新日本
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スポーツ 2018年09月30日 21時45分
新日本、軍団再編の動きはスーパー・ジュニアタッグリーグが関係か?
23日の新日本プロレス神戸ワールド記念ホール大会のエンディングで事件が起こった。CHAOSのジェイ・ホワイトは『G1クライマックス28』から不穏な動きを見せていたが、棚橋弘至のみならず、同門のオカダ・カズチカ、ロッキー・ロメロ、YOSHI-HASHIにも攻撃を与えた。外道が現れ、オカダを救出するかと誰もが思ったが、外道はジェイから椅子を奪うと、オカダに椅子を振りかざす暴挙。あまりにもショックな造反劇に会場は一瞬静まり返った。 この日は「一歩踏み出す勇気」という謎めいた発言を続けていた内藤哲也が「もしかしたら失敗するかもしれない。でも失敗を恐れていたら何も起こらない。今こそロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが一歩踏み出すときでしょう」と近々何らかの行動を起こすことを示唆した。 “ジェイの乱”でCHAOSが分裂状態に陥っただけではなく、現在のところ本隊と鈴木軍以外のユニットも何かしら問題を抱え、不穏な動きを見せている。その裏には10月16日に後楽園ホールで開幕する次期シリーズ『Road to POWER STRUGGLE 〜スーパー・ジュニアタッグリーグ2018〜』のスーパー・ジュニアタッグリーグがあるのではないだろうか?実際、バレットクラブOGは石森太二のパートナーを募集しているとタマ・トンガが明言。ロスインゴも高橋ヒロムが長期欠場中のため、BUSHIのパートナーが不在の状況だ。 内藤は「今のロスインゴを見て」という言葉を付け加えており、新メンバーを加入させる可能性は十分にあり得る話だ。ただ、ロスインゴのメンバーはそれぞれが何らかの“つながり”を持ったメンバーだけで築き上げてきただけに、まったく“つながり”がないメンバーを入れることが「踏み出す勇気」なのかどうかは分からない。いずれにせよ、このタッグリーグに合わせて、バレクラOGとロスインゴに新メンバーが加入する可能性は高いと見ていいだろう。 新日本の軍団再編がここまで広がりを見せたのは、長い歴史において初めてと言ってもいい。来年の1.4東京ドームで輝くにはどうしたらいいのか?レスラーたちが頭を使った結果が、このような形に現れていると思われる。 すべての道は東京ドームにつながっているのだ。【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.25】
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スポーツ 2018年09月29日 21時30分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「ブルーザー・ブロディ」プロレスに殉じたインテリジェント・モンスター
ブルーザー・ブロディがプエルトリコの地で非業の死を遂げてから30年。鋼のごとき巨躯から溢れ出るパワー。その超獣ギミックとは裏腹に理論家の面も持ち合わせ、己のスタイルを生涯貫いた“これぞプロレスラー”と呼ぶにふさわしい1人であった。 ※ ※ ※ 現役プロレスラーの死はファンにとって実に切ないものである。試合を見たことのない、名前もよく知らない選手であったとしても、その訃報に接したときには、どこか胸が詰まるような気分になる。 なぜかといえば、多くの死の原因がプロレスの構造そのものに由来しているからではなかろうか。 例えば、試合中のリング禍。他の格闘系競技ならば、相手の技はかわせばいい。危ない場面にわざわざ自分から踏み込む必要はない。 だが、プロレスではそうはいかず、相手の技はできるだけ派手に受けてみせ、そのことによって試合を盛り上げることをファンだけでなく、プロモーターなど関係者からも望まれる。 勝つためだけならば自分の勝ちパターンに専念すればいいのだろうが、観客にいっそうのインパクトを与えるためには、危険を承知でより見栄えのする技を披露し、これまで見せたことのない技にも挑戦しなければならない。 また、体調がすぐれないからといって、自分の名前でチケットを売っている手前、安易に休場することもできない。一見すると試合とは関係なさそうな病死や自殺でも、その原因がプロレス興行のためであることは多い。「今のように薬物使用が問題視されていなかった頃は、多くの選手がリング上で見栄えのする体を作ろうと、気軽に筋肉増強剤を使用していたし、連戦による体の痛みを抑えるため、麻薬成分にも似た効果絶大のペインキラー(鎮痛剤)を常用していた。ハイテンションで試合に臨むため、興奮剤を使う選手も珍しくなかった」(プロレスライター) そうした薬物の乱用は肉体のみならず、時に精神までむしばむことになり、これらが相まって病死や自死の原因となったケースは、決して少なくない。「派手な技にしても薬物にしても、それで観客にアピールするのは自分の格上げやギャラアップのためであり、自己責任との見方は当然あるでしょう。しかしこれも、そんな選手たちをファンが喜んで受け入れ、もてはやすからこそともいえ、その意味においてレスラーとファンは一種の共犯関係にあるのでは?」(同) そうしたプロレスを取り巻く事情を無意識のうちに感じ取っているからこそ、ファンはプロレスラーの死を切なく受け止めることになるわけである。★長州の技を受けない“不穏試合” 1988年7月、プエルトリコ興行の控室で、ブルーザー・ブロディはレスラー仲間のホセ・ゴンザレスにナイフで刺殺された。 