「ラストマッチのつもりでいく」。ボビー・オロゴンの実弟アンディ・オロゴンとの対戦が決定した金子はみけんにシワを寄せながらクールに言い切った。決してセリフを読んでいるのでもなければ、カッコつけているワケでもない。悲壮な決意を示したまでだ。
金子にとってプロ3戦目。いまだ1勝も挙げられてないだけに、自らを追い込むためにあえて“引退”を口にしたのは無理もない。会見でも谷川貞治プロデューサーがあくまで今回は「真価の問われる試合」としたのに対し、金子は「ホント最後の気持ち」と呪文のように繰り返した。そもそもイケメン俳優として映画「キッズリターン」に出演するなど順風満帆なタレント生活を送っていたが、2年前から格闘技に専念するため俳優業を休止している金子。
とはいえ、今回「元モデルだった」という同じ“色物出身”のアンディに完敗すれば俳優業に“リターン”することも十分考えられるが、金子は「そりゃない」の一点張り。あくまで強気だ。不退転の覚悟をチラつかせながらも「格闘技はやめない」とチグハグ回答する金子だが、その舞台裏ではなんと「金子は負けてもOK」という耳を疑う声もあがっているという。
TBS関係者は次のように指摘する。「金子さんはたとえ負けても全然OKだと思いますよ。だって今度は前田さんのところで特訓とかして再生させれば面白いじゃないですか。来年、前田さんは本格的に選手育成に乗り出すみたいですし。番組としても良い前フリが作れる。あの遺恨を使わない手はないですからね」
前田日明スーパーバイザーと金子といえば、物議をかもした「センズリ発言」の一件がある。HERO'S 10月大会で戦前から前田に「金子がリングに上がるのはタレントの自己満足。センズリ参戦だ」と揶揄(やゆ)され、試合後も「アマチュアからやったほうが良い」「プロでやらせるのはかわいそう」などと強烈な“物言い”をつけられた。にもかかわらず、今回はプロ最高峰のリングに上がることになるが、金子はまだ前田に報告はしていないようで「その辺は分かんないっすね」と煙に巻いてみせた。
当初はイケメン俳優・押尾学とのタレントマッチなどがウワサされていたが、押尾が矢田亜希子と結婚するという“ハプニング”に伴い結局のところアンディとの大みそか決戦に落ち着いた金子。とはいえ、負ければ禁断の“前田道場”入りが持ち上がっているだけに、是が非でもアンディを仕留めて初勝利を挙げたいところだ。