スポーツ
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スポーツ 2016年06月24日 11時27分
外国人投手を緊急補強! 金本監督が選んだ意外な新クローザー
阪神がリリーフタイプの外国人投手を緊急獲得した。コーディ・サターホワイト、29歳の右腕だ。6月16日の入団会見では「193センチの長身から投げ下ろす最速154キロの直球と、スプリットが武器」と紹介され、関西系メディアは「新クローザー候補」と伝えていた。しかし、金本知憲監督(48)の“本命クローザー”は別投手のようだ。 「今さらですが、2年連続セーブ王のタイトルを獲得した呉昇桓の抜けた穴が埋まらなかったということです。マテオが不調で、途中から救援にまわった藤川(球児=35)もピリッとしない…。ドリスも同様です」(在阪記者) 一般論として、シーズン途中に獲得した外国人選手は活躍しないケースのほうが多い。途中獲得とは主力選手の故障や不振により、現場からのSOSを受けてから動く。調査に十分な時間をさけないため、日本球界向きかどうかがきちんと見極められないのだ。 昨年のプレミア12ではアメリカ代表として来日していたという。その経歴を指して、「渉外担当者も球場でサターホワイトの投球を見ているはず」と反論する声も聞かれた。そんな“未知数の新助っ人”について、こんな見方もされている。 「メッセンジャーとゴメスが今季で契約が切れます。球団は慰留交渉をするでしょうが、残留の確証はありません。今オフの万が一に備えての『ネットワーク作り』も兼ねて、在米コーディネーターの顔を立てての獲得だったのでは」(プロ野球解説者) サターホワイトをいったん中継ぎでスタートさせ、その結果を見てからクローザー起用する予定だという。金本監督は新外国人投手の獲得と並行し、投手陣の配置換えも話し合っていたようだ。 「金本監督は『新クローザー』について、腹心の矢野コーチ、投手担当の香田コーチと何度か話し合いの場を設けています。セットアッパーのなかから適任者を探していましたが、先発投手の誰かを配置換えする案が強くなっていました」(球界関係者) 浮上してきた新クローザー候補は3人。一人は昨年オフ、一部の阪神OBがメディア出演した際に推していたメッセンジャーだ。もともとはリリーフ投手である。150キロ近い球速、奪三振のタイトルも獲得した経緯から考えると、適任とも言える。 「藤浪が打球直撃の影響でまだ戦線を離脱しており(同時点)、本格的な復帰までもうしばらく時間が掛かりそう。その藤浪を調整の名目で一時的にクローザーをやらせる、と」(前出・同) 3人目の候補は、ベテランの能見篤史(37)である。能見は昨季終盤、チーム事情でリリーフにまわった“実績”もある。当時も「チームのためなら」の二つ返事で快諾しており、今季は岩貞の成長もあって、「先発ローテーションから左投手がいなくなる」といった事態にはならない。メッセンジャー、一時的に藤浪、能見の3人、こうした情報を聞く限り、サターホワイトは左腕・能見に繋ぐためのセットアッパーとして獲得したとも考えられる。 「まだ球宴前なのに、チームはズルズルと順位を下げ、士気も下がっています。シーズン途中で外国人投手を補強し、配置換えも行うのは『喝』を入れるため」(前出・同) 阪神の主催ゲームの観客動員数は順調に上がっているが、負けが込めば、チーム再建の途中とはいえ、営業面での打撃を受ける。若手も育っているが、やはり金本監督は勝たなければならないのだ。
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スポーツ 2016年06月23日 15時00分
本田圭佑とACミランを丸ごと買い取り? “爆買い”の中国企業が食指
サッカー日本代表の本田圭佑(30)も中国の“爆買い”の標的にされている。 先日行われた『キリンカップサッカー2016』では、準決勝、決勝ともに出番はナシ。左膝裏に痛みを抱えており、9月に始まるワールドカップ・アジア最終予選を見据えて大事を取ったわけだが、この欠場は本田が現在所属するイタリアの名門クラブの今後にも影響を与えたようだ。 「欧州各リーグが開幕する前の“夏の移籍市場”で自らを高く売り込むためにも、代表戦でアピールできればよかったんですが…」(専門誌記者) 本田がセリエAのACミランに加入したのは'13年12月。年俸550万ユーロ(約6億7000万円)で、契約はあと1年残っている。 「本田に興味を示している欧州のクラブがないとは言いません。交渉は『残り1年の契約を引き継ぐか否か』からスタートするはず。ですが、高額年俸なのでスンナリとはまとまらないでしょう」(同) だが、一部では残留の可能性も伝えられている。 「財政的に苦しいACミランは、新たな株主としてどこかの企業を招く可能性もあります」(同) そこに目を付けたのが、中国の投資家グループだ。大連万達集団、ネット検索大手の百度(バイドゥ)といった具体的な企業名も出ており、このまま進めば本田の扱いも変わってくる。アジア地域での本田の知名度は高く、十分“広告塔”になりうる。同時に囁かれているのが一本釣りだ。 「今年1月、中国スーパーリーグの北京国安が元日本代表監督のザッケローニ氏の監督就任を発表しましたが、成績不振で5月に解任となりました。同リーグのチームが本田を獲得することはあり得ます。しかし、ミランと本田のセットで買収となれば、日本だけでなく海外メディアも放っておかないでしょう」(特派記者) 有名選手の“爆買い”を続ける中国なら、金に糸目はつけないはず。本田節は炸裂する?
