スポーツ
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スポーツ 2016年10月13日 16時00分
巨人が人気挽回策でおねだり王子斎藤佑トレード獲得へ(1)
来季の補強ポイントは『実力』と『人気』−−。手っ取り早く、お客の呼べるスター選手を獲るにはトレードが近道。そこで、あの男の名前が再浮上した。 9月27日の観客動員数が2万5397人。東京ドームでの巨人主催ゲームでは史上初の3万人割れ。だが、チームスタッフはすでに覚悟していたようだった。 「前売りチケットの売れ行きがよくないと聞いていましたからね。原因はいくつか考えられます。広島の優勝が決まった後で、人気のない中日戦だったこと。また、タイトル争いに影響しない試合でもありました。首位打者争いを繰り広げている坂本勇人は出場しましたが、防御率、奪三振の二冠を狙う(当時)菅野智之の登板日でもなかった。ファンの興味を煽るような試合にならなかったのです」(関係者) 高橋由伸監督(41)に好感を持つファンは多い。今季から就任した新監督へのご祝儀ではないが、「優勝は逃したが、最後まで応援してやろう」というファン心理とはならなかったことも、巨人関係者にショックを与えた。 「オレンジ色のレプリカユニホームを配るなど、営業は必死の巻き返しを行っていましたが」(担当記者) 同時に、二つの課題が口にされた。一つは「やはり、優勝しなければダメ」というもの。もう一つは「客を呼べる選手がいない」だ。 「近年のチーム編成に影響してくる話です。巨人のドラフト戦略は『実力主義』で1位候補を絞り込んできました。その方針は間違っていないと今も思っていますが、他球団は甲子園スターや、その年の目玉選手をまず獲ってくる。特にパ・リーグの球団がそうでした」(前出・関係者) 今秋のドラフト候補は将来性はともかく、即戦力系の投手が少ないという。夏の甲子園大会でも、これといったスター選手は出現しておらず、早実の清宮幸太郎はまだ2年生だ。獲得リストに将来のスター候補選手が不在となり、そこで再浮上してきたのが、元甲子園スターで東京六大学の雄だった北海道日本ハムの斎藤佑樹(27)である。 「日ハムは大谷翔平と中田翔のチームとなりました。栗山英樹監督が就任した2011年オフ、フロントに求められたのは『斎藤と中田を一人前にしてくれ』というものでした。栗山監督は今も斎藤に目を掛けていますが、経営陣は今さら彼に一軍の先発ローテーションに入ってチームを牽引してくれとは思っていないでしょう」(ベテラン記者)
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スポーツ 2016年10月13日 12時50分
観戦チケット最高額は2000万円!? レスラー日高郁人の20周年特別記念興行「日高祭20」の仰天内容が発表に
2017年に格闘技生活20周年を迎えるプロレスラー日高郁人(プロレスリングZERO1所属)が、来年3月15日に東京・江東区の豊洲PITで、デビュー20周年特別記念興行「日高祭20」を開催することを発表した。20周年にちなんだ一大プロジェクトとなる興行では、メーンで日高が「20人掛けマッチ」に挑むほか、多彩なイベントやグッズが用意されているという。 日高は、1972年8月5日、島根県益田市生まれ。一度は就職したが、レスラーへの夢を諦めきれず上京し、アニマル浜口道場を経て96年4月に格闘探偵団バトラーツに入門。97年1月21日に船木勝一(現・FUNAKI)を相手にデビューしたプロレスラーだ。 6日、神奈川・横浜市の「トータルシアター」で行われた会見には、発起人の澤宗紀(元・バトラーツ)ほか、日高と親交のある電撃ネットワークの南部虎弾やパンクラスの伊藤崇文が出席。日高は、「ゴールと言ったらおかしいけど、よくここまでやったかな」と20周年を迎える心境を語った。 特別ゲストで登場した南部は、「3・15、これはサイコーなのか最後なのか。どうなるのか。電撃も参戦できるのか」とコメント。「今回は、できるだけリングには上がらないところで参戦したい」と笑わせた南部は、看板芸のひとつである禅パワーの「缶ビールを額にくっつける芸」で日高に祝福のビールを注ぐなどして会場を盛り上げる。 会見では前代未聞の発表も。おそらくプロレス史上最高額となる2000万円席(限定ペア1組2席)の発売だ。東京・町田市の土地付き一戸建て住宅か、埼玉・東武動物公園駅近くの3LDKマンションのいずれかが特典としてついてくるという仰天チケットとなる。「駅から迷わずに行ったら20分」(日高)と、これも20周年にちなんだ企画だという。「町田市で一戸建てが2000万円はあり得ない」という日高だが、新築なのか中古物件なのか…詳細は不明だ。 そのほかにも、200万円席は行き先不明の南国ツアー(限定ペア1組2席)、20万円席は、日高の出身地・島根ツアー(限定ペア5組10席)がプレゼントされる。また、大会に向けて20周年記念テーマソングの制作や、20歳前後の美女サポーター「日高ガールズ」を20人募集し、ラウンドガールなどでPR活動を展開するという。 メーンの「20人掛けマッチ」について聞かれた日高は、「藤田ミノルとの相方タッグで試合したいと言ったのに、なんで20人と試合になっているの?」