スポーツ
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スポーツ 2016年06月17日 16時00分
“トランプ旋風”リオ五輪にも飛び火 ゴルフ種目スポンサー撤退!?
リオデジャネイロ五輪がアメリカ大統領選挙のトバッチリを受けた。 大会の目玉の一つに、112年ぶりに正式競技に復活するゴルフがある。その会場となるゴルフコースが公開されたのだが、キナ臭い政治的な空気も漂っていた。 「第一印象はフェアウエーが狭いこと。さらに建物や木々など風を遮るものがなく、かなり難しいコースと言えます」(現地特派記者) ギル・ハンス氏なる設計者が荒野だった土地を短期間で緑の五輪競技会場に造り替えたわけだが、キナ臭い空気の源は、氏の周辺にあるようだ。ハンス氏のビジネスパートナーが、アメリカ大統領選で共和党代表の座を勝ち取ったドナルド・トランプ氏なのだ。 「トランプ氏の中南米批判や人種差別発言に反発し、五輪ゴルフのスポンサーに名乗りを上げていた企業が難色を示し出したのです。主催者側は収拾に追われています」(同) そもそも、トランプ氏はゴルフ界との関わりが深い。'17年に開催される全米女子オープン会場の『ナショナルニュージャージー』、全米シニアプロ会場の『ナショナルバーモント』などはトランプ氏所有のゴルフ場。さらに古い話では、人気低迷に喘いでいた'06年の米女子ツアー最終戦で、賞金100万ドルをポンと出したこともあった。 「去年10月、トランプ氏が所有するゴルフ場で行われる予定だった『PGAグランドスラム』が中止に追い込まれました。メキシコ移民に対する差別発言による影響です」(専門誌記者) ゴルフはその競技の性質上、1日で勝敗が決まらない。そのため、指名テレビ局に密着させ、他競技の合間に有名選手、メダル争いの場面を挟む放送形式が予定されている。つまり負担の多いテレビ中継を、日本の放送局が担当させられるようなのだ。おまけにトッププロたちは五輪よりメジャー優先で、不参加を表明する者も後を絶たない。 「次の東京五輪があるので、日本企業はリオのゴルフ中継に出資を頼まれても拒否できないでしょう」(同) トランプ氏のせいで、日本もとんだトバッチリ?
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スポーツ 2016年06月17日 13時08分
4257本の記録更新だからこそ! イチローに寄せられた日本球界のラブコール
イチロー外野手(42=マイアミマーリンズ)が『伝説の安打製造機』、ピート・ローズの持つ通算安打記録4256本を抜き去った(6月15日現地時間)。新記録となる4257本目は、ライトポール際に糸を引くような鋭いライナーだった。この第5打席は“幸運”でまわってきた。前打者は一死一塁の場面で送られた代打で、三塁ゴロに倒れたが、併殺をなんとか免れて、同日、「1番ライト」で出場していたイチローの名がコールされたのだ。 「スタンドのファンも4257本目を期待していました。試合はワンサイドで対戦チームのパドレスが勝っていました。いちばん盛り上がったんじゃないかな」(米国人ライター) 日本中が興奮し、この記録更新にエールをおくっていた。しかし、イチローは相変わらずというか、試合後の会見ではクールにこう答えていた。 「ここに(この記録に)ゴールを設定したことがないので、実はそんなに大きなことという感じは全くしていないんですけど−略−僕としては、日米合わせた数字ということで、どうしたってケチが付くことは分かっているし…」 “ケチ”が付くかどうか、先の米国人ライターに確認してみたが、同日、米国メディアに配られた資料には「参考記録」の“但し書き”があったそうだ。 日米通算4257本目の安打は、メジャー通算2979本目でもある。「あと21本」で、日本選手初、メジャーリーグでも過去29人しか達成していない『3000本安打』となる。この調子で行けば、今シーズン中の達成は可能だ。このとき、イチローは2か国にまたがった記録の解釈、日本球界のレベルや重みについても語ってくれるのではないだろうか。また、NPB内部からはこんな声も聞かれた。「ますます、難しくなった」−−。 