新日本
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スポーツ 2018年06月05日 21時45分
新日本、内藤哲也も思わず「長いよ!」ジェリコが今度は3分半のビデオメッセージ!
新日本プロレス『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア25』最終戦▽4日 後楽園ホール 観衆 1,740人(札止め) 6.9『DOMINION』大阪城ホール大会で、内藤哲也が持つIWGPインターコンチネンタル王座に挑戦する“プロレス界のイニエスタ”ことクリス・ジェリコ。先月22日の後楽園ホール大会に続いて、この日の内藤の試合後、ジェリコからのビデオメッセージが場内のスクリーンに流された。 「ナイトーサン(拍手)。オマエのインタビューを見た。素晴らしい出来だった。とても格好良かったぞ。まるで昔の大物俳優みたいだ。髪も完璧で筋肉も大きく見えた。バッチリ決まっていたな」 こんなくだりから始まった今回のビデオメッセージを、内藤は前回と同様にリング上で寝転びながら見ていた。しかし、なかなか終わる気配がない。ジェリコは、内藤の十八番を奪うかのように、ゆっくりとマイペースに語り尽くした。ジェリコの一人語りは、前回より1分長い3分30秒に及んだ。 普段は「トランキーロ!焦んなよ!」と言いながら相手を焦らせてきた内藤だが、ビデオメッセージが終わると同時にしびれを切らしたのか、「いや〜、クリス・ジェリコさぁ…長いよ!」と嘆いた。インタビュースペースでも「一言で表すなら、長いよ」とぼやいた内藤は「後楽園ホールへご来場くださったお客様もみんな思ったんじゃない?世界的なスーパースターなんでしょ?なら、もうちょっと空気を読んだほうがいいよ。コンパクトに伝えたいことをまとめたほうがいいよ。これは俺からのアドバイスだ」と苦言を呈した。ただ、これはジェリコなりの駆け引きのような気がしてならない。 長いビデオメッセージの中でジェリコは「後楽園と福岡でもオマエにヒントを与えた」とした上で、「『なんでジェリコは俺を狙っているんだ?』と、オマエは繰り返し聞いていたな。それはオマエが新日本の主役だからだ。だからこそ、あそこ(今年の1.4東京ドーム大会)でオカダに負けるべきではなかった。IWGPヘビー級王者になるべきだった。しかし、オマエは失敗した」と内藤に“ダメ出し”した。 「そこで俺の出番だ」と話すジェリコは「新日本の主役として有名になりたいんだろ?俺が助けてやると言っているんだ。このクソバカが。これで分かったか?クリス・ジェリコがオマエをスターにしてやる。俺と闘えば、誰もが有名人になれる。たとえ結果がどうなろうと、オマエの名は確実に世界に知れ渡る。オマエが負けるのは確実だがな」と、内藤をスターにするために内藤を標的にしたと語った。この言い草は理解に苦しむが…。 ジェリコの話に対し、内藤は「彼はメッセージで言ってたね?俺と絡めば誰でも有名人になれると。もう内藤の名前は世界に知れ渡ったと彼は言ってたね。じゃあ、俺はそれでもういいかな」と肩をすくめる。「だって、クリス・ジェリコってピークを過ぎた選手でしょ?レスラーとしてハッキリ言ってなんの魅力も感じないよ。魅力を感じるとしたら彼の知名度ぐらいかな?でも、彼と対戦が決まっただけでそれをクリアしてしまったんなら、対戦する必要ないじゃん」とまで言い切った。メッセージを交わすだけで目的は達成されたのであれば、試合をする必要はないと示唆した。 しかし、内藤はジェリコが最後に放った言葉が気に障ったようだ。ジェリコは「トランキーロでな、ナイトー。スター気取りのナイトーよ。6月10日の朝、オマエは目を覚ましてこう思う。『いったいどうなった?俺はどこで間違えた?』ナイトーよ、俺を怒らせてしまったからだ」と勝利を宣言。「まあ、とにかくそれは置いておいて。今は飲もう(酒をグラスに注ぐ)。俺からナイトーに。カンパイ!ナイトーサン!」と締めていた。 内藤はジェリコの態度が気に入らないよう。「リング上で聞いててちょっと気持ちは変わったかな」と、やはり試合に臨む意向を示した。「あの自信満々の表情、いったい大阪城ホールの試合後どうなっているのか?苦痛に歪むのか、それとも内藤哲也に敗れて悔しがる顔なのか?いったい彼がどんな表情を見せてくれるのか。いや、楽しみだねえ。それをモチベーションに大阪城ホール、俺はリングに立ちますよ」とキッパリ。内藤にしては珍しく前向きなコメントを残した。 内藤にとってジェリコはやっかいな相手かもしれない。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを結成し、現在のキャラクター、ファイトスタイルになってからは自分のペースを握ることができていない。それに、1.4東京ドーム大会でジェリコはケニー・オメガに敗れたが、ジェリコの商品価値はむしろ上昇しているのだ。 内藤はジェリコの存在を完全に消し去る必要がある。そうでなければ試合に勝ったとしても、内藤よりもジェリコの評価が上がる危険性が高い。内藤は大きなリスクを背負っているのだ。ただジェリコを相手に完封勝利を収めれば、世界的な知名度も上がり、スターになれるチャンスでもある。 両者は2度の乱闘と、2回のビデオメッセージで前哨戦を終えた。大阪城ホールでの戦いはもうすぐだ。取材・文 / どら増田写真 / 舩橋諄
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スポーツ 2018年06月05日 21時15分
「これが俺たちのスーパーJr.だ!」高橋ヒロムがヘビー級に負けない死闘を制し初優勝!