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スポーツ 2016年06月23日 10時00分
照ノ富士 名古屋場所カド番でも「言ったことはやる男」に期待
あのふてぶてしい態度と風貌、そして言動。 “怪物”と呼ばれた照ノ富士の名古屋場所に期待がかかる。新しい復活伝説、誕生なるか−−。 先の夏場所で、照ノ富士(24・伊勢ケ浜)はヒドイという域を超えていた。2連勝と好スタートを切ったのもつかの間、3日目から一転して連敗地獄に突入し、千秋楽までなんと13連敗。これは名寄岩が昭和21年に記録した12連敗を69年ぶりに更新する、大関のワースト記録だった。 「両膝のけがに加え、今年の初場所では左の鎖骨を骨折して途中休場するなど、まさに身体は満身創痍の状態。場所前の稽古もほとんど出来ない状態で、やはり無理がありました。途中休場という選択肢もありましたが、本人は『相撲勘が養えるだけましだ』と出場し続けたことも、あの惨敗につながってしまいました」(担当記者) 照ノ富士と言えば、ちょうど1年前の夏場所、破天荒な相撲で初優勝して一気に大関に駆け上がり、「次の横綱は決まり、問題はいつ上がるかだけ」とまで言われた怪物力士。つまずきの始まりは、大関2場所目の去年秋場所13日目、稀勢の里戦で右ひざを痛めたこと。以来、低空飛行を続け、一方の稀勢の里は綱取りに最も近いところに位置し虎視眈々だ。 これを見ても勝負の世界の非情さ、過酷さがよく分かるが、それを誰よりも痛感しているのは当の照ノ富士に違いない。白鵬の37回目の優勝で沸く夏場所千秋楽の支度部屋の隅では、大きな体を小さくして、こんなことを言っていた。 「ついこの前まで強い大関と言われた。こんなに負けたら弱い大関と言われるな。ずっと負けてばかりいたら面白くない。でも、いろいろ勉強にはなった。まあ、来場所を見ていてください。言ったことはやる男なんで」 7月に始まる名古屋場所では、大関かど番。照ノ富士にとっては2度目の試練となる。果たして、照ノ富士は以前の輝きを取り戻すことができるか。5月30日、いち早く復活に向けて始動。1週間後の7日には宝富士や十両の誉富士らと髪を振り乱し、汗みずくになって本格的な稽古も開始した。 「関取との稽古で100%の力を出したのはおよそ半年ぶり。ちょっとずつ力を出せるようになってきている。あと2週間あれば大丈夫」 セールスポイントだった歯に衣着せぬ強気なセリフは戻ってきている。闘志も健在で、あとは身体だけ…。 名古屋場所で“怪物” 照ノ富士は牙をむく。
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スポーツ 2016年06月22日 15時00分
金本阪神「超変革第2弾」血の入れ替えリスト(2)
金本監督もいずれ“責務”を果たさなければならない時がくる。失敗して『下』を向いたままの選手は切る必要がある。“負け犬根性”の染み付いた選手は、今の阪神には「いらない」と思っている。 「星野仙一・現楽天副会長が阪神指揮官だった'02年オフと同じ規模での『血の入れ替え』が行われるかも」(前出・関係者) 前述したように、今の阪神は他球団に“人材の宝庫”とも見られている。一時期は阪神側からトレードを申し込んでも、「欲しい交換要員がいないから」と断られていた。しかし、成長した若虎の潜在能力に、他球団の編成部員による評価も一変した。前向きな意味での大型トレードも十分に考えられる。 「目先の話をすれば、金本監督がいま最も欲しているのは救援投手です。不安要素を抱えた藤川球児と、相手球団に研究されたマテオだけでは夏場を乗り切れないと見ている。リリーフ投手の緊急補強要請が、現場からフロントに届けられたようです」(前出・在阪記者) “最終兵器”もある。藤浪晋太郎のリリーフ登板だ。 藤浪は9日の千葉ロッテ戦で打球が右手親指を直撃するアクシデントに見舞われ、病院に直行している。骨には異常がなかったものの、ピッチングが再開できたとしても、ボールに本来のキレが戻るまで、ある程度の時間が掛かるだろう。 