それは、イチローの引き際が読めなくなったという意味だ。 「古巣のオリックスはたいへんな時期ですからね。福良(良一=55)監督は負けが込み、非常に苦しんでいます。オリックスフロントには『将来はイチローに監督を』という待望論もあります」(球界関係者) それだけではない。日本代表の小久保裕紀監督(44)の任期も「2017年第4回WBCまで」となっている。同大会の結果次第では『続投』も十分に考えられる。 「第4回WBCの次は、東京五輪です。野球・ソフトボールが追加種目で当選する可能性が高まり、国内はWBC以上に盛り上がるでしょう。なのに、世界的なビッグネームが一人もいないとなると…」(前出・同) 2020年の東京五輪で野球・ソフトが当選した場合、年齢的に考えれば、二刀流の大谷翔平が投打の中核選手に成長しているだろう。しかし、日本ハムは先に本拠地・札幌ドームの使用料で十分な経営資金がないことが露呈。改めて、主力選手を放出してきた理由も説明されたようだが、「大谷はすでにメジャーリーグに挑戦している」との見方が支配的だ。ダルビッシュや田中将大など日本人メジャーリーガーの日本代表チームへの帰還も、まずあり得ないと見たほうが良さそうだ。 「東京五輪の代表監督をイチローにお願いしたらの声もあります。野球競技を盛り上げるためにも」(関係者) 現時点では“希望”でしかないが…。イチローが東京五輪に関わるとなれば、オリンピック参加に難色を示すメジャーリーグも一目を置くだろう。 記録更新により、イチローの存在感はNPBでもさらに高まった。42歳とは思えない肉体を見ていると、メジャー通算3000本安打を達成した後もまだまだできそうだが、メジャーリーグで名を馳せた今、「イチローのこれから」にも注目が集まりそうだ。*写真はピート・ローズ氏
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スポーツ 2016年06月17日 12時00分
オリンピックに『野球・ソフト』が復活するには(中編)
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の会長でもある森喜朗元首相は「もっと必死になって…」「むしろ、心配している。危機感が全くない」ともらしているという。追加種目の当選を目指す野球・ソフトボールの関係者に対しての発言だ。同組織委員会で事務総長を務める武藤敏郎氏も、「世間をもっと盛り上げてほしい」と、野球関係者に訴えていた。 「今年3月ごろだったと思います。野球・ソフトの当選はかなり厳しいとの情報が組織委員会にも伝わってきました。組織委員会側がなんとか押し戻したと聞いていますが」(体協詰め記者の1人) 国際オリンピック委員会(IOC)には、開催都市の人気スポーツを追加することで大会を盛り上げ、収益も増やそうとの考え方もある。しかし、世界的に見て競技人口のバラつきがある野球は、6か国でメダルを争うことになった。「2分の1」の確率でメダルが獲得できる計算で、国際的には「金メダルの価値観が落ちる」と懸念する声も多い。 追加種目を争う“ライバル”に、空手がある。空手は日本が発祥地であり、最大のアピールポイントは世界180以上の国と地域が世界空手連盟に加盟していること。競技者人口も約6000万人と発表されている。また、日本武道館などの既存施設で開催できる。野球・ソフトの弱点がIOCの言う「国際的普及度を低さ」ならば、空手はその点を逆に強みとしてアピールしていた。 「2014年6月、空手を応援する議員連盟も発足しています。菅義偉官房長官も駆けつけています」 全日本空手道連盟の会長は、元自民党総務会長の笹川堯氏である。 同年11月、ドイツで世界選手権が行われた際、「空手の追加種目当選を願う署名運動」も見られた。もっとも、空手の弱点を挙げるとすれば、既存競技のテコンドーと“類似”していること。形や組み手などの種目数も多く、個人、団体などもあるため、メダルを量産してしまう。 「野球・ソフトの会場になるとされるのは、横浜スタジアムとQVCマリンです」(野球担当記者) どちらも屋外球場である以上、試合日程が天候に左右される危険性を秘めている。このへんについても、野球・ソフトは『予備日』を設けておかなければならない。