新日本プロレス『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア25』最終戦▽4日 後楽園ホール 観衆 1,740人(札止め) 「みんな見たか?テレビの前のみんなも見たか?ヘビー級のみんなも見たか?そして、(テレビ解説の)ライガーさん!アンタも見ただろ!これが俺たちのスーパーJr.だ!」 Aブロック1位の“ボーン・ソルジャー”石森太二との34分01秒にわたる死闘を制した高橋ヒロムがベスト・オブ・ザ・スーパージュニア初優勝を決めた。高橋はリング上で心の底から絶叫した。 スーパーJr.出場全16選手がリーグ戦を闘い抜いてきた。各選手はみな「ヘビー級に負けたくない」「G1(クライマックス)よりスーパーJr.の方が面白いと言わせてみせる」などなど、ヘビー級を意識した発言をしている。 スーパーJr.の代名詞的な存在だった獣神サンダー・ライガーが昨年の大会をもって卒業。今年のライガーは解説する側に回り、実況席から各試合をアツく解説してスーパーJr.を盛り上げた。そういう意味ではIWGPジュニアヘビー級の絶対王者になりつつあるウィル・オスプレイを中心に、高橋ヒロム、マーティー・スカル、エル・デスペラードら新世代が一気に台頭した今年のスーパーJr.は新時代に突入したと言える。 ヒロムも「(ライガーの不参加を受けて)だからこそ取りたかったよね」とライガーを意識していたことを明かした。「“元”新日本プロレスのジュニアの象徴の獣神サンダー・ライガーがいない今、象徴になるのは、この俺だ。新日本プロレスのジュニア、いや、新日本プロレスの新しい象徴が、この高橋ヒロムだ、間違いない」と試合後にハッキリと言い切っている。 優勝決定戦の試合は、現在の新日ジュニアが持ち得る、スピード、テクニック、そしてパワーの全てがぶつかり合った。ヘビー級にも決して引けを取らない死闘で、最後の最後まで全く勝敗が読めない。あまりの激闘ぶりに、後楽園ホールの温度は最後まで上がりっぱなし。ファンも汗をぬぐいながら声援を送っていたのが印象的だった。 優勝したヒロムは素晴らしかったが、ヒロムの攻撃にしっかりと対応していた石森も“あっぱれ”だった。公式戦ではオスプレイと同点に並んだが直接対決では勝っており、決勝進出のチャンスをつかんだ。 石森は試合後、インタビュースペースで倒れ込みながら受け答えしていたが、目は死んでいなかった。「もっと!もっと!もっと!もっと!」とヒロムのように叫ぶと「限界を超えた闘いしようじゃねえかよ。ヒロム!これからも楽しもうぜ!It’s reborn!」とヒロムにメッセージを送り、若手に肩を借りながら控室へ入っていった。 ヒロムの挑戦表明をオスプレイが受諾したため、6.9大阪城ホール大会ではオスプレイ対ヒロムのIWGPジュニア王座戦が決定している。この勝敗に関係なく、石森にはタイトル挑戦のチャンスが遅かれ早かれやってくるだろう。 「5年前の今日、ここで語ったこと、今でも覚えてるよ。俺の夢は、IWGPジュニアを巻き、ジュニアとしてヘビーのベルトを巻き、そして!ゴールデンタイムで試合をすることだ!俺は何も変わってない!俺はあのときのままだ!俺は! だから、もっと!もっと!もっと!もっと!もっと!もっと!もっと!みんなで!楽しもうぜー!」 ヒロムが最後に叫ぶと、尾崎リングアナのコールとともにキャノン砲が放たれ、大量のテープが天から降り注いだ。 ヒロムは「IWGPヘビー級王者に勝てると思うまで日本には帰らない」と帰国を先延ばしにしていた経緯がある(スポット凱旋を除く)。IWGPジュニア王座とIWGPヘビー級王座を同時に戴冠した選手は、両タイトルの長い歴史の中で1人もいない。 ヒロムは地上波のゴールデンタイムに新日本プロレスの中継を復活させることも公約に入れている。この日、ヒロムが手首に巻いていたテーピングには「夢」という文字があった。夢のハードルは高い方が、実現したときの達成感は大きい。 アクシデントで盟友の内藤哲也に“壊された”スーパーJr.の優勝トロフィーを修復させたヒロムは「今年のスーパーJr.を忘れないために」と、来年のスーパーJr.までトロフィーと一緒に入場すると誓った。今までの優勝者がしていなかった取り組み。来年のスーパーJr.の規模を拡大させるためにも効果がありそうだ。 ライガー不在のスーパーJr.は高橋ヒロムが引っ張っていく。▼ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア25優勝決定戦(時間無制限1本勝負)○<Bブロック1位>高橋ヒロム(34分01秒 体固め)石森太二<Aブロック1位>●※TIME BOMB取材・文 / どら増田写真 / 舩橋諄
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スポーツ 2018年06月04日 16時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「スーパー・ストロング・マシン」情感豊かな戦慄の殺人魔神
