梨田昌孝氏(62)である。 立浪和義氏、与田剛氏などの名前も報じられたが、経験豊富な年長者に白羽の矢が立てられたのは「優勝戦線に復帰したい」との思いが強かったからだろう。 「前監督の星野仙一氏が球団副会長に就任したことで(7日)で、星野氏と親しい間柄にある球界OBから来季の監督が選ばれるのではないかとの見方が強まっていました。立浪、与田両氏といった中日OBの名前が出たのはそのためです」(ベテラン記者) 地元ファンが望む監督は、チームOBの山崎武司氏(46)だ。山崎氏は2011年に戦力外通告と同時にコーチ入閣を打診されたが、「まだ燃え尽きていない」とし、退団を表明。その後、古巣中日で2季奮闘して引退したが、東北のファンは「いつか帰って来てくれる」と強い期待を寄せてきた。 「山崎氏は新規参入した05年以降、チームのためにとフロント幹部にも意見するなどし、強い存在感を示してきました。当時から現場、フロントともに信頼の厚い選手だったため、大久保監督が就任する昨年オフも、山崎待望論が出ていました」(チーム関係者) その山崎氏の招聘が今回も見送られた背景に、星野副会長との確執が噂されている。山崎氏は中日時代、星野体制で本塁打王のタイトルを獲得したが、円満な関係ではなかったという。 「99年に中日が優勝したとき、終盤戦で山崎はスタメンを外されました。汚名返上の一発を放ったとき、『オレを使っていれば』と星野監督に吠え、その後も歴代コーチ、監督と衝突を繰り返しています。その点については、山崎氏も若気の至りだったと反省しています」(前出記者) 山崎氏に戦力外の通告をしたのも当時の楽天の監督を務めていた星野副会長だった。星野副会長が意図的に山崎氏を監督候補から外したかどうかは分からない。しかし、今回の梨田氏招聘は星野副会長が仕掛けた人事ではなさそうだ。 「立花球団社長や一部フロントが調査し、梨田氏の名前があがってきた。今回の梨田監督就任は星野副会長に人事権がなかったということを証明したようなもの」(同) 楽天は三木谷オーナーの現場関与が発覚し、各方面から非難を受けた。星野氏が球団副会長に就任し、チームの再建を託されたはずなのだが、人事決定権はフロント幹部による合議制という、従来のスタイルから変わることはなかった。 「三木谷オーナーへの非難を交わすため、星野副会長を担ぎ出しただけでは」(前出・同) 今後、星野副会長は補強面で辣腕を振るうとされているが、中日、阪神時代のように札束で好選手を買うようなやり方は楽天では許されない。ならばいっそ、“仇敵”の山崎武司氏とスクラムを組み、ファンの支持という後ろ楯を得た方が自身の存在感も示すことができたのではないだろうか。 梨田新監督も人間関係の複雑さに苦労させられそうだ。
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