東京ヤクルトスワローズの本拠地でもある神宮球場も使えなくなるうえに、同球場は高校野球、各大学リーグ、社会人も利用する。 また、IOCがもっとも嫌う“事件”は、ドーピングである。組織的なドーピング疑惑がロシア陸上界に向けられており、先頃、ドイツ陸上連盟が「事前検査をクリアした場合でも、ロシア、ケニア両選手のリオデジャネイロ五輪出場を認めるべきではない」とする書簡をIOCのトーマス・バッハ会長に送っている。何が言いたいかというと、世界はクスリに対し、強い嫌悪感を持っているのだ。 野球・ソフトが当選した場合、プロ野球12球団から選手が選出される予定だ。ここで気になるのは、野球界のクスリに対する意識と自浄努力である。NPBは日本アンチ・ドーピング機構に加盟していない。相撲、ボクシング、日本ゴルフツアー機構も加盟せず、独自のシステムで検査を行ってきたが、プロ野球界は清原和博元選手の『覚せい剤取締法違反』という、衝撃的な事件に見舞われている。NPBは「検査の甘さ」も指摘された。昨年には賭博事件も発覚し、まだ調査(一部警察捜査)が続いている。政治有力者も応援するライバルの空手に対し、プロ野球界の一連のスキャンダルはIOC選考委員の目にどう映るのだろうか。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2016年06月16日 16時00分
巨人から盟主強奪! 阪神が建設する新球場タイガースタウンの全貌(2)
巨大な投資も必要だが、本社がゴーサインを出した背景には『掛布フィーバー』もある。GW中、阪神二軍は異例の甲子園球場で主催ゲームを行った。その3連戦で動員した観客数は3万人強。同試合は前売り券がなかったため、早朝6時から行列が作られ、本社は掛布人気を再認識させられた。 「ファンは28年ぶりに、タテジマを着て聖地(甲子園)に立つ掛布(雅之=61)二軍監督が見たかったわけです」(在阪記者) レジェンドの人気をタイガースタウンに“応用”しない手はない。1985年の優勝、日本一のメンバー、そう、トラには同世代のレジェンドがもう1人いる。 「岡田(彰布=58)氏も関わってくると思います。タイガースタウンでイベントをやる際には協力してもらうとか…」(前出・関係者) 単なるテーマパークで終わらせるつもりはない。室内練習場はホークスのように夜間使用も可能にし、若手を徹底的に鍛え上げる環境にするという。 「ホークスは打撃マシンのゲージが6カ所もあるのに、阪神は2カ所。巨人も三軍制を敷くにあたって設備補充している。『超変革』の主眼は生え抜きの長距離砲を育てることですから」(同) タイガースタウン新球場の収容人数次第では、夏の甲子園大会で本拠地を明け渡す『死のロード』が消滅するかもしれない。 「ちょっと早すぎますが、今季は若手の成長が著しく、大幅昇給が確実な選手もいます。成績不振が続く鳥谷敬の複数年契約はまだ残っていますが、若手は基本的に全員昇給でしょう。正捕手の座を掴みつつある原口文仁は今のままいけば、育成の年俸240万円から20倍強は必至。能見篤史、メッセンジャーなどのベテランもこのまま行けば昇給対象です」(前出・在阪記者) しかも、今季はメッセンジャー、ゴメスの投打の助っ人が契約最終年を迎える。両助っ人の現合計年俸は5億円。慰留には大幅昇給の提示が必要で、球団は超変革が成功すればするほど出費がかさむ状況にある。 「高給取りの藤川球児、福原忍のベテラン投手は将来の指導者候補です。復調しなければ兼任コーチになるので、減給は考えられない」(同) タイガースタウンの実現まで3年以上は掛かるが、その間、アニキが一度も優勝できなければ計画そのものが頓挫してしまう危険性もある。藤浪晋太郎、高山俊たちのさらなる飛躍も必要だ。 アニキは本社の命運まで背負わされてしまった。
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スポーツ 2016年06月15日 16時00分
巨人から盟主強奪! 阪神が建設する新球場タイガースタウンの全貌(1)
