新日本
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スポーツ 2018年12月29日 17時30分
『格闘技記者が選ぶプロレス・格闘技大賞2018』第1回目のMVPは棚橋弘至と那須川天心!
今年ネットには、新日本プロレスの躍進や、アメリカWWEでの日本人スーパースターの活躍、RIZINやK-1、KNOCK OUT、RISEなど、格闘技ブームの再来から、プロレスや格闘技のニュースが溢れていた。そこで、『格闘技記者が選ぶプロレス・格闘技大賞』を発表したいと思う。昨年の12月1日から今年の11月31日までに開催された大会が対象。 今年は、MVP、年間ベストバウト、殊勲賞、敢闘賞、技能賞、最優秀タッグ・ユニット賞(プロレスのみ)、新人賞、最優秀外国人選手、最優秀女子選手、年間ベスト興行の8部門をプロレス・格闘技の取材班で制定した。◎MVP賞プロレス部門棚橋弘至(新日本プロレス)格闘技部門那須川天心(TARGET / Cygames) MVPはプロレス、格闘技ともに満場一致で決まった。プロレス部門は、新日本プロレス真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス28』を制し、映画『パパはわるものチャンピオン』で主演を務め、1000本を超える取材を受けるなど、メディアへの露出も目立っていた棚橋弘至が受賞。来年1月4日の東京ドーム大会ではケニー・オメガが保持するIWGPヘビー級王座への挑戦が決定し、3年ぶりに東京ドームのメインに返り咲くなど、怪我に悩まされながらも見事な復活劇は多くのファンの心を掴んだ。格闘技部門は、デビュー以降、33戦無敗と連勝街道を突き進んでいる格闘技界の“神童”那須川天心が受賞。2月にスアキム、6月にロッタン、そして9月には堀口恭司(キックルール)といった国内外の強豪選手を相手に勝利を収めたのはスゴイの一言。「日本のキックや格闘技を広めるため」今年はバラエティ番組などメディアへの露出も一気に増えた。31日には元プロボクシング5階級制覇のレジェンド、フロイド・メイウェザーとのスーパーマッチが控えている。棚橋、天心ともに、年末年始の大一番を終えた2019年はどんな闘いを見せてくれるのか期待したい。◎年間ベストバウト賞プロレス部門新日本プロレス『G1クライマックス28』Bブロック公式戦、ケニー・オメガ 対 内藤哲也(7月15日 大田区総合体育館)格闘技部門KNOCK OUT『KNOCK OUT FIRST IMPACT』那須川天心 対 スアキム・シットソートーテーウ(2月12日 大田区総合体育館) ベストバウトは奇しくもプロレス、格闘技ともに大田区総合体育館での一戦が選ばれた。プロレス部門は、昨年の『G1クライマックス27』決勝戦のカードが、Bブロック公式戦の開幕カードで実現。昨年はケニーを破りG1を制した内藤だったが、「この試合を超えるような試合はないんじゃないか」という声が多く聞かれるほどのベストバウトだった。しかし、今年の再戦で2人は昨年をさらに上回る好勝負を展開し、ファンを大熱狂させた。結果はケニーが激戦の末、昨年のリベンジを果たしている。格闘技部門は、連勝中の天心に深刻な「相手不足」が叫ばれる中、「今まで対戦した選手で一番強い」対戦相手としてタイの強豪スアキムが参戦し、天心と対戦した。格闘技通の間で「今度こそ天心が負けるかもしれない」という声も少なくなく、当日の会場はいつにも増して緊張感が漂っていた。尋常じゃないプレッシャーの中、天心は「本当に一番強かった」スアキムに判定ながらも勝利を収め、試合後は珍しく疲労困憊の表情を浮かべていたのが印象的。RIZINでの堀口恭司戦を推す声もあったが、高田延彦対ヒクソン・グレイシーの時と同じような観客が固唾を飲むような緊張感を出していたこの試合が選ばれた。その他の賞は以下の通り。◎殊勲賞プロレス部門中邑真輔(WWE / スマックダウン)格闘技部門森井洋介(ゴールデングローブ)◎敢闘賞プロレス部門ケニー・オメガ(新日本プロレス / バレットクラブELITE)格闘技部門不可思(クロスポイント吉祥寺)◎技能賞プロレス部門ザック・セイバーJr.(鈴木軍)格闘技部門堀口恭司(アメリカン・トップチーム)◎最優秀タッグ・ユニット賞ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(新日本プロレス)◎新人賞プロレス部門井土徹也(プロレスリングHEAT-UP)格闘技部門田丸辰(平井道場)◎最優秀外国人選手賞プロレス部門クリス・ジェリコ(フリー)格闘技部門ヨードレックペット・オー・ピティサック(T-Ded 99 Muay Thai Gym)◎最優秀女子選手賞プロレス部門アスカ(WWE / スマックダウン)格闘技部門浅倉カンナ(パラエストラ松戸)◎最優秀興行プロレス部門新日本プロレス『G1クライマックス28』8月12日日本武道館格闘技部門RIZIN『RIZIN.13』9月30日さいたまスーパーアリーナ MVPの次点とも言える殊勲賞は、WWEの中邑真輔と、初代KING OF KNOCK OUTライト級王者の森井洋介が受賞。今年の中邑は、新日本プロレス時代からのライバルであるAJスタイルズと、世界最大のプロレスの祭典『レッスルマニア』でAJが保持していたWWE王座を賭けて対戦することが、フジテレビ系『ワイドナショー』でも取り上げられるなど、プロレス版日本人メジャーリーガーとしてお茶の間でも度々紹介された。