「デーブは熱血漢のイメージで、受けの良いテレビ局を中心にしたマスコミから報道されているが、素顔は違う。スタンドプレーが大好きで、球界内部では『食えない男。野球人ではなく、なんでも目立ちたがる三流タレントだ』と酷評されている」
球界OBの一人がこう一刀両断する。
08年に二軍監督から一軍監督に昇格した渡辺久信監督が大久保一軍打撃コーチを懐刀にしたのが、過ちの始まりだった。キャンプからアーリーワーク(早朝練習)を打ち出すなど、新しいものに飛びつくマスコミに話題を提供。いきなり結果が出た格好で、西武が4年ぶりのリーグ優勝、日本一を達成したものだから、一時期はヒーロー扱いだった。
が、その内実は違っている。西武関係者がこう語る。「デーブの言うことを聞くのは若手だけ。GG佐藤や中島など主力選手はソッポを向いていた。さらに、球団フロント人事で『若い渡辺新監督を支えてやってほしい。監督業も教えてやってほしい』とヘッドコーチとして入閣した黒江ヘッドコーチを頭から無視。ナベQ(渡辺監督の現役時代の愛称)の覚えをいいことにデーブはやりたい放題だった。試合でホームランが出ると、ベンチで飛び上がったり、ガッツポーズしたりの派手なリアクション。それをテレビ局がいちいち取り上げるから、本人はすっかりスター気取りで舞い上がってしまっていた。自分の言うことを聞かない選手は、ナベQに言いつけて使わない。今、阪神に移籍して“バースの再来”とまで呼ばれているブラゼルは、デーブのアーリーワークを『クレージー』だと言って反抗したから、クビを切られている。そのブラゼルの面倒を見ていた黒江さんも日本一になったのに、1年で解任されている」。
知人女性への暴力事件も思い上がった大久保氏の愚挙の一つにすぎないという。「ブタもおだてりゃ木に登る…」といわれるが、まさにその通りだろう。一度ユニホームを脱がされているのに、また同じようなバカなことをやるのだから、話にならない。今回の解任事件も、熱血コーチの行き過ぎた指導などという美談仕立てにはならない。巨人OBの一人は今でも憤慨して、大久保氏の本性を暴く。
「アテネ五輪日本代表だった長嶋さんが脳梗塞で倒れて入院。生死をさまよっているといわれた時に、お見舞いに行き、テレビのワイドショーのインタビューに答えるのを見て、我々巨人OBは怒りで体が震えるほどだった。誰もが病院に駆けつけたい気持ちを抑えて我慢しているのに、堂々と病院へ行く神経は普通ではない。スタンドプレー以外の何物でもない。当時、巨人監督だったホリさん(堀内恒夫氏)が『デーブだけは絶対に許さん』と怒り狂ったのも当然ですよ」。
当の大久保氏が、「親しくしている一茂さんに電話したら『きてくれ』と言われたので、行っただけなのに」と釈明したことから、巨人OBたちの怒りにさらに拍車をかける結果になっている。
要するに、身の程知らずのスタンドプレーが得意な三流タレント。それがデーブ大久保氏の本性だ。これからも、懲りない愚挙を繰り返すだろう。