阪神が関西を『虎カラー』一色に染める−。アニキの超変革野球と同様、本社も攻撃的な経営戦略に打って出ることが分かった。 「本当は球団創設80周年の昨年のうちに具体的なことが発表できればよかったんですが…。いや、金本監督が就任し、悲観的だったファンも、応援していこう、若手を育ててくれ、と前向きな気持ちになってきました。金本監督になって、機が熟したというか」(関係者) 金本知憲監督(48)になって、本社が本格的に動き始めた一大プロジェクト。それは、新球場建設を含めた『タイガースタウン』の創設である。 「将来的に(二軍本拠地の)鳴尾浜球場に代わり得る新球場になればと考えています。球場周辺にグッズ売店や飲食店、球団の歴史が分かる博物館のようなものも造り、タイガースのテーマパークになります」(球団関係者) 開幕から間もない4月上旬だった。今季より、福岡ソフトバンクホークス二軍が新本拠地とした福岡県筑後市の新球場周辺で、高野栄一・阪神球団本部長が目撃されていた。他球団のスタッフは「ホークスとのトレードを仕掛けるのか?」とも思っていたが、目的は二軍新球場の視察だった。 「ホークスが筑後にベースボールパークを新設すると発表したのは、2013年オフでした。二軍(三軍も)が試合、練習で使う本格的な球場はもちろん、サブグラウンド、室内練習場、選手寮を造りたいとし、候補地を探していました。自治体に立候補してもらい、ホークス側が選定した結果、筑後市に決まりました」(パ・リーグ球団職員) 球団がHAWKSベースボールパーク筑後に投じた総工費は50億円以上とも言われている。筑後側も民有地の取得、土地の造成などに約15億円を掛けた。 この経緯を知るスポーツライター・飯山満氏が語る。 「雁の巣球場は総合運動公園の中にあり、決して悪い球場ではありませんでした。筑後移転が明らかにされた後に当地を取材したんですが、『筑後は福岡と鹿児島、長崎と大分など、縦横の交通の結節点に近い』と、地元から経済効果を期待される声も聞かれました。九州各地からアクセスしやすい場所にホークスタウンができることで、九州全体でホークスを応援するという空気も作られます。同地で観光ピーアールや物産展も行われるのです」 阪神本社が狙うのも「関西全体で金本タイガースをさらに盛り上げよう」という機運作りだろう。 「阪神本社要人は、ホークス同様に三軍制を始めた巨人の二軍施設も視察しています」(トラ番記者)
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スポーツ 2016年06月14日 19時00分
逝去元阪神監督・後藤次男氏が田淵を起用し続けた“クマさん伝説”
“後藤のクマさん”として親しまれた元阪神監督の後藤次男氏が5月30日、老衰のため死去した。92歳。 私がクマさんと最後に話したのは5年前。作家の林真理子氏が元阪神の土井垣武氏の奥さんの伝記を書くための協力を講談社から依頼され、クマさんを取材したのが最後だった。 当時、ガン手術で入院する前日だったが、取材を快く受けてくれた。クマさんは「久しぶりだな。明日、手術なんだよ。1日遅れたら話できなかった」と笑顔で迎えてくれたのである。 実は、クマさんは法政大学の大先輩。20歳以上も下の世代の私が「クマさん」と呼べたのは、まさに天真爛漫な性格だったから愛称で呼ばせて頂いていた。 1969年、法政大学野球部で私と同期の田淵幸一は東京六大学通算22本の本塁打記録を引っ提げ阪神に入団。チーム内外の反発を押しのけ1年目から田淵を捕手で起用し、新人王まで取らせたのは、クマさんの采配があってこそである。 巨人入団を希望していた田淵に対し、エースの村山実、江夏豊らは「なぜ阪神を嫌った田淵を使う。ウチにはヒゲ辻(辻佳紀)、辻ダンプ(辻恭彦)という優秀な捕手がおるやろ」と猛反発したものだ。 大阪スポーツニッポンで記者をしていた私の耳にも田淵批判は飛び込んできた。まだ新人記者だったので、田淵へのバッシングは聞くに堪えなかった。 ある時、クマさんは甲子園近くの自宅に私を呼び、こんな話をしてくれた。 「実はな、私は田淵を常時使うために監督に抜擢されたんや。球団からは『監督生命をかけて田淵を使ってくれ』とな」 クマさんの予期せぬ言葉を聞き、友人としてうれしかった。どんなにバッシングを受けても使い続ける凄みを感じたものだ。 今で言えば、日本ハムの栗山英樹監督が「大谷翔平の二刀流を認めて起用している」のと似たようなものか。1人のスターを育てるため、批判される役回りを前提とした監督要請は、クマさんが最初だと私は思う。 「6人の監督に仕えたが、クマさんとの出会いがなかったら今の私はない」 田淵幸一はそう語った。(スポーツジャーナリスト・吉見健明)