その後、法廷においては現場に居合わせた関係者のすべてが証言を拒否。その結果、真相は不明のままとなり、プエルトリコの地元びいきもあってか、ゴンザレスは“正当防衛”で無罪とされた。 一般にはプロモーターとの契約トラブルが直接の原因といわれ、ほかにも舐めた態度への制裁説(ブロディはトップヒールとしてのプライドが高く、用意されたアングルを受け付けなかった)、ゴンザレスの私怨説(ブロディが小柄なパワーファイターを蔑視して、対戦時にもまともに相手をしなかった)などともいわれるが、いずれにしてもブロディの個人的事情を優先した結果であって、先に記したリング禍などとは別種のものにみえる。 日本でも'85年、両国国技館におけるプロレスこけら落としの全日本プロレス大会では、長州力の技をまったく受けない“不穏試合”を行ったり、同年に移籍した新日本プロレスではIWGPタッグリーグ決勝戦をボイコットするなど、ブロディ絡みのトラブルは多くあった。「両国の記念大会のメインイベントに選ばれたのが、自分でなくロード・ウォリアーズであったことや、かねてから評価していない小型パワーファイターの長州力が相手だったこと、IWGPタッグでは負けブックを提案されたことに対し、それぞれ不満に感じてのことだったと思われます」(同) 全日から新日への移籍も、全日がさまざまな選手を新日から引き抜いたことが、自身のメインイベンターとしての価値をおとしめる行為と考えてのことだった。 そうして見るとプエルトリコでの惨劇も、ブロディの「自分がトップでありたい、あるべきだ」というわがまま勝手が招いたもので、自業自得と受け取る向きもあるだろう。「ただ、それはブロディ自身の信じる“プロレス道”を貫いてのこと。正しいと信じる確固たるスタイルがあって、ほかの誰かが何を言おうとも、ブロディはそれを曲げることができなかったのです」(同) 言うならば頑固職人であり、そうした意味ではやはりブロディの死もまた“プロレスに殉じたもの”といえるのではなかろうか。ブルーザー・ブロディ***************************************PROFILE●1946年6月18日〜1988年7月17日。米国ミシガン州出身。身長198㎝、体重140㎏。得意技/キングコング・ニードロップ、ワンハンド・ボディスラム。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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芸能 2018年09月25日 23時00分
引退決断の貴乃花親方、弟子の活躍が最優先 ホリエモンらが“新相撲協会”案?
25日、大相撲の貴乃花親方が日本大相撲協会に退職届を提出したことを、記者会見で明らかにした。 貴乃花親方は、弟子の貴ノ岩の傷害事件に関する協会への対応について、真実を隠さぬよう告発状を提出したが、協会側から“事実無根”により取り下げるよう、“有形無形の要請”を受けてきたという。引退を決断したのは、「告発状の内容が事実無根であると(自分が)認められなかった」「こういう状態の中で、私の弟子が萎縮して怪我をしたり、そういうことは避けたいという思い」があったからだとした。 協会を改革しようと戦い、貴乃花親方は志半ばでの引退となる。今の率直な気持ちを貴乃花親方は「無念と言いますか、悲しい」と吐露。しかし、「弟子たちが土俵で活躍することが最優先」として、引退に至ったという。この日の朝、弟子たちと向き合って引退について話したという貴乃花。「涙する子たちがほとんどでしたが、側面から弟子たちを見守っていく」「精神的に支えていきたい」と弟子への思いを力強く語った。また、協会に求めることを問われると、貴乃花親方は「協会には、若い力士が、力ある力士が…成長する姿を作っていただきたい」と涙まじりに語った。 この突然の引退発表に実業家でタレントの“ホリエモン”こと堀江貴文氏は、自身のツイッターで「新日本相撲協会ができると面白い」と投稿。これに「ぜひ堀江さんの力で新団体を作りましょう!」との賛同の声も寄せられている。また、ジャーナリストでタレントのモーリー・ロバートソンも「【シン・相撲】」と新団体設立を思わせる意味深なツイートも。新団体については会見中でも質問され、貴乃花親方は「現在、ございません」と回答している。 現在、日本相撲協会のツイッターアカウントには、貴乃花親方引退の報道を受けて非難の声が殺到している。「日本相撲協会は死んだ。今日からは日本相撲卑怯会。もう絶対見ません。貴乃花親方にした事は、いつか自分達に返ってくる事でしょう」「財団法人が功労者を村八分か! 協会の公益財団法人取り消しを切に願う」「日本相撲協会が貴乃花親方にした事って、強要罪にならないの?スポーツ庁も介入して事実関係を調査する必要がある」などの熱量の高い声が目立った。 今後、貴乃花親方は協会とは別に「少年たちに携わって少しでも(相撲を)教えられたら」と語り、「土俵に携わっていきたい。相撲部屋がありますので土俵は存続のままでいきたい」と語っている。記事内の引用ツイートについて堀江貴文の公式Twitterhttps://twitter.com/takapon_jpモーリー・ロバートソンの公式Twitterよりhttps://twitter.com/gjmorley
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スポーツ 2018年09月25日 21時45分
新日本、棚橋がオカダに3年7ヶ月ぶりの勝利も、ジェイが外道と結託し両者をKO!