東京公演では怪我により試合には出場出来なかったものの、挨拶をしただけでも大きな声援を送られるなど日本での人気はさらに増えたように感じる。リアルライブでも記事として取り上げる回数が多かった。森井はライト級のみならず、キックボクサー全般に天心とは違った意味で良い影響を与えた功績は大きい。ベルトは初防衛戦でヨードレックペットに落としてしまったが、この試合も「ベルトの価値を上げたい」とワンマッチを自ら直訴する形で、タイトルマッチに変更させている。敢闘賞は、絶対王者と化したオカダ・カズチカからIWGPヘビー級王座を奪取したケニーと、初代KING OF KNOCK OUTスーパーライト級王者の不可思が、技能賞には、想像がつかない関節技の数々を披露しているザックと、RIZINでUFCファイターとして強さを発揮しながらも、天心とキックルールでドリームマッチを行うなど、引き出しの多さでファンを魅了した堀口がそれぞれ選ばれた。 最優秀タッグ・ユニット賞は、タッグチームを優先して選出したかったのだが、全国どこに行ってもロスインゴグッズを身につけている人を見かける。これは90年代終盤に巻き起こったnWoブームと同じような現象だ。内藤が出場しない大会でもメンバーへの会場人気が凄まじいこともあり、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが選ばれた。新人賞は、インディー団体ながら、18歳にしてとどろきアリーナのメインを務めるなど将来が有望視されている井土と、16歳にして初代RISEスーパーフライ級王者になった田丸辰(とき)が選ばれた。田丸は8戦8勝と連勝街道を走っており、“天心二世”と言われているスーパー高校2年生。本人は天心戦を熱望しており、こちらも楽しみな逸材である。最優秀外国人選手は、それぞれインパクトを残したジェリコとヨードレックペットが、最優秀女子選手は、WWEのアスカと、RENAに2連勝した浅倉カンナが満場一致で選ばれている。ちなみにカンナは三賞の候補にも挙がっていただけに、来年もさらに飛躍してもらいたい。 最優秀興行は、G1決勝が行われた新日本の武道館3連戦の最終戦と、台風接近により、試合順を変更するなど選手や裏方が苦労する中、開催され神興行となった『RIZIN.13』が選ばれている。どちらの大会も話題性が多く、チケットが完売した点が大きなポイントとなった。 2019年も記事にしなきゃいけないと思うような大会や選手が数多く現れることを、プロレス・格闘技取材班一同、心から願っている。文 / どら増田(選定メンバー代表)写真 / 萩原孝弘
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スポーツ 2018年12月29日 15時00分
故・三沢光晴さんの思いを胸に、ノア潮崎豪が越中詩郎40周年記念興行に参戦!
来年1月30日に開かれる越中詩郎デビュー40周年記念興行『祭り〜平成最後の平成維震軍〜』(後楽園ホール)にプロレスリング・ノアから潮崎豪が参戦することが決定した。 全日本プロレス時代、越中とプロレスリング・ノアを創設した故・三沢光晴さんは、若手のライバルとしてしのぎを削っていた。当時、全日本の若手にとって登竜門だった『ルー・テーズ杯』の決勝でも両者は対決し、先輩の越中が勝利。その後一緒に海外武者修行のためメキシコ遠征へ。三沢さんは2代目タイガーマスクとして先に日本に呼び戻されるも、越中には帰国命令が出ず、新日本プロレスへの移籍を決めた経緯がある。 三沢さんが全日本を退団し、ノアを旗揚げすると、全日本時代の「鎖国政策」から方針を変えて、新日本をはじめ他団体やフリーの選手も積極的に上がれるリングにした。特に全日本時代に苦楽をともにし、袂を分かっていた天龍源一郎氏や、故・冬木弘道さん、川田利明、そして越中と三沢さんはノアのリングでシングルを行っている。潮崎は不慮の死を遂げた三沢さんの最後のパートナーだった。三沢さんは最後となったシリーズに潮崎とのタッグで臨むことについて「俺の仕事はシオ(のステータス)を上げること」と話していた。 「この度、越中さんの40周年記念大会に出場させていただきます。今大会に指名していただきすごく光栄です。今回は対戦するカードではないですが、越中さんの『侍魂』をしっかりと受けていきたいです。よろしくお願いします」 潮崎は参戦にあたり、このようなコメントを寄せた。越中と三沢さんの“つながり”は、越中の40年に渡るプロレスラー人生において欠かせない。もし三沢さんがいれば真っ先に駆けつけただろう。天国の三沢さんも潮崎の参戦を喜んでいるはずだ。潮崎の出番はセミファイナル。藤波辰爾、佐藤耕平と越境トリオを結成し、NOSAWA論外&MAZADA&KAZMA SAKAMOTOと6人タッグで対戦する。藤波と潮崎は2007年、三沢さんとのタッグで対戦した。あの頃はまだ大型ルーキーだっただけに、同じコーナーに立ち、成長した姿を見せたいところだ。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年12月27日 06時00分
ショック!WWE中邑真輔今年最後のスマックダウンでUS王座陥落!王者で年越せず…