と発起人の澤にかみつく。澤は「ご安心ください。ちゃんと藤田ミノルとの試合も用意しています」と応えた。これには、「知ってる? オレ44歳なんだよ。20人掛けは、戦いやすい相手でお願いしますよ!」と懇願する日高。どうやら本人には優しくない興行になりそうだ。 記念興行にいちはやく参戦の名乗りを挙げたのは、パンクラスの伊藤崇文。「よくここまできた。がんばってきたからこそ。なので素直に『おめでとう』と言わせてもらう。当日の試合も誰と当たるかわからないが、勝って日高を喜ばせたい」とコメント。「同い年の伊藤選手とは、大阪でプロレスラーを目指して練習していたときに出会った。一緒にトレーニングして切磋琢磨した仲」と説明する日高。記念興行に当たり同じ釜の飯を食った伊藤に一番に出てもらおうと団体の枠を越えたオファーとなったという。 「20年はひとつの目標だった。昔はちょっとでも動きが落ちたら引退するべきじゃないかなと思ったときもあったけど、40代半ばにして体力が全く落ちない。これは練習のたまものでしょう。21年目以降もいいコンディションでリングに上がり続けたい」と抱負を語る日高にとって、記念興行はひとつの通過点に過ぎないのかもしれない。なお、チケットは10月20日からe+(http://eplus.jp/scapture/)から発売予定だ。■オフィシャルHP http://hidakamatsuri20.wixsite.com/event*写真 20周年記念興行を発表した日高郁人(左から3人目)は南部虎弾に首を絞められ祝福された。左は伊藤崇文、右は澤宗紀
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スポーツ 2016年10月13日 06時00分
2016年ドラフト情報「即戦力か、将来性?」 スカウトの眼力が試される難解の年(東北楽天編)
補強ポイントは明白だ。則本昂大に次ぐ先発投手である。則本以外の先発の防御率は4点台、森雄大(2012年1位)、安樂智大(14年1位)がまだ主軸になりきれていない点から考えても、今年の1位は社会人・大学生投手と思われる。また、楽天は入札競合後のクジ運が強い。田中正義(22=創価大/右投右打)で勝負してくるのではないだろうか。 「外れ1位」の準備も必要だが、昨年、オコエ、吉持、茂木と上位3人で野手を指名した。「チーム(投手、野手の総人数)のバランス」をよく口にする球団でもあるので、外れ1位も「投手」と見て間違いないだろう。 「外れ1位」の可能性があるのは、創価大・池田隆英(22=右投右打)、白鴎大・中塚駿太(21=右投右打)、新潟医療福祉大・笠原祥太郎(21=左投左打)、明治大・星知弥(22=右投右打)、流通経済大・生田目翼(21=右投右打)。中塚、笠原を評価するチームは多いので、再抽選の可能性が高い。明大の星ではないだろうか。10月2日、長島哲郎スカウトが明大対法大での星の視察後、メディア陣にこうリップサービスしている。 「(星の)評価は済んでいる。どういう起用法が考えられるかの確認に来た」 星は宇都宮工高時代にすでに150キロをマークし、関東地区担当の各スカウトを唸らせている。長島スカウトが視察した法大戦だが、6回までは1四球と好投し、変化球も折り曲げながらのピッチングを演じた。スリークオーター気味で腕の振りが鋭く、どちらかといえば、「クローザーになりうるリリーフタイプ」として見る球団のほうが多かったが、同スカウトの「どんな使い方が」のコメントを鵜呑みにすれば、「先発投手も務まる」と判断したのではないだろうか。また、生田目だが、こちらも球速は150キロを越すが、昨秋に右肘を痛め、どの球団もワンランク評価を落としている。一時期、「就職」を口にしたこともあったそうだが、秋季リーグ戦で自信を取り戻したようである。 社会人投手で高く評価していたのが東京ガス・山岡泰輔(22=右投左打)。「完成された投手」と紹介されているが、「左肩が早く開かないようにと意識しすぎている」と、“欠点”を指摘するスカウト(他球団)もいた。しかし、ストレートは常時140キロ台。変化球でもストライクを確実に取れる投手だ。ドラフト直前になって、山岡の評価が高くならないのは、この他球団スカウトの言う“欠点”のせいだろうか。しかし、楽天内には「修正するのにさほど時間は掛からない。むしろ、伸びしろがある」と、プラス材料に捉える声もあるそうだ。 繰り返しになるが、楽天サイドから聞こえてくるのは「即戦力が欲しい」の声。過去のドラフトで見せつけた“クジ運の強さ”からも田中競合にいく可能性は高いが、「即戦力が欲しい」の言葉に「ナンバー1でなくてもいい。確実に」の意味合いも含んでいるとしたら、1位入札は“抽選必至の田中”ではなく、山岡とも予想できる。あくまでも10月上旬での情報だが、「カープは地元広島県の瀬戸内高出身でもある山岡ではなく、田中で行く」の話も飛び交っていた。東京ヤクルトも佐々木千隼(22=桜美林大/右投右打)で行くらしい。どの球団も「外れ1位リスト」に山岡が入っているのは間違いないが、田中回避の情報がある球団のなかで、「最初の入札は山岡で」の声は聞かれなかった。楽天が堅実路線に切り換えれば、山岡の一本釣りは可能だ。 また、楽天の現有戦力を見ると、若い野手も多いが、右バッターが少ない。「若い野手が多い=育成に時間が掛けられる」&「右バッター」で、九鬼隆平(18=秀岳館高/右投右打)を指名して来るのではないだろうか。九鬼の長打力は夏の甲子園大会でも証明されたが、センター中心に打ち返す『打撃の基本』ができている。「正捕手の嶋基宏が元気なうちに、後継者候補を獲っておこう」と考えるのなら、「打てる捕手・九鬼」は魅力的な素材だ。 今季はセンターラインを託せる若手が頭角を表したので、野手の補充は少なくて済む。投手中心の少数指名になりそうだ。