無機質なマスク姿でありながら、見る者の心を揺さぶるいくつもの名場面を生み出したスーパー・ストロング・マシン。 マスクの下から聞こえてくる「ギギギ…ガガガ…」の機械音(初出は東京スポーツ)をファンは一生忘れない。 来る6月19日、新日本プロレス後楽園ホール大会において、スーパー・ストロング・マシンの引退セレモニーが予定されている。 実質ラストマッチとなった2014年4月以降はリングを離れていたが、道場で若手に稽古をつけるなどして新日を支え続けてきた。 素顔の平田淳嗣(旧名・淳二)として'78年5月に入門してから40年。途中1年ほど全日本プロレスへの参戦やWARへのレンタル移籍もあったが、それを差し引いてもこれだけ長きにわたり新日に仕えたレスラーは“マシン(平田)”をおいて他にいない。 主力選手が代替わりをし、経営母体までもが替わっていく中にあって、なぜマシンはリストラされることもなく活躍し続けることができたのか。 「まずはその性格のよさでしょう。明るく温厚で、マスクを脱いだ平田のことを悪く言う声は、先輩・後輩を問わず一度も聞いたことがない。さらに加えるならばそのギミックの優秀さでしょう」(スポーツ紙記者) マスクのデザイン自体はシンプルだが、だからこそ汎用性に富む。 新日において2号、3号に始まりジャイアント・マシン(アンドレ・ザ・ジャイアント)やスーパー・マシン(マスクド・スーパースター)と増殖し、他団体でもPRIDEでのサク・マシン(桜庭和志の入場時コスチューム)、スーパー・ササダンゴ・マシン(DDTのマッスル坂井)など、多種多様な模倣キャラが登場している。 また、本家のマシンにしても、その時々のアングルに合わせてスーパー・ラブ・マシン、スーパー・ストロング魔神などと名乗ってきた。 当初の企画は「キン肉マン」であったが(版権問題でお蔵入り)、それでは逆にイメージが固定されてしまって、ここまで長く愛されるキャラクターに育ったのか、疑問符がつく。 「平田が凱旋帰国したときは、すでに完成していたキン肉マンのマスクをかぶり、それをタオルで隠して登場したのですが、これを先導したのがマネージャー役の将軍KYワカマツ。つまり、悪役としての参戦予定だったわけで、原作での正義の超人キャラとの違いもあって、さほど人気が出なかったかもしれない」(同) 初登場からいきなり、アントニオ猪木とのシングル戦を組まれたマシン(このときの名称はザ・ストロング・マシーン)。 その後は長州力の維新軍やUWF勢の離脱もあって、ワカマツ配下のマシン軍団はヒール側の主役を張ることになる。新日正規軍との対戦が一通り終わると、次にマシン軍団の仲間割れアングルが組まれたが、そんな中で日本プロレス史上に残る“迷セリフ”が飛び出した。 藤波辰爾が乱入したワカマツに襲われ、それをマシンが救出すると、藤波はマイクを握り締めて「おまえ、平田だろ!?」と、言い放ったのだ。 「プロレス雑誌を定期購読するようなファンの間では、マシンの正体が平田だということは当時から知られていた。しかし、そうは言いながら、ほとんどのファンは素顔時代の平田を知らないので、いきなり『平田だろ』と言われても、どこかしっくりこないんですね」(プロレスライター) 藤波としてはマシンを正規軍に誘う意図から発した言葉であろうが、説明不足のマイクだけでは、そこのところもハッキリしない。 何もかもがモヤモヤとしたままで、結局、マシンは正規軍入りするわけでもなく、どっちつかずの立ち位置となってしまった。 「マスクをかぶっていながらどこか感情がうかがえるというのが、マシン最大の特徴ではなかったか。思えばマシン軍団時代も好き勝手にふるまうワカマツと、技量に劣る他の軍団員たちの間で右往左往しており、まるで中間管理職のような役回りでした」(同) '94年にヒールターンした蝶野正洋を誘ってタッグを組んだときも、蝶野から罵声を浴びせられ、唾をひっかけられるその姿はマスク越しにも悲壮感が溢れていた(SGタッグリーグ決勝戦、仲間割れからの敗戦後に『しょっぱい試合ですみません』と呻吟したのは、マスクを脱ぎ捨てた後のことであったが…)。 「無機質なマスク姿でありながら情感豊かな表現ができたのは、やはりその人柄があってこそ。もし素顔のままだったら“涙のカリスマ”というニックネームが、大仁田厚より似合っていたかもしれない」(同) ずっと素顔のままであったならば、入門時にドン荒川が“三浦友和似”と称したそのルックスも、きっと今以上にあか抜けたものになっていた可能性が高い。 そんなマシン(平田)の繰り広げる大仁田顔負けの“人情プロレス”とは、いったいどんなものになっていただろうか。スーパー・ストロング・マシン平田淳嗣(ひらた・じゅんじ)1956年12月20日、神奈川県出身。身長183㎝、体重115㎏。得意技/魔神風車固め、ダイビング・ヘッドバット文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年06月02日 21時30分
日大広報にも見習って欲しい!RIZIN、榊原信行実行本部長は会見のスペシャリスト
レスリングの至学館大学、アメフトの日本大学など、グダグダな釈明会見が最近、メディアをにぎわせている。テレビ番組から送られたリポーターは、できるだけ自分が質問した場面をオンエアで流す必要がある。だから同じ質問を繰り返し、質問する権利が与えられた際に番組名を付けてから名乗るのだが、この光景は少し前であれば見られなかったものだ。 これでは中身がないまま会見が長引くのも当然だ。日大では、会見を止めた広報に批判が集中しているが、内田正人前監督が政治家のように「私からは以上です」と切り上げることがなければ、あの会見は朝まで続いていたかもしれない。なぜなら、あの時の内田前監督に自身の悪事を認める気はなかったからだ。日頃からマスコミと良好な関係を築いていれば、あそこまでの修羅場になることはない。 先日、総合格闘技イベントRIZINの記者会見に行ってきた。お目当てはこの日に発表されるという7.29『RIZIN.11』さいたまスーパーアリーナ大会の第1弾カードだ。ただ、個人的にはRIZINのトップである榊原信行実行委員長のコメントを得ることや、会見終了後に榊原委員長の囲み会見に参加することも楽しみだった。 