新日本
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スポーツ 2018年10月09日 12時53分
【追悼】元横綱 輪島さんがプロレス・格闘技界に残した功績。レスラー時代を振り返る
大相撲の第54代横綱、輪島こと輪島大士さんが死去したことが9日分かった。70歳の若さだった。 横綱でライバルの北の湖さん(故人)とともに、70年代の大相撲界で“輪湖時代”を築いた輪島さんだが、81年3月場所引退後、自身の借金問題などが原因となり、85年12月に日本相撲協会を退職(廃業)した。 翌86年、ジャイアント馬場さん(故人)の全日本プロレスに入門。馬場さんはパット・オコーナーや、ネルソン・ロイヤルといったアメリカの名レスラーに輪島さんを預けて、当時日本テレビのゴールデンタイムで放送していた『全日本プロレス中継』の新たな目玉にするべく、デビューに向けた準備を進めた。しかし、横綱まで登りつめた逸材とはいえ、年齢は38歳。体に染みついた相撲の癖が抜け切らず、デビュー戦は同年8月に馬場さんとのタッグで、日本ではなくアメリカで行っている。これは日本でのデビュー戦で恥をかかせないため、予行練習的に行ったものであり、横綱への配慮だったと言われているが、相撲時代に“黄金の左”と言われた左の喉輪とかち上げを合わせた必殺技、ゴールデン・アームボンバーを披露し、上々のデビュー戦だった。 日本でのデビュー戦は、同年11月1日に地元である石川県の七尾市総合体育館で行われた。当時、全日本プロレスのトップヒールだったタイガー・ジェット・シンと対戦。試合は噛み合うことなく、5分55秒両者反則で終わったが、ゴールデンタイムで放映されたテレビは23.5%(ニールセン調べ)という高視聴率をマーク。日本相撲協会は全日本に対して無期限の国技館使用(貸し出し)禁止を通達したが、『全日本プロレス中継』をゴールデンに復活させた長州力らジャパンプロレス勢が新日本プロレスにUターンしたこともあり、輪島さんは全日本の救世主となる。 そんな輪島さんに対して、世界最高峰だったNWA世界ヘビー級王座への挑戦や、長州が返上したPWFヘビー級王座決定戦に抜擢されるなどカード的には優遇されていたが、試合内容の評価は極めて低いものだった。そんな輪島さんを見た同じく大相撲出身の天龍源一郎は「横綱には強くあって欲しい」と激しい攻めを展開。大相撲では“格下”だった天龍の熱意に輪島さんも応えて、胸を張って受けまくったため、両者の絡みはこれまでの全日本にはなかった熱を生んだ。天龍と輪島さんの試合をテレビで見た“格闘王”前田日明(当時新日本)が「これをやられたら俺らの存在意義がなくなる」と思ったのは有名な話。その後、前田は長州の顔面を蹴ったことが原因となり、新日本を解雇され、第2次UWFを旗揚げ。UWFブームを築き、後の格闘技ブームへと繋がっていく。 輪島さんは2年間でプロレス生活にピリオドを打ったが、ゴールデン・アームボンバーは田上明が喉輪落としとして継承。現在では更に高角度に持ち上げるチョークスラムとして身長が高いレスラーが使う世界的な技となった。また、天龍はこれがきっかけとなり天龍革命を起こし、全日本のエースだったジャンボ鶴田さん(故人)の対角線に立ち、激しいプロレスを継続。輪島さんがプロレスラーに転向しなければ、天龍や前田が決起することはなかったかもしれないわけで、“プロレスラー輪島大士”がプロレス界、そして、格闘技界に残した功績は大きい。 プロレス引退後は、とんねるずのバラエティ番組でまさかの“日テレ復帰”をし、若者からも人気を集めた。また、アメリカンフットボールのコーチを務めたり、大相撲の解説をするなど、精力的に活動を続けていたが、2013年12月に咽頭がんの手術を受け、発声が困難な状況になり、15年11月20日にライバルだった北の湖さんが亡くなった際にもコメントだけ寄せていた。 SNSではプロレス時代、バラエティ番組時代を知る世代から惜しむ声が次々に発信されており、ツイッターのトレンドでは3位に入っている。平成の終わりに昭和のレジェンドがまた一人逝ってしまったのは寂しい。合掌文・どら増田写真・舩橋諄
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スポーツ 2018年10月07日 21時15分
10.31ヒートアップとどろき大会で、新日本参戦経験のある兼平が18歳の井土と王座戦
“中高年を元気にする”をテーマに掲げるプロレス団体「GOING-UP」は、王子BASEMENT MON☆STAR大会を9月29日に開催。セミファイナルで、ガッツ石島&井土徹也と、ヒートアップユニバーサル王者の兼平大介&大谷譲二というタッグマッチが組まれた。 井土は10.31ヒートアップとどろきアリーナ大会のメインイベントで兼平のタイトルに挑戦することが決定。カードが決まってからは荒々しさのあるファイトスタイルを見せている。この日も狙いを兼平に定めていたが、「ここはGOING-UPのリング。2人の前哨戦にはしない」と意気込む大谷に足元をすくわれそうな場面も見られた。 試合は、ガッツのコンディションが良好なこともあって、両チームが拮抗する闘いを見せていたが、最後は兼平のstrike of the kneeが井土を捕らえてカウント3。最後の前哨戦で王者である兼平が優位に立つ形になった。ベルトを肩に井土を踏みつけて挑発する兼平に、井土がつかみかかり試合後は大乱闘に発展した。 