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スポーツ 2016年10月12日 16時00分
中日落合GM院政に主力選手が怒りのFA大量移籍
中日ドラゴンズが森繁和監督代行(61)の昇格を正式に発表した。次期指揮官候補とも伝えられた小笠原道大二軍監督(42)も続投である。 「谷繁元信監督を途中休養させ、現チームを構成した落合博満GM(62)への批判が強まってきました。落合カラーを一掃させるような根本的なチーム改革になるかどうかが注目されましたが、現状維持ですね。これは、もうひと波乱起こりますよ」(ベテラン記者) 今回の監督人事で、中日は落合院政の権限をさらに強めたと見るべきだろう。 球団創設80周年の今年は屈辱の最下位となった。反落合派に対し、ガス抜きで生え抜きOBをコーチに入閣させるなどの折衷案も予想されたが、それも「ない」という。気になるのは、今季、国内FA権を取得した大島洋平、平田良介の両外野手の去就だ。 「9月16日、白井文吾オーナーが2人に対し、FA宣言後の残留を認める発言をしましたが、20日に一変しています。『目利きに期待する』という言い方で、目利きとは落合GMのことでしょう。退団しても構わない、というニュアンスに聞こえました」(同) 森新監督は中南米に独自ルートを持っており、計算の立つ新外国人選手を連れてくるのは必至だ。トレードや他球団のFA選手の獲得も検討するだろうが、その前に長年チームを支えたベテランはバッサリ切られそうな雰囲気になってきた。 「岩瀬仁紀、荒木雅博、森野将彦とは来季も契約を結ぶ方針と報じられましたが、落合GM以外から出た情報なんです。白井オーナーの言った『目利き』には、3年後にこうなっているという落合GMの分析論も含まれていて、1、2年しか働けないベテランに高額年俸を出すべきではないとされています」(球団関係者) 荒木は通算2000本安打まで残り39本。和田一浩氏の例はあるが、目利きがチーム強化を優先すれば、記録達成のための慰留はない。 「興味深いのは岩瀬ですよ。岩瀬の去就に他の11球団が反応したと言っても過言ではありません。クローザーとして大車輪の活躍をしていた頃と比べれば衰えは隠せませんが、同じプロ野球選手が最高のクローザー、救援投手と認めているのは大魔神・佐々木主浩氏ではなく岩瀬です」(同) 岩瀬は「チームの戦力となることと、自分が現役を続けたいと思うのは別」と意味シンな発言もしていた。 「中日の控室は暗いんです。みんな、ひと言も喋りません。よく言えば大人のチームですが、二軍から昇格してきた若手が驚き、平田が気を利かせて話し掛けてやる程度」(前出・ベテラン記者) その平田が先頭に立って奮闘したものの、チームは勝てず、また、雰囲気も変わらなかった。 森新監督は自らを繋ぎ役と称したが、その先にいるのは落合GMに見込まれた小笠原二軍監督だ。目利きの前では功労者の思いは二の次。冷酷査定でFA大量移籍がありそうだ。
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スポーツ 2016年10月12日 12時27分
日本初上陸目前! クリフダイビングを初めて見た記者が感じた3つのこと
8階建てビルの高さの崖から生身でダイブするエクストリーム・スポーツ「レッドブル・クリフダイビング・ワールドシリーズ」が間もなく日本にやってくる。10月15日(土)、16日(日)に和歌山県白浜町の三段壁で日本初開催となる大会を目前に、前節ボスニア・ヘルツェゴビナ大会を現地で生観戦してきた記者が、初めて見たクリフダイビングの感想を紹介しよう。【競技というより気分はフェス】 クリフダイビングは単なる肝試しではない。ちゃんと国際審判がいて、オリンピックの高飛び込みと同じく演技の芸術点を競い合うスポーツなのだ。しかし、会場の雰囲気となるとだいぶ変わってくる。静まり返る会場で選手の着水をじっと見守るのがオリンピックだとしたら、クリフダイビングはアップテンポのBGMとDJのマイクパフォーマンスがガンガンに鳴り響くフランクな雰囲気の中で競技が行われる。 クリフダイビングではDJの紹介によって最高28メートル(女子は同21.5メートル)の飛び込み台にダイバーが登場する。台に上がった彼らは顔をこわばらせることもなく、みな白い歯をこぼしながら観客に手を振るサービス精神をみせる。格闘技のようにダイバーにはそれぞれの入場曲があるようで、ノリの良い南米出身のダイバーなどは音楽に合わせて飛び込み台の上で踊りだしてしまうほど。とにかく自由なのだ。そんなフランクな雰囲気だからギャラリーもとってもリラックスしている。