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「初めてほめました」篠塚辰樹が61秒KO葬!那須川会長、TEPPEN勢全勝を解説!

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篠塚辰樹

RISE
『RISE WORLD SERIES 2019 1st Round』
▽10日 大田区総合体育館 観衆 4,200人(超満員札止め)

 “神童”那須川天心(TARGET/Cygames)の復活劇で話題となった今大会だが、天心の父、那須川弘幸氏が会長を務めるTEAM TEPPEN勢も、天心を含む4選手が全勝と好結果。大田区総合体育館でもTEPPEN旋風を巻き起こしていた。

 「天心の試合まではあいつがMVP!」

 那須川会長にこう言わしめたのは、天心と同い年で元A級プロボクサーの篠塚辰樹だ。辰樹は今大会、フェザー級からスーパーフェザー級に階級を上げ、同級6位の瑠夏(新潟誠道館)と対戦。戦前から「1分以内で倒す」と完勝宣言していたが、1Rから辰樹は得意のパンチを浴びせた。辰樹のパンチは「速くて見えない」とTEPPENの選手も話しており、瑠夏もランカーとしての意地を見せたかったが、畳み込まれるとついていけない。辰樹はラッシュからの飛び膝蹴りなどで主導権を握らせず、最後の右ストレートに瑠夏は立ち上がることができなかった。1分1秒KO、まさに完勝である。

 「1分1秒?1分以内で倒せなかったかぁ…。もっと早く感じたんですけどね。でも会場の盛り上がりがすごかったですね。入場の方が長かったんじゃないですか?カッコ良かった?カッコ良かったですね。分かってます(笑)きょうは朝まで飲みますよ!」

 笑顔でこのように語った辰樹は、汗ひとつかいていない様子。試合後は、マイクを「持たせてもらえなかった」と苦笑い。もしマイクを渡されていたなら「K-1もRISEも面白い」と言う予定だった。キックボクシング興行戦争となったこの日、「K-1」の名前も出し、キックの面白さをアピールしたかったという。

 今大会本戦の第1試合で最高の仕事をやってのけた辰樹に、めったにほめない那須川会長は「あいつを初めてほめましたよ。ああいう試合をしていくことで、お客さんの気持ちも成長させていくんです。ハートはいいやつですからね。このままやってもらえれば」と合格点をつけた。辰樹は「まだフェザー級でも2試合はやらなきゃいけない。狂犬(森本義久)とチャンピオンの工藤(政英)。工藤さんにはリベンジしてベルトを獲らないと」と年内に因縁がある狂犬と決着をつけた上で、デビュー後、唯一の黒星をつけられている工藤からベルトを奪取すると誓っている。

 本戦前のオープニングファイト第2試合では、天心、辰樹と同い年の須田翔貴が出場。スーパーライト級6位のランカー、遠山翔太(MONSTAR GYM)と対戦した。翔貴は右拳を骨折していたこともあり、事実上パンチが使えない状況の中、ローキック一本で試合を支配。KOこそできなかったものの、遠山を寄せ付けない試合運びで判定勝ちを収めた。

 「3Rやることがなかったので良かった。『一発打ったら手術』と言われたんですけど、一発だけ思わず打ってしまったら、痛かったんで(苦笑)。次はもっと上のランカーとやりたい。怪我を治して無敗のままベルトを獲ります!」

 改めて田丸辰が保持しているRISEスーパーフライ級のベルトに狙いを定めた翔貴。田丸も「翔貴君とはやらなきゃいけないと思ってます」と話しているが、田丸は年内に階級を上げるプランもある。時間はないが、那須川会長は「あの状態で3Rやったことに価値がある。7月にまたランカーとやって、ベルトに挑戦するまで一戦一戦やっていけばいい」と焦らずにタイトルに挑戦させる意向だ。

 RISEライト級王者“キック界の王子様”白鳥大珠は、-61kg世界トーナメント1回戦に出場。ブラジルのヘクター・サンチアゴと対戦した。ゴージャスな“レインメーカー”スタイルにガウンを戻した白鳥は、“カネの雨”ではなく“マシュマロの雨”を降らせながら入場。会場からも「王子!」という声援が飛ぶなどキャラクターは浸透してきた。

 試合は序盤は白鳥ペースだったものの、2Rからサンチアゴが自分の距離で勝負をするようになり、白鳥が前蹴りで突き放すもなかなか距離をつかめない。身長差も影響したのか3Rが終わり判定はドローに。ここで「お前何やってんだ!根性見せろ!」と那須川会長が叫んだ。これに奮起した白鳥は気迫でエキストララウンドを乗り切り、判定勝ち。準決勝に駒を進めた。7.21エディオンアリーナ大阪で行われる準決勝は、大雅を破ったタイのラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者、セクサン・オー・クワンムアンと対戦する。

 白鳥は「南米の選手とやるのは初めてでしたが、強かったです。相手に付き合っちゃうのは昔から自分の悪い癖。何とか乗り越えたという感じ。きょうに限らずチャンピオンは誰にも負けられない。セクサンはタイのMVPを獲った選手。今のままでは危ない」と次戦に向けて危機感を募らせた。

 昨年11月から重要な試合を4試合行っており「さすがに疲れました。今月はジムに行きません(笑)」としばらくは休養し、7月の準決勝に備えるつもりだ。「このトーナメントは賞金以上に『世界一』という称号が与えられるのが大きい。もっと自分を持った方がいい。自分を持って攻めていきます。マシュマロはホワイトデーなんで。今後もいろいろと考えていきたい。今夜ですか?お酒を飲む気持ちにはなれないので、1人部屋の隅でアップルジュースを飲みます(笑)」最後は王子スマイルを取り戻して前を向いた。

 那須川会長は「大珠は実は怪我もあって追い込みが足りなかった。最後はスタミナ切れ。上を狙いに行ってたので、パンチとヒザでボディに行けと。絶対引くなと。あれで引いてたら負けてましたね」と白鳥の試合を振り返った。

 白鳥や辰樹、翔貴の頑張りが他のTEPPEN勢はもちろん、天心の刺激にもなる。それだけに那須川会長の期待も高い。この日出場した選手は7.21大阪大会への出場が有力。北松戸で発生したTEPPEN旋風が、この夏、ミナミの街に吹き荒れる。

取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ

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