チャンピオンの兼平だが、新日本プロレス『LION'S GATE』で永田裕志や小島聡とも対戦し高い評価を得ている。前哨戦を終えて「自分も経験しているから分かるんですけど、挑戦表明するというのはすごく勇気のいる行動だと思うんですよ」と井土を評価した。 兼平は「新木場の試合後に突然殴りかかられたり、けんか腰で挑戦表明された時は一瞬頭が混乱したけど、心のどこかで客観的にその状況を楽しんでる自分もいました」と振り返る。「挑戦表明した後というのは必然的に見る側の人のハードルが上がり、今までは期待の新人で良かったのが、ベルトの挑戦者になる。1回目の前哨戦はまだ『期待の新人』、2回目の前哨戦ではようやく『挑戦者』に近づいた感はありましたね」と井土に理解を示しつつ、厳しく分析している。 一方の井土は「今回、挑戦表明したのは、ヒートアップ最大のビッグマッチだからこそ所属同士でメイン、タイトルマッチをやらないといけないと僕は思っていた(から)」と動機を語る。 「所属選手と有名な他団体の選手との対戦だと、有名選手と戦った所属選手の価値は上がるかもしれない。お客さんも入るかもしれない。だけど、本当の意味でヒートアップという団体は上にはいけないと思うんです。所属選手でやることに意味がある」とその意義を強調。「18歳でメインでタイトルマッチに挑戦するというのは話題になりやすい。大きく取り上げてもらえる可能性もある。“同世代の人が自分と年齢が近い人ビッグマッチのメイン!?”とか、そこから自分と同じ若い世代の人が、ヒートアップに興味を持ってるかもしれない。もしからたらヒートアップでプロレスをやりたいと思ってくれるかもしれないじゃないですか」とプロレス界やヒートアップのことを思っての行動だったと明かした。 井土は「とどろきでベルトを獲りますよ。前哨戦では改めてチャンピオンの強さを知らされましたけど、ヒートアップにヘビー級の強いチャンピオンがいてくれるのは嬉しいし、それを自分が越えればいいだけの話です」と意気込む。18歳にしては、かなりしっかりとした考えと覚悟を持っていることがよく分かる。 2人に初対面の印象を聞くと兼平は「初めて井土に会った時は細くてスラッとしていて黒髪で女子バレーボール選手みたいだなと感じてました(笑)」と笑わせた。「ただ、少し話したり練習したりした時から地頭が良くて、すごい才能はあるのは十分感じてました」と、はじめから井土の才能に気づいていたようだ。 井土も「初対面のイメージは、正直なところをいうと…あまりこれといったイメージはなかったです(笑)」と応じた。「僕が当時見たヒートアップでは、田村さんがエースで近藤さんのキャラの強さが勝っていたので…。ただ、見ていると徐々に惹きつけられる魅力を感じました。おそらくファンのままだったら、兼平大介のファンになっていたと思います。ファンだったら…の話ですが」と少しオブラートに包みながらも兼平を認めていた。 とどろきではどのような試合を見せたいのか? 兼平は「自分のチャンピオンの理想像は、ベタで王道だけど『相手の全てを受け止めて、さらにその上をいって勝つ』なのでその通りの試合をしたいと思う」と宣言。 井土は「メジャーに負けない、ヘビー級の闘いをして、ベルトを獲りたい」と意気込む。「おそらくチャンピオンと僕は目指してる場所は似ていると思う。チャンピオンは181センチ、100キロ。僕は180センチ、96キロ。なかなか、インディーでここまでデカイ選手はいないでしょう。デカさだけじゃない。気持ちも含めて、僕たちだからこそ、インディーではできない試合ができると思う」と期待する。 「僕の目標はメジャー。だからこそ兼平大介がベルトを持っている時にビッグマッチで挑戦する意味があると思う。そしてお客さんにも、ヒートアップってスゲエなって思わせるような試合をしたいですよね」と井土。インディーではなかなか見られないヘビー級の試合を見せたいと話した。 最後にとどろき大会への思いと、試合後に描くビジョンについて聞いた。 兼平は「プロレスに入団した頃、最近まで自分がヒートアップ最大のビッグマッチの大会のメインで、それも井土と試合をするなんて想像していなかった」と吐露。「とどろき大会では眩しいくらいの明るい未来を見せたいと思います。とどろき後のビジョンは…終わってから見えてくると思います」と話した。 井土「とどろきという、最大規模6,500人の会場のメインで、タイトルマッチ。今までにない責任感はある。それを18歳という年齢で超えてこそ意味がある。だから、とどろきでは、チャンピオンだけじゃなく、観客動員、他の試合も含めて全てと闘った上で勝つ」と改めて誓った。「僕がチャンピオンになったら、僕の価値観でベルトとともに団体、自分の価値を上げていきます。ベルトはその団体でいちばん強い者が持てる象徴ですから。僕がベルトを巻いた時には僕の色をつけていく。そしてプロレスファンにも届くベルトにしたいですね」と高い目標を口にした。 前哨戦では派手にやられてしまった井土だが、兼平も認めるように将来性とスター性は抜群。とどろきアリーナは井土がデビューした会場でもあるだけに、思いも強いようだ。この大会には藤波辰爾、藤原喜明、ザ・グレート・サスケら、レジェンドレスラーも出場する。その中、ヒートアップ生え抜き同士によるタイトル戦をメインに組んだのだ。チャンピオンの兼平にとっては乗り越えなければならない壁。インディーの新たな世界を見せてもらいたい。写真 / T-サモハン【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.26】