Tシャツ、ジーパン、サングラスでビール(もちろんレッドブルでも)片手に命知らずの勇士たちの挑戦を見届ける。それがクリフダイビング観戦の楽しみ方だ。【ダイバーだって本音は怖い】 オリンピック競技の高飛び込みが10メートルの高さからプールに飛び込むのに対して、その三倍近い高さから海や川に飛び込むクリフダイビング。記者も飛び込み台に立たせてもらったが、8階建てビルに相当するその高さは恐怖としか言いようがなかった。足をピンと伸ばして立つことができず、身体が恐怖を覚えてか飛び込み台から降りても足の震えがしばらく止まらなかったほどだ。 飛び込み台では笑顔を振りまくダイバーたちも、本音は相当な恐怖を感じている。ボスニア・ヘルツェゴビナ大会で初日、女子の首位に立ったヤナ・ネスチャラバ(ベラルーシ)は率直な気持ちを明かしてくれた。「怖くないのかって? もちろん怖いわよ。だから着水までの動きをルーティンとして身体に染み込ませるため何度も練習するの」 一方、ベテランダイバーは精神を極限まで集中させることで恐怖心に打ち勝つ方法を知っている。クリフダイビングの第一人者であるオーランド・デュケ(コロンビア)はこう語る。「飛び込み台に上がったら、下に何万人の観客がいても俺はダイブのことしか考えない。自分自身のゾーンに入るんだ」【着水時の衝撃はものスゴイ】 28メートルもの高さから人が飛び込んだ時、着水時に身体が受ける衝撃の強さはオリンピック高飛び込みの約9倍にも達するという。ダイバーが着水する時には「ターンッ」という聞いたことのない衝撃音が鳴り響く。その独特の音は是非一度耳にしてほしい。 その衝撃を少しでも回避するため、ダイバーは身体をまっすぐに伸ばして水面に対して垂直に着水する。もしも、身体の角度が少しでもずれた場合、水から上がってきたダイバーの身体は真っ赤に腫れ上がる。デュケはその衝撃をこう例えてくれた。「時速85キロの車で壁に衝突したようなものかな。着水に失敗すると交通事故に遭ったような感じになるよ」 タイトルをほしいままにする「王者」ギャリー・ハント(英国)もこう語る。「最初のうちは失敗してアザだらけになったよ。でも、キックボクサーが何回も蹴られて強くなっていくように、何度も飛び込んでいくうちに僕らの身体は鍛えられていくんだ」 最後に、世界各地の断崖絶壁を制覇してきたハントに飛び込んでみたい場所を聞いた。「いつか南極の氷山からダイブしたい。もちろんその時はウエットスーツだけは着させてもらいたいけどね(笑)」 精神と肉体の限界に挑む、究極のエクストリーム・スポーツ「クリフダイビング」。15日から始まる日本大会では、無料の観戦エリアと有料の観戦用の船が運行されるほか、大会中の様子はRed Bull TV(http://www.redbull.tv/live/AP-1KNHPR8C11W11/red-bull-cliff-diving-world-series)とAbema TVで生中継される予定だ。【Red Bull Cliff Diving】http://www.redbullcliffdiving.com/ja_JP
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スポーツ 2016年10月12日 12時00分
2016年ドラフト情報「即戦力か、将来性?」 スカウトの眼力が試される難解の年(千葉ロッテ編)
「状況は変わっていない」(チーム関係者) このコメントを信じるとすれば、1位指名は「投手」である。何が変わっていないのかというと、千葉ロッテは8月15日にスカウト会議を行っている。夏の甲子園大会中ではあったが、大阪のチーム宿泊ホテルに主要スカウトが集まって指名候補を絞り込み、今後、密着調査を続けていく1位候補(数人)も決定したという。 「意識したわけではないが、指名候補をAランクとB、Cランクに分け直したら、前者はピッチャーが多くて」 こちらは8月15日のスカウト会議後、別の関係者がくれたコメント。「Aランクにピッチャーが多く残った」という、8月15日の会議から状況が“変わっていない”のならば、「1位入札=投手」だ。 大学、社会人で高く評価しているのは、創価大・田中正義(右投右打)、明治大・柳裕也(右投右打)、そして、九州産業大・高良一輝(右投右打)だ。田中は4年春のリーグ戦で故障も重なり、不本意な成績に終わっている。「高校時代もケガに泣かされた」なる情報が重なり、悲観的な声も聞かれたが、「悪いなりにまとめる力もある」と評価を変えなかった球団もある。 12球団スカウトが田中に惹き付けられるのは、まず、投球フォームが大きいこと。走者のいない場面ではゆっくりと左足を上げ、着地してからさらにもう一歩前にくるような感じを与えるほど、下半身で粘ってから投げ込んでいる。某スカウトがこう評する。 「(ボールを)リリースする瞬間と、その直前のボールを放つコンマ5秒前が好きなんだよ。ボールが右の人指し指、中指にくっついているみたいで」 俗に言う、「球持ちの良さ」というヤツだ。その天性のストレートに加えて、フォークボールも良い。ダイナミックなフォーム、球持ちの良い腕の振りで投げ込むから、ボールが落下軌道に入るとき、一瞬、止まったような錯覚を対戦打者に与える。