「藤浪の抜けた穴を、新人の青柳晃洋で補ったのも金本監督らしい」(同) チャンスに飢えた先発タイプはいるものだ。だったら、「調整」の名目で、一定期間だけでもリリーフ登板させるという。 「本当の目的は他の救援投手を発奮させるためです。今の阪神には『捨て試合』を作る余裕はない。いま発奮しなかったら、救援陣は“超変革第2弾”の標的にされますよ」(前出・関係者) 藤浪は去年までのチームを振り返り、「こんなモンでいいのか!?」と下を向いたままの同僚たちに疑問と憤りを抱いていた。その気持ちは、当時まだ解説者だった矢野燿大一軍作戦兼バッテリーコーチがインタビュアーを務めた関西系メディアの前で爆発した。 そんな藤浪の想いは、矢野コーチから金本監督に伝えられた。だから開幕直後、藤浪を野手走者並みに走らせたのである。 藤浪に付いていけるかどうか…。脱落するのなら、たとえキャプテン鳥谷敬であっても、金本監督は切り捨てるつもりだ。
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スポーツ 2016年06月21日 14時00分
金本阪神「超変革第2弾」血の入れ替えリスト(1)
交流戦突入と同時に大失速−−。 4勝8敗と大きく負け越し(6月13日時点)、観客席を味方に付けているはずのホームゲームでも負けが込んでいる。金本知憲監督(48)は「これが実力」、「恥ずかしくないのか!?」と爆発寸前である。よって、チーム再建の『超変革』も第2弾に突入するという。 「去年までなら、負けが込んでくると、選手は下を向き、ベンチも静まり返っていました。それが今季は、選手全員がベンチから乗り出して試合を見ているし、声も出している。何かきっかけが掴めれば…」(在阪記者) 阪神には『裏・格言』なるものがある。 「チャンスはピンチ、ピンチは大ピンチ」 チャンスになれば、代打が送られる。その代打は大歓声を背に受けたことで萎縮して打てず、再び二軍落ち。ピンチに関しては言うまでもないだろう。この裏格言は90年代から言い伝えられていた。 「この裏格言が、金本監督になってから消えつつあります。選手たちは試されているんです。金本監督は必死に頑張っている選手にはチャンスを与えています。チャンスを与えられた選手は活躍した。でも、今は『壁』にぶつかってもがいているところ。ここを乗り切れば、ホンモノでしょう」(球界関係者) しかし、チャンスを与えるだけでは、本当の意味で強いチームにはなれない。金本監督には“棚上げ”されたままの責務が残されているのだ。 「昨秋の就任会見後、金本監督はフロントから、ある選手名簿を見せられています」(同) その選手名簿とは、“解雇候補者のリスト”である。「どの選手がいらないのか?」と問われ、金本監督はひと通り目を通しただけで、「まだ分からない」と言って突き返した。 「選手をクビにするのも、監督の仕事ですからね。阪神に限った話ではありません」(同) 結果、人員整理はフロントが代行することになった。 選手の側にしても、そうだ。一般論として、『戦力外通告』を受ける選手は、自分の立場、状況を薄々感じているもの。しかし、金本監督の「分からない」という発言は、そういう窮地にあった選手たちに「ラストチャンスをもらった」と解釈された。 「たとえば今年、プロ12年目で初の開幕マスクを勝ち取った岡崎太一がそうではないか、と。でも、岡崎は二軍でくすぶっているときも自発的にブルペンに入って味方投手の練習相手をするなど、チームに尽くしてきた選手です。チームに尽くした後に自分の練習をし、そういう努力が実った結果です」(チーム関係者) 今年、育成契約選手から這い上がってきた捕手の原口文仁も同様だ。 「近年、阪神に対し、『使わないのなら出してくれ』とトレードの申し込みが殺到していたのも岡崎らです」(他球団スタッフ)
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スポーツ 2016年06月20日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND6 〈新生UWFの旗揚げ〉 最強を目指す闘いへの過渡期