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スポーツ 2018年10月06日 21時30分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「小橋建太」生きざまでファンを熱狂させた“絶対王者”
サラリーマンを辞めてコネでプロレス界入りした凡才が、いつしか業界のトップに立ち“絶対王者”と称されるまで成り上がってみせた。そんな小橋建太のサクセスストーリーを支えたのは、周囲があきれるほどの練習量とたゆまぬ努力であった。 “努力を重ねた末に成功を果たす”というのは少年漫画やドラマの定番ストーリーだが、プロレスの世界においては決して主流ではない。 トップスターに求められるのは、リング上でのアピールにつながる天才的な格闘センスや過激なフィニッシュホールド、あるいは怪物的な体躯やアイドル的なルックスなど、見た目にも派手な部分であり、レスラーの内面を表現する場合も“悪役に向けた怒り”や“痛みに耐える根性”というような、やはり客席に伝わりやすいものとなる。目に見えづらい日頃の努力などは、あくまでもサブストーリーの位置付けだ。 その意味からすると“努力”を前面に打ち出してトップを張った小橋は、古今東西のプロレス界を見渡しても相当にまれな存在ではなかろうか。 若手時代の小橋についてジャイアント馬場が「趣味は練習」とテレビ解説で評したように、その頃のウリはほぼそれ一本。 特別に技術やパワーで優れていたわけでもなく、デカくもなければマッチョでもない。顔つきも整ってはいるが、とりたててイケメンでもなく、マイクパフォーマンスなどはむしろ不得手であった。 さらに言えば、ライバル関係などのアングルにも恵まれてこなかった。 ジョニー・エースやパトリオットと組んだユニット“GET”や秋山準らと組んだ“バーニング”は、実質的に小橋が主役のユニットではあったが、その当時の全日本プロレスのメインストーリーはあくまでも四天王プロレスであり、軍団の長であることの価値はさほど高いものではなかった。 「それに四天王の他のメンバー(三沢光晴、川田利明、田上明)は年齢や経歴で明らかに上回っており、小橋からすれば乗り越えるべき壁ではあっても、ライバル関係とは言い難いものでした」(プロレスライター) アマレスで全国レベルだった三沢と川田、大相撲で十両まで昇進した田上と比べると、部活程度の柔道経験しかない小橋は、プロ入り前のバックボーンでかなり見劣りする。 プロレスラーへの憧れを抱きながらも一度はサラリーマンの道を選び、諦めきれずに入団試験に挑むも、書類審査で落選。ツテをたどってなんとか潜り込んだというまさに“雑草中の雑草”でありながら、周囲があきれるほどの練習量でトップの一角にまでのし上がった。 「しかし、小橋が他とは違うのは、そうして頂点に立った後も“努力の人”というキャラクターは変わらぬままでいて、さらに人気が高まったことなんです」(同)★GHCヘビー級王座を13度防衛 三沢らとともにプロレスリング・ノアを旗揚げした当初は、故障による欠場もあったが、復帰してから2003年にGHCヘビー級王座を獲得すると、そこから2年にわたり13度防衛。これと並んで同タッグ王座にも就く“絶対王者”として君臨する。 ノアに移ってからの小橋は、交流戦も含めてシングルマッチでわずか2度しか敗れていない(旗揚げ2戦目の秋山戦とGHC王座陥落となった'05年の力皇戦)。力道山の時代なら次々と新たな外国人を相手にすることで、連勝と人気の両立も可能だったろう。しかし、小橋の場合は2000年代の話である。 ある程度限られたメンツを相手にして一方的に勝ち続け、そうなるとファンの方が飽きてしまいそうなものだが、逆にこの時期のノアは、新日本プロレスに代わるプロレス界の盟主と言われるほどに人気を高めていった。 ライバルもいない、勝ったり負けたりのストーリー展開もない、明確なベビーフェイスとヒールの区別もない。それまでのプロレス興行の常識からまったく外れていながらも、小橋の人柄への信頼と試合内容だけで、ファンの熱狂を呼んでみせたのだ。「ノアでの2度の敗戦は、若手を格上げして新たなストーリーをつくっていこうという意図があってのことでしょうが、ファンがそれを許さなかった。その意味で象徴的だったのが'05年の東京ドーム大会です」(同) この大会での小橋と佐々木健介との一戦は、タイトルマッチでもなければ特別な因縁があったわけでもない。それでいて同日に行われた力皇のGHC戦や三沢と川田の因縁決着戦を差し置き、プロレス大賞の年間最高試合賞を獲得している。 小橋がその生きざまを込めて、チョップ合戦を繰り広げるだけで十分。そこに華麗な技や余計なアングルは一切必要ないというのが、ファンや関係者の答えであったのだ。小橋建太***************************************PROFILE●1967年3月27日、京都府福知山市出身。身長186㎝、体重115㎏。得意技/剛腕ラリアット、ムーンサルトプレス、バーニング・ハンマー。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年10月05日 21時15分
新日本プロレス世界戦略へ新たなプロジェクト、アメリカ版『LION’S GATE』開催!
