新日本
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スポーツ 2018年10月22日 21時15分
「まだやりたい思い出の選手はいる」藤波辰爾と対戦のカネックが33年振りに握手!
ドラディション『THE REVENGE TOUR IN TOKYO』▽19日 東京・後楽園ホール 観衆 1,562人 WWE殿堂入りしているレジェンドレスラー“炎の飛龍”藤波辰爾のプロレス団体ドラディションが19日、東京・後楽園ホールで『THE REVENGE TOUR IN TOKYO』を開催した。 ドラディションは昨年4月の“皇帝戦士”ビッグバン・ベイダー(今年死去)を皮切りに、昨年10月に“仮面貴族”ミル・マスカラス、今年4月には“ニューヨークの帝王”ボブ・バックランドと、新日本プロレス時代の藤波と縁があった選手を次々と来日させオールドファンを喜ばせてきた。マスカラスは1979年に開催されたプロレス夢のオールスター戦で、全日本プロレスの故ジャンボ鶴田とともに夢のトリオを結成している。今回はかつてのライバル“仮面の魔豹”エル・カネック(メキシコではカネック)が来日。日本とメキシコで抗争を繰り広げてきた2人が約30年ぶりに試合を行った。 カネックはかつてメキシコの人気団体だったUWAの世界ヘビー級王者に長らく君臨。“帝王”として当時UWAと提携していた新日本の選手をはじめ、WWF(現WWE)からメキシコにやってくる選手を相手にしてきた。ルード(ヒール)であったにもかかわらず、愛国心が強いメキシコ国民の声援を受けて、“大巨人”アンドレ・ザ・ジャイアント、“超人”ハルク・ホーガンとのシングル戦でも負けることはなかった。“アンドレをボディスラムで投げたレスラー”という素晴らしい記録も残されている。 今回の来日に際して、藤波とのWWWF(現WWE)ジュニアヘビー級選手権試合を、当日になってドタキャンした敵前逃亡事件(1978年)ばかりがクローズアップされたのはとても残念だった。ドタキャンの理由は諸説あるが、カネック本人は「覚えていない」という。しかし当時は「敵前逃亡」と発表されていた。当時は、今話題となっているジュリー(沢田研二)レベルの事件に発展。大プロレスブームだったこともあって、当時はかなりの話題となっていた。 しかし、前述のようにカネックはその後、メキシコで輝かしい実績を残した。再来日を果たすと初代タイガーマスクとのシングルも両者リングアウトに持ち込むなど新日本マットでも実力を見せつけるように。藤波のヘビー級転向とともに、カネックは日本でもヘビー級の選手として頻繁に来日。第1回IWGP決勝リーグ戦にはメキシコでの予選を勝ち抜いて、エンリケ・ベラとともにメキシコ代表として出場を果たすなど、事件で出た悪評をかなり前に払拭している。むしろその後の藤波との激しい抗争をクローズアップするべきだろう。 現在66歳となったカネックだが、まだ引退はしていない。レジェンドの域に達すると「衰えた肉体を見せたくないから」と、Tシャツを着て試合をするレスラーも多い。しかし、カネックはあの当時と変わらぬ肉体を披露して見せた。これには藤波伽織夫人も「彼のプライドなんでしょうね。あの体をキープするには練習しないとできない。しっかりと仕上げて来たのはすごい」と感心していた。来日は約7年ぶりだそうだが、永遠のライバルである藤波との再会はカネックに刺激を与えたようだ。 試合は6人タッグマッチ(藤波&越中詩郎&丸藤正道対カネック&藤原喜明&KAZMA SAKAMOTO)ということもあり、お互いに先発を買って出てロックアップからの攻防を繰り広げた。ただ、藤波の攻撃をカネックがカットする場面など、2人が対峙する場面は数えるほどだった。しかし、丸藤をジャベ(メキシコの関節技)で苦しめるなど、動きのキレはイマイチではあったがテクニシャンぶりを発揮。これに発奮したのか丸藤と藤原の間に因縁も勃発した。試合は越中のヒップアタックから藤波がドラゴンスリーパーを決める“ドラゴンボンバーズ”の連携がKAZMAにさく裂し、藤波組の勝利。試合後、今年亡くなられたマサ斎藤さん、ビックバン・ベイダーさんを追悼する10カウントゴングが鳴らされ大会は幕を閉じた。 笑顔でインタビューブースに現れた藤波は「やっぱり組み合うと蘇りますよ。お互いに飛び技が出せずじまいでしたけど、隙あらば飛んでやろうという考えがよぎるんだよね。まだまだやりたい思い出の選手はたくさんいますから、呼んでいきたいですね」と話していると、カネックが現れガッチリ握手を交わした。「こうして握手するのも何年ぶりだろう?昔は考えられなかったからね」と話す藤波に私が、「藤波さんが(アントニオ)猪木さんからフォールを取って優勝した第1回IWGPタッグリーグ戦の閉会式以来です」と言うと「あっそうなんだ」とポツリ。33年ぶりの握手に感慨深げな様子だった。 カネックは「われわれは日本でもメキシコでも40年以上戦いを続ける“生ける伝説”だ。ルチャドールとして、プロレスラーとして一番大切なことは何かと言えば、技ではなく経験だ。われわれにはそれが40年もあるのだから、いつ闘っても満足する試合ができる。藤波さんは本当に素晴らしいレスラーで、日本では特別なアイドルだった。ここで再会できたことは本当にうれしい。きょうはまだ来日したばかりで、50%から60%。次はもっと激しくやりたい」と試合を振り返り、自身と藤波のキャリアについて熱弁した。今度はIWGPタッグリーグ戦に出場したときのパートナーだった“飛鳥仮面”ドスカラスとのタッグも見たくなった。 藤波が次に招聘する“かつてのライバル”は誰だろうか?ある意味“時間との勝負”にもなってくるだけに、人選も年々絞られてくるのが寂しいところだが、まだまだ昭和のプロレスファンが喜べるような大会を期待したい。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年10月19日 21時15分
棚橋弘至が描く美意識の高いプロレスとは?1.4ドーム観客動員4万人突破へGO ACE!
