最後の前哨戦となった2日のG1タッグリーグ準決勝では一進一退の攻防を展開。数十発ものビンタ合戦を繰り広げるなど、感情むき出しのファイトを見せた。ただ、両者が感情的になるのは当然のこと。タイトルマッチ決定後から舌戦バトルがぼっ発しているからだ。
きっかけは後藤から「オレは棚橋みたいに『愛してまーす』なんてクサイこと言えませんね」と試合後のパフォーマンスにケチをつけられたことにさかのぼる。イデオロギーの違いとはいえ、黄色い声援を背にする棚橋にとってみれば、後輩の後藤から口上についてダメ出しされるというのは腹立たしいことこの上ない。
棚橋が若武者をあざ笑う。「そもそも愛とはクサイもの。まあ、彼はまだプロってものが分かってないんじゃないんですかね」。恋愛の酸(す)いも甘いもかみ分け、波乱万丈な人生をたどってきた棚橋からしてみれば、後藤はまだまだ産毛の生えた子供同然なのだ。
「そんな後藤クンには、ゴトー、つまり510発くらいの攻撃でタイトルマッチの厳しさを教えてあげないといけませんね。愛のムチですよ」。余裕に満ちた棚橋はタイトルマッチ初挑戦の後藤に愛の洗礼を浴びせることを決め込んでいる。