3年ぶりの王者奪還を狙う男の大失態だった。
この日の入場セレモニー直後に、真壁からラリアートで襲撃された大谷。試合では、その報復とばかりに奇襲を仕掛け、顔面ウオッシュ、投げっぱなしジャーマンと一気にたたみ掛けた。
だが、GBHの本間朋晃が介入。イスで襲撃されると、場外戦でラフファイトのえじきに。額からは大量出血し、チェーンで絞首刑にさらされるなど、真壁から宣言通りの“血祭り”にあげられてしまった。
なんとか真壁のお株を奪うチェーンナックルで反撃したものの、結局流れを引き戻すことはできず。最後はダイビング・キングコング・二ードロップを浴び、3カウントを許してしまった。
大谷はこれまで過去8回の火祭りのうち、2001、02、05年と3度優勝しているが、開幕戦は勝利か、時間切れ引き分けだった。つまり、開幕戦で勝ち点を獲らないと、優勝できないというジンクスがある。
しかも、初戦で勝ち点を取ることができなかったばかりか、ケガによる代償も大きい。リングドクターの林督元氏によれば「縦に約3センチの傷が2カ所。貧血気味なので息も早く上がるでしょうし、疲労も蓄積しやすいはず」。団体の存続をかけ、社長として優勝を狙う大谷にとって、早くも優勝争いに黄信号が灯る最悪の結果となってしまった。
この逆境をはね返し、優勝することができるか。身売り騒動で揺れる会社とともに早くも正念場を迎えた。