本戦開始前に行われるキックオフショーには、直前にスマックダウン女子王座から陥落した“明日の女帝”アスカと、NXTのカイリ・セインの日本人女子スーパースター2選手が登場。女子バトルロイヤルに挑んだ。
女子スーパースターたちが競い合う中、最後の3人に残ったアスカはヒップアタックからソーニャ・デビルの足を払って蹴り落としたが、その隙にサラ・ローガンに投げ飛ばされて脱落。サラが勝ち残ったかに思えたが、隠れ残っていたカーメラにスーパーキックを食らって脱落し、頭脳作戦を駆使したカーメラが優勝した。昨年は無敗のままタイトルマッチに挑み、注目されたアスカにとっては寂しい結果になった。
ロイヤルランブルを制してユニバーサル王座挑戦を決めたセス・ロリンズが、絶対的なユニバーサル王者ブロック・レスナーに挑んだ。先に待ち受けていたレスナーは入場してきたロリンズを不意打ちで襲撃すると、試合が始まってからも手を緩めない。レスナーは容赦なくスープレックスを3発繰り出してロリンズに攻め込んだ。しかし、ロリンズは隙を突きローブローを放つとレスナーが悶絶。これを勝機と見たロリンズが、スーパーキックを顔面に放ち、カーブ・ストンプ3連発でレスナーから3カウント。絶対王者の敗戦にファンは大喜びだった。
直前に『レッスルマニア35』への出場が決定した日本人スーパースター、中邑真輔はルセフとのタッグで、ウーソズが持つスマックダウンタッグ王座にフェイタル4ウェイルールで挑戦した。
すっかり息が合ってきた中邑はルセフと連携してアリスター・ブラックの顔面にハイキックを決めると、ジミー・ウーソズにもスピンキックを決めて攻め込んだ。終盤、中邑がキンシャサをブラックに炸裂させたが、最後はウーソズがダブル・スーパーキックからダブル・サモアンスプラッシュでシェイマスから3カウントを奪った。中邑&ルセフは直接敗れはしなかったものの、王座奪取に失敗。ウーソズが王座防衛に成功している。
日本でもおなじみのカート・アングルはバロン・コービンを相手に引退試合に臨んだ。コービンのエンド・オブ・デイスで3カウントを奪われたが、大「YOU SUCK!」コールを背に笑顔でバックステージに引き揚げた。
またコフィ・キングストンがダニエル・ブライアンに挑戦したWWE王座戦では、キングストンが渾身のトラブル・イン・パラダイスを決めて3カウントを奪取し、王座を戴冠する波乱が起こった。まさかの大金星にファンはスタンディングオベーション。キングストンは11年越しの夢をかなえて初の新WWE王者となった。
レッスルマニア史上初の女子メイン戦ではWWE2大ブランドの女子王座をかけてロンダ・ラウジー、シャーロット・フレアー、ベッキー・リンチが「勝者総取り」の三つ巴女子頂上決戦に挑んだ。
入場から3人は魅せた。特に父リック・フレアーをオマージュして空から降臨したシャーロットの入場はすごかった。試合は、全員が必殺技を繰り出す中、シャーロットがスピアーを狙うと、それを避けたロンダとベッキーはそのままシャーロットをテーブルに叩き付け、排除した。残ったロンダとベッキーは激しい殴り合いを展開すると、最後はロンダがパイパーズ・ピットを繰り出したところを、待ってましたとばかりにベッキーがロンダを丸め込んで3カウント。ファンもあっけに取られる結末だったが、それを打ち消すかのように花火が打ち上げられ、ベッキーのロウ&スマックダウン女子王座奪取という快挙を祝った。
今年のレッスルマニアには、前日に新日本プロレスがニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデンで大会を開催したこともあり、新日本のレスラー、関係者、日本のプロレスマスコミが多数訪れた。棚橋弘至は、AJスタイルズや中邑の入場時にリアルタイムでツイート。飯伏幸太も、中邑とのツーショットをアップしていた。彼らがレッスルマニアを観戦してどんな想いを抱いたのか気になるところである。
文 / どら増田
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