榊原実行委員長は、前身のPRIDE時代から会見後の囲み取材に応えてくれ、マスコミの全ての質問に対して、ていねいかつ素直に話してくれた。マスコミにとってはありがたい存在としてファンの間でも知られていた。PRIDE時代より若干まろやかになった印象はあるが、真摯に対応する姿はRIZINになってからも変わらない。 「みなさんも疲れたでしょう。来年からは見直します」 昨年の大晦日の大会終了後のことだ。榊原実行委員長は12月29、31日に2日間開催していた大会を見直すと明言し、翌日の一夜明け会見で「決定した」と伝えた。また29日に登場する予定だったギャビ・ガルシアが計量オーバーする失態を犯しカードが消滅した際も、榊原委員長は会見でていねいに謝罪していた。 興行時間の長いと批判があった昨年4月の横浜アリーナ大会では指摘を真摯に受け止め、「判定勝ちを狙うあまり、消極的な試合があった」と指摘。「そういう選手はRIZINでやらなくてもいい」とまで断言している。 デリケートな質問にしっかり答えるだけではなく、ちょっとしたリップサービスが飛び出すこともしばしばあるので、RIZINは囲み取材だけでも記事のネタには困らないのだ。当然、RIZINにも広報はいる。笹原圭一広報はPRIDE時代から榊原実行委員長の脇を固め、絶妙なタイミングで「よろしいですか?」で囲み会見を止めてくる。笹原広報の「よろしいですか?」の後に出る質問は1つだけ、もしくはないことが多い。それだけ囲み会見の満足度が高いということだろう。 新日本プロレスを買収してからの数年間の木谷高明オーナーも良かった。木谷オーナーは朝の会議に出席する前にSNSでファンとやり取りしていた。先日、木谷オーナーは「軌道に乗った今、僕が話すことはない」と現在は積極的に発言するつもりはないとしているが、いずれにせよスポークスマンの存在は大きいものだ。「世間を相手にしている」との意識が強いRIZINや新日本は、スポークスマンが実権を握り、適切に会見をコントロールしているのだ。 私はプロ野球の球団広報とも接する機会が多いが、どの球団の広報も選手を守りながら、マスコミと友好的な関係を築くことができるよう努めている。どんなに良好な関係性を築いても、「是々非々」の「非」の声が飛んでくることはある。それでも「名広報」はしっかりと受け止めてくれるのだ。 一連の大学の会見を見て強く感じたのは「広報力」のなさだった。RIZINの会見は質疑応答がていねいな分、時間は長くなる。ただ「広報力」は高い。広報に悩む会社や団体、学校関係者にはぜひ見てもらいたい。【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.11】写真 / 萩原孝之
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スポーツ 2018年05月28日 18時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「川田利明」独自の価値観を示したデンジャラスK
全日本プロレス四天王の一角として、極限の闘いを繰り広げてきた川田利明。新日本プロレスからハッスルまで、対外試合においても“名勝負製造機”と称されるほど、いくつものドラマを見せてくれた。 1990年代の全日本を支えた川田は、当時、トップの証しである三冠ヘビー級王座を3度(三沢光晴らノア勢分裂後を含めると計5度)獲得している。しかし、故障などから長期政権を築くには至らず、小橋建太戦での引き分け防衛があったのみ。 白星での防衛成功となると、最初の戴冠からおよそ9年後、武藤敬司社長体制下の2003年に、5度目の三冠王者として迎えたドン・フライとの一戦まで待たねばならない。なお、その後は天龍源一郎や橋本真也らを相手に計10度の防衛を重ね、これは現時点における三冠王座の歴代最多防衛記録となっている。 「川田による一連の三冠防衛ロードは、四天王時代と比べてファンからの注目度は下がっていたものの、見応えのある試合が多かった。中でも、最初のフライ戦は格闘色が濃かったために、当時の全日ファンから批判的な声も上がりましたが、川田の持ち味がいかんなく発揮された好勝負だったと思います」(プロレス記者) その前年にPRIDEで行われた高山善廣とフライの死闘がベースにあったのか、顔面パンチの応酬とサブミッションの攻防が繰り広げられる中、最後は川田が渾身のストレッチ・プラムで、レフェリーストップ勝ちを収めている。 川田による格闘系の試合ということでは、'97年に全日のリングで行われた最初の高山戦も、半分ガチンコの“不穏試合”と一部では噂されている。 UWFインターナショナル、キングダムを経てフリーとなり、全日に参戦した高山に対して、川田の方から「最初の10分はキングダムスタイルで来い」と伝えたといわれ、その結果、掌打やヒザ蹴り、サブミッションで川田が一方的にやられる展開となった。 「最後は言わゆる本来のプロレスに戻って、格上の川田が勝利を収めましたが、格闘スタイルだとやはり普段から稽古している高山に一日の長があった。手足の長さからして全然違うのだから、打撃では勝負にならないのは当然のことです。ただ試合開始早々、あごにカウンターの掌打をくらって実質KOされていながら、それでも心を折らずにアマレス流のタックルで反撃を試みた川田のファイティングスピリットも相当なものだ、と言えるのではないでしょうか」(同) そんな川田が、'04年に旗揚げされたファイティングオペラ『ハッスル』への参戦を決めたことに、驚かされたファンもきっと多いことだろう。 無骨にして寡黙、四天王時代にはマイクアピールすらめったにすることのなかった川田が、マイクどころか幕間の寸劇にまで登場し、インリン様と闘い、江頭2:50を相手に「もの申す!」