新日本プロレス『DESTRUCTION in KOBE』▽23日 兵庫・神戸ワールド記念ホール 観衆 6,454人(札止め) 新日本プロレス1.4東京ドーム大会のメインイベントに臨むことができる「IWGPヘビー級王座挑戦権利証」を懸けて、権利証を持つ棚橋弘至にオカダ・カズチカが挑戦した。 当日券も完売し、6,454人(札止め)の大観衆が見守る中、挑戦者のオカダがレインメーカースタイルのコスチューム姿で現れると、客席からどよめきが起こった。シリーズ中はTシャツで風船を持ちながら入場する“第2形態”を貫いていたが、大一番ではガウン。何となくオカダの姿からは迷走している雰囲気を感じてしまった。 一方の棚橋は“いつものように”権利証が入ったジェラルミンケースを客席に見せつけながら、華やかに入場しコーナーポストに上がってアピールした。『G1クライマックス28』で優勝したことに加え、主演映画『パパはわるものチャンピオン』の全国公開に伴いメディア出演が一気に増えたことも重なり、新日本の会場では再び棚橋人気が上昇中。オカダは長期政権を築きマンネリ化していることや、イメージチェンジにまだファンがついていけない部分があるのか、会場のコールは棚橋コールが圧倒していた。 試合ではオカダが棚橋の膝を右に左にと痛めつけ、終始優勢に進めていたが、棚橋が膝の痛みを感じさせない破天荒な技を連発し、オカダに決定打を許さない。オカダにしては珍しく足4の字固めを繰り出すなど、最後まで棚橋の膝を狙っていく。それに対してピンポイントでオカダの膝にダメージを与えながら粘る棚橋。どんなに技を食らっても棚橋の目は死んでいなかった。 最後は、雪崩式ツームストンパイルドライバーを狙うオカダに、棚橋は藤波辰爾ばりの強烈な張り手で動きを止め、リングに叩き落とすと同時にハイフライフロー。そこからオカダが起き上がるのを待ってからハイフライアタックを放ち、さらに追撃のハイフライフローを見舞った。G1での飯伏幸太戦と同じく、ハイフライフロー3連発で35分を超える激戦を制し、オカダとの対戦成績を5勝5敗3分けと再びイーブンに戻した。 試合後、ジェラルミンケースを掲げて勝ち誇る棚橋の背後から、ジェイ・ホワイトが乱入した。ジェイは棚橋を襲撃すると、なんとCHAOSの同僚であり、自身をCHAOSに誘った存在であるオカダにも攻撃を与えた。 ジェイは場外の英語実況席で解説を務めていたCHAOSのロッキー・ロメロも急襲すると、ロメロが座っていた椅子を奪い取り、リングに向かった。ここで花道からYOSHI-HASHIが走ってくるが、リングインする前にアクシデントで大流血してしまう。すると今度は外道が花道をダッシュしてリングイン。ジェイから椅子を奪うと、振りかざした相手はなんとオカダだった! 突然の出来事に会場は騒然となった。しかしジェイと外道の暴走は止まらず、2人は棚橋とオカダを攻撃し続けてKOした。外道はマイクを持って「負け犬同士の闘いは終わったか?どっちが勝とうと東京ドームのメインイベントにはふさわしくねぇ。オメェらはジェイ・ホワイトに負けているただの負け犬だ。プリーズ・ウイズ・ザ・スイッチブレード!ニューエラ・カミングスーン!」と叫ぶと、権利証が入ったジェラルミンケースを掲げるジェイと誇らしげにポーズを取り、大ブーイングの中退場した。 G1から暴走ファイトを繰り広げたり、CHAOSのパートナーを見殺しにするなど不穏な動きを見せていたジェイだが、外道と結託するとは驚きだ。しかし、外道も8.12日本武道館大会でオカダとのマネージャー関係を解消している。この発表も唐突にオカダが切り出しており、不可解ではあった。オカダがノーコメントだったため、真相はまだ分からない。ただ、外道がそのように仕向けたのだとすれば、「あの日」が布石になっていたということになる。逆にオカダとのマネージャーを解消した外道が新パートナーとしてジェイと合体した可能性もある。このあたりはそのうち明らかになるだろう。 バックステージでジェイは棚橋への挑戦を口にし、外道は「オカダ?オメェはもうお払い箱だ!」と決別とも取れるコメントを残した。しかしCHAOSの後藤洋央紀は「おいおい!どうなってんだよ」とTwitterに困惑した様子でツイートするなど、CHAOSが今後どうなるのかは読めない。 ただ、CHAOSはヒールユニットだったため、原点回帰と受け取れなくもない。新日本は30日にアメリカ・ロサンゼルス大会、10.6新潟・魚沼市堀之内体育館大会を経て、ビッグマッチ『KING OF PRO-WRESTLING』10.8両国国技館大会の開催までに単発の大会は2つしか組まれていない。10.8両国大会も含めた3大会のカード発表が注目される。 「オレがオカダに勝つまで何年かかったと思ってんだよ!」 バックステージで倒れこみながらも、オカダを相手に3年7ヶ月ぶりに勝った棚橋は、エンディングをぶち壊されたことに対する怒りを隠せなかった。こういうときの棚橋は恐ろしく強い「キラーモード」で成敗に乗りだすことが多い。ジェイとの権利証を懸けた戦いは「ジェイ次第」と話していたが、ジェイが強引に割り込んできた以上、棚橋が挑戦を断る理由はない。外道をマネージャーに付けた初陣が棚橋戦になる可能性が高いジェイにとっても負けられない試合になる。またもや展開が読めない権利証戦が組まれることになりそうだ。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年09月20日 21時15分
棚橋弘至初主演映画『パパはわるものチャンピオン』公開で、棚橋の知名度が爆上げ中!