棚橋弘至の“謎かけ”が止まらない。棚橋は新日本プロレスが来年1月4日に開催する東京ドーム大会のメインイベントで、ケニー・オメガのIWGPヘビー級王座に挑戦することが決定している。 16日に開幕した新シリーズ『Road to POWER STRUGGLE 〜SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018〜』にケニーは最終戦の11.3エディオンアリーナ大阪大会まで参戦しない。連日にわたり、ケニーのパートナーである飯伏幸太や、バレットクラブELITEの高橋裕二郎&チェーズ・オーエンズとのタッグマッチや6人タッグマッチがラインナップされている。 「もう来年の1月4日東京ドームが決まったんだから、この権利証はなくてもいいでしょ?けど、あえて持ち歩いてアピールする。なんでか分かりますか?分かりやすいから!俺が持ってた方が『あれ、何?』ってなるでしょ?」 16日に行われた開幕戦の後、棚橋は挑戦権利証のケースを入退場時に持ち歩いている理由を説明した。棚橋のSNSを見れば分かるが、撮影などが行われた際には、その後ケースを持ちながら街を移動することもある。これには「王者が不在の中でも1.4ドーム大会のPRになれば」という気持ちが含まれているのは明白だ。実際、権利証を獲得した当初に棚橋は「これ(挑戦権利証のケース)の露出を高めていく」とも話しており、これを1.4ドーム大会当日まで継続するようだ。 「いろいろ言いたいことはあるよ。一番言いたいことを言っとこうかな。俺は、プロレスラーである限り、この業界に友だちはいらないと思ってる。仲間はいっぱいいる。同じ志を持つ仲間はいっぱいいる。けど、友達?俺が知ってるプロレスラーは、みんな一番になりたい奴の集まりだから!」 さらに16日には「一番言いたいこと」として、レスラー間の“トモダチ関係”を真っ向から否定。明言していないが、これがケニーと飯伏を指しているのは明らか。この発言にはファンからの反響も多く、賛否両論を呼んでいる。 「答えのない答えを探してる。毎日が禅問答だね。答えはないと言ったけど、俺の中には答えがある。いかにその答えにたどり着くかを今、毎日考えてる。きのうは一番言いたかった『同じ業界に友だちはいらない』ということを言ったから、次は二番目に言いたいことを言おう。品があるか、品がないか。品があるのか、品がないのか。これは国とか年齢とかじゃなくてね。何だと思う?プロレスに品というものが存在するならば、それはプロレスの試合に対してどういう絵を描きたいかという…美意識!」 17日の試合後のコメントは、棚橋らしい“謎かけ”。棚橋がニヤリと笑みを浮かべながら控室に入っていく中、われわれ報道陣は「?」状態だった。しかしその直後、ひとつヒントになるような事件が起こる。次の試合に出場したオカダ・カズチカに試合後、バレットクラブが攻撃を加えていた。ここでなんと棚橋が控室からダッシュでリングに駆け込みオカダを救出したのだ。 10.8両国国技館大会ではオカダが棚橋を救出しており、今後の2人の関係性も注目されるところだが、棚橋は「何だろうね…借りは残したくないから」とコメント。棚橋からすれば凶器の使用やセコンドの介入、試合後の暴行も辞さないバレットクラブのプロレスも“美意識”に反するはず。そう考えるとオカダを救出したのは自然な流れだったのかもしれない。 挑戦権利証が入ったケースを持ちながら、時には“謎かけ”を投げかけつつ、今シリーズを走り続けるエースがチャンピオンと交わるのは11.3大阪大会でのタッグマッチ。ケニーのパートナーは“トモダチ”の飯伏。ここまではエースが思い描いた展開となっている。 そんな棚橋の一連のコメントや活動を見ていると、棚橋にとって一番の“美意識”高めのプロレスとは、試合に限ったことではないことに気付く。棚橋はケニーに対して「“Why?”が多い」と言いつつ、棚橋もいくつもの“謎かけ”、つまり、“Why?”を投げかけている。 棚橋の“Why?”の終着点は、最近のファンが目にしたことがない外野席までギッシリ埋まった東京ドームの光景なのではないだろうか。ドーム当日に「“何”これ?こんなに入ってる東京ドーム見たことない」「“何”だスゲェな。こんなに入った東京ドーム見るの久々だよ」…。ファンにそういう思いをさせたい気持ちは、棚橋がどの選手よりも強い。 棚橋が初めてIWGPヘビー級王者になった直後の後楽園ホールは、今では考えられないほどの不入りだった。そのとき棚橋が「絶対にまた後楽園を埋めて見せるから」と言って、ファンにベルトを触らせたのは今や伝説の話。その後、棚橋の全力プロモーションなどがキッカケになり、後楽園はもちろん、両国国技館や日本武道館、大阪城ホールといったアリーナクラスの会場もチケットが完売する時代が戻ってきた。そんな中、今の棚橋は東京ドームのスタンドにも“美意識”を求めている。 「クソー!俺の力で4万人入れたかった!」 これは今年の1.4ドーム大会の会見終了後に思わず棚橋が吐いた言葉。木谷高明オーナーによると、新日本プロレスは現在動員数を実数で発表しているが、東京ドームが札止めになった場合「観衆は4万5000人前後になると思う」という。来年は金曜開催。7日が仕事始めという会社も多いことが予想され、4日が仕事始めであっても午前中までという会社がほとんどだろう。 今年は34,995人を動員した。木谷オーナーは「来年は4万人は超えると思います」と話していた。棚橋が東京ドーム大会に求める“美意識”はもっと高いはずだが、実数4万人突破というのは、新日本のスタッフや関係者にとって、長年思い続けて来た悲願で、大きな目標。それを叶えるのはエースである棚橋の使命だ。このチャンスを生かしたとき、エースも新日本プロレスも“完全復活”と胸を張れるときがやってくるのだ。【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.28】
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スポーツ 2018年10月18日 21時45分
レイ・ミステリオが中邑真輔に完勝!新日本マットへの“ネクスト”は?