と本家さながらのパフォーマンスを繰り広げた。 もちろん「そんな川田は見たくない」「川田は金で魂を売った」と、批判的な声も聞かれたが、当時、経営難にあった全日ではファイトマネーの遅延もあり、ハッスル参戦において金銭面の動機も確かに大きかっただろう。 しかし、一方で「川田は全日時代からリングを下りると、饒舌で陽気だった」との評もあり、お笑い好きでダチョウ倶楽部ら芸人との交流もあったという。 つまり、全日における求道者的ふるまいも、ハッスルでのエンターテインメントも、川田にとっては“自己演出”という点で、同質のものだったわけである。 それが証拠に、前述のインリン戦は'05年7月15日に行われたが、その3日後にはノアの東京ドーム大会のメインイベントで、5年ぶりとなる三沢戦に臨んでいる。のちに川田自身がインタビューで「インリン戦が終わるまで三沢戦に集中できなかった」と語っており、つまり川田の中ではインリン戦も三沢戦も、等しく“大一番”であったのだ。 川田の性格的な部分を指して「変人」「自分勝手」とする声は、近い関係者からも聞かれるところである。三沢が全日を離脱する際、川田を誘わなかった原因の一つに「全日副社長だった川田が、会社運営や若手の指導に関わろうとしなかったことがある」という話も、妙に説得力がある。 しかし、社会人としては不適格者なのかもしれないが、他を顧みずに一意専心した結果が、“名勝負製造機”とまで称されたプロレスを作り出したのだろう。 「三沢さんがリング禍で亡くなったことで、プロレスへの情熱を失った」という川田は、居酒屋経営に専心しているが、今では別人のように筋肉が落ちてしまった。だが、これは全盛時のパンプアップされた体が、人並み外れた鍛錬によって作られていた証拠だとも言えよう。 川田のキャラクターや肉体は、絶え間ない努力と試行錯誤の末に生み出されたものであり、その意味においては、四天王プロレスもハッスルも大きく異なりはしないのだ。川田利明(かわだ・としあき)1963年12月8日生まれ。栃木県出身。身長183㎝、体重105㎏。得意技/パワーボム、ジャンピング・ハイキック、ストレッチ・プラム
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スポーツ 2018年05月27日 21時40分
プロレス界のイニエスタ、クリス・ジェリコが内藤哲也から“10度目”のIC王座奪還予告
今年の新日本プロレス1.4東京ドーム大会にクリス・ジェリコが参戦することが明らかになったときのプロレス界の反応は大きかった。こんなことを書くとサッカーのファンに怒られてしまうかもしれないが、サッカー・スペイン代表でバルセロナから日本のヴィッセル神戸に完全移籍したアンドレス・イニエスタと同じくらいの衝撃とインパクトがあったように思う。 ジェリコは契約上、フリーではあるが現在でもWWEのスーパースターリストに名を連ねる。新日本に出場した後もWWEマットに大物レジェンドとして上がっている。イニエスタは34歳でまだまだ働ける時期。今年48歳を迎えるジェリコはベテランではあるが、年商600億企業のWWEで活躍を続けているだけに、ジャンルは違えどスター性ではイニエスタに決して劣っていない。プロレスファンとして、そう勝ち誇っておく。 ジェリコは5.4福岡国際センター大会で内藤哲也を客席から急襲した。6.9大阪城ホール大会で新日本マットに再登場することが決定したジェリコは22日にも姿を現した。この日は後楽園ホールで『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア25』が開催されていたが、内藤哲也のタッグマッチが終わると、場内が暗転。場内のスクリーンに上半身裸で自撮りをしているジェリコが映し出された。 ジェリコは「ナイトーサン、俺に対するコメントを読んでオマエの気持ちはよく分かった。オマエが新日本、そしてプロレス界の主役なのは認めてやる。だが、俺に言わせれば……このマヌケな亀だ」と内藤を酷評した。 ジェリコは「マヌケな亀はクリス・ジェリコというスーパースターを目にして全く動けずショックを隠せなかった。オマエに群がってるバカなファンどもと同じリアクションだ。オマエを叩き潰してインターコンチのベルトを奪ってやる。ベルトは必要ないんだろ? 俺はトランキーロではいられない。6月9日、『DOMINION』で俺のヤバさをオマエに教えてやる」と宣言した。 「6カ月間、クソ生意気なオマエを潰すチャンスを待ちわびていたぜ」と対戦が待ちきれない様子のジェリコ。「ロス・インゴベルナブレス・デハポンなどクズの集まりだ。俺が10度目のインターコンチネンタル王座に輝く」とジェリコはほくそ笑んだ。「オマエは俺よりも優れたレスラーだと言ってたな?そのとおり、オマエが新日本の“主役”で間違いない。だが、ポッと出てはすぐに消えていく、他のクソレスラーどもと何も違わない。俺はクリス・ジェリコ“アルファ”だ。世界最高のスターだ」と勝ち誇った。 「だから日本まで、オマエを潰しに行ってやったんだ。ミスター・メインイベントさん。オマエは何年かかっても俺のようなスターにはなれない。だが、俺のおかげでオマエも晴れて有名人だ。俺のおかげで名前が売れただろ。そして『DOMINION』で俺に潰されてもっと有名になれるぞ」とジェリコは不気味に笑った。 「インターコンチのベルトを俺によこせ。バカな日本人にはもったいない。ベルトの価値を高めてやるぜ。ナイトー、分かったか?余計なことを言わなければよかったと後悔させてやる。6月9日『DOMINION』を楽しみにしてるぜ。F●●K FACE!」