25歳の右腕は3試合に登板し、「3勝0敗・防御率1.17・24奪三振」をマーク。全12球団の好投手がしのぎを削る交流戦において、見事最多勝(他に4名)と最優秀防御率の二冠に輝いた。
交流戦を含めたシーズン成績は「8勝2敗・防御率3.13・79奪三振」と、既に昨年までの勝ち星(1年目1勝・2年目2勝)を上回っている柳。今シーズンを機に、本格的なブレークを果たす可能性は十分にあるといえるだろう。
柳の覚醒が濃厚なことは、これまでの“タイトルホルダー”たちも証明している。過去5年の交流戦で最優秀防御率に輝いた5名の内4名が、同年に2ケタ勝利をクリアする活躍を見せているからだ。
2014年に最優秀防御率に輝いた則本昂大(楽天)は、この年「14勝10敗・防御率3.02・204奪三振」をマークし、最多奪三振のタイトルを獲得。同年からメジャーに移った田中将大(ヤンキース)の後を継ぎ、エースとしてチームを牽引した。
昨年からメジャーで戦う大谷翔平(当時日本ハム/現エンゼルス)、マイコラス(当時巨人/現カージナルス)の両名は、前者が2016年、後者が2017年にそれぞれタイトルを獲得。その後、大谷は「10勝4敗・防御率1.86・174奪三振」でシーズンMVP、マイコラスは「14勝8敗・防御率2.25・187奪三振」で最多奪三振を手中に収めた。
昨年の該当選手である菊池雄星(当時西武/現マリナーズ)は、「14勝4敗・防御率3.08・153奪三振」をマーク。チームの10年ぶりとなるリーグ制覇に貢献し、今年からはメジャーに活躍の場を移している。
唯一2ケタを挙げていない2015年のメッセンジャー(阪神/同年は9勝)も、翌年からは3年連続で2ケタをクリアしている。今回の柳も、こうした先人たちに続くような数字を残すことが大いに期待できるといえるだろう。
文 / 柴田雅人