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間26日、主力ブランド・スマックダウンのカリフォルニア州フレズノのセーブマートセンター公演(19日収録)を放映した。 US王者の中邑真輔は、ルセフを相手に同王座の防衛戦に臨んだ。試合前「ルセフがクリスマスプレゼントを欲しがっていたが、奴がもらうのはニー・トゥ・フェイスだ」とルセフを挑発した。 試合は中邑がヒザ攻撃や三角締めを繰り出して攻め込めば、ルセフは得意の投げ技や、パワー殺法で中邑を苦しめる。試合前の予告通り、中邑がコーナーのセカンドロープからキンシャサをヒットさせるも、ルセフはカウンターのスーパーキックを放ち試合のペースを譲らない。さらに中邑はショートレンジでキンシャサを決めるが、なんとカウントは2!ならばもう1発と、再びキンシャサを狙ったが、逆にルセフはカウンターのクローズライン!必殺のマチカキックが見事に決まりカウント3を奪取。中邑が王者から陥落した。 2018年は、WWEスーパースター中邑真輔にとって大きく飛躍した1年だった。1月に『ロイヤルランブル』で優勝を収めると、プロレス界世界最大のビッグマッチ『レッスルマニア』でWWE王座への挑戦権を獲得。当時のWWE王者は、同時期に新日本プロレスからWWEに移籍をし、新日本時代、最後にシングルマッチを行ったAJスタイルズだった。2人が戦った4月の『レッスルマニア』は世界的に注目された。『レッスルマニア』では惜しくも敗れてしまったが、試合後にAJと握手をすると見せかけて急所攻撃。世界中が注目する中、突然ヒールに転向し、アピールに成功する。 6月の東京公演(2日間)ではAJとの逆輸入シングルなどが予定されていたが、直前に「犬に噛まれ」、足を負傷したとして試合は欠場。松葉杖をつきながらあいさつしたが、連日襲撃を受けるなど試合には絡んでいた。 東京公演の前からAJとの抗争に区切りをつけて、当時US王者のジェフ・ハーディーとの新たな抗争がスタート。7月に開催されたPPV『エクストリーム・ルールズ』では、同王座に挑戦。試合前に急所攻撃を見舞うと、ゴングと同時に必殺のキンシャサを決めて秒殺勝利。スマックダウンに昇格してから初となるシングル王座を戴冠した。ここまでのらりくらりと防衛を続けていたが、5ヶ月で王座を明け渡してしまった。2019年の中邑が目指す次なる標的は何なのか?来年も1月のPPV『ロイヤルランブル』から『レッスルマニア』へ向けた闘いがはじまる。文 / どら増田写真 / 垪和さえ
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スポーツ 2018年12月25日 22時10分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「獣神サンダー・ライガー」ジュニア隆盛を築いた“世界の獣神”
歴代ナンバーワンのマスクマンは誰かといったとき、最初に名前が挙がるのはやはり初代タイガーマスクということになるだろう。 しかし、実績や業界への貢献度までを考えたとき、初代タイガーマスクにも決して引けを取らないのが獣神サンダー・ライガーだ。「最近はバラエティー番組への出演も多く、プロレスファン以外の広い世代にまで認知されています。今となっては「♪燃やせ燃やせ〜怒りを燃やせぇ〜え〜」の歌詞で始まる『怒りの獣神』でライガーを思い浮かべる人の方が、「♪白い〜マットの〜」でタイガーを連想する人よりも多いかもしれません」(プロレスライター) 1989年4月、新日本プロレスの東京ドーム大会に初登場(小林邦昭を相手にライガー・スープレックスで勝利)してから、いよいよ来年で30周年。生まれてからの素顔の期間よりも、ライガーになってからの方がすっかり長くなった。そろそろキャリアは最晩年となろうが、その存在感は増す一方である。 ネットでちょっと検索すれば、その正体はすぐに出てくるし、’01年には生中継でマスクを破られて素顔もさらしている(対戦相手は村上和成。実況ではライガーの本名も連呼された)。 マスクから見える髪が実は付け毛であり、本当の頭髪がすっかり薄くなってしまっていることまでカミングアウトしている。しかし、だからといってライガーの価値が下がるようなことはない。 もともとは永井豪原作のアニメとのコラボ企画で、その放送終了とともに消えてもおかしくなかったものを、完全に独立したキャラクターにまで育て上げた。「海外からの参戦オファーは、新日本の歴代レスラーの中でもダントツだったといいます。原作を知らない外国のファンからしても、ライガーが魅力的だということなのでしょう」(同) これはプロレスラーとして、身体能力や陰の努力までも含めた才能が極めて優れているからで、さらに注目すべきはそのプロデュース能力の高さである。★お山の大将ではない特異な選手 ’94年、当時IWGPヘビー級王者の橋本真也と同ジュニア王者のライガーが対戦した“IWGP無差別級戦(ノンタイトル)”では、上半身裸でビルドアップされた肉体を示すとともに、普段のマスクから角を省いた“バトルスタイル”で登場。結果は順当に橋本の勝利で終わったが、ライガーも雪崩式ブレーンバスターやライガー・ボムを繰り出すなど、パワーで遜色のないところを見せつけた。 ’96年、グレート・ムタとの対戦ではマスクを破られたライガーだが、その下から出てきたのは白くペイントされた顔。さらに自ら上半身のコスチュームを破り捨てると、そこにもペイントが施されていて、凶器を駆使して毒霧を吐く“狂乱スタイル”に変貌してみせた(ムーンサルトプレスでムタの勝利)。 