判決によると、女性は2020年以降、男性から名前をちゃん付けで呼ばれたほか「かわいい」「体形良いよね」と言われたという。女性は21年にうつ病と診断され、その後退職。男性は厳重注意処分となった。
裁判官は、ちゃん付けは幼い子どもに向けたもので、業務で用いる必要はないとした。さらに、男性が親しみを込めていたとしても不快感を与えたと指摘。一連の発言も含め「羞恥心を与える不適切な行為だった」と判断した。女性は23年、男性とともに佐川急便も提訴。2月に同社が解決金70万円を支払うなどの内容で和解した。
職場で同僚や部下、アルバイトの女性に親しみを持って「○○ちゃん」と呼んでいる男性も多いのではないだろうか。
今回のニュースを受け、ネットの掲示板ではさまざまな意見が書き込まれた。「今時、真っ当な会社なら『社内では役職や年齢、性別にかかわらず、さん付けで呼び合いましょう』ってなっている」「ちゃん付けで呼んでいることを知られたら、総務人事から上長に指導が入ったりする」と、ちゃん付けで呼んでいた男性の価値観、職場の風土を批判するコメントが目立った。
一方で、「ハラスメントうんぬんって不快感を与えるかどうか、普段の関係性ありきだしな」「人との距離感測れないコミュ障は詰みやね」「上司がキモかった。イケメンだったら許された」「まあでも嫌いなおっさんからちゃん付けで呼ばれるのは嫌やろ」など、個人同士の関係性を指摘する意見も多く見られた。
ほかにも「ちゃん付けよりも他の発言がキモい」と、今回のちゃん付けにおける判決は、ハラスメントの一部にすぎないと判断する人もいた。
何とも世知辛い世の中になってしまったが、職場で女性をちゃん付けで呼んでいる人は、これを機にその女性との関係性、距離感を今一度確認した方がよいかもしれない。