今年、アメリカで3大会を開いた新日本プロレスが“世界戦略”を着々と展開している。現地時間の来年4月6日には、世界最大のプロレス団体WWEの“お膝元”MSG大会(ニューヨーク)をROHと合同で開催すると発表。現地の反響はすさまじいそうで、フルハウスになるのは確実と言われているのだ。現在の新日本はアントニオ猪木の時代でも実現できなかったことを成し遂げようとしている。 そんな中、またまた新たな新プロジェクトが発表された。現地時間の11月10、11日に、『CharaExpo USA 2018』(アナハイムコンベンションセンター=カリフォルニア州)内で『Lion’s Break Project 1』を開催することが決定した。日本で行われている永田裕志プロデュースの若手選手育成大会『LION’S GATE』のように、現在、柴田勝頼らがコーチを務めているロサンゼルス道場出身の若手選手育成をテーマにするという。『LION’S GATE』では、全日本プロレス、K-DOJO、ヒートアップなど、団体の枠を超えて選手を受け入れ。先シリーズでは『LION’S GATE』に出場していたK-DOJOの吉田綾斗が、永田の推薦でシリーズフル参戦を果たしている。 11月の大会では9.30ロサンゼルス大会でデビューした“ロスのヤングライオン”クラーク・コナーズとアレックス・コブリンの試合が早くから注目されている。 初日は9.30ロサンゼルス大会で因縁が再燃し、7.7サンフランシスコ大会からNEVER無差別級選手権で対戦経験のある後藤洋央紀とジェフ・コブのシングルが実現。日米でど迫力の試合を展開した両者の再戦には期待できそうだ。 2日目は、IWGPヘビー級王座を保持しているケニー・オメガが、新日本プロレスの道場育ちのデビッド・フィンレーとシングルで対決。フィンレーにとっては、同じヤングライオンでの経験を持つジェイ・ホワイトやジュース・ロビンソンがケニーと対戦しているだけに、「待ってました」とばかりに思いをぶつけるのではないか。アメリカでカリスマ的な人気を誇るケニーとは対戦するだけでも知名度が上がる。フィンレーにとってはビッグチャンスだ。サラブレッドの底力を見せる時がやってきた。『Lion’s Break Project 1』参戦選手デビッド・フィンレー獣神サンダー・ライガー田口隆祐ACH後藤洋央紀ロッキー・ロメロケニー・オメガジェフ・コブクラーク・コナーズアレックス・コブリン 当日はサイン会なども開催される予定。このブランドが、いずれWWEのNXTのようなブランドに発展すれば、WWEの視線が“ニュージャパン”に集まる可能性もある。新日本を買収した時、木谷高明オーナーは「WWEが相手にするには今の数倍売り上げを出さないと振り向かない」と話していた。あれから6年が経ち、振り向く存在になったのは確か。新日本は選手流出に気をつけなければならない時期に来ているが、覚悟がなければできないような“アメリカ侵攻”を止めていないのも事実である。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年10月03日 21時15分
新日本、10.8両国大会の全カードが決定!Codyがケニーと飯伏に割り込みIWGP挑戦
新日本プロレスは『KING OF PRO-WRESTLING』10.8両国国技館大会の全対戦カードを発表した。メインイベントではケニー・オメガに飯伏幸太が挑戦するIWGPヘビー級選手権試合が予想されていたが、驚くべき展開となった。日本時間1日に行われたアメリカ・ロサンゼルス大会のメイン終了後、今年2人からシングル戦で勝利を収めているCodyが登場し、ケニーと飯伏に「3WAYでIWGPヘビー級王座戦をやろう」と驚きの提案をしたのだ。 Codyはバレットクラブ内紛を仕掛けた張本人だが、サモア勢がバレットクラブOGとして反旗を翻してからは、ケニー派と思われていた。しかし、ロサンゼルス大会でジュース・ロビンソンを破りIWGP USヘビー級王者になり、先日はあのNWA世界ヘビー級王座も奪取したことで、IWGPヘビー級王座への欲が芽生えたのかもしれない。 飯伏は「何で同じユニット同士で闘わなきゃならないんだ」と困惑していたが、ケニーは「そのアイデアは魅力的だ。俺たちのやり方で歴史を作りたい。プロレスの美しさを伝えよう」と受諾した。さすがは時間無制限3本勝負でオカダ・カズチカを破ったチャンピオンである。IWGPヘビー級王座を懸けて3WAY戦が行われるのは今回が3度目だが、ケニーはDDT時代に3WAYでのタイトル戦を経験済み。ホームページではメインイベントを3WAYマッチで行うことが伝えられている。 セミファイナルでは、棚橋弘至が保持する1.4東京ドーム大会IWGPヘビー級王座挑戦権利証を懸けた試合に、外道をマネージャーに付けたジェイ・ホワイトが挑戦する。 1日のロサンゼルス大会では、棚橋&KUSHIDA対ジェイ&外道というカードが組まれたが、ジェイがブレードランナーで棚橋からフォール勝ち。『G1クライマックス28』公式戦に続いて2連勝となった。棚橋は権利証の防衛記録を伸ばしていく意向だが、10月の両国大会のメインとセミの勝者が来年1.4東京ドーム大会のメインでIWGPヘビー級選手権を闘うのがここ数年の慣例となっており、今年もその可能性は高い。オカダを育てた外道という強力なパートナーを得たジェイの勢いと成長ぶりにはすさまじいものがあるが、完全復活を目指す棚橋にとっては絶対に負けられない。 高橋ヒロムの長期欠場でベルトを返上し、開催されているIWGPジュニアヘビー級王座決定トーナメントの決勝は、KUSHIDAとマーティー・スカルの間で争われる。この2人は今年の『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』公式戦で名勝負を繰り広げた末、KUSHIDAが勝利を収めた。