これはフォークボールを決め球にしていた往年の野茂英雄、佐々木主浩両氏に通じるものがある。 この田中と柳、高良、高校生の寺島成輝(履正社/左投左打)、花咲徳栄・高橋昂也(左投左打)、横浜・藤平尚真(右投右打)、作新学院・今井達也(右投右打)の7投手がAランクに位置づけられている。他球団と代わり映えしないが、野手では小林敦スカウトがトヨタ自動車の遊撃手・源田壮亮(23=右投左打)を視察した(10月5日)。源田は愛知学院大を経て社会人入りし、1年目からレギュラーポジションを獲っている。守備力、強肩、50m走5秒台の俊足遊撃手だが、そのタイプの内野手というと、大学生の吉川尚輝(中京学院大/右投左打)、京田陽太(日大/右投左打)ばかりがクローズアップされてきた。その理由は、打撃力にある。源田はトヨタで9番バッターだ。しかし、千葉ロッテには小坂誠(日ハム二軍コーチ)のように「守備と足の選手」を指名し、成功させた実績もある。実は、千葉ロッテのスカウトが野手を見る際、独自の評価基準があるという。それは、「単なる守備固めの選手なのか、レギュラーを狙える選手なのか」を見極めるもので、源田のような「守備と足の選手」に対し、「代走、守備固めで途中出場しても、試合の流れを掴めるかどうか」を見るそうだ。『スカウトの眼力』『独特の嗅覚』なのだろう。小林スカウトは源田の視察後、「プロで通用すると思う」と各メディアに答えていた。単なるリップサービスでないとすれば、「途中出場でも試合の流れを掴める選手」という、千葉ロッテ独特の嗅覚に引っ掛かった選手と評価したのではないだろうか。 あまり表には出なかった源田を10月に入ってから再視察したということは、京田、吉川は指名できないと見ているのだろう。京田、吉川は上位指名で消える。これも、千葉ロッテは上位で投手を指名する根拠になるのだが、同時に、下位指名でも、一軍戦力になる内野手がほしいと見ているのだろう。 田中、柳、高良の大学生投手からの選択が有力だが、作新学院の今井にかなりホレ込んでいるとの情報も気になる。地元千葉の好投手、島孝明(東海大市原望洋高/右投右打)は150キロを投げ込む。スライダーのキレは高校生離れしており、他球団は将来性で高く評価している。4巡目あたりまで残っていれば、千葉ロッテはニンマリなのだが…。
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スポーツ 2016年10月11日 16時00分
友成那智 メジャーリーグ侍「007」 「イチロー」「青木宣親」「川崎宗則」の2017年
2008年に8人いたメジャーリーグの日本人野手は、現在、イチロー、青木宣親、川崎宗則だけになった。この3人もさまざまなマイナス要因を抱えているため、メジャーファンの中には来季、日本人野手が1人もいなくなるのではないかと危惧する向きもある。 この3人が来季もメジャーでプレーできる可能性はどの程度あるのだろうか?■イチロー:マーリンズ残留の可能性が高いが… マーリンズとの契約では、'17年に関しては球団が、(1)年俸200万ドル(2億円)で再契約(2)違約金(推定40万ドル=4000万円)を支払って契約見送り という二つの選択肢から選べることになっている。 今季、イチローは終盤息切れしたとはいえ8割以上の試合に出場。打撃成績は打率2割9分0厘、出塁率3割5分4厘(9月27日時点、以下同)と見事なものだ。守備範囲の広さや肩の強さも健在で、本人も50歳までやる気構えでいる。 メジャーでは高年齢の選手は冷遇されるため、どんな名選手でも野手の場合、40歳を超えると現役を続けるのが困難になるケースが多い。だが、マーリンズだけは、若いレギュラー陣の中に実績のあるベテランを1人組み入れて「お手本」「相談役」として活用する方針を取っているので、高年齢も大きな支障にはならない。 そのため、地元メディアや米国のスポーツメディアは、マーリンズが「年俸200万ドルで契約する」というオプションを選択する可能性が高いと予測している。 しかし、残留が100%確実というわけではない。 考えられるリスク要因の一つは、マーリンズが4人目の外野手を「お手本になるベテラン」から「パワーヒッター」に転換する可能性があることだ。マーリンズは今季後半、得点力がワーストレベルまで低下。ベクトルを大きく変える可能性は十分にある。 もう一つのリスク要因は、9月25日に大エース、ホセ・フェルナンデスがモーターボート事故で急逝したことだ。 フェルナンデスはチームでただ1人、大きな勝ち越しを見込める投手だったため、マ軍は今オフ、その代わりとなる投手の獲得が至上命令になっている。それに加え、マ軍は故障の多い主砲スタントンをトレードで放出したがっていると伝えられており、オフに大掛かりなトレードが複数敢行される可能性がある。そうなった場合、イチローは「4人目の外野手」という立場であるため、弾き出される可能性がある。■青木宣親:4人目の外野手として他球団と契約か マリナーズのディポートGMは青木を残留させる気がないようだ。契約には「今季480打席をクリアすれば、'17年は年俸550万ドルで再契約」という条項があり、普通に使われていれば9月上旬には自動的に再契約となっていたはずだ。