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間17日、ワシントンD.C.のキャピタル・ワン・アリーナで、主力ブランドのスマックダウン1000回記念大会『スマックダウン1000』を開催した。 US王者の中邑真輔は、4年以上ぶりにスマックダウンへの復帰となるレイ・ミステリオ(WWE以外の団体ではレイ・ミステリオJr.で活動)と、WWEワールドカップの出場権を懸けてシングル初対決に臨んだ。 今年6月と8月の2回、中邑の古巣・新日本プロレスに参戦し、今後の参戦も噂されているミステリオ。この試合では中邑にヒザ攻撃を浴びたが、ミステリオは場外の中邑にノータッチで低空トペ・スイシーダを決めてユニバース(ファン)から拍手を浴びる。リバースパワースラムからキンシャサを狙った中邑だが、ミステリオにうまくかわされてしまう。ミステリオはハリケーンラナから必殺の619を炸裂させると、最後は新日本8.12日本武道館大会でも披露したスワンダイブ式フロッグスプラッシュを決めて3カウント。ミステリオがUS王者の中邑に完勝し、WWEワールドカップへの出場権を獲得した。 この日もう1試合行われた予選では、ザ・ミズがルセフに勝利し出場権をゲット。これでWWEワールドカップにはジョン・シナ、カート・アングル、ジェフ・ハーディ、ランディ・オートン、セス・ロリンズ、ドルフ・ジグラーに続き、ミステリオ、ミズが出場権を獲得。出場者8人が決定した。WWEワールドカップはPPV『クラウン・ジュエル』で日本時間11月3日に行われる。 放送1000回記念大会『スマックダウン1000』のオープニングにはマクマホン・ファミリーが登場。ダンスを披露して1000回大会を祝福すると、RトゥルースとカーメラのTRUTH TVがスタート。ゲストにロウのコミッショナー、ステファニー・マクマホンと、スマックダウンのコミッショナー、シェーン・マクマホンの兄妹が登場。兄のシェーンが「Aショーにようこそ」と言えば、妹のステファニーは「ロウに続いて2番目に長い番組ね」と番組のコミッショナーとしてライバル心を剥き出しにした。 最後にWWEのCEO、ビンス・マクマホン代表が登場。久々のビンスの登場にユニバースは大喜び。ビンスは喧嘩をいさめると、「WWEのEはエンターテインメントだ」と言ってダンスタイムをコール。最後はマクマホン・ファミリーが揃ってダンスを披露してスマックダウン1000回大会を祝った。 また、今大会はスマックダウンの歴史に欠かせないレジェンドが大集結。伝説のユニット、エボリューションのトリプルH、バティスタ、ランディー・オートン、リック・フレアーの4人のメンバーが再集結し、トリプルHが「1000回目だ!そして俺たちはスマックダウンを象徴するユニットだ」と口火を切った。フレアーも「フゥー!1000回、ライフタイムだ」と祝福のコメントを寄せた。 さらに現在ハリウッド俳優として活躍するバティスタはファンやエボリューションメンバーに感謝の気持ちを伝えたが、袂(たもと)を分かったトリプルHに対しては「彼はこの業界を変え、すべてを成し遂げた。俺を倒すこと以外は」と挑発。顔つきが変わり一触即発となる2人だったが、フレアーが仲裁した。 WWE殿堂入りを果たしているエッジも登場。『カッティング・エッジ』のゲストとしてベッキー・リンチとシャーロット・フレアーを呼び込むも乱闘に発展した。エンディングではトリプルHと抗争を繰り広げるジ・アンダーテイカーが現れ、DXに「レスト・イン・ピース(安らかに眠れ)」とお決まりの3ワードを残し、スマックダウンの1000回大会は終了した。 新日本ではオカダ・カズチカとの一騎打ちを熱望して帰国したミステリオだったが、WWEでUS王者の中邑を倒してしまった。もし“ネクスト”があるのなら、オカダ戦も見てみたい。8.12武道館では少し動きに硬さが感じられたが、スマックダウンだけではなくWWEへの本格復帰となったこの試合では、コンディションの良さが際立っていた。今後のミステリオの動向から目が離せない。取材・文 / どら増田写真 / ©2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.
