今季、153試合に出場しながら、398打数91安打で打率.229、1本塁打21打点11盗塁と、自己ワーストの成績に終わったイチロー。打率だけを見ると、昨季(ヤンキースに在籍)の.284から大きく数字を落としただけに、衰えを感じざるを得ない。来季、どこまでやれるかははなはだ疑問だ。
それでも、2017年シーズンもプレーを続けられるというのは、一体どういうことなのか?
イチローの契約は1年で、2017年は球団が選択権をもっている。その権利を行使するかどうかは球団次第。基本年俸は今季と同じ200万ドル(約2億4200万円)で、打席数に応じて出来高が付く。その内容は、250打席、300打席に到達した場合、それぞれ30万ドル(約3630万円)が支払われ、その後は、50打席ごとに40万ドル(約4840万円)が加算される。設定は600打席までで、最大で300万ドル(約3億6300万円)となる。出来高的には打率などの成績ではなく、あくまでも打席数が問われる点は、イチローにとっては好都合だ。
来季も、その立場が“4番手外野手”であることに変わりはないが、球団は正中堅手のマルセル・オズナ外野手(25)のトレードを画策しているというのだ。今季、打撃不振に陥って、マイナー落ちも経験したオズナは、打率.259、10本塁打、44打点の成績に終わった。昨季と比べると、打率(昨季=.269)は大差なかったが、本塁打は23本→10本、打点は85→44と激減した。オズナを放出することになれば、イチローの出番が今季より増えるのは確実。それに備えて、イチローの存在は重要なものとなる。
さらに、イチローの2017年の現役続行を決定的にする動きが起きているというのだ。「イチロー獲得を機に、マーリンズは日本進出を狙っています。ジャパンマネーに魅力を感じているのです。2017年には日本で開幕戦を開催するプランを温めており、来年1月か2月に、球団幹部が大挙して、日本市場視察のため、来日するようです」(某スポーツ紙記者)
当然のことながら、日本で公式戦を開催するとなると、イチローの存在なくしては考えられない。2017年に実現できるかどうかは、視察の結果によるが、“その日”が訪れるまで、イチローの現役続行は確定したようなものである。
(落合一郎)