武藤を意識してか、最近はドラゴンスクリューを使うようになった中西に「もっと想定外の動きをしないと中西らしくないだろ」とまずはダメ出し。さらには「あのパワーを動物に例えるならゴリラだろうな。でも下手したら頭脳はゴリラ以下かもな」とあざ笑った。
徹底的に中西をこき下ろす武藤。その背景には積年の恨みがある。
武藤が新日プロに所属していた1999年G1クライマックス。当時は地上波で放映があった。1日3試合をこなし、決勝戦で中西と対戦したものの、最後はアルゼンチンバックブリーカーでギブアップ負けを喫した。
「当時はまだゴールデンタイムで特番が組まれていたころ。無様な姿を見せてしまった。あの屈辱は忘れてない」。中西には優勝をさらわれたばかりか、お茶の間に醜態をさらされた積年の恨みがあるわけだ。
「きちっと防衛しないとな」。忘れがたい過去の屈辱を晴らすべく、王者は王座防衛を誓った。