1988年5月12日、後楽園ホール。新日本プロレスを追放された前田日明が旗揚げした新生UWFは、大いなる熱狂で歓迎されるとともに、その後のプロレス、格闘技界に一石を投じることになった。 「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我にあり」 新生UWF旗揚げ戦『スターティング・オーバー』の試合前になされた前田のあいさつは、今もプロレス界の名言の一つとして語り継がれている。もともとはフランスの詩人ポール・ヴェルレーヌによるもので、太宰治の小説などにも引用されている(原典では『選ばれてあることの恍惚と不安と二つ我にあり』)。 続けて前田は「選ばれた者としての自負とこのままでやっていけるのかという不安」と、言葉の意味を説明している。 このフレーズにより多くのUWFファンは、「U戦士はプロレス界から選び抜かれた精鋭」と認識し、また、それを応援する自身のことも「ほかのプロレスファンとは違って真贋を見極める目を持つ者」と、自負することになった。 カール・ゴッチやシーザー武志、藤原喜明(U参加は翌年)らがオブザーバーとしてリングサイドで見守る中、この日に組まれたのはわずか3試合。 第1試合 高田延彦vs宮戸成夫(優光) 第2試合 中野龍雄(巽耀)vs安生洋二 第3試合 前田日明vs山崎一夫 所属6選手による対戦カードは、高田戦が手合い違いからエキシビション扱いになるなど、勝敗についての興味はさほど持てるものではなかった。それにも関わらず、チケットは発売開始からわずか15分で完売。後楽園ホールが入るビルの非常階段には、開場を待ちきれないファンが列をなした。 「チケットが“発売数分で完売”とか“行列ができた”などはバブル期によく見られたマーケティング手法で、発表をそのまま鵜呑みにはできないが、前田の復帰を待ち望む声が大きかったのは確かです」(プロレスライター) 旗揚げの前年、試合中に長州力の顔面を背後から蹴り上げ、重大な故障をさせたとして、前田は新日との契約を打ち切られた。アントニオ猪木が前田とともに滝に打たれるなど、和解ムードを漂わせながらも、結局、新日復帰とはならなかった。 「次世代のエースとしてファンからの信奉を集めていた前田。弾圧を受けるほど信者の信仰心が高まる新興教団のごとく、新日からの理不尽な扱いを受けたことで、より人気が沸騰しました」(同) 新生UWFがどんなファイトを見せるかは、多くのプロレスファン共通の関心事でもあった。 かつて「ごちゃごちゃ言わんと誰が一番強いか決めたらええんや」と言い放った前田が、新日という既成団体の枠から外れたときに、いったい何をやらかすのか。 つまりは“ガチンコ”かどうか、それこそが興味の中心であり、ファンの期待をあおるように専門媒体もはやし立てた。中でも〈プロレスという言葉が嫌いな人、この指とまれ〉と表紙に打って、UWFの記事を掲載した『格闘技通信』はその顕著な例であろう。 では、実際の試合はどうだったか。 「相手を壊そうが何をしようが、勝利が最優先される闘いを真剣勝負と言うならば、UWFは否です。あくまでも興行を意識したプロレスでした。わずかな所属人数で仲間を潰したのでは、興行が成り立たない。UWFの人気=前田人気である以上は、前田がその看板を背負わなければファンもついてこない。旗揚げ当初、すでにその道の専門家からは『UWFは格闘風プロレス』と喝破する声もありました。ただその一方で、試合形式はどうであれリング上の選手たちが真剣であったことには間違いありません」(同) 近年になってはUWFを「格闘技をかたったプロレス」と批判する声もあるが、しかしその意見は早計だ。総合格闘技という概念がなかった時代のこと(佐山聡の主宰した修斗が初のプロ興行を行ったのは新生UWF旗揚げの翌年)、真の最強を目指す戦いへの過渡期であり、試行錯誤の段階であったと理解すべきだろう。 