21日の札幌大会で、外敵王者の武藤に初防衛を許してしまった新日プロ。団体内の挑戦者レースを圧倒的な強さで制した最強のチャレンジャー中西学が挑戦したものの、ベルトを奪還することはできなかった。
そればかりか、チャンピオンからは、V2戦を8月31日に行われる全日プロの東京・両国国技館大会で開催するというトンデモ要求まで付きつけられてしまった。他団体でIWGPタイトル戦を開催されても、新日プロにとっては何のメリットもない。本来なら大きな収入源となるはずの目玉カードを全日プロに持っていかれるとあっては、非常事態といえる。
現状では敵陣でのタイトル戦開催を回避するだけの交渉が厳しい情勢とあって、この日もIWGP実行委員会から結論は出なかった。IWGP開催問題により暗雲漂う新日プロ。しかし、そんなムードをミスターIWGPが一蹴した。
この危機的状況にも永田は「エサのまき方は武藤さんらしい。でも今の状態でどうこうは必要ない。チャレンジャーが決まるまでにはG1があるんだから。まあそこでどうなるかでしょう」と楽観的だった。
さらには「オレとしてはG1を完走して、それからタイトル。そのために対ゼロワン、そしてG1で結果を出してみせるよ」と至宝奪還に向けてG1での完全復活Vを掲げてみせた。
外敵王者の武藤から同じ第3世代の盟友、中西が目の前で葬られてしまった永田。この先、新日マットの命運を切り開くのは、ミスターIWGPの完全復活にかかっているといっても過言ではない。