福良監督が球団に辞意を伝えたことを認めたため、長村裕之球団本部長が急遽会見を開くことになった。会見が行われたドーム内のインタビュールームにはテレビカメラも含め多数のカメラが並ぶ中行われた、長村本部長の会見では、福良監督が9月初旬に辞意を伝えていたこと、球団はCS進出の可能性もあり、残り試合も20試合以上残していたことから、「まだ時間はあるので前向きに考えていきましょう」と翻意に努めたことが明らかになった。
しかし、福良監督の「3年間のチームの責任は私の責任です」という考えは揺るがなかった。長村本部長は「選手の早出に付き合ったり、常にチームや選手のことを考えている熱意ある監督だった」と評価していたが、球団は1週間前に決意が変わらないと判断。福良監督に了承する旨を伝えるとともに、「違った側面で協力してほしい」とフロント入りを打診しているという。
後任については「白紙」を強調し、「これからの作業」と長村本部長は語っていたが、最有力候補とされている田口壮二軍監督には「まだ伝えてない」と発言。田口二軍監督は「福良さんを胴上げしたい」と福良監督が監督代行から監督に就任した2016年シーズンからファームの指揮を執っている。就任時は福良&田口政権とまで言われ、福良監督と田口二軍監督はコミュニケーションを頻繁に取ってきたことは周知の事実。今シーズンの春季キャンプでは、一軍メンバー対二軍メンバーによる紅白戦も実現させて話題になった。球団から連絡をしていないとしても、福良監督は田口二軍監督に再びユニフォームを着させるために背中を押したとされているだけに、辞意を伝える段階で一報は入れているだろう。
福良監督がシーズン最後まで指揮を執るため、昨年のロッテのようにシーズン終了を待ってから新監督が発表されるかもしれない。ただ、今から諸々時間を要する外部から新監督が招聘される可能性は極めて低いと思われる。福良監督のもと、今シーズン台頭した“神童”山本由伸を始め、宗佑磨、福田周平ら若い選手たちを飛躍させてくれるような新監督と新体制に期待したい。
取材・文・写真 / どら増田