これらの試合に先立つ’90年、誠心会館・青柳政司との異種格闘技戦においては、試合途中にマスクを破られると怒り心頭でこれを脱ぎ捨て、そのまま素顔で戦うというマスクマンとしては常識外れの行動も披露している(マウントパンチの連打による流血TKOでライガーの勝利)。「あえてマスクを脱ぎ、空手家との異種格闘技戦という特殊な試合であることを、ライガーなりに表現したわけです」(同) これは単なる自己演出に留まらない。「あのライガーをそこまで怒らせた」という因縁によって、それまでFMWなどインディー団体に参戦していた青柳は、新日でも使える“商品”にまで格上げされて、以後も継続参戦することになった。「橋本戦にしても、ジュニアならではのスピードで翻弄して丸め込みを狙うなどの手もあっただろうに、玉砕を承知で真っ向勝負を挑んだのは“ジュニアの格上げ”との意識があってのことでした」(同) 一試合での己の勝ち負けより、その力がヘビー級で通用することを示して、当時、人気上昇中だったジュニア全体を改めてファンにアピールする道を選んだ。「プロレスラーは基本的に“お山の大将”ですから、業界全体を見渡して行動する現役選手などは皆無に等しい。ましてやライガーはジュニアのトップとして、ふんぞり返っていられる立場にいたのです。そう考えたときにライガーの存在がいかに特別だったかが分かります」(同) ライガーがいなければ’94年4月のスーパーJカップ以降、インディーまでも含めたジュニアの盛り上がりは決してなかっただろう。昭和から平成にかけて日本のプロレス界を支え続けた名選手にして、名プロデューサーである。獣神サンダー・ライガー***************************************PROFILE●1989年4月24日、永井豪宅出身。その正体は1964年11月30日、広島県出身。身長170㎝、体重95㎏。得意技/垂直落下式ブレーンバスター、ライガー・ボム、掌底。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年12月25日 22時10分
ジャイアント馬場追善興行に元三冠王者、小島聡が参戦!永田裕志&西村修とトリオ結成
来年2月19日に開催する『ジャイアント馬場没20年追善興行〜王者の魂〜』(両国国技館)の第4弾参加選手が発表され、新日本プロレスから小島聡、永田裕志の参戦が決定した。小島は永田、西村修とトリオを結成。対するは、秋山準、大森隆男、太陽ケアのトリオで、同世代による6人タッグを行う。 小島は2002年に武藤敬司、ケンドー・カシンとともに新日本から全日本に移籍。2005年に川田利明を破り、第33代三冠ヘビー級王者となる。同年には新日本のIWGPヘビー級王座との史上初の4冠戦で、天山広吉を破り日本二大メジャーのトップベルトを同時に戴冠する偉業を成し遂げている。2010年に全日本を退団するまでに、三冠ヘビー級王座を2回、チャンピオンカーニバル優勝を1回、世界タッグ王座を3回、アジアタッグ王座を1回、世界最強決定リーグ戦優勝を4回経験。故・馬場元子さんから武藤敬司社長時代の全日本の顔として大活躍した。 永田は新日本所属ながら、2011年にチャンピオンカーニバルで優勝し、世界タッグ王座も奪った。最近ではライバル秋山準とのタッグでアジアタッグ王座も獲得している。新人時代は『ジャンボ鶴田二世』と呼ばれていたこともあり、全日本のリングにおいても王道プロレスにしっかりと対応していた。ここにヤングライオン(新人)時代、新日本の道場で同じ釜の飯を食っていた西村が加わるのは興味深い。大森も一時は中西学とのタッグで、新日本を主戦場にしていただけに、新鮮な絡みが見られそうだ。 また全日本プロレスOBのキム・ドク(タイガー戸口)、百田光雄の参戦も決定。MEN’Sテイオー、TARU、土方隆司、相島勇人らとジャイアント馬場追善記念バトルロイヤルに出場する。 キム・ドクは今は亡き大木金太郎との師弟タッグで1976年、当時の全日本最強タッグだったジャイアント馬場&ジャンボ鶴田(ともに故人)を破り、インターナショナルタッグ王座を奪取するなど活躍。1979年にタイガー戸口に改名し、全日本に所属すると、馬場、鶴田に続くナンバー3のポジションに。NWA世界ヘビー級王座に挑戦するなどチャンスも多く与えられたが、1981年に新日本へ電撃移籍したため、再び全日本に戻ったのは2001年。20年もの時間を要した。 “6時半の男”として馬場全日本の前座戦線に欠かせない存在だった百田は世界ジュニアヘビー級王座も獲得しており、ファンから絶大な支持を受けた。馬場さんが亡くなる前にはラッシャー木村(故人)とともに同じコーナーに立ち、永源遙(故人)&渕正信率いる悪役商会との6人タッグを名物にしていた。2000年に三沢光晴(故人)と行動をともにし、全日本を退団、プロレスリング・ノアへ移籍している。馬場さんが亡くなった際、マスコミに公式発表したのは百田だった。 少しずつカードも決まってきた平成最後のオールスター戦『ジャイアント馬場追善興行』だが、全日本にゆかりのある選手が再び集まるのは喜ばしい限り。天国の馬場さんや元子さんが喜ぶような大会が見えてきた。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年12月25日 21時30分
大晦日RIZIN、那須川天心対メイウェザーがメイン決定で、紅白&ガキ使と真っ向勝負!