新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至が初主演を務める映画『パパはわるものチャンピオン』(21日から全国主要映画館で公開)の公開を記念して、22日にTOHOシネマズ新宿で公開記念の舞台あいさつを行うことが決定した。棚橋の他には、共演した木村佳乃、寺田心や藤村享平監督、主題歌を歌う高橋優も登壇する予定だ。 この映画で、棚橋はプロレスラー・大村孝志役を演じる。人気も実力も兼ね備えたエースレスラーだったが、膝に大ケガを負って試合から長期離脱してしまう。それから10 年、かつての強さを取り戻せないでいる孝志は悪役レスラーとなり、客席からブーイングを浴びる日々を送っている。妻の詩織(木村佳乃)は変わらず応援してくれるが、孝志は自分の仕事を9歳の息子・祥太(寺田心)に打ち明けられずにいた。 だがある日、偶然祥太に“正体”を知られ、「悪者のパパなんて大嫌いだ」と言われてしまう。しかし孝志に、名誉を取り戻すチャンスが訪れる。かつて、孝志に憧れていたトップレスラーのドラゴンが、孝志をタイトルマッチの相手に指名したのだ。自らのプライドと家族への愛のために、全く勝ち目のない戦いに立ち上がる孝志。果たして、孝志が決意したすべてを懸けた危険な技とは?そして息子との絆を取り戻すことはできるのか?関係者によると「『大事なのは勝つことだけじゃない』と訴えかける作品」に仕上がっているという。 棚橋が主演を務める他、木村佳乃、寺田心、仲里依紗、大谷亮平、寺脇康文の他、大泉洋も特別出演するなど共演者も超豪華。新日本からもオカダ・カズチカ、内藤哲也、真壁刀義、天山広吉、小島聡、永田裕志、中西学、田口隆祐、KUSHIDA、パレッタ、後藤洋央紀、石井智宏、矢野通、YOSHI-HASHI、高橋ヒロムが出演する予定。どんな登場の仕方をするのか注目だ。 原作は「パパのしごとはわるものです」「パパはわるものチャンピオン」(ともに岩崎書店)の2作。板橋雅弘作、絵は吉田尚令が描いている。監督と脚本は35歳の藤村享平氏が務めている。 棚橋は『G1クライマックス28』の最中も移動日に初主演映画の「全力プロモーション」を積極的に展開している。棚橋の夢は「街に現れたら人だかりができて動けなくなるぐらいの存在になること」「プロレスをもっと広めること」。棚橋にとって今回の映画はその布石を打つチャンスだ。 フジテレビ系の『僕らの時代』では先輩の長州力、天龍源一郎と語り合ったり、地上波のバラエティー番組や雑誌など、メディアへの露出が続いている。関係者によると「映画公開後もしばらくメディア露出は続く」そうだ。また『パパはわるものチャンピオン』は『いきなりステーキ』や『安楽亭』ともコラボレーションしており、店内には棚橋のポスターが張られている。 今回の舞台挨拶も試合の前日に行うというハードスケジュール。23日に神戸ワールド記念ホールで、オカダを相手にIWGPヘビー級王座挑戦権利証の挑戦を受けるのだ。棚橋の活躍が映画のヒットとリンクするのは言うまでもないが、夢を叶えるためにも来年の1.4東京ドーム大会までは負けられない。映画主演で露出が強化されたことで、世間からの棚橋弘至の知名度は爆上げ中。風はやはり棚橋に吹いているようだ。取材・文 / どら増田写真 / ©︎2018「パパはわるものチャンピオン」実行委員会
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スポーツ 2018年09月18日 21時45分
新日本ケニーがIWGP防衛成功!次期挑戦者は飯伏か?CHAOS分裂危機にオカダ困惑!