…そう一気にまくし立てると映像が終わり、場内に明かりが戻った。 ジェリコの映像を寝転がりながら見ていた内藤は、大の内藤コールに包まれる中、マイクを握ると「暗転するもんだから、てっきり襲撃に来るのかと思ったぜ」ととぼけた。だが、ジェリコから漂う大物感を誰よりも楽しんでいたのは内藤本人だった。 内藤は「まあ、彼もオクパード、忙しいんだろうね。こんなちっぽけなメッセージを送ってくるほうも送ってくる方だけど、流すほうも流す方なんじゃないの?」と肩をすくめる。「だって、今はジュニアの祭典、『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』の真っただ中だぜ?」とジュニアヘビー級の選手に配慮。そして「クリス・ジェリコ、そしてこのVTRを流した新日本プロレス、こんなときこそまさに、トランキーロ!あっせんなよ!カプロン!」と場を締めてみせた。 バックステージでも「大阪城ホールが大事なのは分かるけど、ここで流すのは…」と苦言を呈しつつ「彼の口からベルトというのが出てきた。彼がほしいって言うんだったらじゃあ、懸けようよ。懸ける意味はあるね」とタイトル戦を正式に受諾した。 ジェリコは10度目のインターコンチ(IC)王座の奪還を予告していた。WWEが管轄しているIC王座を9度も戴冠しており、WWEと新日本をスレスレなところでリンクさせ、内藤の気持ちをグッと引き寄せたあたりはさすがである。 自由人と知られるジェリコなだけに、6.9大阪城大会の内藤戦の勝敗にかかわらず、6月29、30日に両国国技館で開催されるWWE日本公演にも“いつものように”登場することも十分考えられる。“プロレス界のイニエスタ”クリス・ジェリコは常に“おいしい”場所を探りながら、スーパースターの道を歩み続けている。【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.10】写真 / 萩原孝弘
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スポーツ 2018年05月25日 21時40分
まさに直輸入!中邑真輔はAJとWWE王座2連戦!WWE日本公演第1弾カード決定。
世界最大のプロレス団体WWEは、6月29、30日に東京・両国国技館で開催する『WWE Live JAPAN』日本公演の“第一弾”カードを発表した。◎6月29日 東京・両国国技館▼WWE王座戦AJスタイルズ 対 中邑真輔▼フェイタル4ウェイ形式スマックダウンタッグ王座戦ブラジオン・ブラザーズ 対 ウーソーズ 対 ルーク・ギャローズ&カール・アンダーソン 対 ルセフ・デイ▼スマックダウン女子王座戦カーメラ 対 シャーロット・フレアー▼シングルマッチダニエル・ブライアン 対 ビック・キャス▼タッグマッチニューデイ 対 ザ・バー▼6人タッグマッチアスカ&ベッキー・リンチ&ナオミ 対 アイコニック&ラナ▼シングルマッチシン・カラ 対 アンドラデ“シエン”アルマス(w/ゼリーナ・ベガ)▼その他の出場予定選手ザ・ミズ、サモア・ジョー◎6月30日 東京・両国国技館▼フェイタル4ウェイ形式WWE王座戦AJスタイルズ 対 中邑真輔 対 ダニエル・ブライアン 対 サモア・ジョー▼トリプルスレット形式スマックダウン女子王座戦カーメラ 対 アスカ 対 シャーロット・フレアー▼フェイタル4ウェイ形式スマックダウンタッグ王座戦ブラジオン・ブラザーズ 対 ニューデイ 対 ルーク・ギャローズ&カール・アンダーソン 対 ザ・バー▼タッグマッチウーソーズ 対 ルセフ・デイ▼シングルマッチシン・カラ 対 ザ・ミズ▼2対3ハンディキャップ戦アイコニック&ラナ 対 アスカ&ベッキー・リンチ&ナオミ▼その他の出場予定選手ビック・キャス、アンドラデ“シエン”アルマス(w/ゼリーナ・ベガ) 今回の来日メンバーはスマックダウンに所属しているスーパースターが中心だが、日本公演直前の日本時間6月18日にはPPV『マネー・イン・ザ・バンク』(MITB)が控えている。正式なカードはMITBや、日本公演までに行われるスマックダウンの結果、内容によって変わる。また、参戦選手の変更や追加選手もあるだろう。WWEの日本公演は試合順を当日発表にしている。当日のカード変更もお約束だ。今回は中邑真輔、AJ、ギャローズ&アンダーソンなど新日本プロレスで活躍した選手が多数出場するのに加えて、女子スーパースター、アスカの凱旋も決定している。 今回発表されたカードでやはり注目を集めるのは、AJスタイルズと中邑真輔の対戦だ。2人は2016年に新日本プロレス1.4東京ドーム大会で対戦し、直後にWWEに移籍した。今年4月にはプロレス界最大のビッグイベント『レッスルマニア』でWWE王座戦を行うほどのプレミアムカードになった。日本での対戦は約2年半ぶりだ。 初日はシングルで、2日目はダニエル・ブライアン、サモア・ジョーを加え、4WAYでWWE王座戦を行う。AJと中邑はMITBで“4度目”の対戦をするが、試合の形式はラストマンスタンディングマッチに決定している。そこで中邑が勝てば王者として凱旋することになる。 またアスカも2日目にカーメラ、シャーロット・フレアーとの3WAYでスマックダウン女子王座に挑戦することが発表された。レッスルマニアで好勝負を演じたシャーロットとのハイレベルな攻防を生で見てみたい。 好カードが発表されたことで、順調に売れていたチケットは完売に向かって一気に走り出すのは必至。ニューヨークの風が今年も初夏のスモー・アリーナに吹き荒れる。取材・文 / どら増田写真提供 / ©2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.