しかし、同GMの青木への評価は低く、6月下旬からひと月ほどマイナー落ちさせただけでなく、メジャー復帰後は好調だったにもかかわらず8月27日から10日間、再度マイナー落ちさせて、480打席をクリアできないようにした。 そのためマリナーズ残留の可能性は遠のいている。しかも、メジャーでは30代半ばになった野手は冷遇され、傑出した数字を出している者以外はレギュラーの座を維持できなくなる。青木は今季、シーズン前半は打率2割4分5厘でメジャー平均を下回ったが、後半は快調にヒットを放って打率は2割7分3厘、出塁率は3割3分9厘だ。これは「中の上」レベルの数字であり、30歳ならレギュラーの座を十分維持できる。 しかし、35歳ではそれが難しくなる(青木は来季35歳)。守備力もやや低下しているので、青木には4人目の外野手として他球団と契約する道しか残されていないように見える。 だが、ニーズがないわけではない。青木の最大のウリは、高い出塁率を期待できることと、三振が非常に少ないことだ。毎年「中の上」レベルの打率を出せることも大きな長所だ。 そのため「低コストで雇える出塁率の高い外野手」を補強したいチームが200〜300万ドル(2億〜3億円)の年俸で獲得に乗り出す可能性が高い。想定される球団はアスレチックス、レイズ、ホワイトソックスなどだが、古巣ブリュワーズも若手が伸び悩んでおり、出塁率の高いベテランの獲得が急務になっている。オファーがあれば、青木は多少年俸が安くてもこちらを選択するのではないだろうか。■川崎宗則:内野陣が若い弱体球団とマイナー契約 川崎は今季メジャーでの出場機会が激減し、シーズンの大半を3Aでプレーした。そうなった最大の要因は、カブスというメジャーで最も内野陣が充実したチームと契約したことにある。来季も米国でのプレーを望むなら、内野の陣容が手薄で、セカンドかショートにルーキーが抜擢されている球団と契約すべきだろう。1点が欲しい場面で役に立つ、小技のうまいユーティリティーを欲しいチームもある。狙い目はエンジェルス、ホワイトソックス、レイズ、ブレーブスあたりだ。ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2016年10月11日 12時02分
2016年ドラフト情報「即戦力か、将来性?」 スカウトの眼力が試される難解の年(埼玉西武編)
昨年は大量8人の投手を指名したが、関係者から聞こえてくるのは「投手陣の再建」。菊池雄星はプロ初の2ケタ勝利となったが(12勝)、シーズンを通してローテーションを守りきった投手はゼロ。シーズン後半から出てきたドライチの多和田真三郎は7勝。「来季はもっと勝てる」だろうが、主軸になる先発投手がもう一人ほしい。西武サイドから「競合覚悟」の声はまだ聞こえてこないが(10月9日時点)、ナンバー1と評しているのが、創価大・田中正義(22=右投右打)。地元埼玉県の高橋昂也(花咲徳栄/左投左打)は無視できないはずだが、「小野泰己、中塚駿太、黒木優太もマークしている」とのこと。大学生を熱心に見ているとする情報に基づけば、1位指名は即戦力ということになる。 小野泰己(富士大/右投右打)は150キロを越すストレートをテンポよく投げ込んでくる。ただ、北九州市の折尾愛真高出身なので、ソフトバンクのスカウトが当時からマークしていたとされ、広島も熱心に足を運んでいた。「広島はストレートの速い先発を欲している」との情報もあり、田中競合の抽選クジに外れたとき、2回目の入札で一本釣りということにはならないかもしれない。東京新大学野球連盟で田中と張り合い、下半身の強さと天性のバネを見せつけた生田目翼(22=流通経済大/右投右打)の名前もチラついていた。 「内野手の補強も考えている。辻監督(発彦=57)になるので、(内野手の)指名優先順位が少し変わった」(関係者談) 辻新監督は細かい野球を目指す。80年代の黄金期を彷彿させるものだが、イニング、対戦投手の状態、相手内野手の特徴、配球を読んで打席に立てる選手を育てていく。近年は各選手の長所を生かす野球になっていたが、辻新監督が注文を出すとすれば、レギュラーを固定できなかった遊撃手の見直し、中村剛也、浅村栄斗を脅かすだけの守備センスを兼ね備えた内野手の獲得だろう。指名順位が繰り上がりそうなのが、白鴎大・大山悠輔(21=右投右打)。三塁手、今夏の日米大学野球で4番も務めた打撃力はもちろんだが、ショートとセカンドも守れる。サード、ショートには肩の強さが求められる。セカンドには「小さいモーションで送球する技術」も必要だ。その両方を持った内野手で長距離砲、しかも、投内連携プレーも巧い。「黄金期の西武野球」に付いて行ける“野球頭脳”もあり、力ではなく、フォロースイングで打球をスタンドまで運んでいた。 『機動力』の点では、中京学院大・吉川尚輝(21=右投左打)だろう。吉川と京田陽太(22=日大/右投左打)の両大型遊撃手を比較する際、吉川を指してよく言われるのが「守備、スチールのスピード」。京田も俊足だが、吉川は打球を追うスピード、捕ってから投げるモーションも速い。堅実性では京田と言われているが、「魅せる」で吉川を推すスカウトのほうが多かった。 大阪ガス・峰下智弘(24=右投左打)にも熱視線を送っていた。打撃はコツコツと当ててくるタイプで、2ストライク後も自分のスイングができ、かつファールで粘る高等技術も持っている。峰下のポジションは主に二塁。「辻好み」と言える堅実プレーヤーだ。 田中の陰に隠れていたが、創価大の二番手投手・池田隆英(22=右投右打)を評価するスカウトは少なくない。西武も高く評価しており、「彼に足りないのは実績だけ」との声も聞かれた。名古屋経済大の中尾輝(22=左投左打)は空振りの奪えるスピードボールを持つ。腕の振りも鋭く、菊池以外に左の主な先発投手がいないだけに「西武がよく見ていた」の情報には頷けるものがある。高橋昂也の指名にこだわる声もたしかにあったが、「田中で行く」と最終判断が下された場合、3〜5位で中尾の名前が呼ばれそうだ。