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スポーツ 2016年06月14日 16時00分
友成那智 メジャーリーグ侍「007」 6月の復調が期待されるドジャース「前田健太」
前田健太は開幕から4試合目まで、3勝0敗、防御率0.36という驚異的なピッチングを見せた。しかし、その後がいけなかった。5度目の先発となった4月28日のマーリンズ戦から5月22日のパドレス戦まで、5試合中4試合が4失点という荒れようだった。 失点が多くなった原因はどこにあるのだろう? 本人は否定しているが、最大の要因が中4日の登板にあるのは明らかだ。 マエケンは5月末まで10試合に先発したが、中4日で登板した4試合は1勝3敗、防御率5.16と、ひどい数字であるのに対し、中5日で登板した4試合は2勝0敗、防御率1.61、中6日以上で登板した2試合は1勝0敗、防御率1.50と好投している。 もう一つの要因は、イニングを経るに従って相手の打者がマエケンの変化球に目が付いてくるようになることだ。1巡目の被打率は1割4分8厘、2巡目は1割7分3厘であるのに対し3巡目は3割5分6厘で、急に打たれ出すことが分かる。打線が3巡目に入るのは5回ないし6回。実際にデータを見ると、マエケンは5回の失点が最も多く、6回の被安打が最も多い。 失点が多くなった三つ目の要因は相手のピッチャーによく打たれていることだ(※本誌表参照)。 5月11日のメッツ戦でマエケンは相手先発投手のシンダーガードに、3回にはド真中に入ったストレートを右中間スタンドに運ばれ失点(ソロ)。5回にはまたしてもシンダーガードにド真中に入ったスライダーをセンター奥のスタンドに運ばれ今度は3失点。同じ投手に一発を2度食うという醜態をさらし4失点した。 5月22日のパドレス戦でも5回、相手の先発投手レイに甘く入ったカーブをセンター前に弾き返されたのを足掛かりに満塁のピンチを招き3失点している。 メジャーの投手の中には普段から打撃練習をしている者が少なくないので、見くびって変化球でかわそうとすると手痛い目に遭う。マエケンは、高い授業料を払ってそのことを知ることになった。 このように5月に早くも壁にブチ当たったマエケン。これを乗り越えて好成績を出すことは可能だろうか? 筆者は十分にできると見ている。 5月の不調は一時的なもので、マエケンは6月になると持ち直す可能性が高い。ロバーツ監督、ハニカット投手コーチのコンビは、どちらもクレバーで知られ、データをしっかり見ている。相手打線が3巡目に入ったあたりで交代させるケースが今後、多くなるだろう。実際、5月28日のメッツ戦では無失点、被安打2に抑える好投を見せていたのに、5回終了時点で交代させている。この時は「初回に打球を右手に当てたので、大事を取った」という説明がロバーツ監督からあったが、それは表向きのもの。相手打線が3巡目に入ったあたりで変えておけば安心というのが本音だろう。 そのほか、マエケンには7月上旬までに登板間隔を一度大きく開ける措置が取られるだろう。これを最初にやったのは5月上旬のことで、中8日で登板したマエケンは制球が冴え、勝ち星こそつかなかったが、メジャー最強のブルージェイズ打線を5回まで1安打に抑える好投を見せた。ロバーツ監督はそのことをしっかり記憶しているはず。7月中旬のオールスター休みまでに、もう一度この措置を取り、疲労のピークが早く来ないようにするだろう。 このような配慮が功を奏し、マエケンは6月以降いったん持ち直す可能性が高い。しかし、いくら配慮されても、8月前後に疲労で腕の振りが鈍くなることは避けられないだろう。メジャー1年目の日本人投手は、春のキャンプでローテーションに入ってやっていけることを証明しないといけないため、キャンプからフル回転しないといけない。