スカルは人気も高く、今回の試合ではかなり巻き返してくるのではないだろうか。 2日に「10.8両国国技館で新しいパレハ(友人)を紹介する」とビデオメッセージを公開した内藤哲也は、SANADA、BUSHIと、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの新メンバー『X』とタッグを組み、オカダ・カズチカ&矢野通&YOH&SHOと8人タッグで激突する。Xが誰なのかにも注目は集まるが、CHAOS内紛後、態度を明らかにしていない矢野、ロッポンギ3Kとオカダの距離感がどれだけあるかも注目だ。 また、EVILは対戦を熱望していたザック・セイバーJr.とのシングル戦が実現。第1試合では9.23神戸ワールド記念ホール大会で挑戦表明した獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクが、IWGPジュニアタッグ王座を懸けて金丸義信&エル・デスペラードに挑戦するなど、豪華な全9試合がラインナップされた。 チケットは販売開始と同時にほぼ完売した。両国規模の大会のカードが1週間前に発表されるというのも異例な出来事だ。それだけ「10月の両国にハズレなし」という印象がファンに根付いてきたということだろう。1.4東京ドームのメインが決まるであろう10.8両国は秋の終焉と冬の到来を感じさせる大きな節目の大会になるだろう。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年10月02日 21時45分
新日本“ジェイの乱”にオカダが初言及、「外道さんと仲良くとことんやったらいい」
新日本プロレス『FIGHTING SPIRIT UNLEASHED』▽1日 アメリカ・WALTER PYRAMID 観衆 3,007人 新日本プロレスが今年3度目となるアメリカ大会を日本時間の1日、ロサンゼルスのWALTER PYRAMIDで開催した。今回もアメリカのファンはウェルカムムードで、“ニュージャパン”を体感しようと会場に詰めかけた。 『KING OF PRO-WRESTLING』10.8両国国技館大会の対戦カードがいまだに発表されていない中、注目されたのは9.23神戸ワールド記念ホール大会で表面化したCHAOSの内紛問題。オカダ・カズチカと決別宣言したジェイ・ホワイト&外道の関係修復は不可能な状態だ。しかし、その他のメンバーは態度を明らかにしていない。今大会までの間に情報があるとするならば、ツイッター上では当日の大会終了後、後藤洋央紀が困惑した様子でツイートしていたことぐらい。また外道の相方で、現在欠場中の邪道の誕生日には、矢野通が祝福のリプライを送っている。 この日、CHAOSのメンバーは、ロッポンギ3Kがタグチジャパンと対戦。また、後藤はパレッタ&チャッキーTのベストフレンズとのトリオでROH勢と、棚橋が保持している1.4東京ドームIWGPヘビー級王座挑戦権利証に狙いを定めるジェイ&外道は棚橋&KUSHIDAと相まみえた。ウィル・オスプレイはマーティー・スカルとIWGPジュニアヘビー級王座決定トーナメントに臨んだ。オカダは石井智宏とタッグを結成し、メインイベントでケニー・オメガ&飯伏幸太のゴールデン☆ラヴァーズ(GL)と対戦した。 ロッポンギ3Kは次期シリーズで開催される『スーパー・ジュニアタッグリーグ2018』の優勝とIWGPジュニアタッグ王座の奪還に狙いを定め、9.23神戸大会でK.E.Sを破ったベストフレンズもIWGPタッグ王座の獲得を目標にしている。後藤はNEVER王座をめぐって抗争を繰り広げていたジェフ・コブとの因縁が再燃。オスプレイは敗れこそしたが、飯伏幸太とのシングル対決を目標に掲げている。態度を明らかにしていない各選手にはそれぞれ目標があり、試合後にCHAOS内紛問題に関してコメントは残していない。ジェイ&外道も棚橋だけを挑発している。 GLとタッグ初対決となったオカダは、“第2形態”をアメリカで初披露。笑顔で風船を配りながら入場し、石井と息の合ったコンビネーションを見せて、GLを手こずらせた。石井との間に不穏なムードはなし。このタッグが本格始動すればかなりタッグ戦線が盛り上がるのではないかという期待感さえうかがわせた。試合はゴールデン☆トリガーで石井がフォールを取られたが、オカダは充実した表情を浮かべていた。 試合後にオカダは「ジェイ・ホワイト…とことんやったらいいんじゃないですか。外道さんと仲良くとことんやったらいい。権利証を奪ってもそういう実力はあると思うし、次に向き合った時には何か持ってきてくれたら面白い」と“ジェイの乱”について初言及。特にオカダから報復するつもりはないようだ。 自身については「正直分からないですね。凱旋してからベルトなり、権利証なりがなかった期間がないので。やっぱり取り残されている感じはあるので、テーマを見つけて熱い闘いをしていきたい」と正直な思いを口にした。この日は「ケニーから一本取ってやろうと思っていたけど、ケニーは前より強くなっていた。チャンピオンの期間が(彼を)強くしたんだと思う。ケニーともタッグで闘って、棚橋ともシングルで闘って『オカダはどっちが強いと感じたのか?』ここで答えたら面白くないでしょう…悔しいね」とポツリ。こうしたコメントを見る限り、ショックを受けたファンとは対照的に、オカダの中で外道とは8.12日本武道館大会でマネージャー関係を解消した時点で気持ちの整理がついていたようにも思える。 オカダは1.4ドーム大会に向けてどんなテーマを見つけるのだろうか?文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年10月02日 21時15分
新日本、内藤哲也が「10.8両国で新しいパレハを紹介する」とビデオメッセージを公開!
