US王者の中邑真輔は、ルセフを相手に同王座の防衛戦に臨んだ。試合前「ルセフがクリスマスプレゼントを欲しがっていたが、奴がもらうのはニー・トゥ・フェイスだ」とルセフを挑発した。
試合は中邑がヒザ攻撃や三角締めを繰り出して攻め込めば、ルセフは得意の投げ技や、パワー殺法で中邑を苦しめる。試合前の予告通り、中邑がコーナーのセカンドロープからキンシャサをヒットさせるも、ルセフはカウンターのスーパーキックを放ち試合のペースを譲らない。さらに中邑はショートレンジでキンシャサを決めるが、なんとカウントは2!ならばもう1発と、再びキンシャサを狙ったが、逆にルセフはカウンターのクローズライン!必殺のマチカキックが見事に決まりカウント3を奪取。中邑が王者から陥落した。
2018年は、WWEスーパースター中邑真輔にとって大きく飛躍した1年だった。1月に『ロイヤルランブル』で優勝を収めると、プロレス界世界最大のビッグマッチ『レッスルマニア』でWWE王座への挑戦権を獲得。当時のWWE王者は、同時期に新日本プロレスからWWEに移籍をし、新日本時代、最後にシングルマッチを行ったAJスタイルズだった。2人が戦った4月の『レッスルマニア』は世界的に注目された。『レッスルマニア』では惜しくも敗れてしまったが、試合後にAJと握手をすると見せかけて急所攻撃。世界中が注目する中、突然ヒールに転向し、アピールに成功する。
6月の東京公演(2日間)ではAJとの逆輸入シングルなどが予定されていたが、直前に「犬に噛まれ」、足を負傷したとして試合は欠場。松葉杖をつきながらあいさつしたが、連日襲撃を受けるなど試合には絡んでいた。
東京公演の前からAJとの抗争に区切りをつけて、当時US王者のジェフ・ハーディーとの新たな抗争がスタート。7月に開催されたPPV『エクストリーム・ルールズ』では、同王座に挑戦。試合前に急所攻撃を見舞うと、ゴングと同時に必殺のキンシャサを決めて秒殺勝利。スマックダウンに昇格してから初となるシングル王座を戴冠した。ここまでのらりくらりと防衛を続けていたが、5ヶ月で王座を明け渡してしまった。2019年の中邑が目指す次なる標的は何なのか?来年も1月のPPV『ロイヤルランブル』から『レッスルマニア』へ向けた闘いがはじまる。
文 / どら増田
写真 / 垪和さえ