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スポーツ 2018年10月18日 21時15分
新日本 “吉田効果”でヤングライオンが熱い!ロッポンギ3Kとレジェンドタッグに初白星
新日本プロレス『Road to POWER STRUGGLE 〜SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018〜』▽17日 東京・後楽園ホール 観衆 1,585人 新日本プロレス新シリーズの2日目が後楽園ホールで開催された。今シリーズは『スーパージュニアタッグリーグ2018』がメインとあって、内藤哲也や鈴木みのる、IWGPヘビー級王者のケニー・オメガといった主力のヘビー級選手がいないにもかかわらず、平日の後楽園には初日に続き多くのファンが詰めかけていた。 そんな中、オープニングマッチでヤングライオンたちが強烈なインパクトを残した。今シリーズは前シリーズに引き続き、K-DOJOの吉田綾人がシリーズフル参戦。ヤングライオンたちに交じって激しい闘いを繰り広げている。吉田は辻陽太、上村優也とトリオを組み、本間朋晃&海野翔太&成田蓮と対戦。試合開始から吉田を意識する海野に対して、強烈な蹴りを次々に見舞っていく吉田。歯を食いしばって、受けながらも反撃していく海野。そんな2人の激闘が他のヤングライオンにも飛び火し、復帰したばかりの本間も「スゲエなぁヤングライオン!」と評価していた。 最後は辻が海野の執拗な逆エビ固めに根気負けしてしまったが、“吉田効果”でこの日のオープニングマッチは観客に強烈な印象を与えた。成田が「1vs1でやりたい」と言えば、海野は「吉田と試合するのが楽しくて仕方ない」とコメント。大会終了後には会場を出る吉田をファンが囲み、吉田はていねいに写真撮影に応じていた。今シリーズはヤングライオン勢から目が離せない。 ジュニアタッグリーグは、初戦を落とした獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクのレジェンドタッグが、メキシコチーム相手に快勝。ライガーもタイガーもコンディションは良くないという。しかしライガーは「自分らは勝つしかない」と気を引き締めていた。バレットクラブの石森太二&ロビー・イーグルスは、田口隆祐&ACHに苦戦しながらも勝ち、連勝スタート。試合後、イーグルスは「俺たちが制圧だ」と吐き捨てて控室に入っていった。 初戦で圧倒的なパワーを見せつけた鷹木信悟とBUSHIのロスインゴコンビはKUSHIDA&クリス・セイビンと対戦。鷹木はパワーを誇るセイビンと、新日本ジュニアの顔であるKUSHIDAのテクニックに苦しめられる。しかし、BUSHIの空中戦にも助けられ、最後はラスト・オブ・ザ・ドラゴンでセイビンを仕留めた。こちらも連勝発進だ。鷹木は「常に新しい刺激というか、きょうもKUSHIDAが、さすがチャンピオンだ。クリス・セイビンも海外で大物だったから侮れない。危なかったよ」と苦戦したことを認めつつ、「でもまだ続くからね。前を向いていくだけ!」と切り替えた。 メインではSHO&YOHのロッポンギ3Kが、苦手としているタッグと対戦した。相手はIWGPジュニアタッグ王者の金丸義信&エル・デスペラードだ。試合は序盤から場外戦に持ち込まれ、大荒れの展開。またしても鈴木軍のペースで試合が進んでいったが、金丸がYOHを担ぐと、YOHは着地してデスペラードに金丸を突き飛ばし同士討ちで場外に突き飛ばすと、このチャンスを活かし、ファイブスタークラッチをガッチリ決めて3カウントを奪取。YOHは「後楽園に〜いい風吹いたー!!」と叫び、SHO、ロッキー・ロメロ、ファンと初勝利の喜びを分かち合った。 インタビューブースでは、ロッポンギ3Kが勝ったときの恒例となっているロメロの独演会があった。SHOとYOHはロメロからエールを送られたが、SHOは「英語は分からないけど、ここ(心)でつながっているから言ってることは分かる。たぶん…」と苦笑い。「今日はYOHさんにしっかりファイブスター決めてもらったんで、最後も」とパートナーに締めを任せて控室に向かった。 最後は1人残ったYOHが「僕はこう語りますよ。『鈴木軍、何回も同じ手は通用しない』ロッキーもね、日本語だけ聞き取れて『スズキグン、クソ!』『スズキグン、バカ!』『なんてローIQでスーパー・ステューピッドな人たちなんだ!』って言ってましたけど、僕らも成長したんで、優勝するんですよ。僕らは世界一のチームになりますよ。今日みたいに、メインの機会も頻繁…いや毎日来るんすよ。超気持ち良かったっす。だから3Kはもっともっと上に行きますよ。だからね、またいい風吹かすんで、いい風を浴びに来てください」と会見を締めた。この日負ければあらゆる意味で後がなかっただけに、この勝利はかなりうれしかったのだろう。 この日は棚橋弘至がバレットクラブからオカダ・カズチカを救出した。棚橋は「借りを作りたくないから」と手短にコメントを残していた。ジュニアタッグリーグだけではなく、ヘビー級、そしてヤングライオンにも動きはある。最終戦のエディオンアリーナ大阪大会(11月3日)に向けて目が離せない。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年10月18日 17時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「越中詩郎」愚直に闘い続けるド演歌ファイター