この日のメーンイベント、前田vs山崎の一戦は、新日参戦時にはさほど目立った活躍のなかった山崎の予想外の奮闘によって、大いに盛り上がることとなる。山崎のしなるようなハイキックで前田がダウンすること5回。後のUWFルールであれば、この時点で山崎の勝利である。 しかし、前田はふらふらになりながらも、ファンの声援を背にここから巻き返す。キャプチュード、ニールキックで山崎を追い込むと、最後は片羽締めで25分に迫る激闘を制した。 「これからのUWFは自分たちの信じた道を進んでほしい。そして最後まで仲間割れしなかったら最高」 これは大会直後のシーザー武志のコメントである。
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スポーツ 2016年06月19日 16時00分
今だから書けるモハメド・アリvsアントニオ猪木 「格闘技世界一決定戦」の真実 〜新間寿(新日本プロレス元専務)〜(2)
試合は、猪木が寝転がった状態からアリの足に蹴りを仕掛け、アリのパンチが届かず攻めあぐねるという展開。結局、両者決め手に欠け、15ラウンド引き分けに終わった。 翌日のスポーツ新聞では「世界中に笑われたドロー アリ・猪木」「“スーパー茶番劇”なにが最強対決」と酷評され、詐欺、ペテン師呼ばわり。一般紙も「猪木・アリ“真昼の決闘”寝たきり猪木にアリ舞えず」と皮肉った。 これは、ルール説明が不徹底だったのが原因だ。 アリ側から押し付けられたのは、「アリの頭への攻撃は禁止」「空手チョップ、頭突き、喉への攻撃禁止」「立った状態のキックは禁止」「肘と膝を使った攻撃は禁止」「ロープへ触れた相手への攻撃禁止」という厳しいルール上の制約。猪木には極めて不利なルール。それが判明してからは「名勝負」と評価されることが多くなった。 実は、ここからが私のアリとの戦いだった。一方的かつ度重なるルール変更に抗議すべく、後払い分の120万ドル(3億6000万円)をペンディングしていると、これが裁判に発展したのだ。それも未払いの120万ドルに、ペナルティー分の3000万ドル(90億円)を加えた総額3120万ドルを支払えという容赦ないものだった。 これが私の責任にされ、新日本プロレスの営業本部長から平社員に降格され、給料も減額。この債務処理にどれだけ苦しめられたことか…。弁護士同士の話し合いは1年半続いたが、決着することはなかった。 この危機を救ってくれたのがアリだった。私が弁護士を外してハーバード・モハメド(アリファミリーのボスでプロモーター)と膝を詰めて話し合い、あの試合がいかにフェアな戦いで、いまあの試合のためにアントニオ猪木がどれだけの債務を背負っているか、苦しみを乗り越えながら毎日試合を続けて借金返済に努力しているか…。そういった事情でこの裁判を終わらせてもらいたいと心を込めて説明すると、その場でアリに電話をしてくれた。 アリは「私はイノキさんをリスペクトしている」と言ってすべてをチャラにしてくれた。 あの試合の6ラウンドで猪木はアリをつかまえて倒し、上になった。そのときに反則負け覚悟で肘を一発入れていれば終わっていた。しかし、猪木はそれをしなかった。判定の点数表で猪木が勝っていたこと。そしてドローこそ、唯一最大の幕引きだったことをも知っていた。そしてなにより、猪木が最後までルールを守り、自分も正々堂々と戦ったことを誇りに思っていた。それが借金チャラの真実だ。 今回の「世界格闘技の日」制定は、40年前の猪木VSアリ戦が「現在へ続く全世界レベルでの総合格闘技の礎になった試合」という偉業を称えるものである。 実際、この試合が、ミュンヘン五輪の柔道金メダリスト、ウィリアム・ルスカとの異種格闘技戦につながり、現在のアルティメットやK-1、格闘技人気の先駆けとなった。(文中敬称略)
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スポーツ 2016年06月19日 12時00分
新日本プロレス「ライオンズカフェ」が原宿に! 選手コラボメニューも登場!