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スポーツ 2018年05月25日 21時10分
スーパージュニアの功労者、リコシェはNXT王者になれるか?カイリはレイシーに完敗
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間24日、ファームブランド『NXT』を世界配信した。 先週、ラーズ・サリバンの乱入でNXT王座次期挑戦権を逃すという最悪の展開を迎えた“ハイフライヤー”リコシェとベルベティーン・ドリームの2人。ライバルながらも今回の件については“被害者同士”だ。利害が一致した2人はタッグを組み、サリバンと2対1のハンディキャップマッチに臨んだ。 試合は、まずドリームがサリバンの動きを封じ、リコシェはスワンダイブ式ミサイルキック、さらにダブルスーパーキック&ダブルフォールと放った。2人は連携したチームワークを見せ、全く不安を感じさせなかった。ファンも2人を声援で後押しした。 2人は、パワーに勝る巨体のサリバンに少しずつダメージを与えていく。勝機と見たのかドリームがクロスボディアタック、リコシェが450スプラッシュと立て続けに大技をサリバンに決めて、リコシェはフィニッシュホールドを狙った。 しかし、なんと最後の最後にドリームがリコシェにローリングデスバレードライバーを炸裂させた。“味方”を裏切ったドリームは「くたばれ」と放送禁止用語を言い放ち、KO状態のリコシェをリングに残してリングを後にした。 残されたリコシェに余力はなかった。サリバンはリコシェにフリーク・アクシデントを食らわせて3カウント。ドリームの裏切り劇により、リコシェ&ドリームは敗戦した。 今後、リコシェとドリームの因縁が深まるのは必至だ。サリバンに勝利をプレゼントする形となった2人の関係も気になるところだが、新日本プロレス時代に『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア21』(2014年)で優勝を果たし、新日ジュニアの知名度アップにも貢献したリコシェには、NXT王者を奪取して日本公演に凱旋してもらいたい。 NXTの日本人女子スーパースター“海賊姫”カイリ・セインは、因縁のレイシー・エバンスと対戦。カイリはいきなりドロップキックで先制すると、「海賊なめんなよ」と気持ちを前面に押し出していく。 カイリは場外に逃げたレイシーに追い打ちのカブキエルボーを炸裂させるなど、試合のペースを握っていた。しかしカイリがトップロープからの攻撃を繰り出すと、レイシーのカウンターパンチが絵に描いたようにクリーンヒット。これがフィニッシュとなり、レイシーがカイリからフォール勝ちを収めた。カイリがNXT女子王者になるために、レイシーは勝たなければならない相手。そろそろ結果がほしいところだろう。文 / どら増田写真提供 / ©2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.
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スポーツ 2018年05月24日 06時45分
ヒデオ・イタミが戸澤陽との日本人対決を制し、ノア時代以来のヒール転向か?
世界最大のプロレス団体WWEは日本時間23日、軽量級ブランド『205 Live』を世界配信した。 先週の放送で、ブライアン・ケンドリック&ジャック・ギャラハーと対戦した際、仲間割れしてしまったヒデオ・イタミと戸澤陽の「オリエンタルコンビ」。ファンは仲間割れの原因がヒデオにあると判断したのか、ヒデオに大きな「ノーリスペクト」コールを浴びせていた。 仲間割れを受けて、今週はヒデオと戸澤の日本人対決がメインイベントに据えられた。2人が現在の205 Liveに欠かせないスーパースターであることがうかがえる。試合前にヒデオは「戸澤はもともと好きじゃないし、何で俺にパートナーが必要なんだ?」とタッグ結成に不満を抱いていたことを明らかにした。戸澤は「ヒデオはレジェンドだから尊敬していたが、ヒデオは俺に対してリスペクトがない」と不信感をあらわにした。 試合は、現在新日本プロレスで開催されている『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』をほうふつとさせる一進一退の好勝負に。ヒデオがコーナートップから豪快にファルコンアローを決めれば、戸澤はヒデオにトペ・スイシーダを決める。しかし、セントーンを狙った戸澤を寸前でかわしたヒデオは、顔面めがけて串刺しドロップキック2発を決めると、最後はドラゴンスリーパーの体勢からヒザを叩き込んで3カウント。ヒデオが戸澤との日本人対決を制した。 ヒデオはファンから冷たい声を受けたからか、ふてぶてしい表情を浮かべながら戸澤を痛めつける場面もあった。今後は本格的にヒールの道を歩み始めるのではないだろうか。プロレスリング・ノアに所属していたKENTA時代は、反体制派のヒールユニット、ノー・マーシーのリーダーを務めていた。ヒールに対する免疫もあるだろう。WWEでは3年後輩の中邑真輔も活躍している。ヒデオにはかなりの刺激、危機感があるはずだ。 ヒデオは2014年7月のWWE大阪公演(舞洲アリーナ)のリング上で、あのハルク・ホーガンが立ち会いのもとWWEの契約書にサインした。入団時のVIP度は中邑よりもヒデオのほうがはるかに上だった。ヒデオがヒール転向となれば戸澤にとっても自身の明るいキャラクターをよりアピールするチャンスになる。今回の日本人対決は数年後に振り返ったとき、大きなターニングポイントになるかもしれない。文 / どら増田写真提供 / ©2018 WWE, Inc. All Rights Reserved.