努力は必ず報われるわけではない。 時の運なのか、実力の限界なのか、いくら努力を重ねても結果につながらないことの方がむしろ多いだろう。しかし、だからこそ努力が結実したときには、たとえ他者のことであっても感動に包まれることになる。 1978年、越中詩郎は全日本プロレスの門を叩いた。前座時代を経て、'83年には若手の登竜門『ルー・テーズ杯争奪リーグ戦』の決勝で後輩の三沢光晴を破って優勝し、翌'84年にはその三沢とともにメキシコ海外修行へ向かう。 ところが、三沢はわずか数カ月で日本に呼び戻され、2代目タイガーマスクとして華々しいデビューを飾ることになる。 経験でも戦績でも下の三沢が日本で活躍する姿に、心中穏やかでなくなるのは当然のこと。そこに新日本プロレスから誘いがかかり、越中は移籍を決意する。 当時の新日は選手大量離脱の影響で、越中にも多くのチャンスが与えられた。ザ・コブラを破って初代IWGPジュニアヘビー級王座を獲得すると、続いて髙田延彦(当時は伸彦)とも抗争を繰り広げる。 このときの越中は新日正規軍。一方、髙田は外敵であるUWF軍。しかし、その当初は、ファンからの声援の多くが髙田へと向けられた。 「当時はUWFの人気がうなぎ上りで、その中でも髙田はマスクがよく、蹴りを主体としたファイトスタイルも新鮮だった。一方の越中は、見た目からして野暮ったく、得意技のヒップアタックもどこかコミカルでストロングスタイルに似つかわしくない。また、出戻りとはいえ髙田は新日出身。越中は全日出身の外様という“新日至上主義”も強かったのです」(プロレスライター) 髙田も髙田で、年上の越中を「エッチューさん」と小馬鹿にしたように呼び、遠慮なしに蹴りまくった。実況の古舘伊知郎に“人間サンドバッグ”と揶揄された越中だが、しかし、最初は簡単にダウンを奪われたものが、一発では倒れなくなり、いつしか蹴りの連発にも耐えきって反撃に出るようになった。 そんな中で、越中への声援も徐々に高まっていったが、とはいえこれは、あくまでも対髙田戦に限った判官びいき的なもの。越中単体での人気となると、いまひとつの状態が続いた。 ヘビー級でタッグ王座は獲得したが、シングルになると挑戦権さえなかなか回ってこない。反選手会同盟を結成して青柳政司率いる誠心会館との抗争の矢面に立ち、そこから発展した平成維震軍では独自興行まで開催するが、これも長くは続かなかった。 時に長州力、藤波辰爾、闘魂三銃士(橋本真也、武藤敬司、蝶野正洋)など、トップどころをシングル戦で下すジョーカー的な役割を担っても、シリーズを通して主役を張ることもなかった。 「越中に度々チャンスが与えられたのは、やはり人柄によるところが大きい。与えられたポジションに文句も言わず常に全力を尽くすので、マッチメーカーに認められていました」(同)★ファンの心情を揺り動かす存在 重宝される一方で、会社からは便利屋使いされることも多くあった。「例えば、UWFインターナショナルとの対抗戦。髙田の持つIWGP王座への挑戦者に越中が選ばれたのは、表向きには『ジュニア版名勝負数え唄の再現』とは言ったものの、新日側の本音は『三銃士らトップどころは負けさせられない。Uインターの主催興行なら越中でいいだろう』というものでした」(新日関係者) そんな中堅以上トップ未満の状態が続いた越中が、'07年に突如として脚光を浴びることになったのは、バラエティー番組『アメトーーク!』でのこと。ケンドーコバヤシがプロレスファン以外には無名に近い越中を、しつこいほど取り上げたことがきっかけだった。 ここで披露されたマニア好みのエピソードや「やってやるって!」などの越中語録は、なるほどバラエティーの要素に満ちたものであったが、同時にプロレスファンに笑いや懐古にとどまらぬ感情をもたらせた。 格闘技ブームに席巻され、棚橋弘至がチャラさで売る“プロレス冬の時代”にあって、愚直にプロレスに取り組んできたその姿は一筋の光明となり、多くのファンがここに至って、初めて越中を本気で応援することになったのだ。 越中人気の上昇を受けて組まれた'07年5月2日の後楽園ホール大会では、永田裕志が保持するIWGPヘビー級王座に挑んだ。 満場の観客から特大のコールを受けた越中。デビューからの28年間に積み重ねてきた努力が、ようやくファンに認められた瞬間で、入場時から感極まり、なかなかリングに上がれなかったのも当然のことであっただろう。 結果、敗れはしたが、この越中の一世一代の晴れ舞台、プロレスファンならば必ずや心に刻むべき一戦といえようか。越中詩郎***************************************PROFILE●1958年9月4日、東京都江東区出身。身長185㎝、体重105㎏。得意技/ヒップアタック、パワーボム、侍ドライバー'84。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年10月17日 21時15分
新日本ジュニアタッグリーグ開幕!ロスインゴ“新戦力”鷹木信悟がケタ外れのパワー発揮
