アチチな男が夏本番を前にタイトル奪取に動き出す。
大谷は昨年11月のデビュー15周年記念試合で、右肩骨折及び右肩鍵盤損傷というケガに悩まされ続けてきた。その後は負傷個所にテーピングを施しながら出場。ケガをおしての試合が続いていた。だが、今月下旬になって「テーピングをとったということを理解してもらえれば。万全と捉えてもらっていいです」とようやくケガが癒えた。
体調が万全になったことで「田中の巻いているベルトはトップの象徴だと思っているので狙っていきたい」と団体の至宝、世界ヘビー級王座獲りが視界に入ってきた。
まずはベルトへの挑戦権を獲得すべく実績を積み上げることを狙い、自らに2つのハードルを課した。
26日の東京・後楽園ホール大会で大森隆男と組み、新日プロ永田&中西学と対戦するタッグ頂上対決第2ラウンドが行われる。ここで新日プロの象徴である永田から直接フォールを奪い、対新日プロとの団体対抗戦を自らの手で勝利に導く。
また、翌27日の蝶野正洋プロデュース興行「PREMIUM」(後楽園ホール)で行われるワンナイトトーナメントでは新日プロの天山広吉との越境コンビで、同じく新日プロの長州力とタッグを結成する田中と激突する。ここでは現王者の田中から直接3カウントを奪うことでベルト挑戦を否が応でも認めさせるつもりでいる。
「永田裕志の首を獲れば実績になる。永田なり田中を倒せば、周りから自然と(大谷が挑戦という)声が出てくるでしょう。首を獲ってそういうシチュエーションにしますよ」。2人の首を手土産にすべく闘志を燃やしている。
「PREMIUMやいろいろなものを含めて大谷晋二郎の夏にしなければいけない。大谷晋二郎が帰ってきたと思うような夏に」。悲壮な決意を固め、ついに至宝獲りに動き出す大谷。日本一熱い夏が幕を開けようとしている。