新日本プロレスは17日、原宿のエンタテインメント・コラボレーション・カフェ「AREA-Q」において「新日本プロレス ライオンズカフェ〜44周年YEAR 原宿夏祭り!!〜」(以降、ライオンズカフェ)を7月10日(日)までの期間限定でオープンさせた。新日本では団体ロゴの獅子になぞらえ、創立44周年を迎える今年を“獅子(44)”の年・ライオンズイヤーとして様々な企画を考えており、今回のライオンズカフェもライオンズイヤー上半期最大のファン感謝祭と位置づけされた目玉企画だ。 ライオンズカフェはコアファンからビギナー、話題のプ女子や家族連れまで幅広い層に新日本プロレスの魅力に触れ、語り合い、飲み食らってもらいたいというテーマのもと、店内にはチャンピオンベルトのレプリカやトロフィーなども展示されているほか、カフェ限定オリジナル映像の上映や新日本の歴史を振り返る展示物も掲示されている。また、ライオンズカフェの注目は選手とのコラボメニューだ。主なメニューは次のとおり。■真壁刀義:マカベミアチョコレートケーキ真壁公認のライオンズカフェオリジナルスイーツ。キャラメルグラサージュの上にチェーンと炎をイメージしたチョコレートと、カラメルマカダミアナッツ。滑らかな口どけのチョコレートムースの中にはバニラを贅沢に使用したバニラムース、カリカリとした食感のマカダミアナッツでアクセントをつけた。生地の底にはアーモンドを使用した厚めのチョコレートのフィナンシェで身も心もとろける美味しさとのこと。※各回、数量限定での販売■真壁刀義:キングコングスムージー【黒蜜きなこバナナスムージー】※ソフトドリンクバナナスムージーをベースに黒蜜きなこをトッピングした。■棚橋弘至:スリングブレンド(アイス/ホット)【豆乳ラテ】※ソフトドリンク女性に人気の豆乳を使用したラテ。■オカダ・カズチカ:RAIN MAKER【ラズベリージンジャー】※ソフトドリンクイメージカラーに合わせ、ラズベリーシロップとジンジャーエールを使用。■内藤哲也:DESTINO【ロイロジャース】※ソフトドリンクコーラとグレナデンを使用したドリンク。■永田裕志:ブルージャスピス【ブルーカルピス】※ソフトドリンク永田のイメージカラーである青をポイントにしたブルーカルピス。■獣神サンダー・ライガー:怒りのシャンディガフ【シャンディガフ】※アルコールライガーの華麗なイメージをゴールドのシャンディガフで表現している。■KUSHIDA:ベスト オブ ザ スーパー ハイボール(BOSH)【ブラックハイボール】※アルコールヘルシーなハイボール好きを公言しているKUSHIDAをイメージした。■本間朋晃:KoKeShi【グレープフルーツカルピスソーダ】※ソフトドリンク本間の黄色をイメージし、グレープフルーツの酸味とカルピスの甘さが調和した一杯。■天山広吉:バッファローフロート【コーラフロート】※ソフトドリンク天山選手のバッファローのイメージをコーラフロートにチョコスティクでツノを表現している。■小島聡:コジコジオレンジ【カシスオレンジ】※ソフトドリンク小島のコスチュームをイメージしたオレンジ色のドリンク。■後藤洋央紀:荒武者【レッドアイ】※アルコール男らしいイメージをビールで、イメージカラーの赤をトマトジュースで表現した。■矢野通:矢野の一杯【鬼殺し+クランベリー】※アルコール矢野の得意技と同じ名前のお酒・鬼殺しを使用したドリンク。イメージカラーの赤を強調するため、クランベリージュースを加えることで飲みやすくなっている。 さらにオリジナルレシピによる「新日本プロレスちゃんこ」もメニューに加わった。プロ野球の球場ではこのような選手とのコラボメニューを多く見ることができるが、プロレス界では斬新で、大きな話題を呼びそうだ。 また、選手の来店も決定した。6/21(火)獣神サンダー・ライガー6/22(水)永田裕志6/23(木)本間朋晃6/28(火)中西学、小島聡(1&2)※「中西ランド」の収録予定(各回とも)7/5(火)オカダ・カズチカ【完売】7/6(水)棚橋弘至 【完売】※6/28以外の各選手の来店は2&3のみ※その他選手も来場日程が決定次第ホームページ等で告知する 上記のように発売と同時に完売になった日もあるなど、現在の新日本の勢いを感じる今回のライオンズカフェだが、ファンが友達や家族を気軽にプロレスに触れてもらいやすい場所を提供した新日本の姿勢は評価できる。 