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スポーツ 2018年05月23日 21時40分
KUSHIDAが指折りに苦戦も連覇を誓う!新日本スーパージュニアの熱は地方大会へ
新日本プロレス『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア25』▽22日 後楽園ホール 観衆 1,720人(満員)優勝候補筆頭と言われながら初戦を落とした前年度覇者のKUSHIDAと、マーティー・スカルの2人が早くも2戦目で激突した。この試合を落とせば優勝戦線から早くも後退してしまうだけに、どちらにとっても負けられないカードである。 後から入場したKUSHIDAが身に着けているドッグタグをいつものように客席に投げ入れると、スカルが回収し、KUSHIDAとちょっとした追いかけっこ状態に。場内は試合前からKUSHIDAコールにスカルの怪鳥ポーズの鳴き声が交互に飛び交っており、これに2人も“乗っかる”形となった。これで試合開始のゴングが鳴るまで少し時間がかかった。 試合は、格闘技系のサブミッションにトリッキーな動きを主体とするKUSHIDAと、ヘビー級相手にも通用するパワーとテクニック、そして指折りをはじめとした関節技を持つスカルが好勝負を繰り広げた。2人はお互いの領域に踏み入れながらも、隙あらば自分のペースに持ち込もうと駆け引きを繰り返した。 スカルは実況席で解説を務めていた獣神サンダー・ライガーにアピールしてからロメロ・スペシャルにトライ。ファンのハートを掴んだ。3度目はロコモーション式でロメロ・スペシャルを披露してみせた。そんなスカルに対して、KUSHIDAはトップロープからアームホイップで投げながら腕ひしぎ逆十字固めを決めるなど、KUSHIDAならではの立体的な関節技を披露して対抗していく。 トップロープからの攻撃にこだわるKUSHIDAは、トップロープでアームロックを狙うが、指を1本ずつ外して脱出したスカルは「ポキッ」と指折り。悶絶の表情を浮かべながらリングに落ちたKUSHIDAだが、起き上がるとスカルに飛びついて雪崩式DDTを放った。再びアームロックを決めようとしたが、指折りのダメージでロックできずに断念した。しかしKUSHIDAは気合いを入れ直すと、スカルの左腕にキック。そして一気にバックトゥザフューチャーで畳み掛けカウント3。KUSHIDAが接戦を制した。一方のスカルは2連敗を喫した。 指を気にしながらインタビュールームに現れたKUSHIDAは「マーティ・スカル、恐るべし」とスカルの強さを称賛。続けて「やっと1勝目。Aブロックの公式戦も全部見てますよ。オスプレイの充実ぶり、ACHの躍動感。Bブロックだってもちろん、SHOがあんなに盛り上げてたから、ふざけんな、負けてらんねぇと」と他試合から刺激を受けた様子だ。 「なかなか後楽園の中日は席が埋まらない。KUSHIDA対ボビー・フィッシュ、KUSHIDA対アレックス・コズロフをやったこともあった。だけどようやく完売になって、ここから地方都市。全部タイトルマッチ級、決勝戦級の試合をする所存です」と一戦一戦に全力を尽くすと誓う。「2連覇。もう1回俺は、あの決勝戦の空気を味わいたい」と優勝宣言した。 KUSHIDAが言う通り、この日の大会ではSHOがクリス・セイビンに金星とも言える勝利を収めている。試合後のインタビュールームでSHOは「この公式戦、今決まっている試合は俺はメインイベント0試合だよ。メインはねえんだよ」と恨み節。「でも優勝決定戦、まだメインイベント決まってねえだろう?奇跡を起こしてやる。最後にマイクで俺がずっと前から言いたかったことを言ってやる」とまくし立てた。 新日本プロレスは6月3日、A・B両ブロックの公式戦最終戦(後楽園大会)は得点状況を見て試合順を決定する予定。翌4日の後楽園大会で開催する決勝戦はメインイベントとすると発表している。 今年のスーパージュニアは、両ブロックともに2試合を終えた時点で、近年の中で最も高い熱量を見せてくれている。地方のファンもきっと「来年も行こう」と思える闘いが見られるはずだ。取材・文 / どら増田写真 / 垪和さえ
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