現役時代、日本マット(新日本プロレス、全日本プロレス)とともに主戦場としていた世界最大のプロレス団体WWEは、公式サイトや公式ツイッターなど、公式メディアを通じて追悼のコメントを発表。キッドさんの従兄弟でブリティッシュ・ブルドッグスのパートナーだった故・デイビーボーイ・スミスさんの実の息子であり、現在は新日本・鈴木軍で活躍中のデイビーボーイ・スミスJr.ら、WWEスーパースターの追悼ツイートを紹介している。WWEに所属していた時期もあったが、現在新日本と契約しているスミスJr.のツイートを紹介したのは異例なこと。通常であればOBの訃報の第1報はWWEが発信することが多いのだが、今回は来日中であるスミスJr.のツイートが早かった。つまり日本発信だったのだ。
WWEは訃報を伝えると、「ビリントン(キッドさん)は、イギリスのランカシャー州ゴルボーンに生まれ、炭鉱労働者としての人生を避ける手段として、スポーツ・エンターテインメントを追求しました。小さな体格だった彼に付けられたリングネームは、ダイナマイト・キッド。彼はカナダのアルバータ州カルガリーでWWEの殿堂入りしたスチュー・ハートが主宰していたスタンピード・レスリングで技術や華々しく攻撃的なスタイルを学びました。ダイナマイト・キッドは、タイガーマスクとの伝説的な一連の試合で、プロレス界全体に影響を与え、WWE 205Liveのような軽量級のブランドの確立に影響を与えている」と、デビューから初代タイガーマスクとの名勝負数え唄についても記載。軽量級ブランド205Liveの設立は、キッドさんと初代タイガーの試合がきっかけであることを明らかにしたのには驚いた。
続けて「ダイナマイト・キッドは、1984年にWWEに加わり、従兄弟のデイビーボーイ・スミスとブリティッシュ・ブルドッグスを結成しました。彼らのマスコット、マチルダと呼ばれるブルドッグと一緒に、ブルドッグスはハートファンデーションのブレット"ヒットマン"ハート&ジム "アンビル"ナイドハートとクラシカルな試合を行い、グレッグ "ハンマー"バレンタイン&ブルータース・ビーフケーキから『レッスルマニア2』でWWE世界タッグ王座のタイトルを獲得しました」とWWE時代の活躍を紹介。最後に『WWEは、ビリントンの家族、友人、ファンに哀悼の意を表します」と締めた。
本来であれば存命中に受賞してもらいたかったが、ダイナマイト・キッド&デイビーボーイ・スミス with マチルダのブリティッシュ・ブルドッグスがWWE殿堂入りする可能性が出てきたのかもしれない。また、キラー・カーン、グレート・ムタ、ブル中野とともに、アントニオ猪木氏、藤波辰爾、故・力道山さんに続く殿堂入り候補に挙がっている初代タイガーマスクが再び脚光を浴びる可能性は高い。現在、初代タイガーとともに原点回帰プロレスに携わっている新間寿会長は、WWE元会長であり、マクマホンファミリーとのつながりも深い。期待したい。
写真 / 萩原孝弘
【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.33】