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スポーツ 2016年10月10日 14時00分
プロレス解体新書 ROUND21 〈最強を懸けた神宮決戦〉 高田延彦vsS・ベイダーの大一番
UWFインターナショナル(以下Uインター)の旗揚げ以降、高田延彦は“最強”を自称して、時に周囲へ喧嘩を吹っ掛けながらも次々と難敵を退けてきた。その集大成といえるのが、1993年12月5日に行われた真冬の神宮決戦。前WCW世界王者スーパー・ベイダーとの一戦であった。 '91年に旗揚げされたUインターは当初、UWFファンと従来のプロレスを支持するファンのいずれにとっても、ちょっと困った存在であった。 「その頃のファンの認識としては“プロレスとUWFは別物”であったが、UインターはUWFと冠しながらも“プロレス最強”を掲げていた。このためUインターを『どっちつかずのコウモリ団体』とする声は、少なからずありました」(プロレスライター) ルールにおいてはロストポイント制などUWFを継承しながら、最高顧問に旧来プロレスの象徴であるルー・テーズを招き、試合ではダブルバウトと称するタッグマッチまで行った。 「スポーツ性を志向したUWFと原点回帰を目指したUインター。アプローチは異なるものの、プロレスがショービジネス化していく過程で染み付いた、欺瞞性を排除しようという志は同じ。しかし、それは今になって分かることであり、“UWFはプロレスと別物のリアルファイト(真剣勝負)”という見方が強かった当時は、なかなか理解されませんでした」(同) Uインター代表となった高田延彦の存在も、団体の評価を曖昧なものにする一因となった。 「UWFでは前田日明を越えることのない万年二番手で、むしろ船木誠勝ら若手の勢いに押されているようなイメージもあった。また、前田が常にメディアを通じて自らの思想信条を語っていたのに比べて、高田の本音が表に出る機会は少なく、そのためUインター旗揚げの意図もよく伝わらなかった」(同) 広報役の宮戸優光が、いくら「プロレスこそ最強」と豪語したところで、それが高田の真意なのか、宮戸の独断なのかがファンからすると判然としない。同時期に新団体を興した前田や大仁田厚のような強烈な個性を欠くこともあり、いまひとつファンにアピールできずにいた。 そこでUインターの取った手段が、“ビッグネームの招聘”だった。とにかく名前の通った大物選手を倒すことで、高田=最強を実証していこう、というわけである。 モハメド・アリを倒したボクシング元WBCヘビー級王者のトレバー・バービック、元WWF王者のボブ・バックランドにアイアン・シーク、新日本プロレスの常連外国人でソ連旋風を起こしたサルマン・ハシミコフ、柔道五輪銅メダリストで影の実力者ともいわれたバッドニュース・アレン…。 「とにかく名のある選手を手当たり次第に招聘する一方で、新日に参戦経験のあるゲーリー・オブライトをエース格にまで育てたり、のちのUFC王者ダン・スバーンを初来日させたりもしています」(スポーツ紙記者) そんな中で団体への風向きを変えるヒットとなったのが、'92年10月23日の北尾光司戦だ。前年にSWSのリング上で、ジョン・テンタを「八百長野郎」呼ばわりして解雇された北尾は、いわばプロレス界の仇敵。これを相手にハイキック一閃KO勝利したことで、高田の株は急騰する。 その勢いのまま'93年12月5日には、現役WCW王者ビッグバン・ベイダーの招聘を決定する(同名義の権利は新日にあったためリングネームはスーパー・ベイダー)。テーズゆかりのプロレスリング世界ヘビー級王座を保持する高田と、当時、WWFと並ぶメジャータイトルWCW王者のベイダー。一騎打ちの舞台となったのは、プロレス興行初となる神宮球場だった。 「真冬に屋外興行とはまったく観戦には不向きですが、つまりはそのくらいの大会場を埋めなければ、ペイしないほど高額のファイトマネーをベイダーに払ったということ。当日のアリーナは椅子を並べただけ。場内に設置した大型ビジョンはカラーでなく白黒と、節約していたのもそのためでしょう」(同) 集まった観衆は4万人超。ベイダーは参戦決定後、ロン・シモンズに敗れて王座を陥落していたが、新日参戦時の強さは記憶に新しい。 そして、いざ試合になればその巨体で圧力をかけ、左右の腕を荒々しく振るうベイダーハンマーで、高田をダウン4回、エスケープ4回まで追い込んだ。 通常のUインタールールならすでにKO負けだが、特別ルールによりその規定はなく、これに救われた高田はローキックに活路を見出す。そうして10分を過ぎた頃には形勢逆転し、ついにはベイダーの右腕を取って腕ひしぎ逆十字固めを極めた。 14分23秒、ベイダーからギブアップを奪い高田が最強を証明した瞬間、会場は真冬の寒さを吹き飛ばす熱気に包まれたのであった。旗揚げ当初のUインターをいぶかしがる目は、もはやそこにはなかった。 「高田はのちに自著で、この試合について“試合直前になってベイダーが負けブックを拒否した”と語っています。しかし、そのとき高田は“ならばシュートで”と迫ったという。そんなある意味で命懸けの覚悟を持って試合に臨んでいたことが、ようやく観客にも伝わったということではなかったでしょうか」(プロレスライター)