新日本プロレス『Road to POWER STRUGGLE 〜SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018〜』▽16日 東京・後楽園ホール 観衆 1,632人(満員) 新日本プロレスの新シリーズ『Road to POWER STRUGGLE 〜SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018〜』が16日、後楽園ホールで開幕した。 今シリーズの目玉はタイトルにもある『スーパージュニアタッグリーグ2018』だ。例年はトーナメント形式で行われてきたジュニアのタッグイベントだが、今年は総当たりのリーグ戦で開催。獣神サンダー・ライガー&タイガーマスク、KUSHIDA&クリス・セイビン、田口隆祐&ACH(昨年度準優勝)、ボラドールJr.&ソベラーノJr.、SHO&YOH(昨年度優勝)、石森太二&ロビー・イーグルス、金丸義信&エル・デスペラード(IWGPジュニアタッグ王者組)、BUSHI&金丸義信の計8チームが参加。上位2チームが11月3日のエディオンアリーナ大阪大会で優勝決定戦を行う。 開幕戦では、ライガー&タイガー対石森&イーグルス、田口&ACH対ボラドールJr.&ソベラーノJr.、KUSHIDA&セイビン対金丸&デスペラード、SHO&YOH対BUSHI&鷹木がラインナップされた。 新日本初参戦でバレットクラブOG新メンバーのイーグルスは、レジェンドタッグを相手にした。石森とのタッグは最初、ぎこちなさがあった。試合も押され気味だったが、石森の巧みなリードもあり実力を発揮。最後は石森の450℃スプラッシュから、ロン・ミラー・スペシャル(ヒザへの関節技)を決めて、なんとライガーからギブアップ勝ち。初戦でインパクトを残した。2試合目はボラドールJr.が雪崩式フランケンシュタイナーでACHに勝利。3試合目はIWGPジュニアタッグ王者組である鈴木軍のラフファイトが試合を支配し、最後はデスペラードがセイビンにピンチェ・ロコで勝利を収めている。 そして今リーグ戦の注目は、10.8両国国技館大会で、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに電撃加入した元ドラゴンゲート(ドラゲー)の“THE DRAGON”鷹木信悟である。公称96キロの鷹木のパワーは、現在の新日本ジュニアでは重量級。近年は軽量化(というより無差別級化)が進んでいるヘビー級でも十分に通用するのは、他団体でも証明済みだ。しかし、あえてジュニアで新日本での活動を始めたのには何らかの理由があるのだろう。 “飛べる”BUSHIとのタッグはお互いがないものを補えるだけに、タッグチームとしては理想的。またドラゲーでは常にジュニアクラスの選手と闘っていたので、新日本ジュニアの世界に入っても試合をスイングできるのも鷹木の強み。この日も圧倒的なパワーを見せ付けながら、SHOやYOHの技もしっかり受け切っていた。 両国で対戦し8人タッグながらも敗れているロッポンギ3Kの2人は、試合の主導権を渡さないようコンビネーションを駆使。ロスインゴの2人に対抗していったが、随所で鷹木のケタ外れなパワーを見せつけられた。最後もYOHが鷹木のラスト・オブ・ザ・ドラゴンを食らってしまい万事休す。試合後には内藤らロスインゴのメンバーがリング上をジャックし、改めて鷹木の加入を歓迎した。 鷹木はマイクを握ると「スーパージュニアタッグリーグ開幕戦、なんとか昨年の覇者3Kに勝つことができたぞ!俺は、内藤をはじめ、ロスインゴのメンバーのおかげで俺自身が一歩踏み出す勇気をもらえた。俺がやるべきことは、このリングで結果を残すことだ。俺は決して高橋ヒロムの代わりではない。高橋ヒロムの代わりなんて俺なんかにできねぇよ。だけどよ、彼が嫉妬してジェラシー抱いて早くリングに帰ってくる状況を作るのが俺たちの使命だと思ってる。なあBUSHI!最後まで、とことん突き進むぞ!」と長期欠場中の高橋ヒロムに鷹木流のエールを送りつつ、このまま結果を出し続けていくと宣言した。 10月7日までドラゴンゲートに所属していた鷹木信悟を誰が止めるのかが重大なテーマになってしまったのだから、これはこれですごいこと。今後対戦する主力選手が鷹木に対してどのような反応を見せるのか注目だが、またもや敗れてしまったロッポンギ3Kの2人にとって鷹木は超えなければならない存在。彼らの意地にも期待したい。取材・文 / どら増田写真 / 舩橋諄
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スポーツ 2018年10月14日 21時15分
棚橋弘至3年ぶりのドームメイン復帰で完全復活に王手!貫いた「俺のプロレス」
「何を意識してるかって、Bブロックだよね。全選手の中できっと俺だけ、見てる視点が違う。『わあ〜、Bブロックすげぇ』ってなってるよ。確かに盛り上がってる。ただそれで右にならえばいいのか?『俺は違うんだよ』っていう、俺が持ってるプロレス、見せるよ!」 真夏の最強戦士決定戦『G1クライマックス28』終盤戦のことだった。Aブロックに入った棚橋の口から、Bブロックの試合を意識した発言が突然飛び出したのだった。確かに今年のG1のブロック分けは、昔から受け継がれているプロレスが得意な選手と、過去にとらわれないプロレスを信条とする選手にハッキリと分かれていた。棚橋はそこを突いてきたのだ。 「ケニーのプロレスには品がない」 公開記者会見で棚橋はケニー・オメガを酷評していた。棚橋は電光石火の首固めでジェイ・ホワイトに勝ち、来年1.4東京ドーム大会のメインで、ケニーが持つIWGPヘビー級王座への挑戦権を手に入れた。