そのため夏場にガス欠を起こすケースが多くなるのだ。 野茂英雄、石井一久、松坂大輔、ダルビッシュ有に至るまで、メジャー1年目の日本人投手はほぼ例外なく夏場のガス欠で2、3試合打ち込まれる現象が見られた。石井や松坂は完全に立ち直れないままシーズンを終えたため、防御率が一本調子で悪くなったが、マエケンはそうはならないだろう。疲労の回復が早いことに加え、終盤になると元気が出てくるタイプだからだ。 ナ・リーグ西地区はジャイアンツが5月に21勝8敗と勝ちまくって頭一つ抜け出し、ドジャースが追う展開になっている。ド軍はメジャーNo1投手カーショウが抜群のピッチングを見せているのに、その他の投手が冴えないため勝率5割前後をウロウロする展開になっている。それだけに先発2番手と見なされているマエケンへの期待は大きい。 6月にはおそらく6回先発する機会があると思われるが、4勝を挙げ、かつ防御率を3.00以内にキープできれば、オールスター選出の可能性も出てくる。6月はマエケンのピッチングから目が離せない。ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中
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スポーツ 2016年06月14日 11時00分
女子プロボクサー高野人母美が引退騒動の真相を明かす
プロボクサーでモデルとしても活躍する高野人母美(29)が、6月12日に映画『ダーク・プレイス』の特別試写会で行われたトークショーに出演した。 同映画は殺人事件の目撃者となった少女が、28年後に事件の真相と向き合うサスペンス。6月24日から全国で公開される。この日の高野は、主演のシャーリーズ・セロンをイメージした金髪のカツラとカラーコンタクトで登場した。 高野は先日にボクサーとしての現役引退を表明したが、その後に撤回している。そのことについて、「引退しようと思ったときは、メンタルをやられてしまっていた。世界戦で負けて、それでも周りの『頑張れ』の声がつらかった。いまは、応援してもらった人を裏切った、申しわけない気持ち」だったと理由を口にした。 この日も4時半に起きたので、高尾山に登り、下山後には1km先にある川に入って泳いできたという。復帰戦は未定だというが、トレーニングはすでに次の試合を見据えているようだった。
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スポーツ 2016年06月13日 12時16分
オリンピックに『野球・ソフト』が復活するには(前編)
リオデジャネイロ五輪の開催直前に予定されているIOC総会(同地)で、次回・東京五輪の追加種目が決定する。それと同時に、こんな声も聞かれるようになった。「野球・ソフトが有利になった」−−。その根拠は候補の5種目18競技をいっぺんに決めるパッケージ式になったからだという。「パッケージ」による可否だと、なぜ、野球・ソフトが有利になるのだろうか。 「平たく言えば、追加競技5種目(18競技)を1つ1つ話し合っていくとしたら、野球・ソフトは落選の可能性が高かったんです。東京五輪組織委員会はそれを防ぐため、5種目を一括で話し合ってもらえるよう、IOCと交渉してきたんです」 こうした証言が野球担当ではなく、政治担当の記者団から聞こえてくること自体、アヤシイのだが…。 5種目を1つ1つ審議していくとする。その場合、野球・ソフトで必ず指摘されるのが、最高峰のメジャーリーグが非協力的なこと。世界的に見て、競技者人口がさほど多くなく、地域的な普及で見ても、ばらつきがある。「観戦者人口」という点においては、IOCはテレビ視聴率の数値も重要視するという。世界的に見れば、野球・ソフトは視聴率が取れない。これらのマイナス点が挙げられた時点で、『落選』となるわけだ。 「オリンピックを支えているのがテレビ放映料であり、CMなどの広告収入です。野球はその競技の特徴から、試合時間が読めません。いつ終わるのかはもちろん、CMを挟むタイミングをはかるのも難しい」(米国人ライター) しかし、東京五輪の組織委のホンネは「野球・ソフトを当選させてくれ」なのだ。国内ならば、チケットは確実に売れる。