新日本プロレスは2日正午、『内藤哲也から衝撃のビデオメッセージ』とのタイトルの動画をYouTube公式アカウントで公開。内藤哲也率いる新日本プロレス人気ナンバーワンユニット、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(ロスインゴ)からのメッセージが明かされた。 動画では欠場中の高橋ヒロムを除くロスインゴのメンバー正装でカジノに集まりギャンブルを楽しむ中、バーカウンターに座った内藤が口を開く。 「今年の4月29日、熊本大会の試合後、俺がリング上で発した言葉をみなさん覚えてますか?」と内藤は問いかける。「『変わらないこと、諦めないことはもちろん大事。でも、変わろうとする思い、変わろうとする覚悟、そして、一歩踏み出す勇気も俺は大事なことじゃないかなと思います』」映像は熊本大会の様子を映していた。 映像はカジノバーに戻り、内藤は続けた。「なぜ?あのようなことを言ったのか?疑問に思われた方もいると思いますが、かつての俺がまさにそうでした。変わりたいと思っても変われない。気持ちが折れかけ、何度もくじけそうになりました。だけど諦めず、一歩踏み出す勇気を持って、ここまでたどり着きました」と振り返った。 「そんな内藤哲也、そして我々ロス・インゴベルナ〜ブレス・デ・ハポンの魅力を今まで以上に、皆さまにお伝えしたいと思っているわけで・す・が…。7月7日サンフランシスコ大会で、高橋ヒロムが怪我をし、IWGPジュニアヘビー級王座を返上することになりました。半年以内に防衛しなければならないというルールを守れない。要するに半年以内に復帰できないということで、少し時間がかかるわけですが、我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとしては、彼の復活をトランキーロ!焦らずに待ちたいと思います」と高橋の帰還を待つ姿勢を示した。 本題はこれからだった。「でも!ただ待つわけでなく、一歩踏み出すことも大事なんじゃないかなと思いました。4人で待つのではなく、5人で高橋ヒロムの帰りを待つ。つ・ま・り、新たなロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとして、高橋ヒロムの帰りを待ちたいと思います。その始まりは、10月8日両国国技館!新たなるパレハ(友人)を皆さまに紹介しますよ。楽しみに待っててください。アディオス!」と、新たなメンバーの加入を示唆したのだ。 最後はトランプの10と8のカードが映り、メンバーがヒロムのジャケットを持ちながら拳を合わせて映像が終わった。4.29熊本大会以降、意味深な発言を繰り返していた内藤。やはり新メンバーの加入がその答えだった。9.23神戸大会では「もしかしたら失敗するかもしれない。でも失敗を恐れていたら何も変わらない」とも話していた。 新メンバーはこれまでのように、メンバーと何らかのつながりがある選手なのか?それともロスインゴの正式メンバーとしては初めてとなる、接点のない選手なのか、気になるところだ。次期シリーズで開催される「スーパー・ジュニアタッグリーグ 2018」でBUSHIのパートナーが不在。ジュニアヘビー級の選手が有力だが、果たして…10.8両国大会がますます見逃せなくなってきた。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年10月01日 21時15分
RIZIN台風で逆取り開催も神興行に!美憂はKIDに捧げる勝利!大砂嵐はサップに敗戦
『RIZIN.13』▽9月30日 さいたまスーパーアリーナ 観衆 27,208人(超満員) 運営サイドの対応は早かった。台風24号の影響で、首都圏のJR在来線が20時で運転を取りやめると発表したのが試合開始1時間前の14時頃。今大会はRIZIN史上最多となる観客動員が見込まれていた。前回大会で、地上波生中継に合わせて休憩時間を1時間設け、待たされたファンからの批判を受けた榊原信行実行委員長が「今回はそういうことがないように会場のお客さんをファーストに考える」と明言した経緯もあり、今回は2試合予定されていた生中継を断念し、中盤以降の試合順を変更した。 かつてゴールデンで生中継されていた時代のプロレスや相撲巡業で見られた「逆取り(さかどり)」を実行し、関係者はメインイベントの那須川天心対堀口恭司を「19時までに終わらせるように演出面などで対応していきたい。われわれとしては大会自体を19時に終わらせるのが目標。生中継は諦めます」と大会開始直前に発表。試合中も「本日JR在来線が20時をもって運転を取りやめると発表しております」というアナウンスを入れており、大会を強行したが運営側の誠意は十分に伝わったと思う。 9月18日に弟・山本KID徳郁さんを亡くした山本美憂だが、オープニングで行われたKIDさんの追悼セレモニーでは、美憂の息子・山本アーセンが「ノリが死ぬ時はみんなの記憶から消える時です。だから、どうかノリのことを心の中に入れておいてください。みんなの声を天まで届けよう」と立派にスピーチした。2016年の大晦日では「何も分からなかったから、何もできなかった」というアンディ・ウィンとのリベンジマッチに臨んだ美憂は、この2年間でKIDさんらコーチ陣からの指導で、MMAファイターとして成長を遂げていた。前回はスタンディングでの打撃狙い一辺倒だったが、今回はグラウンドにも踏み切っていた。これで効果的にポイントを稼ぎ、最終ラウンド試合終了間際に腕十字固めが決まった瞬間に終了のゴングが打ち鳴らされた。すると美憂は倒れながら天に向けて指をさした。試合は3-0で美憂が判定勝ちを収めた。 