大晦日の総合格闘技イベント『RIZIN.14』(さいたまスーパーアリーナ)の全対戦カードと試合順が決定した。世界中が注目するエキシビションマッチ、那須川天心対フロイド・メイウェザーの“世紀の一戦”はメインイベントにラインナップされた。 「お茶の間にはメイウェザーより、朝青龍の方が届くんじゃないかな」「この試合をメインにしていいのかどうか…」とRIZINの榊原信行実行委員長は話していたが、結果的にメインに決まった。『RIZIN.14』は15時試合開始。今年は会場でカウントダウンも行われるもようで、イベント終了時間は24時半を予定している。しかし、フジテレビ系列で放映されるテレビ中継は23時45分まで。よって天心対メイウェザーは、23時前に試合開始となる可能性が高い。この時間帯は毎年、『第69回NHK紅白歌合戦』がクライマックスに向けて盛り上がっていく時間帯。ここ数年民放の視聴率では独走状態となっている日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しスペシャル!』とも真っ向勝負する形となる。 フジテレビ系列ではクリスマス3連休から『RIZIN.14』天心対メイウェザーの番組スポットCMを大量に放映し始めた。29日に出場選手インタビューが、30日に前日計量があるとアナウンスされており、ここでメイウェザーが姿を現わすかどうか…つまり来日するかどうかが注目される。専門誌をはじめ、普段格闘技を取り扱わないスポーツ紙、一般紙、通信社、ネットメディアなど、マスコミも世界から大挙として駆けつけることが予想される。先日、日米で行われた天心の公開練習にも数多くの取材陣が詰めかけていた。 『RIZIN.14』は全14試合が組まれているが、ここまで世界中のメディアが注目するのは、日本の格闘技界では1976年に新日本プロレスが主催したアントニオ猪木対モハメド・アリ以来と言ってもいいだろう。 オープニングマッチでは、日本を代表する“ジョシカク・クイーン”RENAが再起戦に臨み、真珠・野沢オークレアの1年ぶりとなる復帰戦がある。後半戦では、山本美憂、アーセン親子が“休憩またぎ”で登場。ラストはRIZIN女子スーパーアトム級王座決定戦、浅倉カンナ対浜崎朱加、RIZINバンタム級王座決定戦、堀口恭司対ダリオン・コールドウェルのRIZIN初のタイトルマッチ2試合が、メインの天心対メイウェザーにバトンをつなぐ役割を担う。堀口対コールドウェルは本来ならメインを張るべき黄金カードである。 「那須川天心という日本人格闘家を世界に知らせたい」とメイウェザー戦実現の経緯を榊原委員長は述べていたが、今大会はその他の選手にとっても世界に名を売る大チャンス。日本の素晴らしい格闘家たちには、普段は格闘技を見ることがない“メイウェザー目当て”のマスコミたちの目にとまるよう、すごい試合を繰り広げてもらいたい。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年12月21日 21時30分
武藤敬司BATT vs. 蝶野正洋TEAM2000、プロレスリング・マスターズ2.15後楽園で実現!
