全日本プロレス社長の武藤敬司にちなんで昨年から6月10日(ムトーの日)に開催されている特別興行「武藤祭」。日本一そっくりな人を決める「武藤敬司コンテスト」の終了後に異変が起きた。「オイ、誰か忘れてへんか」という野太い声。武藤風のカツラとヒゲを装着した新日プロの中西学が乱入してきた。お祭りムードが一転して緊迫した空気に変わった。
どこかぎこちない風体に失笑が漏れる中、リング上のIWGPヘビー級王者・武藤と対峙。15日の新日本プロレス東京・後楽園ホール大会で、後藤洋央紀と事実上の次期挑戦者決定戦が決まっている野人は「チャンピオン、のん気なもんやのう。次期IWGP挑戦者の中西学がここまで足を運んできてやったぞ」と口火を切った。
とはいえ、武藤から「中西、次、IWGPはお前に決まったの?聞いてないよ」と鼻であしらわれ、「そんなもん、後藤ぶっ倒してオレがお前からベルト取り戻すに決まっとるやろが」と激怒。よほど怒りが収まらなかったのか、会場を引き揚げた後も「いつでも全日本乗り込んだるぞ。誰とでもやったんぞ」と不敵なテロ予告とともに、次期IWGP挑戦を念押しアピールした。
だが、その一方で野人の直談判はチャンピオンにはただの奇行にしか映らなかった様子。武藤はまず「乗り込むんだったら毎日『武藤祭』のアピールしてからきてくれよ。中西ファンがどれくらいいるか分からないけど、中西ファンがここに来ないんじゃ経済効果が生まれないよ」と一刀両断した。
さらには後藤との決着がついていないにもかかわらず、勝手に乱入してきた中西を「フライング」と一喝し、次期挑戦者にも「オレの感覚では(中西も後藤も)一緒で並んでる」と言い放った。
わざわざ敵陣に乱入してまで次期挑戦をアピールした野人だったが、チャンピオンからは門前払いでスカされた格好。果たして次期タイトル戦線は、この先どんな展開が待ち受けているのだろうか。