同大会を独占中継しているフジテレビは日本時間27日〜30日までは、午前3時55分〜5時35分に生中継しているのだが、連日にわたって、失態を演じて物議をかもしている。
初日の27日の男子60キロ級では、高藤直寿が決勝に進出。ところが、試合途中に放送が終了し、CMに切り替わった。約1分後に、後続番組の「めざましテレビ」内で、中継が再開され、高藤が優勢勝ちを収めた。勝ったシーンこそ、ライブ中継され、ことなきを得たが、「空白の1分間」は後味の悪さを残した。
そして、2日目の28日の男子66キロ級では、海老沼匡が決勝に残ったのだが、海老沼が左ヒジを痛め、試合が再開されたところで、中継は再び無情の終了。CMが入って、「めざましテレビ」内にリレーされたものの、時すでに遅し。試合はすでに終わっており、海老沼が一本勝ちしたシーンをライブで放送することはできなかった。
スポーツライターのA氏は「CMスポンサーとの契約の問題はあるかもしれませんが、世界的なスポーツ生中継が、試合途中で終わってしまうなど言語道断。放送延長対応をするか、それができないなら、放送枠をあらかじめ長めに設定しておくべきです。もし、サッカーの国際試合で、こんなことをしたら苦情殺到で大変です」と語る。
フジでは男子90キロ級などが行われる31日(日本時間)、男子100キロ級、100キロ超級などが行われる9月1日(同)は、放送枠を午前6時まで確保した上、延長対応もしている。しかし、もともと、27日(同)〜30日(同)に関しては、「軽量級は注目度が低い」との判断なのか、延長対応の予定はなかった。
同局広報によると、連日にわたって、決勝戦の生中継がCM中断されたことによる視聴者からの苦情は確認されていないという。27日の放送視聴率は1.8%(関東地区)だったそうだが、数字的には「ほとんど誰も見ていない」ということになる。
見ている人がほとんどいないから、失態を演じても、苦情が来ないというのも、なんともトホホな現実となってしまったようだ。
(落合一郎)