マーリンズの外野陣は左翼がクリスチャン・イエリッチ、中堅がマーセル・オズナ、右翼がジャンカルロ・スタントンと若手3人でガッチリ固定されており、イチローはあくまでも“4番手外野手”の立場が明確にされての入団。しかも、ナ・リーグでは指名打者制がないとあって、出場機会が限られることは明らかだった。
主に代打、レギュラー外野手に休養を与える場合のスタメン起用に限定されていたイチローだが、ここにきて、事情が変わった。
正右翼手のスタントンが6月26日(日本時間27日)のドジャース戦で、左手の有鉤(ゆうこう)骨を骨折し、故障者リスト(DL)入り。さらに、正中堅手のオズナが打率.249と不振のため、7月5日(同6日)にマイナー降格。レギュラー外野手2人が離脱したことで、常時スタメンのチャンスが巡ってきたのだが、イチローも極度の不振でベンチスタートとなる機会も少なくないのだ。
イチローは6月19日(同20日)から34打席連続無安打。7月8日(同9日)に35打席ぶりの安打を放ったが、ここまでの今季成績(12日=同13日)は186打数47安打1本塁打11打点7盗塁、打率.253と“らしくない”もの。
このペースだと、メジャーで14年間続けてきた年間100安打も途切れてしまう可能性もあり、13年に記録した過去最低打率(.262)を更新しかねないのだ。
現在、メジャー通算2891安打のイチロー。石にかじりついても、3000安打は達成したいだろう。マーリンズとの契約は1年で、このままでは、来季の契約がおぼつかなくなる。イチローとしては、後半戦で巻き返して、なんとしても来季の大記録達成につなげたいところだ。
(落合一郎)