新日本プロレス『DESTRUCTION in HIROSHIMA』▽15日 広島サンプラザホール 観衆 3,761人(札止め) 新日本プロレス今シリーズの3大ビッグマッチ第1弾『DESTRUCTION in HIROSHIMA』が15日、広島サンプラザホールで開催された。 メインイベントでは『G1クライマックス28』で、IWGPヘビー級王者ケニー・オメガに土をつけた石井智宏が挑戦。G1同様、両者の壮絶な“根比べ”に広島のファンは大きな歓声を送った。あっという間に20分、25分、30分と経過し、両選手がグロッキーとなった中、最後の力を絞り切りケニーより先に立ち上がろうとした石井だったが、その際に見せた隙をケニーは見逃さなかった。Vトリガーで石井を倒すと、そのまま一気に担ぎ上げ、片翼の天使で石井をマットに叩きつけてカウント3。ケニーが2度目の防衛に成功した。 試合後、ケニーのセコンドを務めていた飯伏幸太がリングに上がり、ケニーが何とか立ち上がると、腰にIWGPヘビー級のベルトが巻かれ、締めのマイクパフォーマンス。ここでケニーは「イブシ、自分がベストなのはお前のおかげだ」と飯伏に感謝。続けて「(王座を奪取した)大阪城ホールからいつでもいいと言ってるんですよ」と観客にアピールした。これに対して飯伏は「約束を果たそう」とIWGPヘビー級王座を懸けて再戦することを示唆。会場は大きくどよめいた。 バックステージでケニーは、IWGPヘビー級王座挑戦権利証を持つ棚橋弘至がG1の一夜明け会見で「ケニーのプロレスは好きじゃない。これはイデオロギーの闘い」と話したことに対して反論。棚橋とプロレス観が違うこと強調し、隣にいた飯伏に対して「君が好きだと叫びたい(笑)」とジョークを放った。 『DESTRUCTION in KOBE』9.23神戸ワールド記念ホール大会で、棚橋の権利証に挑戦する大一番を控えるオカダ・カズチカはハプニングに見舞われた。この日の大会で行われた棚橋組との6人タッグマッチで、2012年の凱旋帰国から同じCHAOSの盟友としてともに行動してきたYOSHI-HASHIと試合後に仲間割れしたのだ。G1開催中に暴走ファイトを繰り返し、CHAOSの中で浮いた存在になっているジェイ・ホワイトがオカダに詰め寄り、YOSHI-HASHIを非難したことから、この3人が割れる形となってしまった。 YOSHI-HASHIはG1の公式戦で棚橋と対戦した際、「変わりたいなら俺のところに来いよ」とアプローチを受けた。G1最終戦の8.12日本武道館大会でYOSHI-HASHIは「棚橋の闘いを見させてもらう」と意味深な発言を残している。この日もYOSHI-HASHIはそんな棚橋と場外で視線を合わせて、控室に戻った。棚橋は「(CHAOSが)ゴチャゴチャしてきたね。俺はボールを投げたから。プレイボールはしてる。YOSHI-HASHIだって分かってるでしょ?変われるのは一瞬だって。やっぱコレ(権利証が入ったアタッシュケース)があると違うんだよ」と、棚橋のG1優勝がさまざまなところに波及していると冷静に分析した。 一方のオカダは大一番を前に困惑した様子。今まであればマネージャーの外道がオカダにプレーヤーとして専念できる環境を作ってきたが、G1最終戦をもってマネージャーとしての関係は解消している。自分に降りかかった問題は全て自分で処理しなければならない。これはオカダにとって、乗り越えるべき試練なのだろう。 9.23神戸決戦は今のところ、棚橋が精神的に優位に立ってしまった形。オカダにとっては想定外だろう。取材・文・写真 / どら増田、萩原孝弘
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スポーツ 2018年09月18日 21時15分
新日本「我々が一歩踏み出す勇気…」内藤哲也が意味深発言!タイチがNEVER奪取!
新日本プロレス『DESTRUCTION in BEPPU』▽17日 大分・別府ビーコンプラザ 観衆 2,280人 新日本プロレスの今シリーズ3大ビッグマッチ第2弾『DESTRUCTION in BEPPU』が17日 、大分の別府ビーコンプラザで開催された。 タイトルマッチを重んじる思いが強い内藤哲也は、試合順に不満を示していた。NEVER無差別級選手権ではなく、ノンタイトルマッチの自身の試合がメインイベントになったのだ。これに乗じて対戦する前王者の鈴木みのるや、セミファイナルで同王座の選手権試合を行う現王者の後藤洋央紀、挑戦者のタイチに対して、ギリギリまで挑発を続けた。内藤はみのるの気持ちを少しでも引き出そうとしていたようだが、主催者側は予定通り内藤対みのるをメインイベントに据えた。 セミファイナルでは、後藤に挑戦したタイチが今年からヘビー級に転向したにもかかわらず『G1クライマックス28』に出場できなかったうっぷんをぶつけた。タイチは、飯塚高史、金丸義信ら鈴木軍のメンバーを介入させ、マイクスタンドなど凶器攻撃、急所攻撃などで後藤を追いつめた。 「あいつが何でG1に選ばれなかったのか教えてやる」と意気込んでいた後藤も負けてはいなかった。