9日に行われた会見では、RIZINとプロモーション契約を結んだパッキャオからのメッセージが読み上げられた。
「日本のみなさん、こんにちは。私が推薦するとてもタフなフィリピン人ファイター、フリッツ・ビアグタンが次のRIZINで試合をします。フィリピンの選手はみんなハングリーでとてもタフだ。今後もフィリピンの選手が日本で活躍するようにしていきたい」
「天心はフロイド・メイウェザーと戦い、私はそのファイティングスピリットに敬意を表する。アジア人では天心と私しかメイウェザーと向き合ったことはない。大いなるファイティングスピリットを持った者同士が、互いに強い選手に立ち向かっていくことは、どの国にとっても発展的なことになる。私はこの試合を見届けに横浜アリーナに行く。そしていつかRIZINのリングで戦えたらいいと思っている」
パッキャオは天心と戦ったメイウェザーをツイッターで酷評していた。パッキャオとの契約後に帰国し、会見に同席した榊原信行実行委員長によると、王者は「天心を凄く尊敬している」という。現在、RISEで-58kgの世界トーナメントに出場し、7月に準決勝を控える天心は「こんなところで負けられない。RIZINに帰ってきたというところを見せたいですね。相手はキックもやってるみたいなので、パンチで倒したい。コンディションは、今肉体改造中なので、その経過を見せられれば」と抱負。昨年大晦日のメイウェザー戦以来のRIZIN参戦で、完全復活をアピールしたい考えだ。
対戦相手のビアグタンは「天心は無敗でとてもいいファイターだ。でもフィリピンの戦士と戦うのは初めてだろう。思ったより簡単にいかないから、覚悟をしてきてほしい。ただ試合をするのではなく、世界が驚く試合をしたい。絶対に満足するような試合をする」とコメントした。
ビアグタンは8歳からムエタイとキックボクシングに打ち込み、キックボクサーとして活躍しながらボクシングにも挑戦。2014年に総合格闘技デビューを果たした23歳だ。
天心はパッキャオ戦に興味があるかとの問いに「今は考えてない」としつつ「チャンスがあれば」と含みを持たせた。榊原委員長は「将来的にRIZINに上げたいが、対天心というのは考えてない。パッキャオがどのルールで戦うかも含めて、相手が決まる。体重差もあるしね」とメイウェザー戦の教訓からか天心戦には否定的だった。
大会まで2週間を切ったタイミングで発表された今回の一戦。パッキャオが見守る中、天心がどんな試合をするのか楽しみだ。
取材・文・写真 / どら増田