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紛失防止タグを悪用したストーカーが急増 被害届なくとも警告できるように法改正

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大下容子 ワイド!スクランブルの公式Xより

ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)改正案が閣議決定された。12日放送のテレビ朝日系「大下容子 ワイド!スクランブル」で今回の改正について解説した。

「紛失防止タグ」を悪用したストーカー相談が急増していることが背景にある。警視庁によれば、2021年は3件だったが、24年には370件に達し、今年9月末時点で昨年を上回っている。

紛失防止タグとはAppleの「AirTag」に代表されるもので、所持品に付けることで、なくした際にどこにあるのかをスマホで確認できる便利なものだ。

21年ごろから普及し始め、AirTagはAppleの公式サイトで現在4980円で市販されている。紛失防止タグはBluetoothの微弱電波を出しており、それを近くにいる人のスマホが検知してクラウド上に位置情報を送る仕組みになっている。

実際に悪用された事例として、夫に居場所を秘密にした離婚調停中の女性が、子どもが夫と面会した時にぬいぐるみを渡され、この中にタグが仕掛けてあった。ほかにも、好意を寄せる女性の車にタグを取り付けた男がいた。その男は自分の車で女性を追いかけて衝突させた。

ストーカー規制法の改正は、近年、被害の実態に合わせて何度か行われてきた。今回の改正は2000年の制定以来4回目となる。21年にはGPSによる無断で位置情報を取得する行為が禁止された。つまり、無断で誰かの持ち物にGPS機器を付けてはいけないというものだ。

しかし、紛失防止タグは技術的にGPSとは異なるものなので、現在の法律で紛失防止タグのストーカーを取り締まることができなかった。今回はBluetooth信号も新たに規制対象として追加される形となる。

そして、今回の改正案には、被害届や相談がなくても、警察が必要と認めた場合に職権で加害者へ警告を行える制度が含まれている。従来は被害者側からの申し出が前提だったが、改正後は警察の判断で早期介入が可能となる。

番組コメンテーターの杉村太蔵氏は「被害者が(ストーカー被害を警察に)言わなくても、どこまで実効性があるのか。国家公安委員長のリーダーシップで、実効性あるものにしていただきたい」と指摘した。

24年12月に川崎市の女性が行方不明になり、翌年4月に元交際相手の自宅で遺体が見つかった川崎ストーカー殺人事件では、神奈川県警が適切に動かなかったことが問題となり、本部長が謝罪する事態に至った。現場の警察官が危機意識を持って取り組まなければ、法律は形骸化してしまうだろう。

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