KIDに勝利を捧げることができた美憂は試合後「勝てて良かったですけど、スタンドの打撃がうまくいってなかったのと、セコンドの声は聞こえていたのに試合になると体が動かない。悔しいですね。今までずっと反省会をしてました」と苦笑い。「前回は狙ってくるのも分からなかったけど、今回は対応できたと思う。立ち技で圧倒したかったですね」と悔しさをにじませた。ファンの声援については「私のこともそうなんですが、みんながKIDを愛してくれてたことがうれしかった」と笑顔。今後は「一戦、一戦、強くなることしか考えてない」と意気込んでいた。なおKIDさんのお別れ会は11月4日に青山葬儀場で行われることが発表された。 今年の3月に自動車事故を起こして大相撲から引退、ジョシュ・バーネットに弟子入りし、格闘家への転向を表明していた大砂嵐が、“野獣”ボブ・サップと対戦した。序盤はど迫力の肉弾戦になり、場内は沸いていたが、サップの頭をカットするまで追い込んだにもかかわらず、サップに背を向けて攻撃を避けるなど、大砂嵐もサップもスタミナが明らかに切れており、立っているのが精一杯の状態に、場内は違った意味で沸いた。試合終了と同時にサップが大砂嵐に抱きついたこともあり、コミックマッチ色の強い試合になってしまった。試合はサップが3-0で判定勝ち。国内のMMAマッチで久々の勝利を収めている。 試合後、サップは「きょうの勝利は今年亡くなった韓国のプロレスラー、ジャガー・リー(かつて新日本プロレスに参戦していた故・大木金太郎さんの弟子)に捧げたい」と述べると大砂嵐について「すごくいい選手だった。自分も若い時は試合開始から飛ばしたことがあったけど、彼はスモウの圧力を増やせばいい。きょうは私のような大きな選手とも試合ができた。もっと格闘技の試合を積めばいいと思う」とエールを送った。 大砂嵐は「思ってたイメージと違った。大晦日でリベンジしたい」と悔しげ。「自分の状態と調子を見てて、相手が見えてなかった。調子は良かったけど、まだまだ勉強したい」と反省した。「試合は勝てたと思う。ただテイクダウンした時、ボブがうまかった。スタミナが難しかったですね。もっと勉強して練習して勝ちます」と振り返った。また入場テーマ曲にアブドーラ・ザ・ブッチャーの入場テーマ曲『吹けよ風、呼べよ嵐』を使い会場からどよめきが起こったことに話題が及ぶと、大砂嵐はブッチャーを「知らない」とし、「ピンク・フロイドを意識した」と語った。大砂嵐をコーチしているジェフは「勝とうが負けようがこの競技をやり続けたい気持ちがあるかどうか」と話していたが、まさにその通り。第2戦はズンドコ試合にならないように練習しなければ厳しいだろう。 大会終了時間は21時前。オープニングの入場式をはじめ、カットできる演出はとことんカット。煽り映像も前の試合の選手が退場すると間髪入れずに流していた。天心対堀口が終了して会場には半数を大きく上回る1万人弱の観客が残っていたが、ある意味「歴史の証人」として語り継がれる大会になったのは事実。格闘技でここまでの“神興行”は近年なかっただけに、これをキッカケとして大晦日に向け、格闘技界全体が盛り上がるといい。取材・文・写真 / どら増田、舩橋諄
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スポーツ 2018年09月30日 21時45分
新日本、軍団再編の動きはスーパー・ジュニアタッグリーグが関係か?
23日の新日本プロレス神戸ワールド記念ホール大会のエンディングで事件が起こった。CHAOSのジェイ・ホワイトは『G1クライマックス28』から不穏な動きを見せていたが、棚橋弘至のみならず、同門のオカダ・カズチカ、ロッキー・ロメロ、YOSHI-HASHIにも攻撃を与えた。外道が現れ、オカダを救出するかと誰もが思ったが、外道はジェイから椅子を奪うと、オカダに椅子を振りかざす暴挙。あまりにもショックな造反劇に会場は一瞬静まり返った。 この日は「一歩踏み出す勇気」という謎めいた発言を続けていた内藤哲也が「もしかしたら失敗するかもしれない。でも失敗を恐れていたら何も起こらない。今こそロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが一歩踏み出すときでしょう」と近々何らかの行動を起こすことを示唆した。 “ジェイの乱”でCHAOSが分裂状態に陥っただけではなく、現在のところ本隊と鈴木軍以外のユニットも何かしら問題を抱え、不穏な動きを見せている。その裏には10月16日に後楽園ホールで開幕する次期シリーズ『Road to POWER STRUGGLE 〜スーパー・ジュニアタッグリーグ2018〜』のスーパー・ジュニアタッグリーグがあるのではないだろうか?実際、バレットクラブOGは石森太二のパートナーを募集しているとタマ・トンガが明言。ロスインゴも高橋ヒロムが長期欠場中のため、BUSHIのパートナーが不在の状況だ。 内藤は「今のロスインゴを見て」という言葉を付け加えており、新メンバーを加入させる可能性は十分にあり得る話だ。ただ、ロスインゴのメンバーはそれぞれが何らかの“つながり”を持ったメンバーだけで築き上げてきただけに、まったく“つながり”がないメンバーを入れることが「踏み出す勇気」なのかどうかは分からない。いずれにせよ、このタッグリーグに合わせて、バレクラOGとロスインゴに新メンバーが加入する可能性は高いと見ていいだろう。 新日本の軍団再編がここまで広がりを見せたのは、長い歴史において初めてと言ってもいい。来年の1.4東京ドームで輝くにはどうしたらいいのか?レスラーたちが頭を使った結果が、このような形に現れていると思われる。 すべての道は東京ドームにつながっているのだ。【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.25】