WRESTLE-1の武藤敬司がプロデュースする『プロレスリング・マスターズ』2.15後楽園ホール大会の発表会見が20日、東京・銀座のARISTRIST LOUNGE GINZA 3で行われた。 今回は今年2月にマスターズで復活したTEAM2000と、8月に復活したBATTの対決が目玉となる。対戦カードは発表されず、武藤がBATTを、蝶野正洋がTEAM2000を率いて、スペシャル8人タッグマッチを行うことしか明らかにされていない。ただし、両選手ともに現在試合ができないため、2人が選抜したメンバーによる対抗戦になるとのことだ。 ちなみに8月大会で「来年も集まろう」と、来年の開催とBATTの再結集をアピールした馳浩衆院議員は、国会の会期中で今回は出場しない。武藤は「前回出なかったメンバーを呼ぶ」としているが、もともとBATTは構成員が多くないので絞られてくる。正式なメンバーで前回大会に出場しなかったのは、アントニオ猪木氏の引退試合の相手を務め、PRIDEなど総合格闘技でも活躍したドン・フライだけなのだ。フライが参戦するとなればかなり話題になるが、フライはTEAM2000にも在籍している。フライの動向は注目すべきポイントかもしれない。 蝶野は「TEAM2000は出入りが激しかった」と話していたが、その分、TEAM2000のメンバーは豊富。現在も現役を続けている選手も多い。前回は天山広吉&ヒロ斎藤&AKIRA、そしてスーパーJ(nWoスティング)が久々に来日し、話題となった。前回欠場した小島聡をはじめ、スコット・ノートン、金本浩二など入れ替わるメンバーを想像するだけでも当時の記憶が蘇ってくる。大仁田厚もTEAM2000として活動していた時期があった。またスポーツ選手やミュージシャンなどプロレス界以外の人物をメンバーに入れ、蝶野はTEAM2000というユニットを世間に向けて発信していった。現在バラエティやCMなどでお茶の間に登場する機会が増えている蝶野だが、この頃に打った布石が現在につながっているのだろう。 「Tシャツ作るだろ?そういうところから負けたくない」という武藤に対して、当時からアパレルに進出している蝶野は余裕の表情。既に他のカードも決まっているようで、蝶野は「凄いカードいっぱいあるよ」と笑った。 来年は2人にとってデビュー35周年ということもあり、来年の春あたりに武藤が復帰してからは何かしらの動きがあるかもしれない。既に4月にはグレート・ムタのアメリカマット参戦が決まっているという。BATTは新日本と全日本、そしてみちのくプロレスなどを股にかけた超党派ユニットだったことから、BATTとTEAM2000はほとんど絡んでいない。時空を超えて、ありそうでなかったものが見られるのもマスターズの大きな楽しみである。取材・文 / どら増田、萩原孝弘写真 / 舩橋諄
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スポーツ 2018年12月18日 21時15分
真壁刀義が矢野通と本格再合体?田口とのトリオで出陣!1.4ドームは第0試合から必見!
新日本プロレスは『大プロレス祭り2019』(来年1月3日、新木場スタジオコースト)の全対戦カードと『レッスルキングダム13』(同4日、東京ドーム)のNEVER無差別級6人タッグ王座 ナンバーワン・コンデンダー・ガントレットマッチ(第0試合)出場チームを発表した。1.4ドーム大会の本戦から漏れた選手が2日間にわたって出場する。 1.3『大プロレス祭り2019』では、永田裕志プロデュースの団体を超えた若手選手育成ブランド『LION'S GATE』のスペシャルマッチ3試合をラインナップ。獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクのジュニアヘビー級レジェンドタッグに、ヤングライオンの成田蓮&上村優也が挑戦する。永田裕志&中西学は本間朋晃&トーア・ヘナーレと対戦。天山広吉&小島聡は、『ワールドタッグリーグ2018』でも対戦した吉田綾斗(K-DOJO)&海野翔太と再戦する。吉田は『LION'S GATE』から新日本のシリーズ参戦を勝ち取った。海野とはライバル関係を築いている。テンコジを焦らせるような試合を期待したい。 1.4東京ドーム大会の『NEVER無差別級6人タッグ王座 ナンバーワン・コンデンダー・ガントレットマッチ』は5チームの出場が決定。通常の6人タッグを行い、敗れたチームが次のチームに入れ替わっていくルール。最後に勝ち残ったチームが、1.5後楽園ホール大会で、バレットクラブのタマ・トンガ&タンガ・ロア&石森太二のNEVER無差別級6人タッグ王座に挑戦する。 気になる出場チームは、新日本本隊&CHAOS越境軍の真壁刀義&矢野通&田口隆祐、新日本本隊のマイケル・エルガン&ジェフ・コブ&デビッド・フィンレー、CHAOSの後藤洋央紀&バレッタ&チャッキーT、バレットクラブELITEのハングマン・ペイジ&高橋裕二郎&マーティー・スカル、そして鈴木軍からは鈴木みのる&ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.がそれぞれエントリーした。出場順は当日明らかになるという。 鈴木軍は最強トリオを送り出した。中でも第0試合に“降格”させられたみのるの怒りは想像を絶することだろう。NEVER無差別級6人タッグ王座の歴史は3年と短いものの、現チャンピオンチームは16代目。移り変わりが激しいタイトルとして知られている。しかし、鈴木軍がこの“宝物”を手に入れたことは一度もない。ベルトコレクターの観点から見ても欲しいタイトルではないだろうか。 しかし、変則ルールの試合には波乱が付きもの。真壁&矢野&田口の超党派トリオには大いに期待したい。このトリオ、全てにおいて無差別級なのがポイント。真壁と矢野は先日の後楽園大会で、9年8ヶ月ぶりに同じコーナーに立ったが、かつて矢野に裏切られている真壁は「オメーと何年のわだかまりがあると思ってんだ、コノ野郎!」と不信感を募らせていた。 ただ、かつてはテンコジを超える日本人最強かつ最凶なヒールタッグとして、IWGPタッグ王座戦線をにぎわせた。そこにタグチジャパンの監督として、名(迷)采配を振るってきた田口が潤滑油として機能し、この試合を制したら、正パートナーである本間が完全に復調するまでの間、矢野とタッグを再結成する可能性もある。今後の本隊とCHAOSの行方を占うトリオになる可能性もある。 不気味なニオイがするのは、後藤&バレッタ&チャッキーのCHAOSトリオ。バレッタとチャッキーは「ベストフレンズ」というタッグチームを結成しているが、『ワールドタッグリーグ2018』の公式戦の節々で、チャッキーが“あの男”を彷彿とさせる暴走ファイトを展開。チャッキーはバレッタの「お前、大丈夫か?」の問いに「俺は大丈夫だ」と言い張っているが、明らかにおかしいのは誰が見ても揺るがない事実。もしこの試合に勝てば“あの男”が引っ張っているユニットのトリオと対決することになり、ひとつの結論が出るかもしれない。 毎年、1.5後楽園大会では、その年の新たなテーマを求めた選手が何かしらアクションをすることが多い。カードは当日発表ではあるが、早い段階でチケットは完売しているのだ。 1.4ドーム大会の本編出場を逃した男たちにとって、1.3の『大プロレス祭り』と、1.4ドームの第0試合は、1.5後楽園大会以降の闘いに向けてアピールできる数少ない機会。今回はお祭り色が強い『ニュージャパンランボー』からタイトルへの挑戦権争奪戦となり、2019年の新日本プロレスを占う上で、注目すべきマッチメイクになった。1.4ドームは第0試合からが始まり。早めに並ぶことをオススメしたい。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年12月17日 21時30分
オカダ・カズチカ、外道からの勝利に喜びも、乱入のジェイ・ホワイトに怒り爆発!