テレビ視聴率も稼げる。主催国・日本の大きな収入源にもなる。 また、野球が公式種目だった北京五輪でのこと。同大会で国内最高視聴率を記録したのは、野球だった。諸外国で野球人気があまり高くないのは分かっているが、主催国・日本とすれば、「確実に収益を挙げられる競技を無下にしないでくれ」との思いがあり、その意向をIOCに“理解”させた。それが候補の5種目18競技を一度に審議するパッケージ式だったわけだ。組織委は水面下で一括審議を働きかけていた。その要望は叶えられたわけだが、野球・ソフトの当選にまだ不安を抱く関係者が多いのはなぜだろうか。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2016年06月12日 12時00分
棚橋、中邑不在もトランキーロ! 内藤旋風が大阪城上陸! 新日本6・19大阪城大会展望
新日本プロレス毎年恒例、6月のビッグマッチ「DOMINION」が今年も19日に大阪城ホールで開催される。昨年は21年振りに進出した大阪城ホールの日程に合わせて7月5日に開催したが、今年は会場は大阪城ホールのまま、日程を従来の6月開催に戻して行われる。今週は6・19大阪城大会の見どころをカード毎に書いてみたい。 6月19日(日)大阪城ホール『DOMINION 6・19 in OSAKA-JO HALL』16:00試合開始▼第0試合 ジェイ・ホワイト壮行試合天山広吉&小島聡&中西学 対 ジェイ・ホワイト&ジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレー※15:30開始予定■見どころこの大会を最後にアメリカROHマットへ無期限遠征することが発表されたジェイ・ホワイトが第3世代トリオを相手にヤングライオン卒業マッチを行う。若手外国人勢の成長によっては数年後に夢のカードになる可能性もあるので見逃せない。▼第1試合真壁刀義&ヨシタツ&キャプテン・ニュージャパン 対 バッドラック・ファレ&高橋裕二郎&ハングマン・ページ■見どころ“ハンタークラブ”ヨシタツ、そしてキャプテンに強力な助っ人真壁を加えたトリオで、バレットクラブと対決。大阪城ホールでも「ハンターチャンス」が爆発するか?▼第2試合石井智宏&YOSHI-HASHI 対 SANADA&BUSHI■見どころSANADAとの一騎打ちを訴えていたYOSHI-HASHIだが、大阪城ではタッグマッチでの対戦となった。SANADAを破ればYOSHI-HASHIにもG1クライマックス出場の可能性が広がるだけに、この試合に勝ってシングル実現に持ち込みたいところ。▼第3試合 スペシャルシングルマッチ後藤洋央紀 対 EVIL■見どころ昨年11月大阪大会で対戦した時は後藤の反則勝ち、今年5月の福岡大会ではEVILが完勝した。3月の「NEW JAPAN CUP」から覚醒したEVILはロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの仲間であるIWGPヘビー級王者内藤哲也も一目置く存在に成長している。一方の後藤はCHAOS入りしてから重鎮的な存在感を示しているが、本人が目指す変化にまでは至ってない。迫力満点の日本人肉弾対決を制するのは後藤か?EVILか?▼第4試合 IWGPジュニアタッグ選手権試合イリミネーション式4WAYマッチ<第47代王者組>リコシェ&マット・サイダル 対 ロッキー・ロメロ&バレッタ<挑戦者組> 対 カイル・オライリー&ボビー・フィッシュ<挑戦者組> 対 マット・ジャクソン&ニック・ジャクソン<挑戦者組>※リコシェ&サイダルの初防衛戦※4チーム同時に通常のタッグマッチを行い、敗れたチームから退場。最後まで残ったチームを勝者とする。試合権のある選手が敗れた時点でそのチームは退場。なお、トップロープを越えて場外に転落した場合も退場となる■見どころ大盛況だった「BEST OF THE SUPER Jr・XXIII」最終日の6・7仙台大会で、IWGPジュニアタッグチャンピオンチームのハイフライヤーズに六本木ヴァイス、レッドドラゴンが挑戦表明したことを受け、これにスーパーJr・を怪我で欠場したヤングバックスも加えた形で4WAY戦によるタイトルマッチが決定した。