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スポーツ 2016年10月10日 09時00分
2016年ドラフト情報「即戦力か、将来性?」 スカウトの眼力が試される難解の年(中日編)
落合博満GMが強い影響力を持ち続けるとしたら、田中正義(創価大/右投右打)ではなく、1位指名は柳裕也(明治大/右投右打)ではないだろうか。柳は日米大学野球でMVPにも選ばれている。その柳を落合GMが熱心に視察しているとの“目撃談”がよく聞かれた。柳は奪三振数の多い投手だ。4年春、72回3分1を投げ、奪三振数は87。「最速150キロ」と紹介する野球誌もあったが、実際にスタンドで観てみると、ストレートは常に130キロ台後半で、6、7割の力で投げていた。力を温存しているので腕の振りも早くないが、カーブ、スライダーなどの変化球の「曲がり」は大きい。そして、変化球の比率も高い。ストレート「3」に対し、変化球「7」。ストレートは主に対戦バッターの外角へ外すときに使っていた。 また、奪三振数は多いというと、「対バッター」の一対一の勝負をイメージするかもしれないが、そうではない。早大時代に奪三振の記録を塗り替えた和田毅とも違う。和田のストレートはスピードガンで計測された球速よりも、対戦バッターが体感でもっと速く感じるといった雰囲気だった。しかし、柳は走者を置いた場面では牽制球を何度も挟み、それからバッターに投じる。バットに当てられてもフェアゾーンに飛ばない、内外角のコーナーギリギリのところに投げ、ファールでストライクカウントを稼いでいた。打ち損じの内野ゴロで併殺を取りたいとする配球で、結果的に三振も奪っているといったピッチングだった。長所としてもう一つ。投手育成に定評のある横浜高校の出身だからだろう。牽制球、フィールディングも巧い。投手として、「スゴイ」のは田中正義かもしれないが、柳には「巧い」という印象を受けた。 その柳を落合GMが何度も視察したと聞く。昨年のドラフト会議では落合GMが今永昇太(駒大−DeNA)を推したが、県岐阜商・高橋純平(ソフトバンク)に対する「お膝元だから獲らなければ」の他の意見に圧倒されたという。「落合GMの意見が絶対ではない」とするドラフト選考劇だったが、中日の補強ポイントは投手だけではない。投打の20代前半の選手層が薄く、即戦力投手も欲しいが、高校生も獲らなければならない。しかし、信憑性の高いある情報ルートから出た話によると、「今年は5、6人しか指名しない」と言う。『即戦力投手』と『将来性の高校生』の両方を補充するとしたら、まさに少数精鋭。それとも、どちらか一方に偏重しての戦略になるのか? その二択だろう(10月7日時点)。 桜美林大・佐々木千隼(右投右打)、白鴎大・中塚駿太(右投右打)、東芝・谷岡竜平(20=右投右打)、大阪ガス・酒居知史(23=右投右打)を高評価しているとの情報もある。佐々木はサイドスローに近いスリークォーターだが、「スピード、キレよりも球質の重さが持ち味」と評するスカウトが多い。中塚は体重100?を越す巨漢であり、球質も重い。谷岡、酒居もストレートで勝負できる。中日は力のあるストレートの投げられる右投手を狙っているようだ。 高校生も指名するとしたら、他球団は「寺島成輝(履正社/左投左打)、夏の甲子園で評価を上げた今井達也(作新学院/右投右打)、藤平尚真(横浜高校)だろう」と予想していた。高校生投手に対する評価は他チームと代わり映えしない。ただ、「捕手の九鬼隆平(秀岳館高)のもとには足繁く通っていた」との情報もある。肩の強さは折り紙付き。高校生ナンバー1捕手の呼び声も高いが、「センター中心に素直に打ち返す打撃スタイルが良い。打球も力強い」と話すチーム関係者もいた。「打者」としての潜在能力も評価しているのだろう。 創価大・田中に入札が集中した場合、「外れ1位」で今井、藤平らが消える可能性は高い。中日は2位指名のウェーバー制で2番目。柳を一本釣りできたとしても、高評価した高校生投手が残っていないだろう。おそらく、社会人投手を2位指名するだろうが、 「九州熊本の高校生なので、ソフトバンクも九鬼をマークしている。巨人、西武、広島、楽天、DeNAも…」 との声も聞かれた。3位の指名は上位チームからになる。3位指名11番目の中日にまわってくるまで、九鬼は残っていないかもしれない。「打者・九鬼」を将来のクリーンアップ候補として見ているのならば、即戦力投手の指名を一人減らす覚悟も必要だ。
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