新日本プロレス『Road to TOKYO DOME』▽14日 東京・後楽園ホール 観衆 1,723人(札止め) 「『あんなのに勝って喜んでる場合じゃない』って、みんな思ってると思うけど、俺は喜ばせてもらうよ」 オカダ・カズチカが外道との初シングルを制した。外道はマネージャーとして“レインメーカー”オカダを6年間支え、親子のような関係を築き上げてきた。自身のキャラクターの“産みの親”である外道との初シングルで勝利を収めたことをオカダは素直に喜んだ。 今年9月にオカダを裏切る形で、ジェイ・ホワイトのマネージャーに“転身”した外道はこの日、右腕を包帯で吊り、松葉杖をつきながら入場。マイクをつかむと「実は今朝、交通事故に遭いまして、試合ができる状況じゃありません。ということで、きょうの試合はキャンセルです」と明らかな自作自演劇を披露すると、場内は大ブーイングに包まれた。 外道がファンに毒づく中、オカダの入場テーマ曲がヒット。場内から大歓声が送られた。オカダはTシャツを着用し、バルーンを配る現在のスタイルではなく、最近ではビッグマッチでしか披露しないロングガウンの“レインメーカー”仕様で入場。この試合がオカダにとって、本当の意味で“親離れ”をする重要な試合だったことを象徴するシーンだった。 オカダがマイクを握り外道の“自作自演劇”を巧みに暴くと、外道はオカダとレフェリーにコールドスプレーをかける奇襲に出た。ナックルでオカダを倒すと試合開始のゴングを要求し、試合がスタートした。 試合は、オカダを誰よりも知り尽くす外道のラフ殺法にオカダは大苦戦。特に場外戦では外道がペースを握り、場内からは大オカダコールが発生。だが、なかなかオカダはペースを握らせてもらえない。試合途中からは外道のセコンドとして邪道も現れ、オカダを揺さぶり、急所攻撃からの外道クラッチであわやカウント3という場面もあった。 外道はメリケンサックを取り出し、制止したレフェリーともめている間に竹刀を持った邪道が介入しようとした。ここでオカダはフロントキックで邪道を突き落とすと、外道はレフェリーをオカダに投げて、メリケンサック攻撃を仕掛けるも、オカダはこれもかわしてリバースバックブリーカーを決め、フォールに行った。しかしレフェリーはいない。 ここで、後楽園2連戦には参戦しないとしていたジェイが乱入。ジェイは来年1.4東京ドーム大会でオカダと対戦する身だ。オカダはジェイの乱入を受けても冷静に対応していくが、さすがに分が悪い。英語実況席にいたCHAOSのロッキー・ロメロは見るに見かねて救出に入るが、ジェイのブレードランナーを食らってしまう。しかしジェイと外道の同士討ちに成功したオカダは、渾身のツームストンパイルドライバーから、レインメーカーを決めてカウント3。外道を沈めた。 満足げなオカダはグロッキー状態の外道の頭を強引に上げて挑発すると、再びジェイと大乱闘に。ジェイは新技のハーフクラッチスープレックスをオカダに決めてKOすると、自信に満ちた表情で控室へと帰っていった。 「あぁ…効くねぇ、スープレックス。勝ったよ。今の勢いあるバレットクラブから一本取った。ジェイも介入したけど、一本取った。まあ、最終的にジェイのスープレックスを食らったかもしれないけど。俺はこのホントに小さな小さな勢いかもしれない。ほんの少し風が吹いただけかもしれない。でもさ、俺ってそういうのに乗っていく男じゃん?そういうのに乗ってプロレス界をここまで盛り上げてきたじゃん?クソーッ!ジェイ、来るんだったら最初から前哨戦に来い、コノ野郎!」 試合後、オカダは“決別試合”を制した喜びに少しだけ浸ると、1.4ドーム大会へと頭を切り替えて、ジェイへの怒りを爆発させた。ジェイは翌15日の後楽園大会で外道と入れ替わる形で出場し、オカダと最後の前哨戦を制している。 オカダを棚橋弘至と対峙させてあっという間にモンスターに育て上げ、スーパースターに育て上げた外道は、オカダとジェイを対峙させることで、さらなる怪物に育て上げようとしている。今年の1.4ドーム大会での凱旋試合ではまだ頼りなさがあったジェイだが、夏の『G1クライマックス28』、外道との合体、バレットクラブ入りを経て、モンスターになる一歩手前まで来ている。そんなジェイを相手にオカダはどんな闘いを見せるのか。内容よりも結果が問われる試合になりそうだ。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年12月17日 17時30分
「力で勝ち取る!」棚橋弘至、ケニーとの前哨戦イーブンも、8度目の王座奪還宣言!
