同本部はこども政策担当相や外国人共生担当相らで構成し、複数の府省庁にまたがる施策を統括する司令塔機能として、一体的な推進を目指す。
人口減少対策総合研究所の河合雅司理事長は「これまでの『少子化を止める』から人口減少を前提とした対策を見つける動きを官民が始めた」と問題意識の変化を指摘した。
レギュラーコメンテーターの玉川徹氏も「世界を見ても対策が成功している国はなく、日本だけが何とかなるわけがない」と同調。その上で、「人口減少しても一人ひとりがどうやって幸せに暮らしていけるのかに、やっと切り替わった」と話した。
海外ではどんな取り組みをしているのか。韓国では第1子誕生で約21万円給付するなど手厚い子育て支援金を給付し、父母が同時に育児休業取得できるようにするなどした。中小企業には代替人材の雇用助成金を出している。
ハンガリーではGDPの約5%を少子化対策に投じており、子ども2人出産で所得税免除、無料の体外受精治療、子ども世帯への低金利融資(子ども3人で返済免除)などを行っている。韓国とハンガリーに共通していることとして、河合氏は「経済対策は一時的に効果があるものの限界がある」とのことだ。
少子化・人口減少問題では、実は日本の特殊事情もある。コメンテーターの猿田佐世弁護士は「日本では結婚したカップルが持つ子どもの数はそれほど減っていない。結婚に至るまでの過程に問題がある」と未婚率の上昇について懸念を示した。
欧州と日本では結婚観が大きく異なる。先進国の中でもフランスは生まれてくる子どもの半数以上が婚外子といわれる。シングルマザーでも生活できる社会環境が整備されているのだ。日本の若年層は将来の社会を見据えて、子どもをつくらないのだろう。