タイチの技を次々に返し意地を爆発させていたが、最後はタイチ式ラストライドから、ブラックメフィストが決まり3カウント。タイチが新王者に輝いた。タイチはベルトを踏みつけたり、バックステージで床に投げ捨てるなどの暴挙に出た。さらに「新米社長をはじめ上層部は頭を下げに来い」とハロルド・メイ社長ら新日本のフロント陣に対し、G1に選ばなかったことに謝罪するよう要求した。タイチのフロント批判にメイ社長がどのように応じるのか注目だ。 タイチのベルト奪取に会場がざわつく中、みのると内藤が入場。4.29グランメッセ熊本大会以来、約5カ月ぶり、今年2度目のシングル対決となった。前回もみのるが内藤を逆指名するような形で、みのるのIWGPインターコンチネンタル王座に内藤が挑戦。内藤がタイトルを奪取している。 試合は前回よりもさらに厳しいみのるのサブミッション攻撃に、内藤が何度も顔をゆがめる展開になった。特に膝に爆弾を抱えている内藤にとって、ヒールホールドなど足への関節技はかなりキツかったはず。しかし、内藤は場外戦やスピードを使った動きでみのるを翻弄。最後は強烈な張り手合戦を制した内藤が、延髄斬りから掟破りのゴッチ式パワーボム(パイルドライバーを狙ったと思われるが、パワーボムの体勢になった)を放った。これを決め、正調デスティーノでみのるを沈め、30分を超える死闘は内藤が逆転勝ちで幕を閉じた。 バックステージで内藤は「変わろうとする思い、変わろうとする覚悟、そして一歩踏み出す勇気も大事なんじゃないかなって、4月の熊本大会のお客さまの前で言ったんだけど、まさにわれわれロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが今こんな状態(高橋ヒロムが怪我で長期離脱)になって、われわれにピッタリの言葉なんじゃないかなって、ちょっと思ったりもしたけどね」としみじみ。「一歩踏み出す勇気…。これが何を指しているのか?俺が何を考えているのか?みなさまでいろいろ想像して楽しんでくださいよ。答えはもちろん!…トランキーロ!あっせんなよ!」と意味深発言。 バレットクラブに続いて、CHAOSにも内紛が起こっている中、盤石の結束力を誇るロスインゴと鈴木軍の大将対決を制した内藤が新たに考えていることは何なのか?来年1.4東京ドーム大会で何を狙っているのか?負けたままになっているクリス・ジェリコとの再戦はあるのか?今後の動向が注目される。取材・文・写真 / どら増田、萩原孝弘
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スポーツ 2018年09月14日 21時15分
新日本9.17別府の試合順を巡り、内藤哲也が「タイトル戦がセミなのはおかしい」と異議
新日本プロレス『Road to DESTRUCTION』▽13日 大阪市中央体育館・サブアリーナ(丸善インテックアリーナ大阪) 観衆 1,209人(札止め) 新日本プロレスが17日に開催するビッグマッチ『DESTRUCTION in BEPPU』(大分・別府ビーコンプラザ)のメインイベントで、スペシャルシングルマッチとして、内藤哲也が鈴木軍の大将・鈴木みのるとシングルマッチを行う。 ただ、試合の順番をめぐってひと悶着が起きている。タイトルマッチのNEVER無差別級選手権試合(王者の後藤洋央紀にタイチが挑戦)がセミファイナルで、ノンタイトルマッチの内藤対みのるがメインに組まれたことに対して、内藤は「NEVER無差別級選手権試合がセミファイナルで、スペシャルシングルマッチがメインイベントなのはおかしい。入れ替えるべき。そこを彼らはどう思っているのか?」と対戦相手のみのる、セミでタイトル戦を行う後藤、タイチに対して疑問を投げかけ、試合順を決定した会社に異議申し立てをしている。 そもそも、G1最終日の8.12日本武道館大会でのみのるのアピールがキッカケで、強引な形で決まった今回のシングル対決に関して、内藤は納得していないフシがある。 これまで、みのるは「新日本の宝を全部奪う」をテーマに新日本が管轄するタイトルに狙いを定めてきた。みのるはNEVER無差別級王座、IWGPインターコンチネンタル王座と、狙ったベルトは獲得し続けた。残るはなかなか獲れないIWGPヘビー級王座のみ。しかし、今回の標的をタイトルのない内藤に定めたのはなぜだろうか。今年1月5日の後楽園ホール大会でIWGPヘビー級王座奪還に失敗した直後にクリス・ジェリコが「布石を打っておく」ために内藤を襲撃したのとは違う理由があるように思える。 こうした背景から見ても、内藤の試合順に対するアピールは、狙いが分からない鈴木軍の様子をうかがう意味があるのは明らか。内藤のアピールに反応しているのはタイチだけで、後藤は黙殺。みのるに至っては連日に渡って報道陣を怒鳴りつけ、ヤングライオン(若手)に八つ当たりをし続けているだけで、明確な返答は避けている。やはり、みのるの頭の中には何らかの考えがあるのだろう。 現在の新日本内の各ユニットはCHAOSがジェイ・ホワイトという異端児を抱える。バレットクラブも、2派に分かれて抗争中。反体制派ユニットで盤石の結束力を誇っているのは、内藤率いるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンと、みのる率いる鈴木軍の2つだけという状況だ。そんなユニットの大将対決から何が生まれるのか?そして試合順はどうなるのか?試合当日まで両者による主導権争いは続くのは間違いない。取材・写真・文 / どら増田