真夏の最強決定戦「G1 CLIMAX26」が今年も7月18日に開幕するが、ライオンズカフェはファンにとっての前夜祭会場のようなオアシスになるだろう。■「新日本プロレス ライオンズカフェ〜44周年YEAR 原宿夏祭り!!〜」開催期間:2016年6月17日(金)〜7月10日(日)<平日>1.OPEN 12:00 / START 12:30〜14:002.OPEN 15:00 / START 15:30〜17:003.OPEN 19:00 / START 19:30〜21:00※金曜日のみ3回目がOPEN 19:30 / START 20:00〜21:30<土日祝>1.OPEN 10:00 / START 10:30〜12:002.OPEN 13:00 / START 13:30〜15:003.OPEN 16:00 / START 16:30〜18:004.OPEN 19:00 / START 19:30〜21:00※各回完全入替制■会場:AREA-Q 東京都渋谷区神宮前6-28-6キュープラザ原宿7階(アクセス)東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前」駅7番出口 徒歩1分/JR山手線「原宿」駅徒歩約6分(増田晋侍)<新日Times VOL.22>
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スポーツ 2016年06月18日 16時00分
今だから書けるモハメド・アリvsアントニオ猪木 「格闘技世界一決定戦」の真実 〜新間寿(新日本プロレス元専務)〜(1)
モハメド・アリとアントニオ猪木(73)による「格闘技世界一決定戦」から40年。今年、同試合のあった6月26日が「世界格闘技の日」と認定された。残念ながらそのメモリアルデーを待たずして、20世紀を代表するスーパースターが米アリゾナ州の病院で6月3日亡くなった。74歳だった。 当時、アリの人気は凄まじかった。「ボクシングこそ史上最強の格闘技だ」。カシアス・クレイからモハメド・アリと改名し、世界王者に就いたこの男の言葉を疑う者はいなかった。 他方、当時は力道山時代と違い、プロレスの強さを心から信じる日本人は少なくなっていた。どんなに人気があっても大新聞はプロレスの話題を取り上げず、スポーツ新聞でさえ、プロレスの記事を扱わなくなっていた。 「自分たちは世間から蔑まれているのか…」 そのような時代背景の中で動き出したのが、あの異種格闘技、頂上対決だった。 「ボクシングとの試合であれば大新聞が記事にする。アリと対戦したい」 猪木の突拍子のない申し出に反対する人が多かったが、当時、新日本プロレスの営業本部長だった私はすぐに賛同した。ずっと同じ思いを持ち続けていたし、猪木のプロレスラーとしての実力、強さを知る私には、実現させる策も、成功させる自信もあったからだ。 試合前年の1975年6月、マレーシアで防衛戦を行うアリはトランジットで東京に立ち寄り、ボクシングの記者会見をした。その席でアリに「挑戦状」を突き付けたのだ。 実は、その3カ月前、アリは日本レスリング協会の八田一朗会長に「誰か東洋人で俺に挑戦するヤツはいないか?」とリップサービスをしていた。そこで「相手をお探しなら応じますよ」と申し出たわけだ。これにアリが「イノキなんてレスラーは名前も知らないが、いつでも相手になってやる」と毒づいた。これにメディアが「猪木VSアリ戦、実現へ」と一斉に飛びつき、猪木ですら驚いた対決の流れができた。 ここからが大変だ。アリとのファイトマネーは600万ドル(約18億円=当時)。半分は全米21カ所のクローズドサーキット(有料生中継)で賄うとして、残り300万ドル、当時のお金で9億円…。不可能と思いながらも、猪木、倍賞美津子(元猪木夫人)、坂口征二ら、みんなで必死になってかき集めた。 試合は土曜日の昼間に行われ、米国へも衛星中継された。日本ではその夜にも再放送され、昼は平均視聴率38.8%、夜は29.9%。まさに、日本中が注目する一戦となった。
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スポーツ 2016年06月18日 11時45分
オリンピックに『野球・ソフト』が復活するには(後編)
