10月31日に開かれた伊東市議会臨時会で2度目の不信任決議案が可決され、田久保氏は同日市長を失職した。田久保氏は市長就任当初から学歴詐称が指摘されていた。
田久保氏失職に伴う市長選は12月7日告示、14日投開票となる。これまでに元市長の小野達也氏をはじめ、スポーツインストラクターの石島明美氏、前市議の杉本憲也氏、薬局チェーン顧問の黒坪則之氏、NPO法人代表の岩渕完二氏の5人が出馬会見を開いている。
ほかにも、兵庫県警に名誉毀損(きそん)容疑で9日に逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者も立候補の意向を示していた。連日、学歴詐称問題がニュースで報じられ、伊東市は一躍全国から注目される自治体となった。
田久保氏が当選した5月の市長選では、田久保氏と小野氏との一騎打ちで、約1700票差で田久保氏が競り勝った。来月の市長選では、再び田久保氏か小野氏か、それ以外の新人候補者かを決めることとなる。
1年で2回の市長選を行うことは伊東市の歴史で初めてという。困惑するのは伊東市民だ。5月の市長選では新市立図書館の建設が大きな争点となった。推進派の小野氏に対し、反対する田久保氏との争いは、田久保氏が勝利した。
しかし、田久保氏は学歴詐称問題をめぐり議会と対立。副市長、教育長も決まらず市政も滞る事態となった。だが、自ら市長の職は辞めることはなく、議会を解散するなどしたが、最終的に再選した市議たちに失職に追い込まれた。
田久保氏が再出馬の意向とのニュースにX(旧Twitter)では、「初めっから辞職、出直しで民意を問うていればよかったものを」「悪名は無名に勝る嫌な世の中だからなあ」「この図太さリーダー向いてるわ」とあきれ気味なコメントが目立つ。
また、「失職したら最低4年間は立候補できなくするべき」と選挙制度に言及する意見や、「もともとの学歴詐称は大した問題じゃない。見栄っ張りくらいは許す。頑張れ」と田久保氏にエールを送るコメントもあった。
混乱が続き選挙ばかりの伊東市。市民は新たな市長により、市政が安定して進んでいくことを切望しているだろう。

