search
とじる
トップ > スポーツ > イチロー 9年連続200本安打達成秘話

イチロー 9年連続200本安打達成秘話

 大リーグ、シアトルマリナーズのイチロー外野手(35)が前人未到の9年連続200本安打の大記録を達成した。14日(日本時間)のレンジャーズ戦、第2試合で記録したものだが、イチローが大リーグの歴史を変えるまでにはある“秘話”があった。

 「イチローは大リーグの象徴であるホームランの魅力、あのベーブ・ルースに代表される一発屋の時代を一気に変えた選手。100年前の古き良き時代を思い出させてくれた偉大なプレーヤーだ」。こう語るのは大リーグに精通する作家のロバート・ホワイト氏だ。
 大リーグの歴史を彩ったスーパースターは数多くいる。ルースはもちろんハンク・アーロン、ピート・ローズ、ジョー・ディマジオ、テッド・ウィリアムス、スタン・ミュージアル、ヨギ・ベラなど枚挙にいとまがないが、「イチローは彼らとは意味の違うスーパースター。日本から来てデビューから9年連続での大記録は前代未聞の出来事で、紛れもなく大リーグの歴史を変えた選手だ」(前出のホワイト氏)となれば、イチローとは一体何者か。
 「大リーグの中で一番ストライクが取れないし、同じ攻め方は一切通用しない、信じられない選手だ」というのは現在イチローと首位打者を争っているツインズのマウアー。

 こんなイチローも常に努力を重ねていることを忘れてはならない。試合中もベンチ内のモニタールームでフォームの改良を怠らない。自宅にもトレーニングルームがあり、試合直前まで体を作ることに専念している。
 「バッティングは答えがないし終わりはない」というイチローが精神面で大きな変化を感じたのが、あの一打だ。
 WBC決勝、延長10回の決勝タイムリー。「もう技術じゃない。日本国民の思いが自分の一打に詰まっている。これは恐怖だった。その結果が今シーズンにつながっている。もう何が起こっても怖くなくなった」
 イチローは開幕から胃の病気で欠場しながらも復帰してから安打を量産し、メジャー通算2000本安打もふくらはぎ痛から復帰後に軽く達成してしまった。
 解説者の与田剛氏は言う。「イチローはカメレオンですね。相手に合わせて自分をどうにでも変えられる。全世界で一番怖さを知っている男だと思うが、それを克服したのは、もう並の人間じゃないですよね」
 イチローは他の大リーガーたちの憧れ。今年のオールスター戦でも、ヤンキースのロドリゲスらスーパースターが教えを請いに来たほど。それに気軽に話し合うのがイチローの魅力でもある。
 最近では大リーグの野球殿堂入りもささやかれ始め、レッドソックスの主砲オルティスは「彼がもうプレーしないと決めるまでの間に殿堂入りは疑いのないものになっている」と語る。
 イチローの実績からすれば、「殿堂入りには大リーグで10年以上プレーする必要がある」という規約も関係ないか。イチローは今季9年目だが、今回の9年連続200安打が決め手となり、まず間違いなく殿堂入りとなる、といわれている。ここでもイチローは大リーグの歴史を変えることになるのか注目される。
 大リーグの奪三振王で知られる、あのノーラン・ライアン(現レンジャーズ社長)は「打つだけでなく守備もエキサイティングな選手。なんでもできる男で大リーグの歴史に残る偉大な選手だ」と絶賛する。
 「イチローはバットコントロールでも天才。100年に一人の大打者です」。ロッテ、バレンタイン監督の言葉が天才イチローのすべてといえる。

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