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4257本の記録更新だからこそ! イチローに寄せられた日本球界のラブコール

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ピート・ローズ

 イチロー外野手(42=マイアミマーリンズ)が『伝説の安打製造機』、ピート・ローズの持つ通算安打記録4256本を抜き去った(6月15日現地時間)。新記録となる4257本目は、ライトポール際に糸を引くような鋭いライナーだった。この第5打席は“幸運”でまわってきた。前打者は一死一塁の場面で送られた代打で、三塁ゴロに倒れたが、併殺をなんとか免れて、同日、「1番ライト」で出場していたイチローの名がコールされたのだ。
 「スタンドのファンも4257本目を期待していました。試合はワンサイドで対戦チームのパドレスが勝っていました。いちばん盛り上がったんじゃないかな」(米国人ライター)

 日本中が興奮し、この記録更新にエールをおくっていた。しかし、イチローは相変わらずというか、試合後の会見ではクールにこう答えていた。
 「ここに(この記録に)ゴールを設定したことがないので、実はそんなに大きなことという感じは全くしていないんですけど−略−僕としては、日米合わせた数字ということで、どうしたってケチが付くことは分かっているし…」
 “ケチ”が付くかどうか、先の米国人ライターに確認してみたが、同日、米国メディアに配られた資料には「参考記録」の“但し書き”があったそうだ。
 日米通算4257本目の安打は、メジャー通算2979本目でもある。「あと21本」で、日本選手初、メジャーリーグでも過去29人しか達成していない『3000本安打』となる。この調子で行けば、今シーズン中の達成は可能だ。このとき、イチローは2か国にまたがった記録の解釈、日本球界のレベルや重みについても語ってくれるのではないだろうか。また、NPB内部からはこんな声も聞かれた。「ますます、難しくなった」−−。
 それは、イチローの引き際が読めなくなったという意味だ。
 「古巣のオリックスはたいへんな時期ですからね。福良(良一=55)監督は負けが込み、非常に苦しんでいます。オリックスフロントには『将来はイチローに監督を』という待望論もあります」(球界関係者)

 それだけではない。日本代表の小久保裕紀監督(44)の任期も「2017年第4回WBCまで」となっている。同大会の結果次第では『続投』も十分に考えられる。
 「第4回WBCの次は、東京五輪です。野球・ソフトボールが追加種目で当選する可能性が高まり、国内はWBC以上に盛り上がるでしょう。なのに、世界的なビッグネームが一人もいないとなると…」(前出・同)
 2020年の東京五輪で野球・ソフトが当選した場合、年齢的に考えれば、二刀流の大谷翔平が投打の中核選手に成長しているだろう。しかし、日本ハムは先に本拠地・札幌ドームの使用料で十分な経営資金がないことが露呈。改めて、主力選手を放出してきた理由も説明されたようだが、「大谷はすでにメジャーリーグに挑戦している」との見方が支配的だ。ダルビッシュや田中将大など日本人メジャーリーガーの日本代表チームへの帰還も、まずあり得ないと見たほうが良さそうだ。
 「東京五輪の代表監督をイチローにお願いしたらの声もあります。野球競技を盛り上げるためにも」(関係者)
 現時点では“希望”でしかないが…。イチローが東京五輪に関わるとなれば、オリンピック参加に難色を示すメジャーリーグも一目を置くだろう。

 記録更新により、イチローの存在感はNPBでもさらに高まった。42歳とは思えない肉体を見ていると、メジャー通算3000本安打を達成した後もまだまだできそうだが、メジャーリーグで名を馳せた今、「イチローのこれから」にも注目が集まりそうだ。

*写真はピート・ローズ氏

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