今週は、スターダムからWWEに移籍し、ファームブランドNXTに所属した“天空の逸女”紫雷イオが、プエルトリコ出身の覆面ルチャドーラ、セウシスと対戦した。セウシスはメキシコの老舗団体CMLLに所属。CMLLは新日本プロレスとも提携しており、派遣される形でたびたび来日。日本の「REINA女子プロレス」では下田美馬らと組んでタッグ王座を奪い、CMLL-REINAインターナショナルジュニア王者にも輝いている。まだ20代とルチャドーラの中では若く、数多く来日したルチャドーラの中でもジャパニーズスタイルに最も早く対応。チャンスは数多く与えられていた。
「世界に自分の名前を知らせるチャンスですね」と試合前のインタビューに答えたイオ。場内からは「レッツゴー・イオ」のコールが送られる中、試合がスタートした。イオがドロップキックでセウシスを場外に吹き飛ばして先制すると、セウシスもエプロンのイオに低空ドロップを決めて互角の攻防を展開。イオもメキシコに遠征した経験がある。この2人が噛み合わないはずがない。
このドロップキックで左腕を痛めたイオだが、ダブルニー2連発からのトペ・スイシーダを放って反撃。さらにイオはコーナートップからハリケーン・ラナを決めると、最後は必殺のムーンサルトを炸裂させて3カウント。イオがセウシスに勝利して準々決勝に進出した。「この試合をまた見てみたい」と思わせる好勝負だった。
来週18日に配信される準々決勝ではイオ対ディオナ・プラゾ、里村明衣子対レイシー・レーンが決定している。インタビューでイオは「アームバーを止める」と日本で対戦経験のあるディオナの必殺技“フジワラアームバー”を警戒した。イオにとっても里村にとっても準々決勝がポイントになりそうだ。決勝戦は日本時間29日に、WWE史上初の女子のみのPPV『エボリューション』で行われる。昨年のカイリ・セインに続いて2年連続で日本人が優勝を果たせるのか?注目だ。
文・どら増田
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