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2014年センバツ特集(1) 『進学校健闘』が高校野球の歴史を変える!?

 ホームベースを挟んで両チームが整列し、『礼』をし、試合開始となる。どんな残酷なサヨナラ負けを喫しても、両チームは再び整列し、お互いの健闘を讃え合う…。『礼』に始まって、『礼』に終わる。これが“日本独自の光景”であることはあまり知られていない。プロ野球はともかく、学生野球はもちろん、市井の小さな少年野球チームでも必ず整列し、『礼』をする。レクリエーションの草野球も同様だ。むしろ、整列しない方がおかしいと思う野球ファンも多いのではないだろうか。
 この日本独自のセレモニーは、全国高校野球連盟(以下=高野連)が発祥なのである。

 高校球児による全国大会。その歴史は大正4年(1915年)、全国中等学校野球大会の名称で幕を開けた。大学野球の人気を高めた東京六大学が始まったのが大正14年、プロ野球がスタートしたのは昭和9年。今日の日本の野球界の隆盛は「高校野球の全国大会」によるものと言ってもいいだろう。
 しかし、初の全国大会が開催される約4年前の明治44年8月、東京朝日新聞は『野球とその害毒』なる連載を22回に渡って掲載している。そこには、「選手の虚栄心を扇動せんと…」「学生が学問を放擲(ほうてき)することを是認することはできない」などの過激な言動が記されていた。
 一般的に、野球は不良のやるスポーツと誤解されていたという。
 こうした偏見と戦い、全国大会を開催するまで尽力したのが、高野連組織の礎を築いた人たちである。しかし、「不良のやるスポーツ」なる誤解をとくため、彼らが用いたのが「野球は教育の一環になる」という見解だった。たしかに、野球には犠打、犠飛などの自己犠牲があり、「個人成績よりもチームの勝利」が強く求められる(=精神論)も多い。そのゲームの特性に全国大会開催への大義名分として『教育』が加わり、野球の本場・アメリカにはない『試合前後の礼式』が“採用”されたのだ。“ホールゲームのレクリエーション”に『武道の流儀』が加えられたとも言えるだろう。

 今春のセンバツ大会には、『21世紀枠』として、スポーツ活動にはさほど力を入れていない進学校も選ばれている。放課後の彼らの練習時間は1時間ほど。いかに効率良く練習するかを考え、1人1人が学問に取り組むように『野球技術の向上策』を研究してきたという。一方で、野球が好きで、甲子園出場を目標にひたすら努力してきた球児たちの高校もある。野球強豪校と進学校の両方の健闘が見られるのも、センバツ大会の特徴だ。
 相手チームの健闘を讃える仕来りは間違っていない。『学生野球の未来』はどんなふうに変わっていくのだろうか。(『日本高校野球連盟三十年史』参考/スポーツライター・飯山満)

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