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のリカルド・フラッカリ会長は、今年3月のIOCプログラム委員会でメジャーリーグ(アメリカ)の参加の可能性について問われた。 「前向きに交渉を継続している」 そう答えた後、さらにこう訴えた。 「準決勝と決勝の限定参加などの代案を提示している。(野球の復活は)各国共通の課題」 それから2か月ほどが経過したが、大リーグ機構(MLB)から「限定参加」に関するコメントは聞かれない。メジャーリーグが非協力的な理由は、夏季の書き入れ時に主力選手を派遣したくないからだ。また、アメリカには「オリンピックは欧州の大会」との意識もある。 国際野球連盟(IBAF)と国際ソフトボール連盟(ISF)が統合組織・WBSCになる前のことだ。野球・ソフトボールがオリンピックの公式種目として最後の大会となったのは、2008年の北京五輪だった。その後、復活を目指す委員会も両連盟内で結成されたが、IBAFは11年1月にIOCからの補助金を失い、『IBAFワールドカップ』などの国際大会の継続さえ厳しくなってしまった。窮地に立たされたIBAFは大リーグ機構にSOSを送ったのである。そのとき、MLBが援助する交換条件として提示してきたのが、自分たちとMLB選手会が立ち上げた『ワールドベースボールクラシック=WBC』を「世界一を決める選手権として正式に認めること」だった。 IBAFワールドカップを廃止したIBAFは、新たに『プレミア12』を立ち上げた。昨秋の第一回大会だが、アメリカは参加こそしたものの、トップ選手を招集していない。 こうした過去の経緯を考えると、MLBがフラッカリ会長の言う「限定参加案」に協力するかどうかも疑問だ。もっとも、MLBは30球団の経営陣の意見をまとめられず、WBCでも“ドリームチーム”を結成したことはないが…。 また、森会長を始めとする組織委員会要人の発言だが、こうも解釈できる。野球・ソフト側との間に出来た『亀裂』を修復したいのではないか、と…。NPB、大学、高校、社会人などの国内野球組織は、2020年のオリンピックイヤーに神宮球場が使えなくなった一件について、カチンと来ている。一方的に、それも、直接ではなく、神宮球場を介して組織委の長期借用を知らされた経緯には、本当に怒っていた。 「プロ野球12球団も対策を検討しています。野球・ソフトボールが追加種目に当確することを目指していますが、その際は横浜スタジアムか、QVCマリンが会場になる可能性もあります。本拠地球場を神宮球場も含め3つも使えないとなれば、ペナントレースの中断も真剣に考えなければなりません」(球界関係者) プロ野球、各大学リーグ、高校野球の東西の東京都大会の舞台となる神宮球場は稼働率が高く、ザッと計算しただけでも、プロアマ合わせて約300試合ができないことになる。深刻な事態である。野球・ソフトボール側からすれば、「組織委も対応策を一緒に考えてくれ!」というのが、ホンネではないだろうか。 2016年5月時点での情報だが、高校野球の関係者によれば、「夏の甲子園・東京都予選の一部を神奈川、埼玉、千葉に持っていく案もないわけではない」という。そうならないよう、日本高等学校野球連盟(高野連)は大学、社会人、プロ野球にも協力を求め、調整しているのである。この情報が現実となってしまったら、組織委は各大学リーグの舞台を取り上げ、かつ高校球児にまで爪痕を残すことになる。 「東京五輪の組織委はエンブレム問題、新国立競技場のトラブルに直面し、招致活動を巡る疑惑まで海外メディアに報じられました。ここで国内での人気が高い野球・ソフトが落選したとなれば、組織委はさらに強い反発を買うことになるでしょう」(政治担当記者) 森会長はTBS系のニュース番組に出演し、東京五輪の大会経費算定について「計算に無理があった」と答えている。立候補した当初の大会運営費は3000億円だったが、5000億円は必要になるという。 五輪とカネにまつわる野球の話をさらにすれば、一時期、サッカーくじのプロ野球版も検討されていた。政府の一方的な“提案”として…。野球・ソフトが当選すれば、チケットは確実にさばける。一ファンとして、オリンピックで野球・ソフトが見たい。しかし、プロ野球が組織委に振り回されている気がしないでもしない。(了/スポーツライター・美山和也)*写真イメージ
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