今回は最後の1チームが勝者になる勝ち残りのイリミネーションルール。世界のプロレスファンが羨む夢のカードが大阪城で実現する。▼第5試合 IWGPジュニアヘビー級選手権試合<第73代王者>KUSHIDA 対 ウィル・オスプレイ<挑戦者>※KUSHIDA2度目の防衛戦■見どころ「BEST OF THE SUPER Jr・XXIII」の決勝戦で田口隆祐を破り、初出場にして史上最年少優勝を飾ったオスプレイ。公式戦でのリコシェ戦はスーパーJr・史に残る名勝負だった。チャンピオンのKUSHIDAには新日マットに初参戦した4月の両国大会以来の挑戦となる。王者として夏以降のビッグマッチに臨みたいKUSHIDAにとっては落とせない試合。しかし今のオスプレイには恐ろしいくらいの勢いがある。ジュニア最高峰の試合になるのは間違いない。▼第6試合 IWGPタッグ選手権試合<第70代王者組>タマ・トンガ&タンガ・ロア 対 ジェイ・ブリスコ&マーク・ブリスコ<挑戦者>※ロア&トンガ組初防衛戦■見どころROHからブリスコブラザーズがIWGPタッグ王座に挑戦。GOD(トンガ兄弟)との兄弟タッグ対決に挑む。真壁&本間を相手に完勝して王座を奪取したGODは様々なタッグタイトルを巻いているブリスコブラザーズに勝って、タッグチームとしてのステージを上げたいところだが、一筋縄にはいかないだろう。▼第7試合 NEVER無差別級選手権試合<第11代王者>永田裕志 対 柴田勝頼<挑戦者>※永田初防衛戦■見どころ5・3福岡大会で柴田を破り王座を戴冠した永田だが、試合後には自ら再戦をアピール。柴田にリターンマッチの機会を与えた。この二人の絡みには新日本ならではのストロングスタイルを感じさせる殺伐としたものがあるだけに、今回の試合も死闘になるはず。永田は再び世代の壁を突き放すことができるか?▼第8試合 IWGPインターコンチネンタル選手権試合ラダーマッチ<第13代王者>ケニー・オメガ 対 マイケル・エルガン<挑戦者>※オメガ2度目の防衛戦※リング上に吊るされたベルトを獲得した選手が勝者となる■見どころ棚橋が怪我で欠場することを受けてエルガンが挑戦することになった。ケニーとエルガンは4・27博多大会で外国人ヘビー級対決のベストバウト級の試合を行っているだけに、棚橋の欠場は残念だが、このカードは大阪のファンの心も掴むはずだ。新日マット初のラダーマッチにも注目。▼第9試合 IWGPヘビー級選手権試合<第64代王者>内藤哲也 対 オカダ・カズチカ<挑戦者>※内藤2度目の防衛戦■見どころ4月の両国大会で内藤政権樹立後、新日マットは完全に内藤を中心に動いている。5月の福岡大会では石井を相手に初防衛。試合後にオカダがリターンマッチを要求し、今回の再戦が決まったわけだが、オカダは前シリーズで連日行われた前哨戦でも内藤の余裕を崩すことができなかった。それどころか、オカダ推しの木谷オーナーを訪ねるためにシンガポールに行ったり、本隊時代に最もブーイングを浴びた大阪のファンに対し「手のひら返しはしないで欲しい」と述べるなど、内藤の勢いは内外ともに止められない状況になっている。当日は木谷オーナーの来場も決定。内藤の言葉とは裏腹に内藤へ大声援が送られるのは間違いない。恐らくそれも内藤にとっては想定内なのだろう。ここまでは内藤の思惑通りに進んでいる。オカダはどんな秘策を持って内藤と対峙するのか?IWGP王者としてG1クライマックスに出場するのは内藤か? オカダか? その答えもトランキーロ! (焦んなよ!)である。 今大会は棚橋が怪我の治療に専念するため欠場となった。現在の体制になってから棚橋と中邑(現WWE)の2人がいないビッグマッチは初めてだが、内藤が旋風を巻き起こしたことにより、チケットも順調に売れている。既に1階席は完売し、若干数となった2階席も増席した。2年連続で大阪城ホールを超満員札止め(昨年は11,400人を動員)にすることが濃厚な情勢だ。新日本プロレス上半期の集大成大会とした「DOMINION」は今年も浪速を熱狂させる。(増田晋侍)<新日Times VOL.21>
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