棚橋は「俺のプロレス」を貫き、3年ぶりのドームのメインを勝ち取ったのだ。今年はセミファイナルにすら入ることができなかった男が、歯を食いしばり、握りこぶしを作りながら、ここまではい上がってきた。ドームのメインでIWGPヘビー級王座を奪取すれば「完全復活」は確実なものとなる。棚橋はその手前までやってきた。 おそらく、ケニーの土俵…つまりBブロックの闘いをしても現在の棚橋のコンディションからすれば十分に対応できるはず。しかし、G1決勝の飯伏幸太戦では序盤はBブロックの闘い方に合わせながらも気がつけば棚橋ペースに変わっていた。そこが棚橋のすごいところだ。 ただ、棚橋はケニーや飯伏のことを認めてないわけではない。「ビジュアル、運動能力、全てにおいてね、隙がなく素晴らしかった」と評価している。しかし、彼らの闘い方には疑問もあるようだ。 棚橋は「IWGPの権威、IWGPの扱い、IWGPのベルトは、アクセサリーじゃないから。それに、ずっとモヤモヤしてたことがあって、きのうの試合に関して言えば、飯伏もCodyも仲間でね?シェイクハンドから始まって、激しい攻防があった。けど、その攻防の中で、握手で始まってるのに『テーブルとか使う必要があんのかな?』と。試合の中で、いくつもの“Why”、なぜ?なんで仲間同士で使う必要があんの?みたいな」と疑問を呈している。 自身のプロレス観についても口にしている。「俺はプロレスっていうものを広めたいと思ってずっとやって来て、それは初めてプロレスを見た人が疑問に思うところがあってはいけない。ケニーは世界的に評価されてるし、どんどんプロレスを好きになってくれる人も増えてるけど、闘い方が非常に初めて見る人には理解できない部分が多い。“Why”が多い」と持論を展開した。 その後のケニーのコメントを見る限り、ケニーがどこまで理解できているのかは分からない。ただ、棚橋の「飯伏はいつまでケニーと一緒にいるの?」「ケニーは飯伏を自由にしてやれよ」という言葉と関連があるような気がしてならない。それはどんな試合でもロックアップから始まるプロレスを心がけてきた棚橋のプライドであり、新日本プロレス…いや日本のプロレス界に受け継がれてきたスタイルが間違ってなかったことを、ケニー戦で証明したいのではないだろうか。その結果、ファンの支持を得た上でIWGPを奪還してこその“完全復活”なのだと私は思う。 プロレスは奥が深い。棚橋はそんな謎かけをファンに投げられる貴重なレスラー。棚橋の根底には“猪木イズム”が残っているのだ。【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.27】
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スポーツ 2018年10月12日 21時15分
藤波辰爾がかつてのライバル“仮面の魔豹”カネックと30年ぶりに対戦!谷津嘉章も参戦
“炎の飛龍”藤波辰爾が率いるプロレス団体ドラディションは、19日に東京・後楽園ホール、21日に大阪・南港ATCホールで『DRADITION 2018 THE REVENGE TOUR』を開催する。 前回は“ニューヨークの帝王”ボブ・バックランドが来日し話題となったが、今回は“仮面の魔豹”エル・カネック(メキシコではカネック)が来日し、かつて新日本プロレスで抗争を繰り広げた藤波と約30年ぶりに対戦する。 藤波とカネックは、藤波がWWF(WWE)ジュニアヘビー級王者時代に対戦したが、可ネックが敵前逃亡する“事件”を起こした。また、藤波がヘビー級に転向してからも常に敵対してきた。そんな2人が1985年に開催された'85IWGPタッグリーグ戦(初代IWGPタッグ王座決定戦)の決勝でアントニオ猪木からドラゴンスープレックスで初フォールを奪い、その後のセレモニーで、電撃的な握手を交わしたシーンは知る人ぞ知る名場面だ。 カネックは第1回IWGP決勝リーグ戦にも出場している。当時、メキシコの最大手団体だったUWAで予選を勝ち抜いての出場だった。メキシコではUWA世界ヘビー級王者として、ミル・マスカラス、ドス・カラス兄弟とともに、レジェンドと言われている。メキシコマットでは外国人選手を相手にすると異様な強さを発揮。あの“大巨人”アンドレ・ザ・ジャイアントをボディスラムで投げた一人として世界に名を刻んでいる。 藤波は「今回、久しぶりにメキシコからエル・カネック選手が参戦することとなりました。僕とカネックと言えば40年前の敵前逃亡事件。今となってはなぜあのようなことが起きたかは分かりません。なので今回のツアー名に『リベンジ』という言葉を使いました。僕にとってもカネックにとってもリベンジです。何年か前に来日をしていたみたいだけど、タイミングが合わず再会することができませんでした。そんな中で今回がお互いにとって一番良いタイミングでした」と今回カネックを招聘した経緯を語った。 カネックの初来日は1978年で、今年で来日40周年になる。カネックは今回、藤波、越中詩郎&丸藤正道のトリオと、東京、大阪で対戦する。丸藤との対戦にも注目したいところだ。新日本時代に対戦していた藤原喜明がパートナーを務めるのも異色で面白い。東京ではKAZMA SAKAMOTO、大阪では大谷晋二郎がそれぞれ加わり3人で試合に臨む。また両大会ともに谷津嘉章が参戦し、ヒロ斉藤とタッグを結成する。 武藤敬司がプロデュースするプロレスリング・マスターズは90年代のプロレスを現代に蘇らせているが、藤波は80年代の古き良きプロレスを現代に伝えようと、かつてのライバルを来日させている。この2人から大きな影響を受けている棚橋弘至が「プロレスは繋がってますからね」と話していたが、この2大会はまさにプロレスの“繋がり”を感じる。プロレスは長く見続けていればより楽しめるのだ。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年10月11日 21時15分