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アイドル 2018年09月13日 12時00分
電撃引退表明! タッキー神対応でファン以外からも絶賛された、伝説の“アントニオ猪木戦”
ジャニーズ事務所のタッキーこと滝沢秀明が、年内限りでの引退とプロデューサーへの転身を明らかにした。ジャニー喜多川社長からプロデュース業を本格的に学び後継者としてジャニーズJr.の育成や、コンサートや舞台などの演出、プロデュースに携わっていくものと思われる。 大のプロレスファンとして知られる滝沢は、たびたび会場での観戦が目撃されていたが、一度だけリングで試合を行ったことがある。2000年3月11日に横浜アリーナで開催された『第2回メモリアル力道山』で、ゲスト出演とともに、1998年4月4日に引退をしたあのアントニオ猪木と3分間エキシビションマッチを行うことが発表されたのだ。これは主催をした力道山OB会の中にジャニーズ事務所と繋がりが深い人物がいたことが発端で実現に至ったもの。 当時プロレスファンの間では、猪木の試合がまた見られるとあって話題になり、一方、滝沢のファンは心配の悲鳴を上げていた。当時はまだバレーボールでもジャニーズのパフォーマンスが終わるとファンがドッと帰ってしまう時代。プロレスファンからは滝沢で客寄せしても猪木戦が終わったら帰ってしまうのではないか?という危惧が叫ばれていた。滝沢はそんな流れを察したのか、滝沢は「今回は僕の大好きなプロレスを最初から最後までみんなにも観て楽しんでもらいたい。僕も試合が終わったら最後まで観ますので、最後まで一緒に楽しみましょう」というコメントを発表し、ファンに理解を求めた。すると、滝沢の登場にアレルギーを持っていたプロレスファンも「タッキーよく言ってくれた」「タッキーは本当のプロレスファンだ」と滝沢を支持する声が次々にあがり、実際、猪木戦の後も滝沢はリングサイドで観戦したため、席を立ったファンはほとんどいなかった。 ジャニーズ内でも気配りに長けていると言われている滝沢だが、当時はまだ17歳で、次世代を担うアイドルとして絶頂期。滝沢は大仁田厚が旗揚げしたインディー団体FMWのファンであり、電流爆破マッチのマニアとしても知られている。この大会には新日本プロレスをはじめ複数の団体から選手が出場したオールスター戦だったことから、かつてFMWに所属していたターザン後藤がリングサイドの滝沢を襲撃。滝沢のファンからは悲鳴があがっていたが、当の滝沢は大喜びだった。 そして、凄かったのが猪木との試合である。エキシビションマッチということで、猪木はTシャツ、滝沢はジャージ姿で登場し、レフェリーは藤原喜明(組長)が務めたのだが、いきなり猪木が張り手を見せると、アリキックを2連発から馬乗りになって鉄拳制裁の体勢へ。猪木の現役時代と変わらぬ表情にプロレスファンは大猪木コールを送り、滝沢のファンは攻撃を受ける滝沢を見て悲鳴をあげたり、涙を流すファンもいた。滝沢はパンチで反撃すると猪木のTシャツを破り、猪木は自らTシャツを脱いで、現役時代と変わらぬ肉体を披露し、場内はどよめく。最後は手四つの力比べを滝沢が制したところから、猪木にアリキックを叩き込み、エルボードロップを放ち、カバーに入ると組長が高速3カウントを入れて滝沢の勝利。3カウントを奪われた直後も猪木は天龍源一郎戦のように滝沢へ攻撃を与えようとしていた。試合時間は4分1秒。試合があまりにもスイングし、エキサイトしたため、予定時間を1分以上超えたのだ。 この日は全10試合が行われたのだが、メインイベントで、当時敵対していた橋本真也(故人)と小川直也がタッグを組み、天龍&ビックバン・ジョーンズという異色カードが組まれ、小川と天龍が初遭遇するなど注目を集めていたものの、会場入りの際、小川の弟分だった村上和成(一成)が橋本を襲撃。橋本が流血したまま入場したため、試合は消化不良に終わり、終わってみればプロレスファンの間では「きょうのベストバウトは猪木対タッキー」という声が大半を占めた。引退した猪木と、アイドルの滝沢の試合がこの興行を食ってしまったのである。 のちに滝沢は日本テレビ系『アナザースカイ』に出演した際、「プロレスと芸能界は似ている」と発言。試合はこの日が最初で最後だったが、武藤敬司時代の全日本プロレスなど、プロレス会場には顔を出している。滝沢にとって、プロレス界の名プロデューサーでもあった猪木と若いときに一戦を交えたのは財産なのは間違いない。今後のプロデューサー活動において、この経験と子供の頃から根づいているプロレス脳が生かされることだろう。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年09月12日 21時15分
パンクラスとレベルスが完全グループ化で地上波放送も!格闘技業界再編の布石か?
