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軍用地、実は不動産投資向き 銀行金利より高い“貸地料”

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嘉手納基地

関東地方の自営業の男性から電話があった。記者がネットにあげている沖縄県浦添市米軍キャンプキンザー軍用地売買に関する問い合わせである。男性は現地に来ずに、資料を参考に若干の値引き交渉をして買い上げとなった。

沖縄県では米軍基地及び自衛隊基地(以下軍用地)は、面積の約4割が民有地となっていて、国が借り上げて地主に借地料を支払っている。軍用地料の総額は、県の資料によると年間約900億円に上る。軍用地売買は相続の際や資金が必要となった場合に市場に出回る。
普天間基地

取引金額に対する利回りは嘉手納基地滑走路周辺、那覇軍港、キャンプキンザーなどの人気のある場所で1.8%前後、その他の場所でも2.3%前後が期待できる。金利の高いネット銀行の金利が1%前後、国債も1%程度であるから2倍程度の利回りの金融商品として取引されている。国債と同じように国が支払う軍用地は、銀行に資金を寝かしている人にとっては、魅力的な投資対象といえそうだ。

なぜ、民有地がこれほど多いかというと、旧日本軍による飛行場建設などによる民有地の借上げ、戦中戦後に米軍が基地建設のために接収した土地に民有地が多く含まれているためである。戦争が残した負の遺産(※個人の見解)が、戦後80年たった今でも残り続けた結果と言える。

記者が経験した嘉手納弾薬庫地区の取引では、銀行の勧めで老齢の夫人が買い上げた。同行していた子息によると「父親が残した現金があり、銀行金利よりはるかに高い貸地料と相続税対策」が、軍用地投資の動機と言うことである。相続税は路線価を基準に算定されるが、軍用地には基準となる道路がないために、一般の相続税に比べて概ね半額で納税は済むと言われている。

この情報を得た記者も、何事も経験という気持ちで沖縄市泡瀬の米軍通信基地の軍用地を買ってみた。約50坪の土地に950万円の投資、年間の借地料は21万9144円となっている。利回りにして2.3%となる。地元銀行の預金金利が0.2%だから、収入は銀行に比べて10倍に以上となる計算だ。軍用地は管理費に手がかからない、相続に有利、換金性が高い、地料が年々1%位上がる利点がある。長期間所有していた知人は、利回りが20%になったと話していた。沖縄には軍用地売買を専業とする不動産業者が存在し、ネットで手広く買い手を募集している。興味のある方は、一度試してみてはいかがだろうか。

取材・文/照屋健吉 リアルライブ編集部

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