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スポーツ 2018年09月29日 21時30分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「ブルーザー・ブロディ」プロレスに殉じたインテリジェント・モンスター
ブルーザー・ブロディがプエルトリコの地で非業の死を遂げてから30年。鋼のごとき巨躯から溢れ出るパワー。その超獣ギミックとは裏腹に理論家の面も持ち合わせ、己のスタイルを生涯貫いた“これぞプロレスラー”と呼ぶにふさわしい1人であった。 ※ ※ ※ 現役プロレスラーの死はファンにとって実に切ないものである。試合を見たことのない、名前もよく知らない選手であったとしても、その訃報に接したときには、どこか胸が詰まるような気分になる。 なぜかといえば、多くの死の原因がプロレスの構造そのものに由来しているからではなかろうか。 例えば、試合中のリング禍。他の格闘系競技ならば、相手の技はかわせばいい。危ない場面にわざわざ自分から踏み込む必要はない。 だが、プロレスではそうはいかず、相手の技はできるだけ派手に受けてみせ、そのことによって試合を盛り上げることをファンだけでなく、プロモーターなど関係者からも望まれる。 勝つためだけならば自分の勝ちパターンに専念すればいいのだろうが、観客にいっそうのインパクトを与えるためには、危険を承知でより見栄えのする技を披露し、これまで見せたことのない技にも挑戦しなければならない。 また、体調がすぐれないからといって、自分の名前でチケットを売っている手前、安易に休場することもできない。一見すると試合とは関係なさそうな病死や自殺でも、その原因がプロレス興行のためであることは多い。「今のように薬物使用が問題視されていなかった頃は、多くの選手がリング上で見栄えのする体を作ろうと、気軽に筋肉増強剤を使用していたし、連戦による体の痛みを抑えるため、麻薬成分にも似た効果絶大のペインキラー(鎮痛剤)を常用していた。ハイテンションで試合に臨むため、興奮剤を使う選手も珍しくなかった」(プロレスライター) そうした薬物の乱用は肉体のみならず、時に精神までむしばむことになり、これらが相まって病死や自死の原因となったケースは、決して少なくない。「派手な技にしても薬物にしても、それで観客にアピールするのは自分の格上げやギャラアップのためであり、自己責任との見方は当然あるでしょう。しかしこれも、そんな選手たちをファンが喜んで受け入れ、もてはやすからこそともいえ、その意味においてレスラーとファンは一種の共犯関係にあるのでは?」(同) そうしたプロレスを取り巻く事情を無意識のうちに感じ取っているからこそ、ファンはプロレスラーの死を切なく受け止めることになるわけである。★長州の技を受けない“不穏試合” 1988年7月、プエルトリコ興行の控室で、ブルーザー・ブロディはレスラー仲間のホセ・ゴンザレスにナイフで刺殺された。 その後、法廷においては現場に居合わせた関係者のすべてが証言を拒否。その結果、真相は不明のままとなり、プエルトリコの地元びいきもあってか、ゴンザレスは“正当防衛”で無罪とされた。 一般にはプロモーターとの契約トラブルが直接の原因といわれ、ほかにも舐めた態度への制裁説(ブロディはトップヒールとしてのプライドが高く、用意されたアングルを受け付けなかった)、ゴンザレスの私怨説(ブロディが小柄なパワーファイターを蔑視して、対戦時にもまともに相手をしなかった)などともいわれるが、いずれにしてもブロディの個人的事情を優先した結果であって、先に記したリング禍などとは別種のものにみえる。 日本でも'85年、両国国技館におけるプロレスこけら落としの全日本プロレス大会では、長州力の技をまったく受けない“不穏試合”を行ったり、同年に移籍した新日本プロレスではIWGPタッグリーグ決勝戦をボイコットするなど、ブロディ絡みのトラブルは多くあった。「両国の記念大会のメインイベントに選ばれたのが、自分でなくロード・ウォリアーズであったことや、かねてから評価していない小型パワーファイターの長州力が相手だったこと、IWGPタッグでは負けブックを提案されたことに対し、それぞれ不満に感じてのことだったと思われます」(同) 全日から新日への移籍も、全日がさまざまな選手を新日から引き抜いたことが、自身のメインイベンターとしての価値をおとしめる行為と考えてのことだった。 そうして見るとプエルトリコでの惨劇も、ブロディの「自分がトップでありたい、あるべきだ」というわがまま勝手が招いたもので、自業自得と受け取る向きもあるだろう。「ただ、それはブロディ自身の信じる“プロレス道”を貫いてのこと。正しいと信じる確固たるスタイルがあって、ほかの誰かが何を言おうとも、ブロディはそれを曲げることができなかったのです」(同) 言うならば頑固職人であり、そうした意味ではやはりブロディの死もまた“プロレスに殉じたもの”といえるのではなかろうか。ブルーザー・ブロディ***************************************PROFILE●1946年6月18日〜1988年7月17日。米国ミシガン州出身。身長198㎝、体重140㎏。得意技/キングコング・ニードロップ、ワンハンド・ボディスラム。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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