総合格闘技団体パンクラス(酒井正和代表)とキックボクシング・ムエタイなど立ち技を主としている格闘技団体レベルス(山口元気代表)が完全グループ化し、2019年にグループとして15大会を開催すると発表した。 パンクラスは1993年、船木誠勝がプロレス団体として鈴木みのるらとともに旗揚げした老舗団体。2008年からは完全に総合格闘技に舵を切り、2012年から酒井氏が代表を務め、プロレス&格闘技団体スマッシュが合併するような形でパンクラスを運営しているが、鈴木みのるや佐藤光留らは今でもパンクラスMISSON所属として籍を置いている。最近では北岡悟が総合格闘技団体RIZINに乗り込み、独特のキャラクターで名を上げている。 レベルスにはKNOCK OUTスーパーライト級&RISEライト級王者の不可思をはじめ、小笠原瑛作、T-98、K-1に参戦中の日菜太などキック界で活躍している選手が多く所属。ライト級の梅野源治、町田光などキック界のトップ選手も参戦するなど、“全方位外交”でキック界に広いネットワークを持つ。 今後はパンクラスがレベルスの運営も担当する。山口代表は「不可思をRISEさん、KNOCK OUTさんに、小笠原瑛作をKNOCK OUTさんに、日菜太をK-1さんに派遣することに変わりはない」という。また10月21日に開催される『パンクラス300』大会からREBELSルールの試合が2試合組み込まれる。地上波への露出を図り、運営に関しては資本提携も視野に入れているそうだ。当面は両ブランドを存続させながら、RIZINのようなMMAもキックも見られる総合格闘技団体になるよう構築し、最終的には合併する流れになりそうだ。 その第1弾として2019年2月17日に『パンクラス レベルス リング(仮称)』スタジオコースト大会を開催する。パンクラスが所有するデカゴン(10角形ケージ)ではなくリングが舞台だ。この大会はムエタイ・キックボクシング専用大会にするという。各団体のトップ同士の対抗戦や各階級のトーナメントなど、多様な形でイベントを開催する予定で、関係者は「選手を育成する各団体に還元できるよう、必ず団体名を明確に打ち出して対抗戦形式でやることを軸に展開する」としている。『パンクラス レベルス リング.(仮称)』は年間3大会開く予定だ。 パンクラスは地上波のTOKYO MXやAbemaTVなど、メディアとの関係が強い。酒井代表は「10月21日『パンクラス300』大会でレベルスルールの試合を行います。デカゴンでキックボクシングやムエタイを行うのは初めて。試合はTOKYO MX地上波で生放送される予定です。このようにゴールデンタイムでの試合生中継や、選手の紹介特番など、レベルスに足りなかった部分を強化していきます。ちなみにキックボクシング・ムエタイの試合が地上波で生中継される事はTOKYO MXでは初だと思います」とコメント。現在MXではKNOCK OUTが毎週レギュラー放送をしているが、生中継には至っていない。 さらにMXは『パンクラス レベルスグループ』とタッグを組み毎週月曜日午後8時から放送するスポーツ情報番組『BE◆BOP SPORTS』の番組内で、次世代スポーツ格闘技アスリートを発掘する企画『パンクラス レベルス トライアウト』(仮称)というコーナーをスタートすると発表した。現役有名格闘技コーチが赤と青に分かれ、有望アマチュア選手を指導。各チーム1選手が残るストーリーを展開し、決戦は同局パンクラス地上波生中継で放送する企画。勝者には賞金が与えられ、プロ契約を交わすこともできるという壮大なメディアミックスだ。 10月からはMMA版として石渡伸太郎と北岡悟がコーチとしてガチバトルを展開。両選手がアマチュア選手を指導し、11月25日パンクラス大会で決戦を行う。11月下旬からはムエタイ版として梅野源治と不可思がコーチとしてガチバトルを展開。決戦は2019年2月17日「パンクラス レベルス リング(仮称)」スタジオコースト大会で行われる。 来年3月にはシンガポールの世界最大規模の格闘技団体ワンチャンピオンシップ(OC)が大手広告代理店の電通と提携し、初の日本大会を開催する。KNOCK OUTの木谷高明オーナーも「(OCは)RIZIN、K-1よりも脅威」と話す。今回、両団体がグループ化したのはこうした背景も影響しているとされる。OCと交流があるという酒井代表や山口代表は「格闘技業界の流れに変化がある時期」(酒井代表)にグループ化することで、今後予想される世界規模の格闘技業界再編の動きをにらみ、布石を打ったものと思われる。 酒井代表はかつてプロレス団体を経営したり、近年では元Hey!Say!JUMPの森本龍太郎をマネジメント(今春に契約終了)していた。幅広い人脈と、スポンサー獲得には定評がある。選手のメディア露出を増やすことは、存在を知ってもらうにはベストな手法。新日本プロレスはそうしてV字回復し、世界にも通用する団体に成長した。今後、パンクラス レベルスグループが、格闘技界でRIZIN、K-1に続く第3勢力になるのか。タレントは多いだけに可能性は十分にある。今後の動きを注視していきたい。取材・文・写真 / どら増田
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