里村明衣子に続いて紫雷イオも準々決勝進出!WWE『メイ・ヤング・クラシック』
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間11日、世界の女子レスラー32人によるトーナメント『メイ・ヤング・クラシック 2018』の2回戦をWWEネットワークで世界配信した。先週は日本からエントリーした里村明衣子が準々決勝に進出、松本浩代は敗退している。 今週は、スターダムからWWEに移籍し、ファームブランドNXTに所属した“天空の逸女”紫雷イオが、プエルトリコ出身の覆面ルチャドーラ、セウシスと対戦した。セウシスはメキシコの老舗団体CMLLに所属。CMLLは新日本プロレスとも提携しており、派遣される形でたびたび来日。日本の「REINA女子プロレス」では下田美馬らと組んでタッグ王座を奪い、CMLL-REINAインターナショナルジュニア王者にも輝いている。まだ20代とルチャドーラの中では若く、数多く来日したルチャドーラの中でもジャパニーズスタイルに最も早く対応。チャンスは数多く与えられていた。 「世界に自分の名前を知らせるチャンスですね」と試合前のインタビューに答えたイオ。場内からは「レッツゴー・イオ」のコールが送られる中、試合がスタートした。イオがドロップキックでセウシスを場外に吹き飛ばして先制すると、セウシスもエプロンのイオに低空ドロップを決めて互角の攻防を展開。イオもメキシコに遠征した経験がある。この2人が噛み合わないはずがない。 このドロップキックで左腕を痛めたイオだが、ダブルニー2連発からのトペ・スイシーダを放って反撃。さらにイオはコーナートップからハリケーン・ラナを決めると、最後は必殺のムーンサルトを炸裂させて3カウント。イオがセウシスに勝利して準々決勝に進出した。「この試合をまた見てみたい」と思わせる好勝負だった。 来週18日に配信される準々決勝ではイオ対ディオナ・プラゾ、里村明衣子対レイシー・レーンが決定している。インタビューでイオは「アームバーを止める」と日本で対戦経験のあるディオナの必殺技“フジワラアームバー”を警戒した。イオにとっても里村にとっても準々決勝がポイントになりそうだ。決勝戦は日本時間29日に、WWE史上初の女子のみのPPV『エボリューション』で行われる。昨年のカイリ・セインに続いて2年連続で日本人が優勝を果たせるのか?注目だ。文・どら増田写真・©2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.
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スポーツ 2018年10月10日 21時45分
8月にオカダ・カズチカと対戦のレイ・ミステリオがWWE復帰!中邑真輔とシングル戦
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間の10日、インディアナ州インディアナポリスで主力ブランド『スマックダウン』を開催した。 来週、放送1000回を記念して『スマックダウン1000』が開催される。『スマックダウン1000』ではエボリューションのトリプルH、バティスタ、ランディー・オートン、リック・フレアーの4人が再集結する。メンバーのひとり、トリプルHと抗争を繰り広げるジ・アンダーテイカーも登場する。さらにスマックダウンには4年以上ぶりの復帰となるレイ・ミステリオ(レイ・ミステリオJr.)の参戦が決定。中邑真輔と『WWEワールドカップ・トーナメント』予選で対戦することが発表された。 日本時間11月3日に行われるPPV『クラウン・ジュエル』で開催される『WWEワールドカップ・トーナメント』にはジョン・シナ、カート・アングル、ジェフ・ハーディー、ランディ・オートンの出場が決定している。 ミステリオは今年2度、新日本プロレスに参戦。6月9日の大阪城ホール大会で、棚橋弘至&獣神サンダー・ライガーとドリームトリオを結成し、8月12日の日本武道館大会では6人タッグながらオカダ・カズチカと対戦している。関係者の話によると「今後も新日本に上がる可能性はゼロではない」としながらも「WWEには復帰という形になる」という。フリーの立場から新日本やWWEなど各団体に神出鬼没的に登場しているクリス・ジェリコよりも、今後ミステリオがWWEに登場する機会は多くなりそうだ。 それにしても日米の各団体で、棚橋、オカダ、中邑というかつての新日本スリートップの全員と、スーパースター・ミステリオが絡むというのはとても興味深い。“引き抜き”ではなく、こういう形で対戦するのがファンにとっては理想の形だろう。 ジェリコ、ミステリオに続くスーパースターと日本人トップレスラーの絡みを、昔のようにもっと日本のマットで見てみたい。取材・文・写真 / どら増田、萩原孝弘
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