RIZINの榊原信行実行委員長は「神戸にもRIZINらしさをそのまま持っていきたい」と、“神童”那須川天心(TARGET/Cygames)らレギュラー選手を参戦させる意向を示していた。
その通り、今回は天心のカードがラインナップされた。天心が関西で試合を行うのは今回が初めて。7月21日にはホームリングであるRISEのエディオンアリーナ大阪大会も控える。関西のファンは2カ月連続で天心の試合を見られることになる。
毎回、RIZINでは予測不可能な対戦相手、試合形式で戦ってきた天心だが、今大会では、ISKA世界フェザー級王者アメッド・フェラージ(フランス)に挑戦するタイトルマッチが組まれた。RIZINのリングでRIZIN管轄外のタイトルマッチが開催されるのは異例だ。
フェラージはフランスの伝統格闘技サバットの国内タイトルをはじめ、K-1フランスチャンピオンなど数々のタイトルを獲得したサウスポーのファイター。昨年5月にはISKA世界フェザー級タイトルを獲得した。プロ成績は14戦12勝(5KO)。「自分の持つベルトの防衛戦を日本で那須川天心とやれることができて光栄だ。RIZINのような素晴らしい舞台での試合が待ちきれないぜ」と、天心に初黒星を付けたいと鼻息が荒いという。
天心は現在、RISE世界フェザー級王座とISKAオリエンタル世界バンタム級王座を保持する。「今回は戦い方にこだわって試合をしようと思いますので、そのへんの違いを見てもらえれば。周りの試合よりも圧倒的に盛り上げて、圧倒的に勝ちます」とコメントした。7月のRISE大阪大会では-58kg世界トーナメントの準決勝を控えているだけに、無傷のまま三冠王になりたいところだ。関西のファンにとってはたまらない2大会になるだろう。
また今大会では天心とともにジムで汗を流し、昨年大晦日のフロイド・メイウェザー戦でセコンドについた白鳥大珠(TEAM TEPPEN)が、『RIZIN 平成最後のやれんのか!』(昨年大晦日、さいたまスーパーアリーナ)以来のRIZIN参戦が決定。「RIZINにまた上がりたい」と話していた白鳥にとっては吉報となった。
RISEライト級王者の白鳥も、RISE-61kg世界トーナメント準決勝を7月に控えるだけに負けられない。対戦相手は、KNOCK OUT、RISEを中心に活動し“ピエロブラザーズ”の異名を持つ山口兄弟の兄、山口裕人。裕人は「俺、長身でサウスポー元ボクサーで男前が相手って一番イヤなんですよ(笑)しっかり全部そろってるやん(笑) ばっちり仕上げておもろい試合、みなさんに見せまっせ!」と地元関西でのRIZIN初参戦を喜びつつ“キック界の王子様”白鳥を挑発した。これに白鳥は「相手も面白い選手なんでKO決着に期待してください」とKO決着を予告した。こちらの試合にも注目したい。
取材・文 / どら増田
写真 / 山内猛..