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「世界柔道」金メダルが色あせた! 天理大柔道部内暴力問題で現場に居合わせた大野主将を解任

 多くの五輪金メダリストを輩出した名門・天理大柔道部内の暴力問題で、9月5日、同大は再発防止策が確認されるまで、男女とも柔道部の無期限活動停止を発表した。

 藤猪省太(ふじい・しょうぞう)部長、土佐三郎監督は解任。暴行した4年生4人は、8月26日から30日間の停学処分。また、先のブラジル・リオデジャネイロでの「世界柔道」男子73キロ級で、金メダルを獲得した大野将平(21=4年生)も、学長からの厳重注意の上、主将を解任された。

 全日本柔道連盟(全柔連)は同日、藤猪部長らを事情聴取し、再調査を指示。大野は全柔連の強化指定選手から外される可能性も出てきた。

 藤猪部長は7月中に暴行の事実を知りながら、それを隠して、8月21日に全柔連の理事に就任したばかりだったが、辞任届を郵送した。

 同大柔道部によると、5月中旬、練習の休憩時間に水を飲んだ練習態度を問題視し、1年生部員十数人に対して、4年生部員4人が柔道部の寮で平手打ちなどをした。被害に遭ったうちの1人は、左耳の鼓膜が破れるケガを負った。部内暴力は7月まで続き、ケガを負った1年生部員は同月上旬に退部を申し出た。同大柔道部はこの問題を部内にとどめ、大学側は約2週間後に学外からの問い合わせで事態を把握、学内調査を始め、4日に問題を明らかにした。

 大野は暴行には加わっていないとして、「世界柔道」に出場したが、現場に居合わせながら、主将の立場で暴力を止めなかった責任を問われて、主将解任となった。大野は「止められなかった自分がふがいない」と話している。大野自身は手を出していないとはいえ、暴力を止めなかったイメージダウンは避けられず、せっかく獲った金メダルも色あせてしまいそうだ。

 柔道界では、1月に女子代表チームでの暴力指導問題が発覚。全柔連は4月に「暴力根絶プロジェクト」を設立した。そんなさなかに、名門の同大柔道部で部内暴力が起きていたとなると、事態は深刻だ。
(落合一郎)

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