新日本プロレス『Road to TOKYO DOME』▽14日 東京・後楽園ホール 観衆 1,723人(札止め)▽15日 東京・後楽園ホール 観衆 1,726人(札止め) 「まずは報告を…4度目のMVP(東京スポーツ『プロレス大賞』)を勝ち取りました!ありがとうございます!東京ドームもケニーを倒して、8度目のIWGPチャンピオンになります!」 新日本プロレスの“エース”棚橋弘至が、年末の後楽園大会で「締められるところ」まで戻ってきた。「必ず闘いの真ん中に戻りますから」と言い続けて3年の月日が経とうとしている。 今年の1.4東京ドーム大会では、セミファイナルの1試合前で、ジェイ・ホワイトの凱旋試合の相手を務め勝利を収めたが、明らかにコンディションが悪かった。試合後の会見でボロボロになってしまった姿を見て、思わず目を覆いたくなった。その後、“冬の(雪の)札幌”での鈴木みのる戦で、ついに体が悲鳴を上げて1ヶ月の欠場に追い込まれてしまう。棚橋は「振り返れば『奇跡の2月』と言えるようにしたい」と前を向き、欠場した2月は負傷箇所のケアと、肉体改造、心のリフレッシュ期間に充てた。復帰会見では太ももから膝回りの筋肉を強化したと強調。しかし、膝に負担がかかるハイフライフローに変わる必殺技には不安がある。それでも飛び続けることを選択した。 3月の『ニュージャパンカップ2018』で準優勝、8月の『G1クライマックス28』で優勝と実績を積んで、再び東京ドームのメインの座に返り咲いた。G1での飯伏幸太戦、9月のオカダ・カズチカ戦では、ハイフライフロー3連発(ハイフライアタックを挟む場合をある)を披露していることから、膝は悪いなりにも良い状態を保てているのではないだろうか。夏以降、肉体改造もさらに進めており、膝への負担軽減と、エルボーや張り手などで与える打撃力の強化に磨きをかけているのだ。主演映画『パパはわるものチャンピオン』でも膝に爆弾を抱えたレスラー役を演じていた。実際の棚橋を知るファンからは「感情移入してしまった」との声も多い。専門誌やスポーツ紙の記者の投票で決まる『プロレス大賞』のMVPに選ばれたのも当然だろう。 しかし、棚橋にはまだ乗り越えるべき壁がある。それは来年の1.4東京ドーム大会で、超満員の中、ケニー・オメガからIWGPヘビー級王座を奪還し、ベルトを持って『プロレス大賞』の授賞式に参加することである。ケニーとの前哨戦は2試合行われたわけだが、両者とも意識をしていたのか、他の選手と比べて前哨戦と言うには絡む機会が少なく感じた。分かりやすく言えば様子見の前哨戦だったように思う。特に棚橋は両日ともにケニーと対戦した感想などは述べていない。実はG1の決勝前日も多くを語らなかった。大一番を前にすると、棚橋は口数が少ない。これはG1優勝後と一夜明けの会見を見て思ったことなのだが、逆に勝ったときの分まで“ためている”フシがある。 「今年2018年、プロレス大賞MVPをいただきましたけど、1年間どれくらいの熱量で生きたか、一生懸命やったかっていうのは毎年変わらないから。2016年だって、2017年だって、ひょっとしたら今年以上の熱量で生きてたかもしれない。けど、MVP、IWGPのベルト、いろんなものには届かなかった。でも、決してそれを無駄にはしない。この挑戦権も、G1クライマックス優勝も、映画の主演も、情熱大陸も、そしてMVPも、俺が力で勝ち取ったから!必ずドームも全力でベルト取りに行きます」 このコメントは14日に出したもの。翌15日は試合に敗れたため、1年間応援してくれたファンへの感謝の気持ちを口にするにとどめていた。しかし、「力で取る!」というのは、新日本プロレスが旗揚げから掲げているイデオロギーのひとつ。棚橋もこれを守り続けている。ケニーとの前哨戦は1勝1敗のイーブンに終わったが、1.4ドームで棚橋はライオンマークを背負ってリングに上がるはずだ。 平成最後の1.4ドーム大会で、昭和から引き継がれた伝統を守ることはできるのか?ファンの反応を見ると棚橋を支持する声が多いように感じた。ケニーが勝てば、かつてアントニオ猪木を倒したハルク・ホーガンのように、世界のスーパースターに上り詰める可能性が高い。そういう意味でも世界的に注目される一戦である。取材・文・写真 / どら増田
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